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11月に行いました日本オーストリー飲み比べ会のワインも今回で最後。もちろん、前回が日本のツヴァイゲルトでしたので、オーストリーのツヴァイゲルトになります。ツヴァイゲルト2016。生産者はハインリッヒです。ノイジードラーゼーのワイナリーという事で、赤ワインにも強く、個人的にも以前ピノ・ノワールなどを飲み好印象を持っていたワイナリーです。以前は、樽をしっかりかけた濃厚なスタイルのワインを造っていましたが、その後バランス型にシフト、ビオディナミなども導入しています。価格は、こちらも3500円程度。色は赤黒いですが、紫感は無くガーネットっぽさが出ている感じ。香りは、黒ベリーやダークチェリー、カシス、プラムといった色の濃いフルーツ感が感じられますが、開けて直ぐは馬小屋系の雰囲気が、結構明確に感じられました。それが落ち着いてきますと、フルーツ感がよりはっきり出てきて、ブルーベリーや赤ベリーのジャム、ドライフルーツといった雰囲気も。その他、黒い土や茶色いスパイス、バラ、ローズマリーやタイムのドライハーブといったものもあったでしょうか。味わいは、こちらも最近の造りの哲学通りバランス型。こことあるツヴァイゲルトより酸の印象こそ大人しいですが、それでも柔らかな果実味と拮抗しつつ、後口にかけてやや前に出ます。渋みはじんわり拡がる、というよりは後口に出て印象をキュッと締めるタイプだったでしょうか。ボディはミディアムですが、骨格を感じるものです。会では、やっぱりパスタや豚に合わせまして、こちらもどちらともによく合いました。パスタとの合い方は、こことあるツヴァイゲルトと同じような感じで、酸の印象が料理のクリーミーさやコクに映える感じ。一方、豚肉とはよりガッツリ噛み合う感じで、ワインの味わい、質感と肉の食感や旨みは勿論、香りの土っぽさやハーブ感などの要素が、豚肉のそのものの風味に見事にはまります。この辺は、豚肉の名産地ハンガリーに近いエリアという事が関係していたりするのでしょうか。開けたてこそ、香りにちょっと癖のあるニュアンスが出ていましたが、味わいの方は非常に整ったものとなっており、香りも時間と共にフルーツ感がちゃんと感じられました。オーストリーワインを飲み始めた頃の赤は、パーカーポイント全盛期という事もありボルドーや、より南方の雰囲気のあるものが多かったですが、随分変わったものだと感じさせてくれるワインでした。ツヴァイゲルト [2016] ハインリッヒ ( 赤ワイン )楽天内にも投稿時現在扱いがあります。こちらのお店では3520円。にほんブログ村
2019年12月01日
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11月の日墺飲み比べ会のワイン、続いてはオーストリーのグリューナーです。西宮でのセミナーの際に購入したものになります。シュロスケラライ・ゴベルスブルク グリューナー・フェルトリナー2017。生産者は勿論シュロス・ゴベルスブルクです。こちらも、シュロスケラライと名付けられている中堅レンジという事で、リージョナルものになります。ただ、樹齢こそ20年以下のものになりますが、ラムやレナーといった、ハイリゲンシュタイン周辺の銘醸畑のブドウが使用されています。価格は3400円程度ですが楽天内では投稿時現在まだ見かけません。色は青みがかった黄色ですが、ツヤ感があります。香りはフルーティさしっかりで、リンゴや青リンゴ、カリン、パイナップル、それに若干のドライパインといったものに、微かにバナナっぽさもあったでしょうか。そこに加わるのはやはり定番のスパイシーさ。白コショウっぽさもありつつ、茶色いオリエンタルなそれも少々感じられました。その他、グリーンハーブっぽさも遠くに見えますね。味わいは、グリューナーらしく柔らかな果実味が広がりますが、それは背景で、メインの要素としては酸です。しっとり系ですが、明るく量の多さがあります。この品種でここまでの酸のしっかりしたバランス感というのは初めてでした。ボディはライト。クリアーな質感でミネラル感を感じるものです。会では、チーズのクレープ包みやパスタの辺りで飲みました。クレープとは見事な相性。生地の風味にワインのスパイシーさが合いつつ、中のチーズのまろやかさクリーミーさ塩気に対し、ワインの果実感のある香り、そして果実味や酸そのものがバッチリ馴染みます。添えられていた生マッシュルームにもいいですね。パスタにも問題なしです。クリーミーさのあるソースにも、しっかりした酸のおかげで負けず、果実感とクリーミーさがやはり合いますし、阿波尾鶏の食感の良さと感で出てくる旨みに、ワインのミネラリーな質感や、これまた酸味が良かったです。現地では、ホイリゲの色々な料理に合わせられる万能な品種という位置づけだというグリューナーですが、今回はその汎用性の高さ、食事との相性の良さを改めて感じられました。しかし、リージョナルものながら華やかな香りがあり、それでいて酸主体の飽きさせない味わいのバランスは見事でした。シュロス・ゴベルスブルクの実力をはっきり感じられる1本だったのではないかなと思います。にほんブログ村
2019年11月25日
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今回で、シュロス・ゴベルスブルクワインセミナーでのワインも最後(あと1本は後程です)。赤は1種類、ピノ・ノワールをご用意いただきました。ピノ・ノワール・レゼルヴ2016。オーストリーにおけるピノ・ノワールの歴史は古く、やはりというべきかシトー派の修道士たちがブルゴーニュから持ち込んだのが始まりだそうです。シュロス・ゴベルスブルクは、石灰質を含んだ砂利質土壌の畑を所有しているそうで、ピノ・ノワールには適した環境という事で手掛けているそう。ちなみに、オーストリーではフランス語を使う事も結構あるそうで、ブラウブルグンダーではなくピノ・ノワール表記です。価格は、6600円程度ですがやはりこちらも投稿時現在楽天内にはありません。色はガーネット感もあるルビーカラー。透明度はきっちり。香りはラズベリーやストロベリーなど赤ベリー感に加え、若干のブルーベリーもあったでしょうか。そこに、トーストやローストアーモンドといった香ばしさが加わります。その他、ドライトマトやキノコ、茶色いスパイス、バラの花、黒糖、微かなヨードっぽさといったものも。また、どこかにグリーンハーブ的な気配もあったように思います。味わいは、フレッシュながらも太さがある酸が印象的。メインの要素といってよく、果実味は柔らかなものです。タンニンはキメの細かい感じで、後口にかけて渋みが印象をシリアスな感じにまとめます。ボディはミディアムライトくらいで、骨格はありつつも滑らかさやクリアーさを感じるものでした。これは比較的食事には合わせやすそうで、鳥肉系なら手広く行けそう。鶏肉や鴨肉のロースト、あるいは煮込み辺りなら手堅いでしょうね。また、これからの季節ジビエが美味しいですが、熟成させたキジやヤマバトの料理でも楽しめそうですし、シカなどの赤身には素直に合わせられそう。やはりバランスがよく、キレイな造りのピノでした。リースリングと違ってスケール感、という程の感じではありませんが、手堅くピノ・ノワールを楽しめる1本だったように思います。にほんブログ村
2019年11月19日
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先日のシュロス・ゴベルスブルクのワインセミナーでのワイン、続いてもリースリングですが、上級レンジのものになります。トラディション・リースリング2016。このワインが、200年前の造り方を再現して造っているキュヴェになります。前回のウルゲンシュタイン・リースリングがモダンなスタイル、すなわちフルーティさとアロマを重視した造りであることから、対比としてこちらのワインをご用意くださったとの事。ワインを呼吸させ、澱を取り除いているのだそう。価格は6500円ですが、やはり楽天内に現時点での取り扱いは無し。色は明らかにしっかりしており、つやのある黄色といった所。香りはパイナップルなどの南国系フルーツ、カリン、リンゴなどフルーティさも感じられますが、オリエンタルスパイスやクリーム、それに若干のキノコっぽさなど複雑なニュアンスも感じられます。また、ハチミツやミード、加えて少々のサトウダイコン?のようなフルーツとはまた違う甘い雰囲気もありました。味わいは、香りの甘い印象からするとちょっと驚くくらいきっちり辛口。果実味は極めて繊細で、それと拮抗しつつやや前に出るかな、くらいのしっとりした酸や、後口にかけての微かな苦みといったものと調和しています。ボディは明確にミディアムと言っていいくらいで、エキス分やミネラル感のある、落ち着いていながらもスケール感を持つものでした。食事に合わせるなら、これはしっかりフレンチの方がいいかもしれません。クリームを使った魚、あるいは豚肉や鶏肉の料理などには良さそうですし、根菜やキノコを使ったもの、特に、それらをそのままではなく、それこそクリームを使ってソース的にいただく、なんてものに合わせてみたいところ。その他、和食でいくならアナゴや中トロ、寒ブリ、あるいは甲殻類などのお寿司など、素材に力のあるものの方が良さそうです。かなり特徴的なスパイシーさや味わいのバランスがあり、非常に興味深いワインでした。抜栓後常温でも長い間風味を保つそうですが、時間経過や、瓶熟を数年経た後の状態なども気になるところです。酸の印象などはウルゲンシュタインとは大分違っており、面白い飲み比べとなりました。にほんブログ村
2019年11月17日
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今回から、先日のシュロス・ゴベルスブルクのワインセミナーでのワインです。先ずはリースリングから。ウルゲンシュタイン・リースリング2017。シュロスケラライとなっていますが、これはどうやらワイナリーにおけるワインのランクの違いの様で、手頃なドメーヌ・ゴベルスブルクと最上級のシュロス・ゴベルスブルクの間にあるものになるようです。キャップもスクリューになります。ただ、ワイナリーにおける「クラシック」と位置付けられるものでもあり、ブドウもガイスベルクやハイリゲンシュタインといった畑のものを使用しています。価格は3300円程度ですが、楽天内には現時点では扱いが無いようです。色は薄い黄色。それなりの輝き、ツヤ感はありますが麦わら程度でしょうか。香りはモモ、アンズといったものが出つつ、リンゴやグレープフルーツ、それに若干のバナナっぽさや青いブドウなども感じられフルーティ。そこに、白い花っぽさや若干の白コショウ、ハーブ、それに少々の土っぽさや濡れた石的な雰囲気が加わります。味わいは明るく骨太な酸が印象的。メインの要素となっており、その周囲を柔らかな字果実味が包むといったバランス感。ボディはライトですがミディアム寄りと言っていいくらいで、エキス分やハリ、しなやかさを感じる質感が印象的でした。セミナーではつまみ等はありませんでしたが、これも食事によく合いそうなワインです。明るい酸と果実味が、コールドミートにはよく合いそうで、特に豚肉や鶏肉を使ったテリーヌなどには良さそうです。肉感の強いものもいいですし、コラーゲン感のある透明なものもよさそう。また、やはり和食にも合わせてみたいタイプで、野菜の炊き合わせ(特にカボチャの甘みなど)や、白身魚のお造り、それに時期はズレますがアユなどの川魚の焼き物あたりいいでしょうね。香りの華やかさもさることながら、酸の存在感が個人的に非常に印象的でした。オーストリーの白はキレイなワインが多いですが、酸はドイツと比べると柔らかいというような感覚があったのですが、このリースリングのそれは、オーストリーが北の産地であることを思い出させてくれるものでした。にほんブログ村
2019年11月15日
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7月のワイナロマで遊ぶ会のワイン、続いてはオーストリーのゲミシュター・サッツです。ウィーナー・ゲミシュター・サッツ2016。生産者ヴィーニンガーは、近年のオーストリーにおいて実践者も増えているゲミシュター・サッツの復活に尽力した造り手の一つです。昔はウィーンでも多くの実践者が居たそうですが、その後品種ごとの栽培と言う方法が普及し衰退していたゲミシュター・サッツを、テロワールを表現する良い方法であると蘇らせました。セパージュは、グリューナーフェルトリーナー、ヴェルッシュリースリング、ヴァイサーブルグンダー、リースリング、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、シルヴァーナ、ツィアファンドラー、ロートギプフラー、トラミナー、ノイブルガーと11種類の混植混醸です。価格は2800円程度。色は薄い黄色。Mに濁りがあり色をより強く感じた分、こちらが薄く見えたところはあるかもしれません。香りは洋ナシやリンゴ、レモンにミカンやライムと言った柑橘、白い花と言った要素を感じました他、ワイナロマで調べてみますと、よく言われるコショウの香りはやはりよくあてはまりました。加えて、フルーツならカリンもしっくりきましたし、西洋サンザシやアニス、それに若干ですが松の雰囲気もあったように思います。味わいは果実味しっかり。アタックからキッチリ主張します。酸味は穏やかなもので、その背後に。ただ、じわじわと後口にかけて前に出てきます。加えて、その後口には少々の苦味も。ボディはライト。ミネラル感があり骨格こそ感じますが、質感としては滑らかかつしなやか。会では、その果実味のおかげで白カビ系チーズとの相性が良かったように感じられました。クリーミーで柔らかな味わいに、やはりフルーティさは良く馴染みます。また、カプレーゼとも中々で、トマトの甘みや香り、バジルソースの風味と言ったものに、ワインの香りのコショウっぽさやスパイシーさと言ったものが噛み合った印象です。あとは、流石と言うべきかレバーペーストの塩気や旨みがいいつまみになったり。香りの面でも負けることはありませんでした。オーストリーのワインと言いますと、コショウの香りと言うのはよく言われていましたが、今回それをワイナロマで実感することが出来ました。また、ウィーンの、特に、このヴィーニンガーのゲミシュター・サッツに感じられるハーブっぽさ?のような要素が、松のそれというのは、自分の中からは決して出て来なかったもので、非常にいい経験となりました。ウィーナー ゲミシュター・サッツ [2017] ヴィーニンガー <白> <ワイン/オーストリア>※ヴィンテージが異なる場合があります。楽天内では、投稿時(10月3日です^^;)現在では2849円程度で探せるようです。にほんブログ村
2019年07月26日
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何とか7月中に6月のリースリングと和食の会のワインも最後まで来られました。〆は熟成感も出ているオーストリーです。リースリング・キルヒェンシュタイク2008。生産者ガイヤーホフはオーストリーのクレムスタールにあるワイナリーで、その名が最初に文献に登場するのは1135年という、これまた大変に歴史のある醸造所です。現当主のイルゼ・マイヤー氏は1986年に両親からワイナリーを引き継がれたそうですが、このイルゼさんの実姉がニコライホフのクリスティーネ・サース氏。ただ、ガイヤーホフではビオロジックは実践されているものの、ビオディナミまでは行っていなかったり。価格は5216円でした。色は11年の瓶熟の影響もあってか、黄金に近いほどのツヤのある黄色でした。香りはハチミツ感がしっかり出ており、さらに軽く焼き栗やミツイモの焼きイモと言った甘さの中に香ばしさを感じるようなニュアンスも。加えて、遠くに微かにですがモカも感じられたように思います。そこに、オレンジやオレンジピール、蜜入りリンゴ、黄桃、軽いライチ、果肉の赤いメロン、それにアプリコットやドライマンゴーと言ったようなフルーティさが加わります。また、黄色い花やドライハーブ、ミネラル、更には白コショウや若干のオリエンタルスパイスのような気配も。味わいは香りや色合いに似合った芳醇な果実味があります。メインの要素としてアタックから感じられますが、それをいまだ明るささえ感じさせるしなやかな強さを持つ酸が支えます。ボディは十分にミディアムで、エキス分がありグリスも感じられます。ミネラリーさもあって、奥行き、スケール感のあるワインです。会では、やはり鮎の塩焼きの辺りから飲み始めました。鮎との相性はこれまた良好。鮎の香り、身の旨み、脂のまろやかさそれぞれに、ワインの香り、酸やボディの質感、果実味が噛み合っている感じで、全体的に馴染んでいたかなと。天ぷらとは、ズッキーニも悪くありませんが、アジの方がより嵌っていたかも。火の入った青魚の食感、特有の香り、強い旨みに対しても、ワインの、特にその華やかな香りがよく合い、さらには果実味豊かな味わいも負けていませんでした。加えて、タコ+土佐酢にこそワインが勝ち過ぎるところがありましたが、鰻の香ばしさや脂のある味わいにもよかったです。ワイン単独での完成度や存在感もしっかりあります。そのおかげで、アジ天やウナギなど味わいのしっかりした、それでいて甘すぎたり辛すぎたりしないというものとの相性が良かったのかなと。まさに、和食のコースの後半(あるいは味の強い魚の刺身など)に合わせるには最適だったかなと。これだけのワインでありながら、食事と合わせてさらに輝きを増すところは、やはりオーストリーワインの大きな魅力かと思います。にほんブログ村
2019年07月04日
