第14回和郎女作品展
昨日(2月1日)の若草読書会で和郎女さんがお持ち下さった恒例の干支の押し絵を中心に、本日は久し振りに和郎女作品展を開催いたします。
<参考>過去の和郎女作品展は
コチラ
からどうぞ。
先ず始めに先の智麻呂絵画展( 第134回
)で智麻呂さんが絵にされた馬の押し絵からご紹介することと致します。
午年の今年の年明けに相応しい、見事な出来栄えの白馬の押し絵であります。
青馬というのは白馬のこと。白馬を青とはこれ如何に、であるが、陰陽五行説では、青は季節では春、方角では東、時刻では朝。青は生命力溢れる盛んな色として尊ばれた。白は清浄で貴い色であったから、両者はイメージとして重なるものがあったのであろう。それで白馬(神馬は通常は白馬)を青馬とも呼んだのであろう。
緑色の葉を青葉と言うのも同じようなことであろう。青には「盛んな」「生命力溢れた」という意味があるのだ。青年という呼び方もその類である。
この歌は1月7日の白馬の節会の宴に備えて大伴家持が作って置いた歌であったのだが、当日仁王会の仏事が催されることとなり、宴は6日に繰り上げて行われることとなった。それで、この歌は奏上せず没となり、その6日に詠んだ歌が次の歌。
うちなびく 春ともしるく うぐひすは 植木の
木間
を 鳴き渡らなむ
(大伴家持 万葉集巻20-4430)
(うらうらと霞こめる春だとも、はっきりわかるように、鴬が植木の木の間を鳴き渡ってくれたらなあ。)
話が万葉にそれてしまいました。以下の白馬は1日に和郎女さんがお持ち下さったものです。同じデザインのものは撮影を省略していますので、実際の作品点数はこの倍以上はあったかと。
では、ごゆるりと白馬をご覧下さいませ。
馬
並
めて いざうち行かな
渋渓
の 清き
磯廻
に 寄する波見に
(大伴家持 万葉集巻17-3954)
上の白馬は現在わが家に滞在いたして居ります(笑)。
以下は、昨年の夏か秋に撮影したものであります。作品が4点と少なかったので、もう少し作品数が増えてからアップを、と思っているうちに年があらたまってしまいました。いささか季節外れとなりますが、今回遅ればせながら出展させて戴きます。
上は桔梗。万葉では朝顔です。この花と来ればやはりこの歌を書きたくなるのでありますな。顔には出さぬ恋。万葉の恋とはそういうものなのであります。
恋
転
び 恋ひは死ぬとも いちしろく 色には出でじ 朝顔の花
(万葉集巻10-2274)
もみじ、まつたけ、秋の香ぞよし、であります。
高松の この峯も
狭
に 笠立てて
盈
ち盛りたる 秋の
香
のよさ
(万葉集巻10-2233)
この団扇も我が家にご滞在であります。
今の時期に出すと、夏炉冬扇、万葉調に言えば「ときじくの」でありますが、なかなかに可愛いミニチュアの団扇なのであります。
うちはなれば 冬には出さじ 朝顔の
花とし思へど 今日のみ出でよ (偐家持)
どちらさまも最後までご覧下さり有難うございました。
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