aituに乾杯

aituに乾杯

2017.07.19
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カテゴリ: 写文俳句


道端に覗かせてゐる盛夏かな


みちばたにのぞかせているせいかかな





生前の父は
家の中でどこにいるかすぐにわかる人だった
別に風邪をひいているわけでもないのに
時折 コホンと咳払いをした

今に思うと
それは本人の居場所をわざとみんなに
知らしめているような所もあって
トイレなど
こちらがノックをする前に
父の咳がしたものだ

その咳が
家の中のどこでも聞かれなくなったのが
一番淋しいと 残された母はよく言っていた

毎年 
お盆になり棚経の坊さまも帰って
皆が足のしびれなどさすっていると
玄関の方から
コホンと
父の咳払いが聞こえてくるような気がする







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最終更新日  2017.07.19 23:58:32
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