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5月のワイン会のワイン、今回は赤の前にロゼです。シルヒャー2017。生産者はフランツ・シュトロマイヤーです。オーストリー南部、ヴェストシュタイヤーマルク地方のワイナリーになります。この地方では昔から、ブラウアー・ヴィルトバッハーという酸の高いブドウを使った酸っぱいロゼであるシルヒャーが作られてきました。そんなヴェストシュタイヤーマルクにも、近年自然派の造り手が増えており、このシュトロマイヤーもそういった生産者の一つです。ビオディナミを実践し、伝統のシルヒャーロゼやスパークリングなどを手がけます。と言う事で、セパージュはブラウアー・ヴィルトバッハー100%。価格は4000円程度です。色は透明度はロゼらしく高いですが、ガーネットに近いくらいのオレンジ、レンガ系の色合いの出ているものです。香りはカツオダシっぽさや梅的な雰囲気、それに黒い土やタマネギの皮、更に飴色タマネギなんてものも感じられました。勿論フルーティさもあり、チェリーやチェリーリキュール、オレンジピール、各種赤ベリー、それに少々のアプリコットといったものが。その他、バラの花やローズヒップ、それにダージリン?的な紅茶っぽさも少々。加えて、そこはやはり自然派でも流石オーストリーと言うべきか、白コショウやオリエンタルなそれと言ったスパイシーさも出ます。味わいは、マロラクティック醗酵を行っているそうですが、それでもやはり明るく太く鮮烈な酸がビシッとメインの要素として存在します。そこに、穏やかな果実味がふわっと乗る、と言ったバランス感です。色はしっかりしていますが、渋みの印象は全くと言っていいレベルでありません。ボディはミディアムライトくらいですが、ミネラル感、程々のハリがあり、クリアーさ、透明感を感じる質感です。色合いも相まってどこか宝石を連想させるような世界観がありました。会では、やはり全体的に合わせてみました。チーズとの相性は無難、と言った所で、喧嘩はしないものの際だったマリアージュとはいかず。むしろ、添えて頂いていた生ハムとの相性がバッチリで、ハムの旨みや塩気にワインの酸のある辛口な味わいが馴染むのは勿論、香りの面でも、生ハムの香りと相まってどこかイチゴ的な雰囲気が出たり、チェリーっぽさが際立ったりする感じに。ガレットとも悪く無く、中でも生地の蕎麦粉の風味に対して上手く寄り添ってくれるような印象でした。かなり尖った自然派生産者なようで、香りにもその気配は確かに表れていました。しかし、独特のスパイシーさがあったり、飲んだ時に感じる透明感などは、やはりオーストリーワインだなと。ビオディナミの提唱者ルドルフ・シュタイナーはオーストリー出身と言う事でか、近年オーストリーの自然派ワインはかなり見かける量、種類ともに増えました。ただ、それらのワインにも、「オーストリーらしさ」は感じられ、その辺面白いところだなと。色合いはこんな感じ。照明が少しオレンジっぽくもあるのでその影響もあるでしょうが…。シルヒャー [2017] フランツ・シュトロマイヤーStrohmeier Schilcer楽天内にも投稿時時点で取り扱いがありました。現状手に入るシュトロマイヤーのワインでは最も手頃なレンジのようです。にほんブログ村
2019年06月08日
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まだまだ続きます5月のワイン会のワイン、今回のものはハイライトの1本です。プファッフェンベルク・リースリング・スマラクト2012。生産者はエメリッヒ・クノル。今では有名産地となりましたオーストリアですが10年くらい前はまだまだ知られていない産地で、日本で手に入る銘柄も多くはありませんでした。そんな中、銘醸地ヴァッハウの4大生産者は、ロバート・パーカー氏の評価も高かったことからちらほら見かけました。そんなヴァッハウ4大生産者の一角を担うのがこのエメリッヒ・クノルです。セパージュはリースリング100%。プファッフェンベルクは正確にはヴァッハウではなくクレムスタールの畑になります。価格は6000円程度でした。色はツヤのある黄色。深みのある輝きです。香りは、開けたてはやはり閉じていたようで白コショウ的なスパイスにタイムやローズマリーなどの乾燥ハーブっぽさ、そこにリンゴが加わるといった所でした。それが、時間経過でどんどんフルーティさを増し、グレープフルーツやミカンと言った柑橘、南国フルーツと言ったものが加わります他、リンゴも蜜入りリンゴ的なものがより強く印象を与えるものに。また、スパイスも白コショウに加えオリエンタルなそれっぽさが感じられるようになったり、ハーブっぽさもよりグリーンが鮮やかな要素が出てきたりしました。味わいは、果実味のアタックが軸ではあるものの、それは落ち着いたものとなっています。そこに、しっかりした、しかしこれまた落ち着きのある酸が加わり、両者が拮抗、バランスの良いものとなっています。ボディはミディアム程度ですが、ハリやミネラル感、程々の量感を感じるもので、スケールや深さ、透明さと言った印象を受けるものでした。会では、やはり全体的に合わせてみましたが、意外だったのがタレッジョとの相性。負けることは無いかなと思いましたが、これが負けるどころかチーズの塩気や旨みとワインの果実感がよく馴染みますし、クリーミーさと質感の噛み合いも良好。加えまして、ウォッシュ独特の臭いとワインのフルーティな香りの相性も良く、意外な組み合わせを発見できました。あとは、流石オーストリーワインと言うべきか、サラダの青い野菜の香りやみずみずしさなんかにもマッチしていました。美味しいリースリングが飲みたい、という事で飲んでみましたが、その望みはバッチリ叶いました。適度な力強さ、華やかながらもオーストリーのリースリングらしいハーブぽさやスパイス感などが感じられ、見事としか言いようのない1本でした。にほんブログ村
2019年06月06日
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台所山猫さんでの爽やかワインと和食の会のワイン、続いてはこちらも爽やかなワインと言えば定番と言えるオーストリーです。グリューナー・フェルトリナー・カンメルン2015。生産者ヒルシュはカンプタール地方のワイナリーです。以前はドイツの修道院所有だったという場所ですが、1878年にヒルシュ家が引き継いだそう。現在ワイン造りの指揮をとる5代目当主は、ニューワールドでワイン造りを学んでおり、結果地元の本種であるグリューナーとリースリングを大事にしたいと考えるに至りました。2006年よりビオディナミを導入しています。価格は3240円程度。色は基本青みがかった黄色ですが、ほのかにツヤ感も感じられました。香りは最初はかなりガッチリ閉じており、白コショウに少々の柑橘、リンゴっぽさといったものが出ている程度。それが時間と共に開いてきて、カリンや南国フルーツ、洋ナシといったものや、柑橘もよりはっきりとグレープフルーツやライムといったものが出てくるようになりました。さらに、スパイシーさでも白コショウに加え、緑コショウやよりオリエンタルなものも感じられましたし、ミネラルやハーブのニュアンスも少々。味わいも、やはり開けたては閉じています。繊細な果実味と酸がバランスよく出つつ、後口にかけて軽い苦みが残る程度の印象です。ただ、時間と共に、トーンの低い果実味がアタックのメインの要素となりますが、それは明るい酸を伴うもので、後口の苦味も残っており、結果果実味や酸の印象は強まるもののバランスは崩れない、といった所。ボディはライトだがミディアム寄り位の量感と目の詰まった感を感じます。滑らかな質感もその印象を強めているでしょうか。会では、お造りの辺りで飲みました。お造りとの相性は素晴らしく、ヒラメの風味や食感にワインのスパイシーさを伴うフルーティさと、ハリのある質感が合うのは勿論、サワラの叩きの香り、特に魚の香りと焙った香ばしさによる余韻と、ワインの余韻のフルーティさやミネラル、スパイシーさと言ったものが非常に良く馴染んでくれました。アタックで合わせる以上に、余韻の相性の深さを堪能できました。あと、お造りに添えられていたシソの葉ともバッチリ。シソの香りに、ワインのハーブっぽさやスパイス感がやはり嵌ります。和食と言えばオーストリー、グリューナー・フェルトリナーという印象はありましたが、やはり間違いのない相性でした。特に、白身魚と合うのはこれまでの経験から良く分かっていましたが、サワラの叩きとここまで合うとは思いませんでした。ワインの余韻と料理の余韻の噛み合いという繊細で上品な世界は、まさにオーストリーワインの大きな魅力の一つだなと思います。にほんブログ村
2019年04月25日
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先月行いましたベトナム料理とワインの会のワイン、続いてはオーストリーのオレンジワインです。エイン・クアンタム・カオス2017。生産者クアンタム・ワイナリーはオーストリーのヴァインフィアテルにあります。2010年創業の新しい生産者で、栽培面積も少ない小さなガレージワイナリーであることから、クアンタム=最小単位量子の名前を付けたのだとか。畑では灌漑・剪定などもあまり行わず、醸造時は野生酵母を用い無濾過・無清澄、酸化防止剤も無添加かごく少量に抑えるという自然派で、ビオロジックとビオディナミの両方を実践しています。セパージュは、グリューナー・フェルトリナー、リースリング、ローター・ヴェルトリナー、フリュアー・ローター・ヴェルトリナー、ピノ・ブラン、ヴェルシュ・リースリング、トラミナーの7種をゲミシュター・サッツにしています。カオスと言う名前は混植混醸から付けたそう。価格は、4190円程度。色は典型的オレンジワインの色合いです、明るいオレンジで、少々の濁りも感じます。香りは、オレンジピールにミカンやキンカンといった、やや濃いめの黄色い柑橘のニュアンスがありつつ、そこに若干の蜜っぽさ、ハチミツといった要素が加わります。また、黄色い花、それに白胡椒、オリエンタルスパイスといったスパイシーさ、乾燥ハーブ、カリン、ベッコウアメ、微かな土っぽさ?といったようなものも感じられました。味わいはバランス型。アタックには果実味は柔らかく広がりますが、すかさずそこにじわりと酸が出てきます。また、後口にかけては流石オレンジワインと言うべきかほんのりと渋味も。ボディはしなやかなミディアムで張りとなめらかさあり。会では、青パパイヤのサラダの辺りで開けてみました。やはり、サラダの甘みに果実味がよく馴染みますし、しなやかな質感とパパイヤやニンジンのシャキッとした食感の相性も良好です。その他、ゆで豚についても、魚介系のソースを使うと匂いに負けますが、スイートチリ系のソースならその甘味や豚肉のコクによく合いますし、牛肉のブドウの葉巻き、鶏肉のヨーグルトラーチャン包み焼の香りや味わいにも行けます。ただ、このワインが一番嵌ったのは海老のマヨチリソース。ソースの甘みとまろやかさに対しワインの果実味やオレンジであることによるある程度の厚みが丁度いいですし、そこにエビのプリッと感や甘味が加わることで味わいの深み、立体感と言うものが一気に出ます。マヨチリソースの色合いは、マヨの白とチリソースの赤でオレンジ色だったのですが、やはり色で合わせるのは手堅いのかと思わせてくれる相性の良さでした。チリソース由来のスパイシーさとも噛み合っていたかも。また、このワイン、オレンジな自然派ながら非常にバランスがよく、渋みも程々でキレイさを感じるものでした。その辺り流石オーストリーだなと言う所でしたが、単体でも美味しく飲めてしまうという声も聞かれました。クアンタム・ワイナリー エイン・クアンタム・カオス 2017【オーストリア】【白ワイン】【750ml】【ミディアムボディ】【辛口】【オレンジワイン】【酸化防止剤無添加】カオスと言う名前からどんなワインだろうと思ってしまいますが、実に綺麗な1本でした。にほんブログ村
2019年04月01日
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さて、10月末に行いましたオレンジワイン飲み比べ会のワインもこれで最後。1本くらいは赤をと言う事で、9月のフレンチとオーストリーワインの会の際に用意できませんでした品種のものです。ガルゲンベルグ・ザンクト・ラウレント2015。生産者はグリューバーです。オーストリア最北のワイン産地で端はチェコとの国境地帯でもあるヴァインフィアテルと言う地域のワイナリーで、元々歴史ある農家だったようですが1950年代から本格的に葡萄栽培とワイン醸造をスタートさせました。ヴァインフィアテルは広い地域ですが、グリューバーのあるレーシッツは黄土やローム、花崗岩、黒土等様々な地質の土壌だそうで、そこでオーガニック農法でグリューナー・フェルトリナーを中心に様々な品種を栽培しています。セパージュはザンクト・ラウレント100%。ピノ・ノワールと何かの交配品種と言われているそうで、オーストリーの伝統的な品種の一つです。価格は、楽天内では現在写真のお店で2148円。色は赤黒いですが若干ガーネット感も見えます。透明度も多少ありますね。香りは黒ベリーやブルーベリー、それに若干のブルーベリーヨーグルトと言った色の濃いベリーを中心に、アズキやアンコ、焼きイモといったニュアンスも加わります。そこに、カラメルや茶色いスパイス、紅茶、少々のスミレっぽさ等の要素も感じられると言ったものでした。味わいは、アタックにフレッシュな果実味が拡がりつつ、ヨーグルト的な明るい乳酸がその果実味の後ろからスッと出てきます。渋みは割としっかりありタンニンの質感も感じられ、これまでのオレンジワインに比べても赤ワインの面目躍如といったところ。ボディはライトと言っていいでしょう。ミネラル感がありパリッとクリアーな印象です。会では、メインのカボチャと挽き肉のところで飲みましたが、挽き肉の旨みに対しワインの渋味や果実感が丁度良くいい相性でした、また、カボチャの香りとワインのアンコや焼きイモ的なニュアンスとも噛み合う感じで、中々華やかなマリアージュとなってくれました。フルーティで軽めな赤ですし、鶏肉や豚肉との相性は良さそうですし、今回挽き肉も良かったので、焼き餃子なんかつまんでも面白いかもしれません。また、赤身の魚などにも合わせてみたいところ。今回は手頃なタイプとはなりましたが、それでもザンクト・ラウレント独特のフルーティさ、華やかさの一端は感じられたのかなと。日常の食卓で、或いはちょっとしたパーティなどでも気軽に楽しめる、それでいて個性もある、使い勝手の良さそうな1本でした。にほんブログ村
2018年11月16日
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さて、先日のフレンチとオーストリーワインの会のワインもいよいよこれで最後。トリはツヴァイゲルトと並ぶオーストリーの地場品種です。ブラウフレンキッシュ・ブルゲンラント2013。生産者モリックはミッテルブルゲンラントのワイナリーです。別名ブラウフレンキッシュラントと呼ばれるほどにこの品種の栽培が盛んな土地で、モリックも所有する12.5haの畑の内1haがツヴァイゲルトで残りは全てブラウフレンキッシュだそう。樽ガッツリで凝縮したスタイルの赤ワインが主流だった頃からエレガントさを追求、天然酵母醗酵でノンフィルター、樽もオークの古大樽使用と言う造りで、モダンオーストリー赤を語る際に忘れてはいけない生産者と言えるでしょう。価格は4000円程度。色はガーネット的ですが、赤みの中に少々の紫感が見えます。香りはイチゴやラズベリー、クランベリーなどやはり赤ベリーのニュアンスが中心。それらのドライフルーツもありますね。そこに、チェリーや軽いチェリーリキュールのニュアンスも加わります。また、黒やピンクのコショウに茶色のスパイスと言った定番のスパイシーさも。その他、赤や紫の花に、若干のアンコ的な和菓子っぽさ、それこそスパイシーさも相まってニッキの八つ橋のような雰囲気もあったでしょうか。味わいは乳酸系の明るい酸が、ビシッとアタックに、穏やかながらも舌触りにタンニンの質感を感じる程度の渋味を従えて出てくるといった印象。その後ろから柔らかで穏やかな果実味がふわりと広がりますが、その広がる速さが結構早く酸と渋みにすぐ追いつく感じでバランスの良さがあります。ボディはミディアムで、まろやかかつ滑らか。会では、肉のメインである牛リブロ―スのステーキのところで頂きましたが、まあ合わないはずが無く。リブロ―スの赤身主体できめ細やかな繊維質をかみしめて出てくる豊富な旨みに対し、ワインの滑らかな質感、渋み、明るい酸ががっちり噛み合いますし、少し甘味のあるソースと果実味の相性も良く、それが一体となることで旨みが際立ちつつ全体の印象もより深みが出るといった所です。また、添えてあるクリやサツマイモに対しても、ワインの甘いスパイシーさがいい感じでした。このワインは何度も飲んでいますが、相変わらず流石のクオリティです。まさにエレガントと言う表現がぴったりな香りや味わい、質感のバランスだと思います。会でも、やはり皆さんに驚いていただけたようです。トマス・レーナーのツヴァイゲルトもキレイなワインなのでその後でどうかなと思いましたが、トリにふさわしいところを見せてくれました。モリッツ ブラウフレンキッシュ ブルゲンランド 2013 Moric Blauflankisch Burgenland No.90142楽天内では投稿時現在、こちらのお店の3672円が最安値のようです。因みにmoricなので正確には「モリッツ」となるようですが、moritzと言う生産者のワインもありまして、こちらもカタカナですとモリッツ表記になりますことから、英語風になりますがモリックで通しました^^;にほんブログ村
2018年10月17日
