HANNAのファンタジー気分

HANNAのファンタジー気分

January 16, 2008
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 何やらオドロオトロしい表紙ですが、 以前ちょこっと書きました ケルト・ファンタジーなコミックス 『クリスタル・ドラゴン』 です。絵の人物は、1巻以来ずーっと敵役の「邪眼のバラー」。名の由来はケルト神話に出てくる怪異な神で、ふだん閉じられている片目を開くと、最強最悪の破壊の権化と化すのでした。
 最初のころは片目がしっかりと眼帯で封印されていましたが、最近封印が破れつつあり、すさまじい魔物になってきました。
 ・・・何しろ、長い長い連載です。中山星香の 『妖精国の騎士』 が完結した今、20年以上続いているファンタジー漫画って、これぐらいじゃないかしら。

 とはいえ、ここ数年、物語はアルペス(アルプス)山中の夢幻郷「水晶宮」周辺をうねうねぐるぐる経巡っていて、なかなか前に進みません。ケルト特有の渦巻き模様みたいに、現在(紀元1世紀ごろ)から過去へまた現在へ、地下の小人の国から常世の国へ、そして眠る竜の夢の中へ、あるいは宿敵バラーのいるアイルランドの魔の谷へと、行きつ戻りつしています。
 この巻も一冊まるごと、時空がゆがんでだまし絵のようにつながる迷宮みたいで、正直とっても分かりにくい。作者は手書き+CGで凝った描き方をしていて、それなりにすごいのですが、夢幻世界があまりにも夢幻的すぎて、読んでいるとめまいのような感覚に襲われます。
 まあ、作者はそういう効果をわざと狙って描いているのでしょうが・・・

 物語の筋としては、ヒロインの魔法使いアリアンが、最強の魔法アイテムであるらしい「竜の杖」を手に入れて、邪眼のバラーを倒すはずなんですが、なかなか結末にたどりつきません。最初私がアリアンの助っ人かと思った水晶の竜は、どうやら眠っていて魔法と夢幻世界を夢につむいでいます。この巻でようやく目覚めかけたところ。
 で、次に強力な助っ人候補として出てきたのが「常世の国の世界樹の一枝」。この小枝は人格(神格?)を持っていて、それがなぜかイケメンで口の悪い兄ちゃんという外見・性格で、あちこちに顔を出すのです。ところが、これも前の巻あたりから文字通り木っ端みじんにされちゃったりして、ええーっと思っていたら、とうとう最新巻では消えちゃって、その名残が水晶宮で夢をつむぐのみとなってしまいました。
 竜と、竜の夢(水晶)の中で眠り続けていた戦士レギオンとが、早くちゃんと目を覚まして戦闘態勢を取ってほしいものです。

 ファンタジーのお定まりのパターンから想像すると、どうやら物語の結末では、バラーの邪悪な魔法と水晶宮の魔法とが互いを打ち消し合って、地上から魔力が消え去り、夢幻も魔法に満ちた時代が終わりを告げて、歴史時代が幕をあける・・・のではないかと思うのですが。
 いつになったらそこまでたどり着くのやら。

 いや、読者としては、連載が続けばこそ、ファンタジーの夢にひたっていられるのですけれどね。





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Last updated  January 16, 2008 10:54:28 PM
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