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2008.01.04
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テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
▼酒と薔薇1
薔薇シリーズの再開です。

木

イェイツの詩はいよいよ、神秘的、夢幻的になっていきます。
登場人物も、アイルランドの神話や伝説に出てくる神や精霊や英雄や賢者であったりします。
次に紹介する「祝福されしもの」も同様です。長いので二回に分けて解説します。

The Blessed

Cumhal called out, bending his head,
Till Dathi came and stood,
With a blink in his eyes, at the cave-mouth,
Between the wind and the wood.

クーアルは頭(こうべ)をたれて、呼んだ。
すると、洞窟の入り口に、
風と森の間から抜け出たように
デェシイが現れて、目をきらめかせて立っていた。

And Cumhal said, bending his knees,
'I have come by the windy way
To gather the half of your blessedness
And learn to pray when you pray.

そしてクーアルは、跪いて言った。
「私は風が吹きすさぶ道をやって来ました。
あなたの祝福の半分でも得られればと、
そしてあなたの祈り方を学ぼうと思って」

'I can bring you salmon out of the streams
And heron out of the skies.'
But Dathi folded his hands and smiled
With the secrets of God in his eyes.

「私は川から鮭を、空から鷺を
獲ってくることができます」
しかしデェシイは、腕を組んだまま笑っていた。
目には神の秘密を湛えていた。

And Cumhal saw like a drifting smoke
All manner of blessed souls,
Women and children, young men with books,
And old men with croziers and stoles.

そのときクーアルの眼前に、漂う煙を見るように、
祝福された魂のすべての様子が現れた。
その中には、女性、子供、本を読む若者、
杓杖(しゃくじょう)を持ち、ストールを羽織った老人もいた。

'praise God and God's Mother,' Dathi said,
'For God and God's Mother have sent
The blessedest souls that walk in the world
To fill your heart with content.'

「神と聖母を褒め称えよ」とデェシイが言った。
「というのも神と聖母は、この地上に
最も祝福された魂たちを送られたのだから
あなたの心を満たすために」

ここまでが前半です。薔薇はまだ出てきませんが、いくつかの面白い現象がここで語られていますね。一番印象深いのは、クーアルの眼前に煙のスクリーンが現れて、祝福された者たちの映像が見えたかのように描かれていることです。霊視とまったく同じ現象ですね。デェシイがクーアルにそのようなビジョンを見せたのでしょうね。只者ではありません。一体何者でしょうか。

そこでアイルランドの神話をインターネットで調べてみました。すると、デェシイの木というのが出てくるんですね。どんな木かというと、トネリコの一種であり、655年にキリスト教がアイルランドの地を支配した際に象徴的に切り倒された5本の魔法の木のうちの一本であるとの記述があります。また別の記述では、デェシイの木は詩人の「ミューズ神」そのものであり、ケルト神話の中に出てくる伝説の森で最後に倒されたとも書かれています。

非常にシンボリックな木です。イェイツは魔法の木であるデェシイを擬人化して、詩の中では賢者のように描いていることになりますね。そう言われてみれば、風と森を強調する描写の理由もわかってきます。それに魔法が使えるわけですから、クーアルの眼前のスクリーンにビジョンを見せることなど訳はなかったことでしょう。

一方、クーアルは何者でしょうか。同様に調べてみました。クーアルはおそらく、キリスト教がアイルランドを支配する前の騎士もしくは猟師をモデルにしているのではないかと思われます。3世紀ごろのアイルランドを描いたとみられる「フィアナ伝説」の中にそれらしき人物が出てきます。川から知識の鮭フィンタン(Fintan)を捕まえる話も出てくるので、まず間違いないでしょう。ただしイェイツの『秘密の薔薇』の中には、修道院で十字架に磔にされる吟遊詩人クーアルの話もありますので、あくまで伝説上の人物をモチーフにしてイェイツが創作した人物であるとも言えます。

これで状況がなんとなく飲み込めましたね。宿題はそのまま生きていますので、後半はご自分で・・・・・・というのは嘘で、後半は明日のブログで解説します。
(続く)

今日の写真は、詩の中に薔薇が出てこなかったので、魔法の木とも言える生きた化石メタセコイアです。

メタセコイア

すっかり葉が落ちて、丸裸。
冒頭の写真も同様です。






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最終更新日  2008.01.04 13:11:14
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デェシイ の木  
furafuran  さん
こんばんは。

デェシイ の木についてのことを読ませていただいていて、以前ご紹介くださったイェイツ の『薔薇の木』を思い出しました。人の手によってなどで、失われていく大切なものをもう一度、詩という中でとりあげたかったようにも思ってしまいます。

魔法の木の『メタセコイア』。一年でいちばん美しく色づく季節に、精一杯の『美』というものを体現し、新しい季節のために、ゆっくり眠りについているのですね。ちょうど温暖化の番組を見ながらの書き込みなので、「先進国の責任」という言葉に、小さく心が悲鳴を上げてしまいます。 (2008.01.04 19:35:23)

薔薇シリーズ!  
待ってました(^○^)
楽しみで~す! (2008.01.04 19:38:06)

Re:デェシイ の木(01/04)  
白山菊理姫  さん
furafuranさん
こんばんは。

>デェシイ の木についてのことを読ませていただいていて、以前ご紹介くださったイェイツ の『薔薇の木』を思い出しました。人の手によってなどで、失われていく大切なものをもう一度、詩という中でとりあげたかったようにも思ってしまいます。

古代ケルトにとって、木は神聖なものだったのでしょうね。おそらくそこからヒントを得て、イェイツは理想的なものの象徴として「薔薇の木」を使ったのでしょう。古代ケルト人の生き方に、理想的な姿を見たのかもしれませんね。

>魔法の木の『メタセコイア』。一年でいちばん美しく色づく季節に、精一杯の『美』というものを体現し、新しい季節のために、ゆっくり眠りについているのですね。

そうですね。今は来るべき春に備えて、辛抱する時期。ゆっくり休んで、再び力強い姿を見せて欲しいです。

>ちょうど温暖化の番組を見ながらの書き込みなので、「先進国の責任」という言葉に、小さく心が悲鳴を上げてしまいます。

私も今、見ながら返事を書いています。「先進国の責任」と言う言葉は重かったですね。楽観的な私ですら、この問題に関しては悲観的にならざるをえません。 (2008.01.04 20:22:44)

Re:薔薇シリーズ!(01/04)  
白山菊理姫  さん
うらら3555さん
こんばんは。

>待ってました(^○^)
>楽しみで~す!

そう言っていただけると、とてもうれしいです。ありがとうございます!

難解な詩をできるだけ、難解にならないように説明できればいいな、と思っています。また、遊びに来てくださいね。
(2008.01.04 20:26:25)

メタセコイア  
両手を広げた女神のお人形かと思いました。すご~い、インパクトです。 (2008.01.05 00:07:22)

Re:メタセコイア(01/04)  
白山菊理姫  さん
ヤンチャリカ☆358さん
おはようございます。

>両手を広げた女神のお人形かと思いました。すご~い、インパクトです。

おお、そのように見ましたか! なるほど、女神のようにも見えますね。イェイツやケルトの人たちも、同じように想像力を使って、物語のインスピレーションを得たのでしょうね。木の節に眼を、枝に手を、根に足を、葉には細胞を、見出したに違いありません。 (2008.01.05 07:59:51)

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