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今回のフレンチとオーストリーワインの会のワインは、土着品種であるツヴァイゲルトを用いたものになります。ツヴァイゲルト・ノイジードラーゼ2014。トマス・レーナーもノイジードル湖東部のDACであるノイジードラーゼのワイナリーです。やはり、創業は2006年です。畑自体は、当主の祖母が今世紀初頭に取得したものと言う事で歴史はありますね。創業当初からオーガニック栽培を実施、畑の面積も拡充しているようです。土壌は、主に砂礫と粘土。ステンレスタンク醸造です。価格は2500円程度。色はルビーカラーですがやはり黒さがあります。香りはベリー感満載で、ラズベリーやイチゴなどのフレッシュ赤ベリーは勿論、ベリージャムやドライベリーなども感じられます。また、軽いアンズっぽさもありました。そこに、黒やピンクのコショウ、茶色いスパイスなどのニュアンスが加わります。若干のパプリカパウダーのような雰囲気もあったでしょうか。その他、赤い花や微かにブラックオリーブのような気配も。味わいは非常にキレイなバランス型。優しい果実味が拡がりつつ、しっとりしなやかな酸がそこにじわじわと出てきます。ボディはミディアムで、滑らかさがあり、タンニンの大人しさもあり、参加者の方々からは前回のピノよりこちらの方がピノっぽい、なんて声も出るくらいでした。会では、ピノと共にサンマのところで飲みました。サンマ、ソース、ニシガイとのトータルでの相性では、このワインは特にソースにはちょっとキレイ過ぎたようで、ピノの方に軍配が上がるかなと言う所。ただ、サンマの身だけの旨み塩気香りと言ったものには、このワインもよく嵌っていました。表面の香ばしさ、独特の香りに、ワインの赤ベリー感やスパイシーさがいいですね。また、味わいの強さも魚の旨みに丁度いいものだったように思います。現地では、いい畑で丁寧に作られるのはブラウフレンキッシュで、ツヴァイゲルトはカジュアルな品種と言う扱いが多いようですが、トマス・レーナーはこの品種も丁寧に作るべきと考えているそうです。確かに、昔飲んだことのある、ボルドーを目指したような濃く強いツヴァイゲルトや、青い香りの出る軽いツヴァイゲルトとはまた違う、非常にキレイでエレガントなワインだったと思います。参加者の方々にも、こういうツヴァイゲルトがあるのかと驚いていただけたようでした。[2014]ツヴァイゲルト ノイジードラーゼ トロッケン 750ml 赤 辛口 トマス・レーナー 【スクリューキャップ】 【オーストリアワイン】2014ヴィンテージは投稿時点で既にひとつ前のヴィンテージになるようです。楽天内では、こちらのお店で2418円。この価格でこのクオリティというのは、コスパワインと言えるものではないかなと思います。にほんブログ村
2018年10月15日
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さて、先日のフレンチとオーストリーワインの会のワインも今回から赤です。先ずはピノ・ノワールから。ピノ・ノワール2015。生産者マインクラングはノイジードラーゼのワイナリー。最南端に位置しており、ハンガリーとの国境にも近い場所になります。と言う事で、やはりパノニア気候の影響を受け赤ワイン用ブドウの栽培が主。ワイン造り自体は2001年からと最近ですが、当地での複合農家として500年以上の歴史を持ちます。ビオロジックの導入は1990年代から、2003年にはビオディナミへ移行している、オーストリーにおける自然派の第一人者でもあります。セパージュはピノ・ノワール100%。色はルビーカラーで透明度もありますが、やや暗さも感じます。香りは赤ベリーやブルーベリーと言ったベリーフルーツを感じます。また、ブルーベリーヨーグルト的な雰囲気も。加えて、プラムやザクロ、ダークチェリーといったより濃さのあるものも少々。また、ハーブや茎っぽさ、それに若干のスイカ?のようなニュアンスもあったでしょうか。その他、軽いトーストや腐葉土、チョコレートといった気配も感じられました。味わいは割とトーンの低い果実味がふわっと広がりつつ、乳酸系の明るくしっとりした酸がその果実味に溶け込みつつ出てきます。また、渋みの印象は割としっかりあり、アタックから後口にかけて主張します。ボディはミディアム。滑らかでパリッとした質感で、膨らみよりもタイトさのあるものだったでしょうか。会では、サンマのところで飲みましたがバッチリ。元々ピノと火の入った青魚って相性いい印象有ったのですがこちらも行けました。ワインのスパイシーさや軽い青さが、サンマの香り、ローストされていることでの香ばしさ、更に内臓とハーブを使ったソースの香りと言ったものによく馴染みます。一方で、サンマの身や内臓のソースと合わせても生臭み等全く出ず、その塩気や旨み、複雑さと、無理なくワインの味わいが溶け合ってくれます。また、ソースに使われていたニシガイの旨みや食感にもいいですね。実はこのワイン、会の人数変更に伴って当日急遽増やしたのですが、サンマとの相性がバッチリ嵌ってくれてよかったです。香りの濃いフルーツ感や渋みの存在感など、割と力強さを感じるものでしたのでお肉のメインに合わせるのもアリだったかも。ワイン自体は香りの華やかさもありますが、結構南国的な雰囲気があり、オーストリーワインの多様さを感じられる1本だったかなと思います。[赤ワイン][オーストリア] マインクラング ピノノワール 750ml 赤 ワイン wine わいん WINE 葡萄酒楽天内ではインポーターさん直営のこちらのお店で取り扱いがあります。投稿時点で3132円。にほんブログ村
2018年10月13日
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今回のフレンチとオーストリーワインの会のワインは、前回と同じくグリューナーです。産地・生産者違いのものになります。グリューナー・フェルトリナー2012。生産者ヘプラーはブルゲンラントのワイナリー。赤ワインや貴腐ワインで有名な産地ですが、ヘプラーも24ヘクタールあるという自社畑は赤ワイン用ブドウが主なようです。今回のグリューナーのような白ブドウは、40ヘクタール以上に上るという契約畑からによるものとなっています。価格は、楽天内では3800円程度。色は薄い黄色でツヤ感も無し。前回のモランザーベルクと比べて、より古いヴィンテージでより南の産地になりますが、明確に淡いと言えるものでした。香りにはしかしながら、よりしっかりとしたニュアンスが現れます。ハチミツっぽさは最初から明確に感じられますし、若干のキャラメル?のような雰囲気も。醸造はステンレスタンクのようですが…。フルーツ香も、洋ナシやカリンと言ったものが出ており、柑橘はミカンやライムと言ったものがふわっと。その他、白い花やマジパンと言ったものに加え、やはり定番の白コショウっぽさやグルーんハーブと言ったものは出てはいました。味わいも果実味のインパクトがバッチリ。明確にアタックにあり味わいの主役です。勿論、そこに明るく強い酸が入りバランスは取れていますが。後口にかけては渋みもあり、収斂味を感じさせます。ボディはライトですが丸さや膨らみのあるもので口当たりはなめらかですが少しアルコールの刺激も。会では、魚介のリゾットと魚のメインのサンマのところで飲みました。魚介のリゾットとは、悪くありませんが基本的に旨みの噛み合い方などは前回のモランザーベルク程ではありません。こちらの強い果実味が、料理の味わいに基本勝ります。ただ、カレイのフライに関しては、その香ばしさや強い旨みとワインの濃いニュアンスとが割と馴染んでおり、ここはモランザーベルクより良かったところでした。一方、サンマとの相性は、旨みの点ではそれほどなのですが、香りの相性はよく、このワインのハチミツやキャラメルっぽさなどの香ばしいニュアンスとサンマの香りが中々。ただ、最も良かったのはサンマと共に出されたワタリガニのクロケット。蟹の強い旨みや風味に対してワインの果実味や濃厚な香りがが嵌りますし、揚げてあることでの香ばしさやカリッとした食感がこのワインに完璧でした。また、クロケットにはバジルが添えてあり、その香りともいいですね。ボディは円やかながらも穏やかなものではあるのですが、香りや味わいはボリューム感を感じるもので、やはりパノニア気候の影響を受ける暖かな産地ブルゲンラントだなあと言う印象です。ワインの裏ラベルには、合う料理としてパスタやサラダに加え寿司も挙げられていたのですが、酢飯に砂糖を使う西日本のもの、あるいはツメを付けたアナゴなどとの相性はかなり面白そうです。また、今回のような揚げものとも良さそうですね。カンプタールのものとは明確に特徴が異なり、いい飲み比べになってくれました。[2012]クヴァリテーツヴァイン・グリューナー・フェルトリナー / ヘプラー / オーストリア / 750ml / 白[スクリューキャップ]楽天内ではこちらのお店で飲み扱いがあるようです。実は、スーパーセールなどでは度々安売りしているので、そういったタイミングは狙い目かと思います^^にほんブログ村
2018年10月11日
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まだまだ続きますフレンチとオーストリーワインの会のワイン、今回はオーストリーを代表する品種であるグリューナー・フェルトリナーです。グリューナー・フェルトリーナー・モランザーベルク2014。生産者ハギャル・マティアスはカンプタール地方のワイナリー。北部のモランズ村という土地で、250年以上にわたり葡萄栽培を行っています。現当主は6代目になりますが、ワイナリーの継承は2006年で、やはりこの年にビオディナミを導入しています。セパージュは、勿論グリューナー・フェルトリナー100%。カンプタールのグリューナーらしく、黄土と粘土質土壌の畑のものになります。価格は2700円程度。色は青みがかった黄色。典型的な色合いですね。香りは、柑橘っぽさがよく出ています。レモンやグレープフルーツに加え、柚子やブンタンと言ったものなど、和洋の黄色いそれが感じられました。また、ちょっとキウイフルーツ的なニュアンスも。そこに、ゴマないしルッコラのような雰囲気が加わります。それ以外はやはりスパイス感で、白コショウはオリエンタルスパイス、さらに山椒っぽさもあったでしょうか。その他、時間経過でハチミツの気配も少々。味わいは果実味と明るい酸が拮抗していつつ、双方しっかりインパクトがあり、ジューシーかつフレッシュな印象です。また、後口にかけてはこの品種らしい軽い苦みも。ボディはライトですが、やはりミネラリーでライトなりの密度感はあります。口当たりも滑らか岩清水的。会では魚介のリゾットのところで飲みました。相性はバッチリです。先ず、魚介の旨みに対してワインの果実味や酸、その奥にある旨みと言ったものがよく合いますし、料理の塩気のおかげでそれが際立ちます。加えて、使われている各食材、中でもイカの食感や甘味に対してはよりガッチリ噛み合う感じに。また、枝豆の食感にもワインのクリアーさが映えますね。一方で、カレイのフライとは可もなく不可もなくといった所。また、次のお皿のサンマにも合わせてみましたが、サンマの旨みそのものに対しては、調理法による香ばしさとワインのゴマ的な香ばしさの相性もあり、狙って合わせた赤以上に馴染んでいたかもしれません。緑ハーブの印象こそ大人しいですが、柑橘のニュアンスやスパイシーさが出ており、3000円以下でもこれだけバランスがよく、かつ、個性がしっかり出たグリューナーが飲めるのだなと嬉しく思える1本でした。日常の食卓にはもちろん、これからの季節ハロウィンやクリスマスのパーティ料理、あるいはお正月のお節などの特別な和食と言ったものにも合わせて楽しめるワインかなと。グリューナー・ヴェルトリーナー モランザー・ベルク [2014] ハギャル・マティアス <白> <ワイン/オーストリア>【■9510114】楽天内では更新時点ではこちらのお店で2667円です。グリューナーの魅力の詰まったワインです。にほんブログ村
2018年10月09日
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今回はオーストリーのグリューナーです。帰省の際に、わいんびよりさんで購入させて頂きました。グリューナー・ヴェルトリーナー・ドナウ2014。生産者クレメンス・シュトロ―ブルはヴァーグラムに2008年に設立されたワイナリー。広告業界で成功したクレメンス・シュトロ―ブル氏が立ち上げました。レス土壌の拡がる土地に、現在15ヘクタールの畑を所有、グリューナーやリースリングの他、赤ワインにも適した土地と言う事で、ツヴァイゲルトやピノ・ノワールなども手掛けているようです。価格は2600円程度でした。色は青みがかった黄色。4年経っていますが、まだまだ典型的な色合いです。香りは柑橘っぽさがよく出ており、グレープフルーツやレモンに加え、ライム、それに少々の柚子やカボス、スダチなどの和のそれの雰囲気もあってでしょうか。そこに、青リンゴやカリン、洋ナシといったものや、若干のパイナップルと言ったフルーツ、グリーンハーブや仄かな緑茶、白コショウに軽いオリエンタルスパイスと言った要素が加わります。また、樽の使用についてはよくわかりませんでしたが、微かなハチミツやタルト生地の様なニュアンスも。味わいは、旨みを伴う明るい酸のアタックが、優しく広がります。その背景にはじんわり果実味もあり、穏やかでバランスのいいものとなっています。後口に苦みもありますが、こちらも軽いものです。ボディはライトですが、ミネラル感や相応の密度は感じます。滑らかでサラリとした、それでいてハリも感じるという質感でした。取り敢えずお寿司を合わせてみましたが、まあ合わないはずもなく。どのネタとも手堅いですが、特に嵌ったのは甘海老と鯛。甘海老は、シンプルにそのプリプリ感と甘味がワインの少しの硬質さや、穏やかな味わいによく噛み合いますし、酢飯の甘みとも相まってよく馴染みます。鯛は、以前からグリューナーには会うという認識でしたが、今回もその香りや旨み、独特の食感がバッチリです。また、結構面白かったのがフライドポテトで、オーストリアはフライドチキンをよく食べる国と言う事でケンタッキーをつまんだのですが、メインのチキンよりサイドのポテトの、ホクホク感や香り、旨みに妙に噛み合いました。香り豊かで味わいのバランスがよく、それでいて冷やして爽やかに楽しむこともできると、飲んでいて非常に快適なワインでした。流石はオーストリアワイン大使の方が扱われているオーストリアワインです。グリューナー・ヴェルトリーナー ドナウ [2014] クレメンス・シュトローブル <白> <ワイン/オーストリア>楽天内では現在3000円程度のようです。その価値は十分にある、特に、この暑い時期にはより強くそれを感じられるかなと思います。にほんブログ村
2018年08月30日
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今回のワインはオーストリーワインです。上級ランクのソーヴィニヨン・ブランになります。ロイヤル・ソーヴィニヨン・ブラン2013。生産者スコッフはオーストリア南部、南シュタイヤーマルク州の100年以上の歴史を持つワイナリーです。オーストリーと言えばグリューナー・フェルトリナーと思いがちですが、南シュタイヤーマルクはオーストリアのトスカーナとも呼ばれる土地で、赤系品種やゲルバー・ムスカテラーなどの栽培が盛ん。そして、ソーヴィニヨン・ブランもまた盛んであり、中でもスコッフの当主はミスター・ソーヴィニヨンとも呼ばれています。セパージュは、勿論ソーヴィニヨン・ブラン100%。価格は、楽天内で6890円です。色はツヤのある黄色、と言うかもう青みがかった黄金色とでも言うべきもの。香りは、14か月のバリック熟成のおかげかハチミツやナッツ、スモーキーさと言ったものが感じられます。そこに、リンゴやメロン、少々のアンズ、更にはグレープフルーツやライム、スイーティ的な緑の柑橘と言った豊かなフルーツ香、加えてサツマイモや焼き栗を思わせる甘いニュアンスと言ったものが加わります。また、オリーブオイル、グリーンペッパーやハーブ、パプリカ、若干のジュニパーベリーや根菜と言ったものも。他に、かすかながらホワイトチョコや紅茶と言ったものも感じられたでしょうか。味わいは果実味をしっかり感じます。繊細でトーンの低いものですが、伸びがあり、後口にかけて仄かな苦みと共に感じられ、少し貴腐的ですらあったでしょうか。その果実味のなかから、しっとりした酸が溶け込み気味ながら顔を見せます。ボディは、濃い重いという感じではありませんがハリとミネラル感があり、スケールを感じるミディアムと言った所でしょうか。華やかスケール感のあるワインですが、食事にもよく合うあたりは流石オーストリーです。万願寺唐辛子にエビの練り物を詰めた揚げ物を合わせてみますと、万願寺やエビの甘みにワインの果実味が合いますし、万願寺とワインの苦味同士の引き合い、甲殻類の香りとワインのスパイシーさの噛み合いと言ったものもみられました。また、合鴨のローストに小豆島にある井上誠耕園の、オリーブオイルコンフィ木の実とドライ果実を合わせてみますと、鴨の旨みと塩気、ドライ果実時のみの甘みや香り、そしてオリーブオイルの香りとワインの果実味や蜜っぽさ、オイリーさがこれまたバッチリ。度数も13度を超えていますし、肉に合わせても負けることはありません。その他、オイリーさで言えばママカリのオイル漬けもいいつまみでしたし、白トリュフ風味のマカダミアナッツをつまみますとトリュフのニュアンスとワインの甘い香りがバッチリ。他にも、お寿司ならウニやエビイカ、更に、日和佐燻製工房の子スルメのスモークナンプラーオイル漬けというちょっとアジアンな味わいにもぴったりでした。甘いニュアンスが軸ながらも複雑さのある香り、スケール感とバランスの良さのある味わいと、偉大なワインと言われるべき1本だったように思います。「ロイヤル」の名の通り、ノルウェー王室御用達だそうですが、それだけのものはあるかなと。素晴らしいワインに出会えました。白ワイン オーストリア スコッフ・オリジナル 「ロイヤル ソーヴィニヨン・ブラン 2013」(750ml)【送料無料】【IWC金賞受賞】【SAKURA AWARDダブルゴールドメダル受賞】【楽ギフ_包装】】楽天内では現在1か所取り扱いがあります。このセナーと言うお店、オーストリーワイン専門だそうで、ラインナップも他のオーストリーワインを多く扱うお店とも少し変わっており、中々面白いですね。にほんブログ村
