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2008.02.09
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テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
▼エロディアード「舞台」2(マラルメ16)
いぶかっている乳母に対してエロディアードは、自分が今置かれている状況を説明します。

Par quel attrait
どのような魅力に誘われて私は連れてこられたのか、

Menée et quel matin oublié des prophètes
そして、預言者に忘れられたどのような朝が

Verse, sur les lointains mourants, ses tristes fêtes,
死に掛けている彼方に、その悲しい祝宴を振りまくのか、

Le sais-je ? tu m'as vue, ô nourrice d'hiver,
どうして私がそれを知っていましょうか? ああ、厳冬の乳母よ、

Sous la lourde prison de pierres et de fer
お前は私が石と鉄でできた重々しい牢獄に入るのを見ましたね。

Où de mes vieux lions traînent les siècles fauves
そこには、私の年老いた獅子たちが住む冷酷な時間がとどまっています。

Entrer, et je marchais, fatale, les mains sauves,
古代の王たちがもたらす砂漠の香りの中、

Dans le parfum désert de ces anciens rois :
手を汚すこともなく、私は運命のまま歩いたのです。

Mais encore as-tu vu quels furent mes effrois ?
でもお前は、私をおののかせるものの正体を知っているの?

Je m'arrête rêvant aux exils, et j'effeuille,
私は追放を夢見て立ち止まり、

Comme près d'un bassin dont le jet d'eau m'accueille,
噴き上がる水が私を歓迎する泉のほとりにいるときのように、

Les pâles lys qui sont en moi, tandis qu'épris
私の内に秘めた青白き百合の花弁をむしると、

De suivre du regard les languides débris
その物憂げな花びらが、私の夢想を横切って静かに落ちていくのを

Descendre, à travers ma rêverie, en silence,
獅子たちは夢中になって目で追っている。

Les lions, de ma robe écartent l'indolence
その獅子たちが、私の衣装から気だるさを取り除き、

Et regardent mes pieds qui calmeraient la mer.
海をも鎮めようとする私の足下に見ほれているうちに、

Calme, toi, les frissons de ta sénile chair,
乳母よ、お前は老いた肉体のその震えを静め、こちらおいで。

Viens et ma chevelure imitant les manières
お前が恐れる獅子たちのたてがみのように、

Trop farouches qui font votre peur des crinières,
私の長い髪も野性的になってしまった。

Aide-moi, puisqu'ainsi tu n'oses plus me voir,
もう私を見ることもないのだから、手伝っておくれ、

A me peigner nonchalamment dans un miroir.
私が鏡を見ながら無造作に髪の毛をとかすのを。


どうやらエロディアードは、石と鉄でできた牢獄に自ら入ってしまったようですね。そこには年老いた獅子たちがいます。この獅子が何を象徴しているかは、読み手によってまったく解釈が違ってくるでしょうが、私は若いエロディアードがこれから出会うであろう夫たち、つまり最初の夫ピリポと、そのピリポを殺して彼女を娶ったヘロデのことではないかと思っています。父親もその一人かもしれません。獅子は母性よりも父性を象徴していますね。

そしてこの牢獄こそ、時間が歩みを止めて凍りつく、冥界のような世界のことではないでしょうか。そこには過去も未来もありません。ただ宿命だけがあるのですが、時間が進まないので、これから起こるであろう悲劇も永遠に種子のまま。発芽することもないのです。エロディアードら悲劇の主人公たちは、芽も出ることもなく荒れ野原のようになった「冷酷な時間」の中に閉じ込められているんですね。

「冷酷な時間」の世界でエロディアードがすることといったら、心の中に咲く百合の花弁をむしりとることぐらいのようです。「追放を夢見て」いるぐらいですから、本当はこの牢獄から出たいのでしょう。しかし牢獄を出て、時が進み始めると、その先には「私をおののかせるものの正体」、すなわちあの聖書に伝わる悲劇が待ち受けているというジレンマがあるように思えます。

獅子たちがエロディアードの心から流れ落ちる百合の花弁に熱中している光景は、好奇心旺盛な猫ちゃんの姿を見るようで微笑ましいですが、乳母にとっては猛獣と暮らすエロディアードが信じられません。王女が食べられてしまうのではないかと気が気ではないのです。そこでエロディアードは、獅子たちが花びらに夢中になって戯れている間に、近くによって櫛で髪の毛をとかすのを手伝ってくれと頼みます。

そこで出てくるのが、鏡です。非常に象徴的ですね。そこには閉じ込められた世界が存在するからです。まさに鏡の中のエロディアード。

その異様な有様に乳母が思わず声を掛けます。

獅子たち?
(続く)





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最終更新日  2008.02.09 13:30:51
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Re:エロディアード「舞台」2  
furafuran  さん
こんにちは。

もしも舞台でこれを見ていたら、ここですでに涙してしまいそうです。

舗装された道路で日向ぼっこをするライオンさんたち。百獣の王もなごみ系の動物の猫ちゃんに見えてしまいます。柵の中にいるとわかっているからですが。 (2008.02.09 14:08:31)

Re[1]:エロディアード「舞台」2(02/09)  
白山菊理姫  さん
furafuranさん
こんばんは。

>もしも舞台でこれを見ていたら、ここですでに涙してしまいそうです。

エロディアードは悲壮なほど悲しげな姿をして、私たちの前に現れましたね。単独の戯曲になるほどの長さはないのですが、映画などの映像作品にすると面白いのではないかなと思いました。

>舗装された道路で日向ぼっこをするライオンさんたち。百獣の王もなごみ系の動物の猫ちゃんに見えてしまいます。柵の中にいるとわかっているからですが。

ライオンさんも草食動物になってくれれば、優しくてかわいい猫ちゃんになるんですけどね。タイのタイガーテンプルの虎さんたちも、鶏肉は混ぜていますが、なるべく穀物を食べさせるようにしているというのをテレビで見ました。血の滴るような肉ばかり食べてると、凶暴になってしまうんですよね。人間も同じだと思います。

「鏡」のイメージ写真が見つからなかったので、多摩動物公園の「獅子たち」になりました。 (2008.02.09 20:51:28)

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