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2009.05.06

新選組十番組長　原田左之助

カテゴリ：書籍・雑誌

新選組十番組長　原田左之助 」なる書籍が３月末に 新人物往来社 より出版された。待ちに待った、左之助初の本格評伝である
　新選組といえば、病に倒れた天才剣士の 沖田総司 と、“鬼の副長”と恐れられたクールで二枚目な 土方歳三 が人気を二分しているが、私は何といっても原田左之助が一番好きだ。（何せ、かなりの美男子だった）
　すこぶる短気で二言目には「斬れ斬れ！」と喚いていたらしく、実際、新選組の戦闘には必ず左之助の名がある。その分、上からの信頼も厚く、殿軍の組長を務めていた。なのに！まるまる左之助についての書籍など数えるほどしかない。

　なぜなら、ほとんど分からないからだ
永倉新八 や 斉藤一 のように明治、大正まで生きていたのならともかく、上野戦争で死に到った経緯さえはっきりしない左之助について分かっていることは、極僅かしかない。生まれた日も、墓すらも不明である。中国に渡って馬賊の頭領になった…なんて説もあるくらいだ。そんな状況で、この本の著者・ 菊地明 さんはよくぞ左之助の本を書き上げたと思う。
　内容はというと、 子母澤寛 さん等の本に書かれてあること以外のことは特に無く、あまり目新しいことは書かれていなかったが…まあ、仕方がないわな（＾＾ゞ　取りあえず分かっていることを丹念に検証している点は評価したい。
　左之助の伝わっている幾つかのエピソードの中の、あるとき隊士同士の喧嘩が起こり、たまたま宿直だった左之助がいつもの大声で仲裁した話なども載っていたらよかったのだけれど。

　新選組関連の書籍は書店の歴史書コーナーや歴史小説コーナーで幾らでも探すことが出来るが、左之助が主人公の書籍はというと、これがなかなか見当たらない。

　・「 ごろんぼ佐之助 」（「 炎の武士 」収録）　池波正太郎　（角川文庫）
　・「 原田左之助 ―新選組の快男児 」　松本攸吾　（文芸社）　
　・「 新選組原田左之助 ―残映 」　早乙女貢　（人物文庫）
　・「 死に損ね左之助 」　新宮正春　（新人物往来社）

ぐらいなものだ。
「残映」の左之助など、女性と寝てばかりで…。言われている愛妻家の姿は微塵もない（＾＾ゞ

　今更新発見は期待出来そうもないが、左之助ファンが思わず唸るような原田本が出版される日を楽しみにしている。今回の菊地さんの本は、その記念すべき第一歩といえよう。

連休中の数冊

・ 在原業平殺人事件 　（山村美紗、西村京太郎）　中央公論社
・ エロマンガ島の三人 　（長嶋有）　エンターブレイン
・ 新・異世界分岐点 　（眉村卓）　出版芸術社
・ 戦国仏教 ―中世社会と日蓮宗 　（湯浅治久）　中公新書
・ 試すな危険！冒険野郎ハンドブック ―人喰いザメの生け捕りから時限爆弾の解除まで 　（ハンター・Ｓ・フルガム【Hunter S. Fulghum】，林雅代訳）　早川書房

　「冒険野郎ハンドブック」は、“驚天動地の挑戦篇～そんなことができるのか”、“豪快無比の力技篇～やってやれないことはない”、“危険承知の使命篇～命知らずが成功する”と三篇に分けて説明があり、一般人が出来るのは挑戦篇ぐらいまで（＾＾ゞ
有り余るお金＆米国大統領くらいまで繋がる人脈があれば、使命篇も出来ないことはない!?
　あ、ちなみに使命篇では 独立国家を創設せよ ！だの 核ミサイルのサイロを破壊せよ ！だの、 制御不能の原子炉を停止せよ ！だのといったことの必要道具と手順を教えてくれる…

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