2018年08月18日
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先日の土着品種白ワインの会のワイン、続いてはオーストリーです。ゲミシュターサッツ・コスモポリート2016。生産者ユッタ・アンブロジッチは、グラフィックデザイナーから2004年にワイン造りを始めたという新しい造り手です。ウィーンで畑を得、フリッツ・ヴィーニンガーのもとで研修を受けています。セパージュは、前回のワインでも使われていたヴェルシュリースリングに加え、グリューナー・フェルトリナー、ノイブルガーという土着品種に、ピノ・ブランも使われています。ただ、何よりもこのワインの場合は、ゲミシュターサッツ=混植混醸という作り方に大きな特徴があると言えますね。価格は3240円程度でした。色は薄めで、淡い黄色といった程度。香りは、開けたてはかなり閉じ気味で、レモンや洋ナシ、軽いグリーンハーブが香るといった程度。それが時間と共に開き、グリーンペッパーや白コショウ、山椒、それに軽くオリエンタルなそれ等のスパイス、ミツ、リンゴ、ミカン、ライム、スイーティといったフルーツといったものがよく出てきました。勿論、閉じていたころにあったレモン、洋ナシ、グリーンハーブのニュアンスも健在。味わいは、開いてもまあそこまで大きくは変わらず、閉じていた時より果実味の印象がやや強まったかなと言う所はあるものの、基本繊細でキレイな辛口です。優しい果実味、フレッシュな酸、後口にかけての軽い苦みといったものが感じられます。また、ミネラル感はしっかりあり、やや塩気を感じるほど。ボディはライトですが、硬質さ、骨格を感じる質感でした。会では、サラダ、パン、魚のメイン辺りで飲みました。サラダとの相性もまずまずですが、前回のグラシェヴィーナ程ではなかったでしょうか。ただ、野菜のみずみずしさとは馴染んでくれました。パンは、思いの外いいつまみになりました。特に、米粉を使ったバゲットは、独特のモチモチした食感と甘味が、ワインの硬質な質感や繊細ながらも印象的な酸や果実味と意外なほど一体感を見せます。オーストリー白はよくお寿司に合わせて、酢飯との相性の良さも感じていたのですが、お米の旨みと相性いいのでしょうか。魚のメインにも悪く無く、ソースのクリーミーさにはやや負けますが、基本的に鯛の旨みや皮目の香ばしさなどはよく合います。ただ、添えてあった菜の花のソテーとの相性が、香りの面などでより良かったようにも思います。循環農法を実践し、醸造は野生酵母ですが、驚くほどキレイで硬質さすら感じる辺りは流石オーストリーワインだなと。加えて、米粉パンや菜の花に相性がいいところも印象的でした。こちらのワイナリーは、ゲミシュターサッツでさらに上のキュヴェもあるようなので、そちらもワイン会ででもいずれ飲んでみたいところです。にほんブログ村
2018年04月02日
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先日の倉敷ピノ・ノワール会のワイン、新世界が続きましたが今回のものは欧州のワインになります。といいましても、ワイナリー自体はそこまで古いものではありませんが。ピノ・ノワール2007。生産者ハインリッヒは、オーストリア東部、ハンガリーとの国境に近いノイジードラーゼー地区の北部にある、ゴルスと言う村のワイナリーです。創業は1930年で、現在は2代目。当初1haだった畑は現在100haにもなります。ノイジードラーゼーは今でこそオーストリアにおける赤ワインの一大産地の一つですが、昔は白や貴腐ワインが中心でした。その土地で最初に大規模に赤ワインを作り始めたのが、このハインリッヒだったりするそうです。2006年からはビオディナミも実践しています。価格は3500円程度ですが、楽天内でも売り切れてしまったようです。実は、このワイン5年前に飲んでいたりします。色はやや暗めのガーネット。10年の熟成を感じさせる色合いです。香りは、開けたては閉じています。開けたてではかなり弱かったので、これはもうダメなのかなとさえ思いましたが、時間とともにぐんぐん開いてきました。要素としては、黒糖や黒蜜、それにブラウンマッシュルームや黒トリュフ、さらには落ち葉や茶色いスパイスなど、黒~茶色いニュアンスがよく出ていました。フルーツっぽさも勿論ありますが、クランベリーやラズベリー等の赤ベリー、チェリーなどのドライフルーツ感が強かったかなと。また、ドライトマトっぽさも少々。その他、微かな紫の花やヨードのような雰囲気もあったでしょうか。味わいはやっぱり開けたては閉じており、印象が増すのは香りが開いてからです。ただ、基本繊細さのあるバランス型のニュートラルなもので、しっとりした酸と果実味、というより熟成の甘みと言った方がいいようなものが拮抗して感じられました。ボディはミディアムで、タンニンや渋みも溶け込んでいる感じ。滑らかで程々の密度のあるものでした。会では、ハラミやセセリ、鴨の辺りで飲みました。ハラミに対しては、焼けた香ばしさとタレの香りとワインの香りの相性は中々でしたが、やはり味わい的には肉が勝る感じでしたね。セセリについては、脂が少なく身の旨みの強い味わい、さらにタレという事で、ワインの繊細な味わいとも調和を見せてくれますし、香りの面の相性もハラミ同様いいものがありました。また、肉も柔らかな繊維質と言う事で、穏やかなワインの質感が映えます。また、鴨はやはり間違いなく、肉の食感が強くワインの質感の印象こそ弱まるものの、ワインの持つ複雑な黒さのある香りと肉の香りががっちり噛み合いますし、ワインの熟成の甘みと言うべき味わいと鴨の滋味深い旨み、岩塩の味わいが、香りのおかげもあるでしょうが一体感を持って感じられました。5年前に飲んだ時とはかなり印象が違います。今回のものははっきり熟成したワインと言える状態だったのではないかと思います。開けたてこそ驚かされましたが、時間経過とともに出てきたその香りや味わいは独特の魅力をたたえており、今回のワインの中でも一つ異彩を放つものだったかなと。しみじみと美味しい、いいワインでした。にほんブログ村
2017年12月23日
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今回はオーストリーのピノ・ノワールです。ブルゲンラントのものになります。ピノ・ノワール・ドーフラーゲン2013。生産者はピットナウアー。不凍液事件によるスキャンダルにオーストリーのワイン界が揺れていたころ、18歳にしてワイナリーを継いだそうですが、仲間や友人の話を聞いたり、海外のワイナリーへ出かけたりと熱心に学びワイン造りを行ってきました。その後、自身の好むワインがビオディナミによるものであることに気づき、独自のやり方でオーガニック農法に取り組み、2006年にはビオディナミを本格的に行い始めたそうです。価格は3000円程度ですが楽天内に2013ヴィンテージはなし。写真のものはなんと2009ヴィンテージです。色はやや黒さもあるものの、基本明るいルビーカラー。透明度もある程度あります。香りは、オレンジピール、アンズやマンゴー、さらに各種赤ベリーなどのドライフルーツっぽさが出ており、そこにフレッシュ赤ベリーやチェリーのニュアンスが加わるフルーティなもの。また、古樽で8か月の熟成との事ですが、シナモンっぽさや軽いチョコレートやココアのような気配も感じられたでしょうか。加えて、バラの花や微かな小豆っぽさ、それに流石オーストリーと言うべき胡椒といった要素も少々。味わいは、フルーティな香りに似合った、果実味のアタックのしっかりあるもの。また、それを引き締めるタイトな渋味が果実味にピタッと寄り添います。酸はしっとりじんわりと果実味や渋みの間から染み出してくるような印象。ボディはミディアムで、丸く、柔らかさや膨らみ、温かみを感じるような質感でした。鴨鍋を合わせてみましたが、これが合わないわけありませんね。鴨の旨みや肉の質感に対し、ワインの果実味やまろやかなボディが包み込むような馴染み方です。これは、つみれとも同じような感じでした。また、醤油ベースに鴨や野菜の旨みが溶け込んだ出汁との相性も良好。旨みがグッと伸びますね。この辺の和の味わいとの馴染み方はやはりオーストリーだなと。また、やはりというべきか赤い魚にも行けます。マグロなら、赤身に対してはその旨みとワインの果実味や渋みの奥にある味わいが結びつく感じで、中トロとはシンプルに脂の旨みにワインの渋味や酸が嵌ります。基本フルーティさを楽しむワインですが、スパイシーさや、味わいの渋味の出方などそれなりの複雑さもあり、飲んでいて楽しいワインでした。また、普段の食事と合せて無理なく味わいを縦や横に広げられる、フードフレンドリーさも魅力だったかなと。にほんブログ村
2017年12月03日
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今回も続けてオーストリーの白。生産者も同じ、畑のエリアも同じです。ランゲンロイザー・グリューナー・フェルトリナー2016。オーストリーではビオディナミの普及率が高いですが、フレッド・ロイマーもそういった自然な作りを実践しています。ただ、プレパラシオンについては必ず使っているわけではないようです。このグリューナーも、実は少し醸し発酵をしているようですが、それもそういった自然派な作りの延長線上にあるものなのかもしれませんね。価格も、前回のリースリングより少しだけお安い、インポーター参考価格3780円。色はやはり薄い黄色ですが、若干のツヤ感が見えます。この辺醸しの影響でしょうか。香りはやはりオリエンタルスパイスのニュアンスは感じられます。ほかに、白や緑のコショウ、グリーンハーブ、それに若干のジュニパーベリーのような雰囲気もあり、元々スパイシーな香りを持つのでリースリングほどは目立ちませんが、それでもやはり過去のものよりしっかり出ていたかも。その他の要素としてはやはりフルーティさで、黄色や緑の柑橘、カリンやリンゴ、洋ナシ、それに南国の黄色いフルーツっぽさといったものも感じられました。また、遠くに蜜っぽさも少々。味わいは、果実味の出やすい品種のイメージでしたが結構バランス型。アタックには果実味がありますが、優しいものがふんわり広がるという感じで、そこにすぐさましっとり系の酸が旨みを伴いつつ入ってきます。後口にかけては独特の軽い苦みもありますが、印象は程々。ボディはミディアムライト程度で、しなやかさとパリッとした質感を感じるものでした。食事との相性では、久々にサンマのスダチ煮を作ってみましたが、サンマと合わせても生臭み等出ず、旨みを果実味や酸が引き出してくれるのは勿論、やはりスダチの香りとワインの香りがガシッと嵌り、合わせる必然性を感じさせてさえくれました。その他、やっぱり鮮魚との相性はよく、サーモンやブリといった脂のある魚のお刺身にも合いましたし、一方で真鯛のようなあっさりした、それでいて旨みの強い魚にも行けます。特に、鯛とは柑橘っぽさのおかげか香りの面の相性もいいですね。後は、白醤油仕立ての鶏の天ぷらなんかもいいつまみになりましたし(まさにカボス代わりかも)、意外とポテトサラダのようなパンチのある物にも無理なく馴染んでくれました。スパイシーさの印象が強まっており、よりグリューナー・フェルトリナーの特徴を感じられるようになったと言えるのかもしれません。シャルドネやリースリングなど、他の白系品種との飲み比べの際など、かなりはっきり違いを感じられそうで、ワイン会に使うのも面白そうです。会場は、和食店やお寿司屋さんもいいでしょうが、中華料理店にして、八角を使った角煮なんかと合わせてもよさそうです。にほんブログ村
2017年11月27日
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今回はオーストリーワインです。日本グランドシャンパーニュ取り扱いのフレッド・ロイマーのものになります。ランゲンロイザー・リースリング2016。生産者フレッド・ロイマーはオーストリア、カンプタール地方の生産者です。同地方の中心地であるランゲンロイスに、ブラックボックスと呼ばれる真っ黒なワイナリーを構えています。パノニア気候の影響による高温と、川からの涼しい空気による寒暖差が大きく、黄土や片麻岩など様々な土壌を持つカンプタールで、リースリングやグリューナーフェルトリナーは勿論、ピノ・ノワールなども手掛けており、最近は高い評価を得ているようです。本ワインは、そんなランゲンロイスのリースリング100%。価格は、インポーターの参考価格で3960円ですが楽天内に扱いは無いようです。色はややツヤ感もある薄い黄色。香りは、ミカンやグレープフルーツなどの黄色い柑橘がありつつ、リンゴ、それにアプリコットや若干のマンゴー的な南国フルーツっぽさといった濃いニュアンスも感じられました。印象的だったのはオリエンタルスパイス感が強かったこと。グリューナーではたまに感じることがありましたが、リースリングで甘草などの気配を感じたのは初めてだったかも。その他、蜜っぽさグリーンハーブ、緑や白のコショウ的な雰囲気などもあったでしょうか。味わいは結構酸の印象強め。太さ、強さ、明るさを感じるものでインパクトしっかりです。また、その酸は旨みを伴うものでもあり、ミネラル感も強め。一方、果実味は繊細で、酸やミネラルの裏方という感じですが、時間経過・温度上昇で印象が増してきた感はありました。ボディはミディアムくらいで、そこまでごつごつした、硬質な質感ではありませんが、エキス分は感じました。食事との相性では、鯖寿司に合わせられたのが最も印象的だったでしょうか。実は、ここ最近書いています白ワインはほぼ同じタイミングで同じようなものに合わせているのですが、やはり鯖寿司だけはシャブリやソーヴィニヨン・ブランでもちょっと臭みが出てしまう感じでしたが、これはそれが全くなし。それでいて、しっかりした酸味と鯖の酸味旨み塩気、酢飯の甘み酸味の相性も良好でしたし、香りの面でも、スパイシーさが結構馴染んでくれる感じでした。その他、アボカドと豆の粒マスタードヨーグルト和えとも、ヨーグルトマスタードソースの酸味や旨みにワインの果実感が合いますし、塩鮭の潮汁に対しては、その塩気や旨みに対しワインの酸と旨みがよく嵌ってくれました。このワインも、おかじまや大試飲会で飲んでいますが、その際、醸造時にちょっと果皮浸漬と言う話を伺いました。オレンジワインにこそなっていませんが、スパイシーさの印象が強くなったことと関係があるのかもしれません。勿論、それでバランスが悪くなっているというようなことは無く、食事との相性も以前と変わらず良好と、面白い変化を遂げてたなあと言う印象でした。因みに、このワインも抜栓後4日程度ではヘタレる気配は見せませんでした。にほんブログ村
2017年11月25日
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さて、先日のオーストリアワイン大試飲会で飲んだワイン、メモを取れているものは今回で最後となります。ピノ・ノワール2011。生産者カイザーは、ノイジードラーゼーの西側、ブルゲンラントの作り手になります。やはり、地域的に赤ワイン造りに力を入れており、29ヘクタールの畑の8割はツヴァイゲルト、ブラウフレンキッシュ、ピノ・ノワールとなっているそうです。その土壌としては腐植土、粘土となるようです。また、現当主の祖父は岐阜の多治見修道院に1938年に派遣され、帰国するまでの14年間の間、同修道院でのワイン造りに携わられるとちょっと日本と縁のあるワイナリーでもあります。価格は、楽天内では写真のお店で2835円。色ややオレンジも感じるルビーカラー。透明度もしっかりあります。香りは、やはり赤ベリーのニュアンスが強く、その中でも、そのドライフルーツも含めクランベリー系の雰囲気がより多めにあったように思います。また、より色の濃いニュアンスもあり、ブルーベリーやブラックベリー、プラムといった気配も。加えて、コケモモっぽさもあったように思います。その他、軽くココアやチョコといった要素も感じられましたし、乾燥ローズマリーなどのハーブっぽさや、若干の鉄っぽさもあったでしょうか。味わいは、突出し過ぎる要素はなく、基本的にバランスの良いタイプとなっていますが、アタックは果実味の印象が主となってはいます。それを、しっとり系の明るい酸が追いかけてくるというような印象。渋みもあり、果実味や酸の背景を静かに流れているといった感じ。ただ、舌触りにタンニンの存在感はあります。ボディはミディアムライトといった程度で、丸さ、柔らかさを感じふわっと広がるような口当たりでした。会のお料理では、やはり肉類との相性がよく、サラダに入っているシンプルな味わいの鶏肉に対してもその旨みを引き出しつつソース的な噛み合い方もしてくれますし、一方で味のしっかりしたシュニッツェルとも、衣の味わいに負けることなく、ソースのコク、豚肉の旨み、衣の油に対しワインの黒いニュアンスや果実味、渋みがよく嵌っていました。その他、このワインに合わせるなら、これはもう王道なところで、鴨のローストなどよさそうです。ソースも、茶色いものでも大丈夫でしょうし、シンプルな塩コショウのみと言うのもいいでしょう。バランスがよく、ベリーフルーツのニュアンスがありつつも軽い黒さも感じると、素直でよく出来たピノ・ノワールと言う印象でした。物凄く複雑、というタイプではありませんが、飲んでにっこりできるワインかなと思います。価格もそこまで高いものでもありませんし、一度ワイン会ででも使ってみたいところです。にほんブログ村
2017年10月24日
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先日のオーストリアワイン大試飲会で飲んだワイン、今回含めてあと2種類ほど記事にしようと思っていますがどちらも写真を取り損ねています^^;今回はロゼのスティルワインです。エントヴェーダー・ロゼ2016。生産者エルンスト・トリーバウマーはノイジードラーゼー=ヒューゲルラントのルストにあるワイナリーです。1691年に移住してきたことが始まりという歴史ある、家族経営の作り手になります。20ヘクタールの畑を持ち、オーストリーでは比較的温暖な地域らしく、その75%が赤ワイン用品種になります。中でも、ブラウフレンキッシュに力を入れています。また、栽培時にはリュットレゾネを実践、醸造は野生酵母で行っています。セパージュはブラウフレンキッシュ100%。価格は、楽天内では上記写真のお店で2030円。色は淡いピンクですが、その手の色合いの中では赤さを感じる方ではあります。香りはイチゴ、ラズベリー、クランベリーといった赤ベリー感が強く、フレッシュなものは勿論、それらのドライフルーツといったものも感じられます。さらに、アセロラやチェリー、加えてマラスキーノ的なチェリーリキュールっぽさも少々。その他の要素としては、ピンクペッパーやハーブっぽさといった、色の淡いロゼらしいニュアンスが出ていますが、若干のアンコのような雰囲気が感じられたのは面白かったです。味わいは果実味のアタックがキッチリあり、そこに旨みを伴うしっとりした酸が、しかしはっきりと広がる獲ったバランスで、フルーティな香りに似合ったジューシーさを楽しめました。ボディはライトで、トータルとしては白ワイン的なロゼかとは思いますが、それでもまろやかな口当たりを感じることも出来ました。会のお料理は、割と何でも合う感じでした。チキンや野菜は勿論、白カビチーズのクリーミーなボリューム感に対してもジューシーさのおかげで味がぼやけることがありませんし、茶色いソースのシュニッツェルに対しても、カツが薄いという点はあるでしょうが、香り味わいともに負けず、特に衣、ソースの香りに対しワインの軽やかなスパイス感と赤いフルーツ香がよく馴染んでいました。その他あわせるなら、焼き鳥やチキンソテーなどもいいでしょうし、赤身の魚やサーモンの類もよさそうです。魚なら、火の入ったものは勿論、生でも問題ないでしょうね。香りもよく、味わいもしっかりしており、淡いロゼカラーも好感度高いと、中々使い勝手の良さそうなワインでした。これが、2000円ちょっとで買えると言うのはかなりありがたいなと。このワイン、3000円以下のおすすめワインのブースにあったのですが、成程コストパフォーマンスが高く、特別ブースで紹介されるだけのことはあるなと言う感じでした。にほんブログ村
2017年10月22日
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先日のオーストリアワイン大試飲会で飲んだワイン、続いては白。グリューナーではなくリースリングになります。リースリング・シーファーテラッセン2014。生産者はシュタット・クレムスです。クレムスタールにあるワイナリーで、シュタット=都市の名の通り、市営になります。ただ、その源流は550年前までさかのぼることが出来るという、大変歴史ある作り手でもあります。30ヘクタールの自社畑を所有しており、実にその95%がグリューナー・フェルトリナーとリースリングになります。本ワインは、上級の格付けを得ている2つの粘板岩土壌の畑のリースリングを用いて造られています。残念ながら楽天内に扱いはありません。インポーターはAWAさんで、参考価格は税別3900円だそうです。色は淡い黄色。黄色であることは認識できますが、薄めなのは確か。香りが印象的で、リンゴや洋ナシ、ミカン、少々のグレープフルーツに蜜っぽさが加わるというリースリングらしい雰囲気もあるものの、甘草的なオリエンタルスパイスのニュアンス、白コショウ、それに軽いビャクダンのような気配と、スパイシーさが非常にはっきりと出ていました。その他の要素としては、らしいグリーンハーブが感じられました他、軽いグースベリーっぽさもあったでしょうか。味わいは果実味のアタックがキッチリ。そこに、しっとり系の旨みを伴う酸が加わりますが、酸の量はしっかりある印象。トータルとしてはジューシーさを感じられるものだったかなと。ボディもミディアムライトくらいの存在感があり、パリッとした質感でハリのある口当たりでした。会のお料理では、鶏のローストのサラダはやはりいいつまみで、野菜のみずみずしさ、鶏肉の凝縮した旨みがワインの果実味のある味わいによく合いました。また、シュニッツェルに添えられていたローストポテトもいいつまみで。しっとり滑らかなイモの口当たりと、甘みを感じる旨みが、ワインのハリ感や果実味に合いますし、ローストされたことによる香ばしさとワインのスパイシーさの相性も良好でした。このワインなら合わせる幅は広そうですが、ハーブの利いたタイ料理やスパイシーな中華料理辺りに色々合わせてみたいものです。アニスを使った豚の角煮なんかつまむとどうなるかかなり興味深いところ。色々リースリングは飲んできたつもりでしたが、こういう香りのものは初めてでした。この、華やかなスパイシーさはかなりのインパクトで、絶対メモを取らなければと思った次第です。しかも、このワインなんと13.7度とアルコール度数結構高めなのですが、アルコリックな印象は全く感じられなかったのも面白いところ。2016年にはJAL国際線のファーストクラスで使われたこともあるそうですが、中々面白いチョイスをするなあと。にほんブログ村
2017年10月20日
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まだまだ続く先日の白ワインを飲む会のワイン、今回はオーストリーになります。ウィーナー・ホイリゲ2015。生産者ヴィーニンガーはオーストリーの首都ウィーンのワイナリーです。ウィーンでは、昔行われていた混植混醸=ゲミシュター・サッツが現在復活、多くのワイナリーで実践されていますが、ヴィーニンガーはそんなゲミシュター・サッツ復活の立役者となったワイナリーの一つです。また、貝殻石灰質の土壌を持つ、ウィーン屈指の銘醸地ヌスベルクに畑を持ち、2006年からはビオディナミも実践しています。因みに、ホイリゲは新酒の事で、つまりこのワインは2015年の新酒という事になります。セパージュは、グリューナー・フェルトリナーを中心に3種類程度とのこと。価格は3800円くらいでしたが楽天内にはもうありません。色は青みがかった黄色ですが、黄色の印象は解禁直後と比べますと明らかに強くなっています。香りはスイーティといった青い柑橘やハーブ、それに軽いマジパンといったものが感じられるところは若い時と似た部分ですが、オリエンタルスパイス感がより強くなったような印象も。また蜜入りリンゴっぽさやハチミツ、ドライフルーツといったニュアンスも、2年の時間経過で見られるようになった要素かも知れません。その他、黄色い南国フルーツやレモンピール、和梨っぽさといったものも感じられたでしょうか。味わいはバランスの良さを感じるものでした。果実味のアタックはありますが落ち着いた、柔らかいものとなっており、その果実味から明るい酸がじわじわ染み出してくるよ央な感覚でした。ボディはミディアムライトで、丸さとクリアーさやハリ感の共存する質感でした。会ではどのつまみとも相性が良かったです。鶏ハムのしっかり塩気や旨みはワインの果実味やボディのある程度の存在感に丁度良かったですし、パクチーの独特の香り、トマトの軽い青さとも香りの相性の良さがありました。だた、流石オーストリーと言うべきか、中でもトマト寒天の旨みとの馴染み方が一番良かったかなと。四恩醸造の希望程ではありませんが、昆布と鱧の出汁の旨みを引き出してくれる感じはやっぱり他と違う所です。という事で、このワインもやっぱり和食に合わせたいワインでした。椀物などの出汁の旨みとがっちり噛み合ってくれそうです。2年たった新酒という事でどうかなと思いましたが、元々このワインリリース直後の開けたては結構しっかり固く、翌日翌々日と開いていくようなワインですし、新酒解禁の頃には、リリース後半年くらいは置いてから飲んだ方がいいなんてお話を聞かせてもらってこともあったくらいで、落ちた雰囲気などは皆無、むしろ今飲み頃か、下手をするとまだ瓶熟行けるんじゃないかというくらいでした。ゲミシュター・サッツも珍しいですし、香りや味わいも他の白とは違う世界観があり、しかも新酒の2年熟成という事で、印象に残った方も多かったようです。[2014] Wiener Heuriger - ウィーナー・ホイリゲ - ヴィーニンガーなんと、楽天内にはさらに古い2014ヴィンテージが!ワイン会の飛び道具としてはかなり面白いアイテムかなと。にほんブログ村
2017年07月02日
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今回のカーヴ・ド・テールさんのオーストリーワインディナーのワインはやっぱりブラウフレンキッシュ。ブラウフレンキッシュ2013。生産者は珍しい、ブルゲンラントのゲミシュター・サッツを手がけるグロッサー・ワインですが、こちらは単一品種によるものです。ただ、20区画の畑から収穫したブラウフレンキッシュをブレンドして用いています。こちらのワインも1リットルですが、それは1960年代位までオーストリーではワインボトルは1リットルだったことから、その伝統を守りたいとの思いで復活させたからだそうです。価格は、3200円程度のようですが楽天内には無し。こちらの写真も取れておりませんので、エチケットはインポーターさんのサイトにてご確認ください。色は深い赤黒で、黒の印象が強いですね。透明度もあまりありません。香りはブルーベリーやプラム、ドライプルーン、アメリカンチェリーといった、やはり色合いに似合った色のしっかりしたフルーツ感がよく出ています。また、バルサミコっぽさやカラメルといったニュアンスも。その他、スミレやナッツ、軽い乾燥グリーンハーブといった要素や、少々の干し肉のような雰囲気も。味わいは果実味しっかりで、渋みもこれまでの2本の赤より大分存在感があります。舌触りにはタンニンがキッチリ感じられます。酸は乳酸系で穏やか。果実味と酸の裏方に回っている感じですね。ボディはやはりミディアム位でしょうか。丸さや柔らかさがありますが、同時にしなやかさも思わせるような口当たりでした。会では、パスタのボスカイオーラのタイミングでのご提供でした。パスタの、トマト由来のフレッシュな酸やキノコの旨み、肉の旨みといったものが、ワインの味わいに馴染む感じはありますが、どちらかと言うとワインがパスタの味わいを吸収するような感じ。つまみとして、という感じですね。という事で、ゆっくり飲んでメインの牛舌元と豚舌の赤ワイン煮にも合わせてみましたが、これは肉の旨み、特に牛のそれとはバッチリで、味わいに立体感や深みが出る感じでした。2013年と若く、畑も良好、さらに、ボトルも1リットルと容量があるという事で、まだまだ強く、フレッシュなワインだったかなと思います。これがさらに熟成していくとどうなるのか、興味深い1本でした。にほんブログ村
2017年04月27日
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まだまだ続くカーヴ・ド・テールさんのオーストリーワインディナーのワイン、今回はブラウフレンキッシュを使っていないものになります。オマージュ・ハイドン。生産者は1種類目の泡と同じエスターハージーです。歴史ある貴族であるエスターハージー家では、その昔音楽家ハイドンが住み込みで宮廷楽師をしていたのですが、エスターハージーのワインがお気に入りだった彼は、給料の一部をワインで受け取っていたのだとか。2009年がハイドン没後200年だったそうで、それを記念して造られたのがこのオマージュ・ハイドンです。なお、エスターハージーでは、その2009年からラ・モンドットやパヴィ・マカンなどを手掛けるステファン・ドゥルノンクール氏にコンサルを依頼しています。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローが半々とまさにボルドー系。価格は、写真のお店では2138円です。色はやや赤みが強いものの、しっかり赤黒いです。香りはビターチョコやカラメル、それに黒コショウといった色の黒いニュアンスが良く出ていますし、フルーティさにしても、黒ベリーやブルーベリー、軽いプラムやプルーン、ダークチェリー等、やはり色の濃いものが感じられました。加えて、ナッツや生クリームっぽさ、乾燥タイムやローズマリーなどのハーブの要素も感じられましたし、時間と共にメルローらしいフルーツケーキ感も出てきたでしょうか。味わいは、色合いや香りに似合った果実味のインパクトがしっかりあるものでした。しかし、そこに乳酸駅の酸がじわじわと広がって来て、トータルでは果実味重視ながらもバランスを失しないものとなっています。タンニンもアクセント的に。そこまで弱くはありませんが、渋い!というようなものでもありません。ボディはまろやか柔らかなミディアムです。ただ、輪郭は感じますね。会では、前菜とパスタの間のミニコンサートのタイミングでという感じでしたが、テリーヌをゆっくり食べていたので合わせることが出来ましたし、ワインもゆっくり飲んだのでパスタとも合わせられました。テリーヌとの相性は、ショプロンほどではありませんが、肉の旨みや塩気、香りに、ワインの果実味や黒いニュアンスがソース的に合わせられるといった感じ。パスタは、トマトの酸が結構感じられる、フレッシュですらあるような味わいでしたので、このワインの黒さにはちょっと負け気味だったでしょうか。落ち着きやバランスはありますが、基本しっかりしたワインです。このワインは結構肉ワインかもしれません。牛肉など赤身肉の茶色い煮込みなんかにも良さそうですし、ローストビーフやステーキなどとも良さそうです。丁度、オーストリーでもグーラッシュなどを食べますので、その辺と合わせて楽しいのではないかなと。にほんブログ村
2017年04月25日
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続いてのカーヴ・ド・テールさんのオーストリーワインディナーのワインはゲミシュター・サッツの白になります。ゲミシュター・サッツ・ヴァイス2015。生産者はグロッサー・ワインです。2012年に南ブルゲンラントに創業したワイナリーで、アイゼンベルクという、緑色の鉄分を多く含んだスレート土壌を持つ南ブルゲンラント屈指の銘醸地に畑を所有しています。パノニア気候の影響を受けた温暖な地という事で、やはり赤が盛んではありますが、グロッサー・ワインでは様々な白品種も栽培しており、それを本ワインではゲミシュター・サッツ=混植混醸にしています。セパージュはヴェルシュリースリング、ソーヴィニヨン・ブラン、ムスカテラー、ヴァイス・ブルグンダー、グリューナー・ヴェルトリーナー。価格は、楽天内ですと写真のお店で2916円です。なお、サイズは1リットルになります。色は青みがかった薄い黄色。香りはグリーンハーブやグリーンペッパー、石灰、濡れた石、ビワの葉や柿の葉といったものや、白ワインらしからぬ茶色いスパイスっぽさ等があり結構独特。時間と共にフルーティーさも増してきますが、ライムやスイーティと言った青い柑橘、温州ミカン、青リンゴ、パイン、ライチ、それにビワの実といった、これまた特徴的な組み合わせな印象のものでした。味わいは果実味しっかりで、アタックにしっかり存在感を見せます。ただ、それは柔らかさや丸さを感じさせ、濃い!というものではありません。その辺は、しっとり系でじわじわと出てくる、しかし確かに存在する酸や、強いミネラル感の影響かも知れません。ボディはライト。クリアーさを感じる質感で、少々硬質ですらあり、輪郭のある口当たりとなっています。会では、サーブして頂いたタイミングは泡に続いてで、単独で食前酒という感じでしたが、これも折角なので前菜の鴨のテリーヌに合わせてみました。相性としてはまあまあといった所で、ワインの果実味とテリーヌの旨み+塩気の対比を楽しむ、といった程度。強い結びつきや味わいの引き出し合いといった所には至らずです。添えてあるレタスと一緒に頂くと、そのみずみずしさや甘味との相性の良さは感じられたでしょうか。という事で、このワイン、硬質で果実味のあるワインですが結構野菜との相性が期待できそう。バーニャカウダやシンプルなサラダ、あるいは香草を使った東南アジア系のお料理などとも是非試したいところです。注いでいただいて直ぐの香りは結構個性的で、この感じはウィーンのゲミシュター・サッツとは違うものでした。時間がたてばフルーツ感が増してきますが、そのフルーツの種類も、ちょっと違う部分あるかもしれません。これは、久々にゲミシュター・サッツの飲み比べ会をやってみないといけませんね^^にほんブログ村
2017年04月21日
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今回はオーストリーの赤。キレイ目ツヴァイゲルトです。ツヴァイゲルト・ノイジードラーゼ2014。生産者はトマス・レーナー。オーストリーの東部、ハンガリーにも近いエリアであるノイジードラーゼーに、2006年に設立された新しいワイナリーです。ハンガリーからのパノニア気候の影響を受け温暖で、貴腐ワインや赤ワインの生産が盛んなノイジードラーゼーで、ツヴァイゲルトやブラウフレンキッシュ、さらにシャルドネやソーヴィニヨン・ブランといった品種を、オーガニックで栽培、醸造でも天然酵母100%です。価格は、写真のお店では2418円。色はルビーカラーで透明度もある程度あります。ちょっとオレンジないしガーネット感もあるでしょうか。香りはラズベリーやクランベリーを中心に赤ベリーのニュアンスで一杯です。フレッシュなものは勿論、ドライフルーツっぽさもありますね。また、チェリー感もあり、色合いに似合った赤いフルーツ中心なものとなっています。そこに、赤い花やローズマリー、タイムなどのドライハーブ、黒い土といったものが加わり、さらに軽く黒コショウっぽさや、若干の茎っぽさといったものが感じられたでしょうか。味わいは旨みやしっとりした酸の存在感があります。旨みはアタックから後口まで、酸はアタックに明るい印象を残してくれます。果実味は繊細さのある柔らかなもので、酸や旨みの背景として穏やかに広がります。ボディはライトと言っていいと思います。柔らかく滑らかで、丸さを感じる口当たり。タンニンは後口にかけて、ボディ感といいバランスでフッと感じられるといった所。食事との相性では、やはりこのタイプは魚でも行けますね。カツオの叩きをつまみましたが、カツオの香りとワインの香りの赤いフルーツやスパイス感が、さらに、カツオの質感や脂少なめ旨み強めなあじわいに、ワインのボディ感が合います。因みに、ポン酢で頂きましたが全く問題なしです。また、マグロの赤身とも同様な相性の良さが見られました。肉ならやはり鳥肉が手堅いかなと。今回はモモ肉をチキンステーキにしてみましたが、鶏の旨み、肉の質感がやはり合います。ただ、あまり脂の強いところですと、ちょっとワインの印象が薄れ気味だったかも。他に、鴨肉の焼き鳥を頂きましたが、こちらのやや鉄っぽさもある味わいの方が、より馴染みやすかったかもしれません。そういう点を考えますと、案外赤身のローストビーフとかにもいいのかもしれません。オーストリーも、昔は濃く作ったツヴァイゲルトにガッツリ樽を掛ける、というようなワインが結構あったように思うのですが、このワインなどは全く逆の、まさにいま世界的に好まれるキレイ目なエレガント系ワインだなと。実は、この生産者のツヴァイゲルトは以前別のものを飲んでいるのですが、そちらとは樽の有無が違うようです。ただ、何方もキレイなワインだったのは確かです。にほんブログ村
2017年03月14日
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今回はオーストリーワイン。河津桜は咲いたものの、ソメイヨシノやジンダイアケボノの季節にはまだ早いですがロゼです。ロゼ・ツヴァイゲルト2014。生産者はフレッド・ロイマーです。オーストリアのカンプタール地方の生産者です。元々、ワインだけでなく野菜作りなどもしていた家系だそうですが、フレッドの父の代からワイン造りに集中、自身は、ドイツやカリフォルニアで修行したのち1997年にワイナリーを引き継ぎました。ビオディナミを実践する作り手で、2007年にはオーストリアだけでなくハンガリーやアルト・アディジェの生産者らと共に「リスペクト」というビオディナミの認証団体まで立ち上げたのだとか。理論はシュタイナーのそれに倣いつつも、より実践的な作りを行っているようです。セパージュは、ツヴァイゲルト100%。価格は、写真のお店では1825円です。色は透明度も高い、薄いピンクですが、赤みに寄ったものです。香りはラズベリー、クランベリー、ストロベリー等々赤いベリーのニュアンスがバッチリ。また、チェリーや軽いチェリーコンポート、それに、少々のピンクグレープフルーツ的な柑橘っぽさといったものもありフレッシュかつフルーティです。そこに、白コショウ的なスパイスや乾燥タイム的なハーブっぽさ、土っぽいミネラルといったようなものが加わる感じでした。味わいは意外なほどドライ。果実味は繊細なもので、ほんわか広がるといった感じ。明るくシュッとした、それでいて意外と太さのある酸がメインにあり、後口にかけては若干の苦味?渋み?も。ボディはライト。クリアーさ、透明感のある質感で、パリッとしたミネラル感のあるものです。白ワイン的なタイプですね。そんなわけで、白ワイン的にお寿司をつまんでみましたがやっぱり合います。中でも、サーモンや赤身には間違いないですね。シャープなワインの味わいと質感が魚の旨みに合うのは勿論、フレッシュなベリー香と、魚の香りとの相性も行けます。また、エビなどにも良いですし、意外と鯛にもなじみます。鯛の味の強さのおかげもあるでしょうが、ワインのシュッとした部分が白身の質感にいいですね。後は、カツオの叩きにも良かったです。カツオのしっかりした味わいにワインの酸や香りが行けます。食べ方としては、柚子塩とポン酢の2種類で試しましたが、柚子塩とはワインのスパイシーな部分が若干の引き合いを見せた感じで、ポン酢とは喧嘩せずといった所でしょうか。フレッシュフルーティで親しみやすく、色合いも花があるので、それこそ花見の席など屋外で日の高いうちから楽しむのにももってこいなワインかと思います。食事との相性の幅も広そうです。ただ、その香りや味わいは、オーストリーワインの個性、そして、アルコールが低く、フレッシュさがあり、フルーティーでミネラルがあるワイン造りを目指すというロイマーの哲学が間違いなく見て取れるものなのかなと。にほんブログ村
2017年02月16日
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さてさて、先日の中華とリースリングの会のワイン、今回はオーストリーになります。ヴァッハウ・リースリング2014。生産者ライナー・ヴェスは2003年設立という新しいワイナリー。ヴァッハウを拠点としています。元々はウィーンのホイリゲの生まれだそうで、フランスやカリフォルニアのワイナリーで修業後、ドメーヌ・ヴァッハウの醸造長を務め設立に至ったそうです。畑は、ニコライホフのようにヴァッハウのみならず、隣接するクレムスタールにも所有。醸造時には除梗はしないそうです。価格は、3500円程度のもののようです。色は青みがかった黄色。濃いという程でもありませんが、それまでの2本に比べればしっかり色を感じます。香りは、開けたては遠くに軽い還元的な雰囲気もあったでしょうか。ただ、結構すぐに消えてしまいましたが。フルーツ感はしっかりで、中でも柑橘、特に青い柑橘の雰囲気があったでしょうか。スイーティやライム、それに青いミカン的なニュアンスも少々。他に、黄色いミカンもありますし、グレープフルーツ感も。他に、リンゴや花の蜜、土っぽさといったものや、オーストリーらしい白コショウ的な軽いスパイス感、それに、どこか青い実山椒のようなものも感じられたように思います。味わいは結構果実味強め。柔らかで広がりを感じるそれがアタックにしっかり構えています。その広がりの中に、明るい酸がピッと入る、といったようなバランス感でした。また、後口に掛けては旨みを伴いつつ軽い苦みも見えました。ボディはミディアムライトくらいで、柔らかさや丸さを感じます。ただ、ミネラル感は感じられ、骨格まではいかないもののコシやハリを感じる質感ではありました。会では、蒸し餃子と炒め物、それに海老のタイミングで飲みました。どの料理とも相性が良かったです。エビとは、エビチリの甘みとワインの果実味、それにスパイシーな香りとワインの香りの相性が良く、餃子とは、やはりニラ餃子の青い香りとワインの香り、それに餡の旨みとワインの旨みがよく馴染みました。加えて、肉の餡のものとも、豚肉の旨み、脂にワインの果実味や質感が寄り添います。しかし、なんといっても面白かったのが炒め物で、ゴーヤが入っているのですが、その香りに、ワインの青いニュアンスが噛み合いますし、苦味を向こうにしても、ワインの味がぼやけず、むしろそのフルーティさに苦味がアクセントとしてうまく組み込まれてしまうような感じすら受けました。その他のレンコンや黄ニラ、それにホタテの甘みとも相性が良く、味付け自体の旨みや塩分と対比感を見せながら、その奥にある素材の旨みをよく引き立ててくれました。果実感があり、存在感を感じさせるワインでありながら、食事とここまで良く馴染むというのは、流石オーストリーワインだなと言う感じです。また、ヴァッハウという事ですが、ピヒラー等のワインと比べますと、硬質感やスケールの大きさより、柔らかさや繊細さを感じさせるタイプだったようにも思います。グリューナーもやっているようですので、そちらも非常に興味深いところです。ライナー・ヴェス ヴァッハウ リースリング 2014【オーストリア】【辛口】【白750ml】【ヴァッハウ】楽天内でも意外と扱いは少な目の生産者です。にほんブログ村
2016年11月10日
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先日はオースト「ラリア」の白でしたが、今回はオースト「リア」の白です。混植混醸のものになります。ゲミシュター・サッツ・ヌスベルク2012。生産者ハイサン・ノイマンはオーストリー、ウィーンのワイナリーです。歴史は新しく、2000年にスタート。ビオディナミを実践していますが、転換は2006年からだそう。栽培方法としては、ウィーンらしくゲミシュター・サッツ=混植混醸。本ワインには、8種類ほどのブドウが使用されているそうです。土壌は貝殻石灰質、醸造ではステンレスタンク醗酵を行います。その8種類のセパージュはグリューナー・ヴェルトリーナー、ヴェルシュリースリング、ヴァイスブルグンダー、フリューローター・ヴェルトリーナー、ツヴァイゲルト、リースリングとなっており。ほぼ白ブドウですが黒のツヴァイゲルトも混ざっています。価格は、写真のお店で3348円。色はツヤ感のある黄色。樽無しでもこういった感じになるんですね。香りは茶色いスパイスないしオリエンタルハーブっぽさや、マジパン、ベッコウアメ、少々のヨードっぽさ、ミネラル、といった複雑味のある要素が感じられます。ただ、フルーティさもしっかりで、リンゴ、洋ナシ、ミカン、キンカン、パイナップル、黄桃の缶詰、アプリコットジャムといったようなニュアンスがありました。その他、ハチミツやクレームブリュレ的な、甘く香ばしい雰囲気も。味わいは果実味のインパクトが結構あります。そして、その奥にしっとり強い酸があるといったバランス。ボディはなめらかさやしなやかさを感じる、しかし膨らみや柔らかさもあるミディアムくらいでしょうか。また、後口にかけてはこの国の白らしい軽い苦みも。食事との相性としては、やはり魚系に行けますが、ちょっと味の濃いものの方が良さそうです。加熱用マグロを、ワカメと筍と共に若竹煮風にしてみますと、マグロの旨み+ダシの旨み、塩気にワインのボリューム感や果実味、その奥の旨みがよく馴染みました。また、タケノコの食感にもいいですし、ワカメともヨードっぽさが軽く馴染む感じ。また、カジキマグロでアクアパッツァをしてみましても中々。火の通ったカジキマグロ独特の食感が、やはりワインのミネラル感やボディのハリに行けます。トマトや貝の旨みとの相性もまずまずですし、何より振っておいた粒コショウとの相性がバッチリ。やはり、香りに共通のニュアンスがあるようです。その他、お寿司やカツオのたたきにもいいですし、カツオに関しては、血合いの多い部分が特にいい相性でした。スパイシーさやマジパンのような雰囲気と果物の華やかさがあり、過去飲んだことのありますウィーンのゲミシュター・サッツとイメージの重なるワインでした。このワインのブドウの畑はヌスベルクで、過去飲んだことのあるものもほぼこの畑ですので、この要素はヌスベルクの個性というべきなのでしょうね。食事との相性が、血合いと馴染んだりと結構面白かったのが印象的でした。肉類と合わせるのもよさそうです。にほんブログ村
2016年09月13日
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いよいよこの日曜日は1日日本ワインバーです!天気怪しそうですが、お時間ございましたらお気軽に遊びに来てやってくださいね。という事で、イベントの告知とワインのラインナップご紹介も終わりましたので、ブログの方は今回から通常運転で。オーストリーの赤になります。ツヴァイゲルトNO2。生産者トマス・レーナーはハンガリーとの国境に近いノイジードラー湖北東部のワイナリーです。2006年創業という新しい作り手で、創業当初からオーガニック栽培を実践しています。また、その栽培のみならず、醸造においても基本的に独学、自己流でやっているという物凄い作り手で、若干30歳ながら既にこの地の新興生産者の代表的存在となっています。ブドウの樹齢は10~15年で、土壌は粘土+砂礫。このワインは、大樽醗酵の後、バリック熟成のようです。楽天内には残念ながら取り扱いは無し。価格は3000円程度です。色はガーネット的な雰囲気ですが赤みの印象の強いタイプで、ややルビー寄りといった所。香りはツヴァイゲルトらしくイチゴ感のあるもので、ドライイチゴやイチゴチョコのような雰囲気が感じられました。また、ラスベリーを中心とした赤ベリーやブルーベリー、少々の黒ベリー、チェリーといった小さなフルーツのニュアンスも。そこに、クルミなどのナッツっぽさや甘草的なオリエンタル系のそれがよく出ているスパイシーさといったものが加わる感じです。味わいは乳酸系の明るい酸が印象的ですが、その背景には果実味が広がっているといった感じ。タンニンの印象はあまり強くなく、渋みも少なめです。ボディはミディアムライトくらいでしょうか。重さや濃さを感じるタイプではありませんが、ハリ、しなやかさ、滑らかさといったものを感じます。実は、このワインは岡山の自然派ワインのお店プレヴナンさんが手掛ける飲食店、ナチュレルモンさんで飲んだものです。その時はこのワインだけを、特につまみも無く飲んだので、食事とは合わせていません。ただ、合わせるとしたら、鳥肉系が手堅そうではあります。ローストチキンやコックオーヴァンといった洋風なものは勿論、焼き鳥なんかもいいでしょう。モモをタレでというのもいいですし、塩なら砂肝など力のある部位が面白そうです。また、勿論カモやジビエ系なんかにも良さそう。香り豊かで、味わいもバランスのいいワインです。なので、あまり脂っこいものよりは、鳥肉や赤身系が良さそうです。しかし、これは非常に出来のいいワインでした。これを独学でやっているというのですから物凄い生産者だなと。また、オーストリーでは、赤品種はツヴァイゲルトよりブラウフレンキッシュの方が優遇されがちと聞きますが、そのツヴァイゲルトをここまでのワインにしているというのも興味深いところです。トマス・レーナー・ツヴァイゲルト・ノイジードラーゼ[2013]【オーストリア赤ワ...楽天内には、このNO2ではなくステンレス醗酵の通常キュヴェがあるようです。こちらも興味深いところ。にほんブログ村
2016年08月26日
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先日のソーヴィニヨン・ブランの飲み比べ会のワインのソーヴィニヨン・ブランもこれでいよいよ最後です。オーストリアのものになります。グリューネ・リベレ2013。生産者アンドレアス・ツェッペはオーストリア南部、スロヴェニアとの国境に近い南シュタイヤーマルク州のワイナリー。この地域ではソーヴィニヨン・ブランの栽培がオーストリアで最も盛んです。環境としては雨が比較的降り、急斜面の畑が多いとのこと。また、ツェッペの畑のあるエリアはオポックという海底に堆積した泥が隆起した土壌となっています。アンドレアス・ツェッペは、そんな環境で2006年からワインを作っており、畑ではビオディナミを実践、醸造では樽醗酵・熟成を行います。ただ、so2に関しては少量添加するのがオーストリアの自然派らしいところ。価格は、6048円でしたが楽天内では既に完売。色はツヤのある黄色。黄金とまではいきませんが、しっかり着いています。香りは開けたてはやや還元的なニュアンスが。そこに飴色タマネギ的な要素や、グリーンハーブ、少々のパプリカやカポナータっぽい雰囲気が加わります。フルーツはやはり柑橘っぽさが軸で、グレープフルーツやライム、スイーティ、それにキンカンのような印象も。また、グースベリー的な香りも少々。その他、白い花や白コショウ、それにグリーンペッパー等のスパイスっぽさもあり、ちょっとグリューナーに似ているなんて御意見も聞かれました。味わいは結構果実味中心な印象で、南方系の気配があります。ただ、勿論酸も弱くなく、果実味を追って明るくも強さのあるものが出てきます。後口には軽い苦みもあり、この辺もグリューナーっぽいかも。ボディはミディアム位ですが、エキス分や芯の強さがありつつも丸い印象で、しなやかでいながらもクリスタルの球体のような世界観です。スケール大きいです。会では、やはりホロホロ鶏のところで頂きました。肉のしっかりした質感にも負けませんし、味わいの強さにも飴色タマネギ的な香りやスパイス感、果実味がフィット。肉の旨みをぐっと引き出して、という程ではありませんが中々馴染んでくれました。また、添えられていた、肉の旨みを吸ったジャガイモのローストとの相性も上々。ジャガイモの香りや滑らかな食感にワインの香りや質感が意外なほど馴染んでいました。南方系の雰囲気とはいえオーストリアワインですし、他に合わせるならやはり和食でしょうか。特徴的な香りの要素がありますが、それでもダシの旨みによく馴染みそうではあります。夏野菜のゼリー寄せとか面白そう。オーストリアはビオロジック位のものまで含めますと自然派が結構多く、日本で買えるワインなどはほぼ栽培から醸造の過程でそういったアプローチが用いられていたりする感じですが、このワインはそういったものよりもよりフランスやイタリアの生産者の持つ雰囲気に近いタイプだったかなと。ただ、それでもクリアーさや清潔感を感じるところはやはりオーストリーワインですね。スケール感もあり、見事なワインでした。熟成させても面白そうです。にほんブログ村
2016年07月03日
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今回はオーストリーの白。自然派のグリューナーです。グリューナー・フェルトリナー・ヴォーゲンライン2012。生産者セルナーはヴァグラム地区のワイナリーです。ヴァグラムは黄土=レス土壌が広がる、ある種オーストリーらしい環境です。そんな土地で、セルナーは栽培においてはビオディナミを実践、醸造においても最後にso2を添加するだけという自然派な作りを実践しています。価格は、2300円程度ですが、同一ヴィンテージは楽天内にも無いようです。色は青みがかった黄色ですが、ツヤ感は少々あります。香りははつらつとしたパッションフルーツなどの黄色いフルーツの印象が拡がります。さらに、洋ナシやスイーティ、ライム、ミカン、若干のオレンジといった柑橘や微かなバナナのような雰囲気などのフルーツ感も加わります。そこに、石灰や白コショウ、火打石、さらにはオリエンタルハーブやスパイスといったものも感じられるといった感じでした。味わいは、香りに似合ったフルーティなもの。しっかりした果実味のアタックがあり、そこにしっとり系ながら量の多い酸がじわじわ加わる感じです。また、この品種特有の後口にかけての軽い苦みも。ボディはライトだが、滑らかさ、丸さのあるもので、ライトなりのハリや骨格のある印象。また、開けて直ぐには少々の発泡感も。食事との相性では、意外と味の強いものに合いました。お寿司をつまみますと、イカやエビの他、マグロの赤身によくマッチします。魚の強い味わいと甘みに対し、ワインの果実味やボディ感が寄り添い、馴染んでいく印象です。また、牛筋を柔らかく煮込み、それをキノコと寒天で煮凝り風に固めたものを合わせますと、肉由来の旨みやコクに対し、ワインのしっかりした果実味がこれまたよく合います。また、牛筋の質感に対し、ワインの骨格がいい感じなのも面白いところでした。やはり肉を食べる国のワインですね。その他、カキフライにも意外といい感じで、合わせる幅はオーストリーワインの多分に漏れず広そうです。開けたての微発泡にビオの気配を感じることは出来ますが、よくある臭いや酸化系のニュアンスなども全くなく、キレイでフルーティな香りと味わいを楽しめるワインです。食事ともよく合いますし、一方でグリューナーのらしさも出ており、この価格帯としては中々に完成度の高いワインだったかなと思います。【自然派 オーストリア 白】ヴォーゲンライン・グリューナー・フェル...楽天内には、一つ前の2011ヴィンテージがありました。にほんブログ村
2016年03月21日
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今回は前々回と同じ生産者のオーストリー白。品種が土着品種のグリューナー・フェルトリナーになります。グリューナー・フェルトリナー・ロイザーベルグ2013。生産者フレッド・ロイマーはアメリカでの修行経験も持っており、その影響か醸造においてはハイテクを駆使しています。ただ、それはあくまでもテロワールの反映されたワイン作りを行うためで、栽培ではビオディナミを取り入れてもいます。自然なワイン作りを行う上で、醸造過程における衛生環境というのは非常に大事であり、その辺りをハイテクを取り入れることで上手く管理しているようです。価格は、写真のお店で3799円。色は薄い黄色。そこまで薄い!という感じではなく、ちゃんと色合いは認識できる程度ではあります。香りは、洋ナシやリンゴ、黄色い南国系果実、白コショウといった定番の要素に加え、柑橘の印象もある程度はっきり出ており、スイーティやミカン、それに微かな柚子っぽさのような雰囲気があったでしょうか。また、ミネラルっぽさやマジパン、ベッコウアメ、若干の茶色系スパイス、加えて薔薇の花?のようなニュアンスも。味わいはジューシーです。グリューナーらしい果実味を軸にしたもので、そこに明るい酸と後口にかけての苦味といったものが加わります。ボディはミディアムライトで、口当たりは丸く、膨らみも感じます。ただ、ミネラル感はきっちりあり、クリアーさとしなやかさを持ったものでもありました。食事にはもちろん合わせやすいです。オーストリー白を飲むときはいつもですが、例の如くお寿司をつまみますと、貝やイカ、鯛といったネタとはやっぱり間違いなし。ネタの持つ甘味とワインの果実味の馴染み方にはいつも驚かされます。また、どれも食感のしっかりしたネタとなっていますが、ワインのミネラル感と質感に対し、そのしっかりした食感がいい相性でした。一方で、意外とよかったのが煮豚。豚のモチモチとした食感は、魚のそれとはまた違った雰囲気ながら、やはりワインの質感になじみますし、脂のある味わいに対しては、ワインのしっかりした果実味、それに苦みが脂っこさを抑えつつうまみを引き出してくれます。あと、おでんもいいつまみでした。基本的に、出汁の旨みには相性がいいようです。グリューナー・フェルトリナーの持つ特徴を存分に感じられるワインかなと思います。白コショウだけではないより華やかなスパイス感や、黄色い果実の雰囲気などは、あまり手頃なグリューナーですと感じにくいところがあったりするのですが(勿論、そういったワインにはフレッシュな魅力がありますが)、この位になりますと、熟成可能性も感じる奥深さや華を感じられます。にほんブログ村
2015年12月04日
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今回はオーストリーの白。カンプタールのリースリングです。リースリング・テラッセン2011。生産者はフレッド・ロイマーです。カンプタール地方を代表するワイナリーの一つで、特徴的な黒いワイナリーも有名なのだとか。カンプタールは内陸性で昼夜の寒暖差が非常に大きい他、黄土の土壌が広がっていることも大きな個性と言えるでしょう。斜面の上部は原成岩土壌となっておりリースリングが、下部には黄土が堆積しておりグリューナーが栽培されている、といった感じだそうです。価格は、写真のお店で3703円。色は薄めですがツヤがあります。薄い黄金、といった雰囲気でしょうか。香りはフルーティさいっぱい。白桃黄桃両方の雰囲気が感じられ、そこにレモンやグレープフルーツ、ミカンっぽさといった柑橘、洋ナシ、蜜入りリンゴ、メロンといった要素が加わります。また、少し甘栗のようなニュアンスもあったでしょうか。加えて、ミツっぽさや白い花、ミネラル、白コショウや微かな茶色系などのスパイスがあり、そして、定番のオイリーさも少しですが感じられました。味わいは、香りのフルーティさとは打って変わってドライさがあります。主役は酸で、明るく骨太なもの。そこに、旨みと後口にかけての軽い苦味が加わる感じ。果実味は、それらの背景として繊細かつ穏やかに広がっています。ボディはミディアム位の量感はあったでしょうか。エキス分、ミネラル感がありますが、口当たりはまろやかさを感じるものです。華やかで単体でも楽しめますが、食事にももちろん合います。お寿司との相性は言わずもがな。ネタも、白身からエビイカ、さらにはアナゴやトロといった味の濃いものでも、ワインのエキス分や香りの華やかさのおかげでバッチリです。さらに、鶏肉にも間違いなし。焼き鳥なら塩は勿論、タレでも行けてしまいます。ここでも、やはりワインの強さが効いていますね。肉の旨みにワインの旨みやエキス分がよく嵌りました。アナゴのツメや焼き鳥のタレにも合うならという事で、もう一つ鶏で照り焼きチキンを合わせてみましたが、これにも合いました。甘辛系のタレに、ワインの酸や、香りの黄色い要素がよく馴染みます。その他、野菜類にも当然問題ありませんが、サラダの大根のみずみずしさや甘味にワインが非常によく噛み合っていたのが面白かったですね。ここのワインはよく飲んでますが毎度流石の出来です。この価格帯位になりますと、品種の特製もはっきり出て、いいワイン、という雰囲気をしっかり備えています。魚系は勿論、肉にも十分合わせられ、コースを最初から最後まで1本で通せるようなワインでもあるなと思います。にほんブログ村
2015年11月30日
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先日はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日でしたが、今月は世界中の新酒の解禁月ですね。11日はオーストリーの新酒ホイリゲの解禁日でした。ホイリゲ2015。生産者ツァーヘルは1930年代からホイリゲ=造り酒屋の居酒屋を営んでいます。また、ウィーンでは、かつてゲミシュターサッツ(混植混醸)のワインが作られていましたが、その後安ワインの代名詞のようになってしまっていました。そのゲミシュターサッツの、高級ワインとしての復権を第一人者としてになってきている作り手でもあります。2015年は雨不足で乾燥した年となったそうですが、ツァーヘルの樹齢40年を超えるブドウ達は、その樹齢による長い根で地下の水を吸収し見事に実を付けたそうです。セパージュは、シャルドネ、グリューナー・フェルトリナー、リースリングなどで勿論混植混醸。価格は、写真のお店で2780円。空輸です。色は薄い黄色。やや青みも感じるでしょうか。香りは熱く乾いたヴィンテージの影響か非常にフルーティです。グレープフルーツやライム、スイーティといった柑橘を中心に、洋ナシ、リンゴ、カリン、パイナップル、マンゴスチン、それに何かしらの南国フルーツ的なニュアンスも感じました。そこに、レモングラスや青い芝的なグラッシーな要素などが加わります。また、少々の白コショウを感じるのはやはりオーストリーですね。味わいはジューシー。果実味の印象は結構ありますが、残糖16g/lだそうで納得。ただ、甘さに振れ過ぎていることはなく、しっとり系ながらも酸は結構量多めで後口にかけては支配的にすらなります。軽い苦みも相まって、バランスは十分取れているといえるでしょう。ボディはクリアーなライト。ミネラル感もあり、パリッと系というよりはしなやかさを感じるタイプ。また、蜜っぽい余韻の長さも印象的。オーストリーワインは和食に合うワインとして最近売り出していますが、広告に偽り無しですね。オーストリー白を飲むときにはいつもお寿司をつまみますが、これだけの残糖があっても全く問題なくいい相性です。特に、エビやイカの甘み、シャリの甘みに対し、ワインの果実味と酸のバランスが非常に良く馴染みました。勿論、醤油やワサビがあっても問題なしです。むしろ、わさびの香りにワインの青いニュアンスが好相性で、わさびをつまみに飲めてしまう感じ。また、実はお節料理を毎年買っているのですが、今回博多久松お試しお節が丁度あったのでつまんでみましたところ、鶏つくね照り焼きの塩気や旨み、祝エビの旨みなどに合うのは勿論、イカ明太和えといった一見ワインに合わなさそうなものでも、旨みとワインの酸やミネラルが馴染んでしまうのは流石でした。ここ数年ボチボチ頂いておりますが、やはりいいワインです。新酒という部分を度外視して2780円の白ワインとみても、十分な価値があるワインだなと思います。ただ、このワイン、新酒ながら結構瓶熟もしまして、年明けごろや来年春ごろ辺りに飲みますとまた感じが変わっているのでその辺も楽しんでみたいところです。にほんブログ村
2015年11月24日
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今回はオーストリーのグリューナー・フェルトリナー。ただ、色々と変わったワインです。(ザンクト・ゲオルゲン)グリューナー・フェルトリナー2013。生産者はモリック。ブルゲンラント州のハンガリーにほど近いところに畑と醸造所があるワイナリーで、地域の特性に漏れずやはり赤主体です。ブラウフレンキッシュが大半で、そのブラウフレンキッシュで世界的に高い評価を得ています。こちらは、そんな作り手が手掛ける数少ない白。貝殻石灰質土壌のザンクト・ゲオルゲン村で栽培されたグリューナーのワインなのですが、グリューナー・フェルトリナーのイメージからあまりにもかけ離れているため村名を付けることが許されなかったそうで、ラベルの村の名前のところが塗りつぶされています^^;価格は、写真のお店で10800円。色は薄い黄色。色合いはそんなにグリューナーからかけ離れた印象はありませんが、やや黄色感強めでしょうか。香りは、なるほどかなり独特。白コショウやグリーンペッパーなどの胡椒感がありつつ、茶色いオリエンタルスパイス的な雰囲気も出ています。そこに、金柑やカリン、それに軽いイチゴっぽさといったフルーツ感やマジパン、香水、白い花、クリーム、それにグリーンハーブっぽさといったものが加わる感じでした。また、それらの奥の遠いところにですが、ミカンやグレープフルーツ的な柑橘も居たでしょうか。味わいは果実味が軸ではありますが、温かみがあって柔らかいものです。また、そのすぐ後から明るくシャキッとした酸が追いかけてきます。イメージ的にはイタドリ的なそれでしょうか。口当たりも柔らかで繊細さのあるもですが、ミネラル由来のハリや透明感は感じますね。ボディはライトボディと言っていいでしょう。また、そこは流石グリューナー、後口にかけて苦みもきっちり。鶏肉のテリーヌをつまんでみますとよく合いました。肉の旨み、塩気、テリーヌならではのまろやかさにワインの質感や果実味、酸のインパクトが嵌りますし、鉄っぽい旨みを引っ張ってもくれます。また、肉類ではソーセージもいいつまみでした。ソーセージの脂や旨みにワインの果実味や苦味が負けません。その他、魚ですと、サーモンやブリといった脂のあるものがよかったなと。やはり、苦味、果実味、酸が魚の脂にも合うようです。また、ボディの質感に対しても、サーモンの柔らかさとその中にある程よいプリプリ感がいい感じでした。確かに、一般的なグリューナーの印象とは大分違う感じでした。ただ、その中にもやはりグリューナーっぽさはあり、言われればそうかも、と思わなくもないですね。ワインとしては、バランスもいいしよくできたワインだと思いますが、お値段は中々ハードですね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年06月10日
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今回はオーストリーのスペシャルな白です。グリューナー・フェルトリナー・アハライテン・スマラクト2012。生産者はワイングート・プラーガー。世界遺産にもなっているという、オーストリー屈指の産地であるヴァッハウの作り手で、そのヴァッハウを代表する4つの生産者の一つに数えられています。ヴァッハウのいくつかの村に、合計15ヘクタールの畑を所有しており、どのどれもが銘醸畑。ただ、栽培している品種はグリューナー・フェルトリナーとリースリングのみという潔さです。価格は、楽天内ですと写真のお店で5389円でしたが既に完売。色は黄色。深い色合いです。香りはらしい白コショウっぽさ、それに少々のグリーンペッパーも見られたでしょうか。そこに、パッションフルーツや洋ナシ、軽いマスカット、そしてグレープフルーツやスイーティーといったさっぱり系の柑橘香といったものが加わります。加えて、濡れた石っぽさや鉱物的なニュアンス、それに軽い紅茶が感じられたでしょうか。味わいは、結構果実味が中心です。ただ、それは繊細なもので突出する、或いはべた付く印象といったものはありません。酸はしっとり系で控え目。ただ、ミネラル感は凄まじく、口に入れたとき量感、強さはしっかり。また、口当たりはなめらかでクリアーな印象。ボディもライトは言い切れない、ミディアムライトくらいの印象でした。食餌との相性は、やはり鶏と魚ですね。お寿司をつまみますと、鯛などの白身とは旨み同士の相性、イカやエビとは甘みと果実味、それにミネラル感の相性が良かったですし、加えて、赤身ともバッチリ。ミネラル感と赤身の食感や鉄っぽさが合いますし、香りの面でもスパイシーさがいいのか妙に引き合う感じでした。また、カジキマグロのバジルソテーをつまんでみますと、カジキの食感とワインの硬質感がやはりいいですし、バジルとオリーブオイルの香りが、ワインの中にあるハーブ感を少し引き出してくれたようにも感じられました。鶏も、シンプルな塩コショウのみのチキンソテーを合わせましたが果実味と旨みの相性いいですし、しっかりした質感のおかげで脂を旨みに感じさせてもくれました。まあ、正直まだまだ若いです。10年15年平気で熟成するでしょうね。ただ、現段階でもバランスがよく美味しく飲めますし、ミネラルのスケール感を楽しめるのも面白かったです。食事に合わせやすいのもいいですね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年06月02日
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今回も続けてオーストリーの白です。産地もやっぱりブルゲンラント。ヴァイサーシーファー2012。生産者ウヴェ・シーファーは元々レストランのソムリエだったそう。その後、故郷のアイゼンベアクでワイナリーをゼロからはじめ、あっという間に国内外で高い評価を得るようになりました。アイゼンベアクの土壌は粘土やローム、鉄鉱石など様々なもので構成されており、シーファーの畑はグリーンスレートや石英の多い土壌のようです。セパージュは、ヴェルシュリースリング85%、ヴァイスブルグンダー10%、グリューナー・ヴェルトリーナー5%。価格は、写真のお店で3758円。色は黄色。薄いですがツヤ感はあります。香りは、ハーブっぽさやオリエンタルスパイスないし若干の漢方っぽさといったような要素を感じます。そこに、バニラやカラメル的な甘い雰囲気や、洋ナシ、リンゴ、かりん、イチゴ、それに若干の南国フルーツっぽさといったようなフルーティさが加わります。また、ユリ的な大きな白い花っぽさもあったでしょうか。味わいも、香りに似合った果実味中心のもの。トーンの低い果実を軸に、旨み、苦味、さらに塩気のようなミネラル感を伴う酸が加わります。酸は果実等に比べますと大人しいですね。ボディはミディアムライト。ミネラル感があり、クリアーで真っ直ぐな印象を受けます。ただ、硬質という程ではなく柔らかさはありました。食事との相性では、これもやはり肉系いいですね。これにも豚肉のパテを合わせてみましたが、豊かな果実味と軽い苦味、その奥の旨みが、パテの塩気や旨みによくマッチしました。また、醤油味の鶏の半身揚げにスダチをたっぷり絞って合わせてみますとこれが中々。香りのオリエンタルな雰囲気に醤油+スダチが妙にしっくりきますし、肉の旨み、衣の油&肉の脂、しょうゆのコクに対しても、ワインの果実味を中心としたボリューム感がよく受け止め、一体感を見せてくれました。これもまた、インパクトのある1本でした。最近、今までとは違うオーストリーワインが結構輸入されてきており、一度まとめて飲む機会を作らないといけないなと考える次第です。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年04月09日
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今回はオーストリーの白。ちょっと珍しい、ブルゲンラントの白になります。ハウスマルケ2013。生産者はモリック。ブルゲンラント州内あちこちに畑を持つ生産者で、ブラウフレンキッシュの赤で一躍有名になりました。それまでの比較的しっかり系のオーストリー赤のイメージとはかなり違う、どこかピノ・ノワール的ですらあるエレガントなスタイルのワインを作り世界を驚かせました。本ワインは、そんな赤のスペシャリストが極少量手掛ける白になります。貝殻石灰質土壌が広がるザンクト・ゲオルゲンという土地で2006年から実験的にワインを作り、2008年に商品化されたという新しいアイテムです。セパージュは、グリューナー・フェルトリナー80%、シャルドネ20%。価格は、写真のお店で4212円。色は薄い黄色。やや青みも感じるでしょうか。まあ、オーストリーらしい色合いです。香りは結構独特。多地域のグリューナーとは大分趣が違います。メロンやウリのような雰囲気があり、そこに金柑っぽさを中心に、オレンジやレモンを伴う柑橘っぽさが加わります。また、軽い杏子も。グリューナーらしいミネラルや白コショウは感じますが、ちょっとマジパンっぽくもあります。加えて、印象的だったのは薄荷やソーダタブレット的なニュアンスが感じられたことです。味わいは、やはりパノニア気候の影響のある土地だからか果実味が中心です。ただ、太く、しっとりしたボリュームのある酸が果実味の下にきっちり存在しています。また、旨みやアルコール感の印象も受けます。ボディは丸く、エキス分とミネラル感のあるもので、ミディアム程度のインパクトは感じました。食事との相性は悪くありませんが、白ワインが合う食材の中でも力強いものの方が合わせやすいようです。例えば、お寿司をつまんでみますと、白身も中々ですが、脂の乗ったプリプリのブリの味の濃さ、食感、あるいは、滋味深いマグロの赤身といったものの方がよりはまる感じ。また、白い肉との相性もよく、豚肉のパテをつまんでみますと、肉の鉄っぽさを旨く引き出しつつ、ワインの香りが使われているハーブやスパイスとも馴染む感じでよかったです。こういった料理は、赤ですと肉側の味がちょっと目立たなくなったりするのですが、このワインは赤ほどではないにしろしっかりした質感がありつつ、赤のようなタンニン。香りの濃さといったものが無いのでしっくりきましたね。面白いワインでした。オーストリーの白に「あっさり」とか「軽い」とかのイメージを持っている方にはびっくりするワインではないでしょうか。私も、オーストリーワインはそこそこ飲んでは来たつもりでしたが、ちょっと今までにない感じでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2015年04月07日
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ミニオーストリー特集もこれで最後。今回はグリューナー・フェルトリナーです。グリューナー・フェルトリナー2013。生産者は前回のロゼと同じマインクラング。こちらのワインも当然ビオディナミによるものとなります。国内外の様々な団体から、有機農法・ビオディナミの認証を得ているマインクラング。ブドウのみだけでなく、他の野菜や牧畜もそういったアプローチで行われています。スタイルとしては比較的大きな混合農業になりますが、あくまで家族経営の延長というスタンスを崩しません。セパージュは、グリューナー・フェルトリナー100%。価格は、写真のお店で2300円。色はツヤ感のある黄色。もちろん、樽熟シャルドネのようなものではありませんが、意外としっかりした黄色です。香りは、グリューナーらしい白コショウやグリーンペッパーといった要素がよく出ています。また、どこかに八角や丁子的な茶色いスパイスっぽさも。そこに、ライムやスウィーティーといった青い柑橘、蜜入りリンゴ、トロピカルフルーツ、若干のママレードっぽさといったフルーツ感が加わります。その他、白い花、ハーブ、少々のビワの葉のようなニュアンス、それにミネラルが感じられました。味わいはしっかり辛口な印象。果実味はほんのり穏やかなものです。そこに、しっとりと、しかし明るさのある酸がたっぷりです。また、後口にかけて旨みや仄かな渋味が感じられました。また、蜜っぽい余韻が印象的でした。ボディはライト。しかし、丸さはあるもののエキス分やミネラル感があり、硬質な球体といった印象。食事との相性では、野菜の甘みとワインの果実味がよく合いました。キャベツ入りのポトフをつまみますと、キャベツの甘み、ニンジンや玉ねぎの甘みといったものと親和性、連続性を感じられました。また、肉は鶏を使いましたが、鶏の旨みにもいいですね。また、これもやっぱりお寿司を合わせてみましたが、当然行けます。スズキとは、身の質感や独特の香りに、ワインの酒質や胡椒系のニュアンスが嵌りましたし、イカやエビの甘みとも、ワインの果実味がマッチ。加えて、こちらは雲丹の軍艦にいい感じ。ウニの甘みは勿論、香りの面で妙に引き合う要素がありましたし、このワインもやはり海苔の風味に合います。グリューナー・フェルトリナーとしては、最も安いレンジではありませんがそこそこ手頃な価格帯のものと言えると思います。この辺の価格帯のグリューナーは、ワインとしては美味しいのですが、グリューナーの特徴は、特に香りの面で出にくいイメージがありました。しかし、このワインはペッパリーなニュアンスや南国フルーツ、そしてハーブや青い柑橘といったグリーンな雰囲気もよく出ており、掘り出し物感強かったなあと。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年02月16日
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今回からちょっとオーストリーが続きます。初回は赤。ブラウフレンキッシュ・サイブリッツ2011。生産者ヴェーニンガーは、オーストリア東部、ハンガリーとの国境に近いミッテルブルゲンラントのワイナリーです。元々、昔からワイン作りをしていた家系ですが、1982年、先代当主の頃から元詰めも始めたそうです。地理的に近い事からハンガリーにもワイナリーを持っていますが、現在は、先代の息子がそのハンガリーのワイナリーに続き、ミッテルブルゲンラントのワイナリーの責任者にもなったそうです。2006年からはビオディナミも実践、ワインのスタイルは結構変わったようです。セパージュは、ブルゲンラントを代表するブドウであるブラウフレンキッシュ100%。ただし、ブドウはミッテルブルゲンラントではなく南ブルゲンラントのものになるそうです。価格は、写真のお店で4320円。色は紫感もまだある濃いルビーといったところ。透明度もしっかりで流石に冷涼な雰囲気。香りは結構スパイシー。クローヴなど茶色いスパイスを中心に、黒コショウっぽさや軽いクミンといった要素もあります。そこに、黒ベリーやブルーベリーといった色の濃いベリーフルーツ、さらに、赤ベリーや赤ベリージャムといった赤いニュアンス等々ベリーフルーツ感が加わります。その他、ココアっぽさや軽い麦チョコ感など、黒っぽい雰囲気も。味わいは結構タイトな印象。ミネラル感しっかりで、クリアーなミディアムボディと相まって硬質な印象すらあります。エキス分も程々。一応、味の最初のインパクトは果実味ではあるのですが、これも繊細で、抑制的な出方。そこに、明るいシャープな酸が奥からスッと顔を出す感じ。タンニンは大人しく、舌触りも滑らかで、渋みも大人しいです。こういうスタイルですので、食事には合わせやすいですね。肉より魚かな、と思ってこれにもやっぱりカツオのたたきやマグロの赤身を合わせてみましたが、問題なく行けます。クリアーな質感が、カツオの旨みによくマッチしますし、マグロにももちろん。また、硬質感と香りのフルーティさ、スパイシーさのおかげで、もう少し脂の乗ったもの、マグロならトロ、他に、寒ブリなどにも行けてしまいますね。一方で、じゃあ肉に合わないのかというとそんなこともなく、ローストビーフを塩味のみで試してみますと、肉の旨みと塩味、脂感に、ワインの香りや硬質な質感が合いますし、大人しいタンニンが意外と脂相手に仕事してもくれました。実にエレガントなワインです。スパイシー感の強さが大きな違いではありますが、ピノ・ノワール的な世界観が多分に感じられました。確かに、昔飲んだオーストリーの赤ワインは樽が効いて濃く、力強いものでしたが、このワインはエレガントでしなやか、という印象で、かなりスタイルチェンジされたもののようです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年02月12日
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今回はオーストリーの白です。やや厚みもあるグリューナーで、食事に合わせやすい1本になります。グリューナー・フェルトリナー・テラッセン2011。生産者はフレッド・ロイマー。カンプタール地方、ランゲンロイスのワイナリーです。ブラックボックスと呼ばれる、黒くて四角いモダンな建物で、高層部から順に醸造過程を進めることで、ジュースの移動に機械を使わず重力落下を利用することを実現するなど、非常にこだわった作りをしています。畑でも、ビオディナミを実践。価格は、写真のお店で3240円。色は薄いですがツヤ感のある黄色。香りは、白コショウなどのスパイスやタイムなどのハーブが出ています。また、フルーツ感も強く、スゥイーティやライムといった青い柑橘、グレープフルーツなどの黄色い柑橘、さらには青リンゴや南国の黄色いフルーツっぽさといったような要素が感じられました。その他、ミネラルや、微かながらヨードっぽさといったようなものもあったでしょうか。味わいは、黄色い果実的果実味がしっかり出ており、味わいの軸となっています。そこに、しっとりした、しかし明るい酸が加わり、全体としてジューシーな印象を受けるバランス。旨みや、この品種独特の苦味というかエグみのようなものも少々。ボディはライトですが、ミネラリーで、ハリやしなやかさを感じます。クリアーな質感です。食事との相性では、流石と感じたのは秋刀魚の握り寿司とのそれです。秋刀魚の脂にワインの果実味や質感、それに香りのスパイシーさや柑橘感がよく合います。そこに、シャリの甘みが加わると、より一体感が増しますね。青魚と合わせると出やすい臭みなどみじんも感じられません。また、魚系ですと鯛との相性も良好。私がマリアージュにこだわるようになったのは、別の生産者のものですがグリューナーと鯛の握りとの相性の良さに感動したからなのですが、このワインも、その時のものほどではありませんが、旨みや香りの面でいい相性を見せてくれました。これが、プリップリの天然鳴門鯛なら、質感の相性も抜群なのでしょうが、中々手に入る食材じゃありませんね^^;その他、面白かったのが根菜の煮物。何でもないスーパーのお惣菜で、甘みも強いものだったのですが、ゴボウやレンコンの味わいや香りにじわじわと嵌る感じは興味深かったです。やはりオーストリーワインは食事によく合います。もちろん、単体での完成度の高さも間違いなくあるのですが、旨みや滋味との幅広い相性、その相性の深さという点ではやはり中々無い存在だと思います。このグリューナーも、結構個性的な味や香りのはずなのですが、それが様々なものとマッチするというのは素晴らしいなと感じます。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年12月18日
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ホイリゲの季節も近づいてきましたが、今回はオーストリア・ウィーンのゲミシュター・サッツです。ゲミシュター・サッツ・ヌスベルク・グランドレぜルヴ2011。生産者ツァーヘルは1930年代からウィーンのグリンツィングでホイリゲを営み、ホイリゲワインを作ってきました。そんな中で、ウィーンに残っていた古来の製法混植混醸=ゲミシュター・サッツをウィーンで再び復活させウィーンワインの特色としようとする動きの中核を担う作り手の一つとなっていき、現在ではゲミシュター・サッツによって新酒=ホイリゲや白ワインなどを手がけています。セパージュは、リースリング、グリューナー・フェルトリナー、ヴァイスブルグンダー、ロートギプフラー、ツィアファンドラー、トラミナー、グラウブルグンダー、ノイブルガー、シャルドネの9種類。楽天内には同一ヴィンテージのものは無く、写真のものは2007ヴィンテージで4752円。色はややツヤ感もある薄い黄色。黄金系ではありませんが、輝きを感じはします。香りは、白コショウやオリエンタルスパイス等スパイシーさがよく出ています。また、ハーブっぽさもあり、グリーンハーブ系の要素や軽い薄荷的な雰囲気も。その他の要素としてはやはりフルーティさが強く、ハーブやスパイスの延長線上に感じられるライチっぽさ、それにリンゴやオレンジ、マスカット系のブドウといったものがありました。ミネラルも十分。味わいは果実味が軸でそこに柔らかな酸がかかっているといった印象。旨みもあります。口当たりは、やはり硬質なミネラルがあり、すっきり系のミディアムボディといったところ。ただ、エキス分はあり、若さゆえにそのスケール感を出し切っていないといった感じでしょうか。実際、ブルゴーニュグラスを用いた方がその大きさの一端をより感じやすかったように思います。食事との相性では、やはり魚介や白い肉ですね。魚介ですと、白身から赤身までなんでもござれな感じで、鯛の刺身を柚子塩で食べてみますと、鯛の食感や香り、旨み、それに塩の柚子香といったものに、ワインのミネラルや胡椒系のスパイスといった香りのニュアンス、ボディの質感、旨みといったものが合います。また、赤身の握りとでは、やはり酢飯の甘みがワインの果実味に行けるのは勿論、赤身の滋味にワインの大きさがいいバランス感です。その他、雲丹の軍艦などひと癖あるものもok。肉ならやはり鶏。ローストレッグを、塩コショウのみで食べてみましたが、塩気で引き立てられた肉の旨みに、ワインの果実味や旨みが加わることで、より滋味深さを引き出しつつ後口をさっぱりさせてくれます。美味しい白ワインです。が、やはりそのポテンシャルを存分に感じるにはまだまだ若いですね。丁度、楽天内で売られている2007ヴィンテージあたりですと、いい感じにこなれてきているのではないかと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年10月15日
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昨日は満月。ということで、今月の満月ロゼです。オーストリアの自然派になります。ダーニ・ロゼ2012。生産者ビオワイングート・セルナーはウィーンの西方、ヴァグラムのワイナリーです。その名前の通り、ビオディナミを1977年から実践しており(提唱者のルドルフ・シュタイナーはオーストリア出身ですね)、認証も受けています。また、栽培のみならず、醸造においても天然酵母の使用や大型木樽や陶製タンクでの醗酵といったことを行っています。セパージュは、ツヴァイゲルト100%。価格は、写真のお店では1750円ですが既に完売です。色はオレンジがかった、紅さのあるピンク。夕焼け色的な感じです。香りは、ラズベリーやイチゴ、チェリーといった赤いフルーツを中心に、洋ナシやリンゴのようなニュアンスもうかがえます。その他、やはりオーストリアだなというグレーンハーブやピンクペッパーのような要素も感じられましたし、土っぽさやクリーム系のニュアンスといったようなものもありました。味わいは、果実味しっかり。温かさのある赤いフルーツ的なそれに、豊富な旨みが印象的です。酸はあまり強くはありませんが、果実味や旨みの背後にじわじわと広範囲にわたって広がる感じ。ボディはミディアム程度で、ミネラル感もありますが、シャープな印象ではなく、エキス分を伴いつつもまろやかで丸い印象です。後口には軽い苦みも。また、抜栓当初は微発泡も見られました。食事との相性では、白身魚や赤身の肉との相性は割と普通。非常に良かったのはカツオのたたきのサラダで、カツオの滋味深い味わいや鉄っぽさにワインの香り、特にスパイスやハーブ的な要素や、果実味+旨みが嵌る感じでしたし、サラダの中にあったトマトとの相性も秀逸で、香りの相性、果実味とトマト甘みや酸味との相性も良好でした。また、肉ですと豚ですね。焼き豚をタレで合わせてみると、ワインの香りや後口の苦味が肉の脂と相まって、旨みを引き出しつつ脂っこさを流してくれる感じでした。香りに結構甘草系?のような特徴的な要素を感じました。ビオ臭なのかもしれませんが、特に不快という感じではありませんでした。それよりも、むしろこのふくよかな感じはオーストリアの、特にこの品種のロゼではあまり感じたことが無かったので興味深かったです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年05月16日
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