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2022/04/27/水曜日/蒸し暑い一日〈DATA〉岩波書店/関川夏央2021年10月28日第1刷印刷〈私的読書メーター〉〈著者が山田風太郎の「忍法帖」シリーズと初めて出会ったのが中一、授業中の出来事というから文化度高い?この本のタイトルは『人間臨終図巻』に因んでいると想像され、風太郎の章は親愛の情が滲む。戦中・列外の山田氏が1994年辺り、スーパー食料品売り場を好んで眺めては今が日本史上の頂点と見做す慧眼。風太郎2ヶ月後、9.11実行犯であるアタの巻。その翌月は張学良、リットン調査団なる歴史用語が浮かび上がるが、この死の並列には時間が歪むような感覚。印象に強いのが安原顕、編集者のアクの強さ。矢川澄子を語る森まゆみさんの言。〉この本の中に村上春樹が2度登場している。安原顕の巻と岡田正泰の巻。前者は一時期スーパーエディターと持て囃されたらしく、フランス系冊子マリークレールの吉本ばなな連載でブレークアウトさせた。出始めの村上春樹も彼にお世話になっている。しかし編集者は自身物書きにならない限り、所詮黒子ではなかろうか。古本屋での村上春樹生原稿流出スキャンダルは余りにお粗末、万が一意識してこのような事を招いたなら編集人としてプロ失格だろう。割り引くなら村上春樹も脇が甘い、ということになる。大江健三郎とのやりとりでは、何だか大江健三郎が小粒に感じられたけど、作品と作家は別物ということを再認識。後者の岡田さんは知る人ぞ知るヤクルトおじさん。私は野球中継を見ないのでご本人の画像より、いしいひさしのマンガで記憶あり。ヤクルトが負けた時の惚けたような顔面が目に浮かぶ。いつも負けるから繰り返しあの顔が。負ける者、弱き者を応援し続ける日本の庶民的判官贔屓が沁みる。ひたすら応援し、歴史の一コマに連なった稀有な凡人。今もビニール傘の応援は続く。村上春樹は『羊をめぐる冒険』を書き上げる前に『ヤクルト・スワロウズ詩集』を自費出版していると著者はいう。平凡なフライを落球する。地面に落ちたことんという音をビールを飲みながら聞く。なんでこんなチームを応援しているのか自問するけど地球レベルの謎、みたいなハルキ節。古今亭志ん朝の死に遭遇して中野翠の追悼文を引き合いに出してくるところが著者の世代らしい。中野翠が落語好きとはこの章で初めて知ったけれど、志ん朝の死を「ある教養の死」と捉えている事は何となく分かる。それはいかにも江戸前らしい教養の一つの型であるのだろうけれど。江戸から東京へ、震災から復興へ、戦災から東京五輪へ風景は目まぐるしく変転を繰り返し、何がふるさとであるのか取っ掛かりの無い東京人に、「何を恥ずかしいと思い何を美しいと思い、何をたいせつと考えるか。」そういうことの総体が個人に現れたのが志ん朝であると。恥ずかしいことも美しいことも大切なこともきっちりと心と所作に行き渡り行動するのが当たり前、そんな世の中が少しずつ薄れていく。日本人晩年図巻だなぁ。
2022.04.28
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2022/04/26/火曜日/蒸し暑し東大出のインテリ、裕福な出自、整った風貌、当時の人としては上背があるシティボーイの芥川に対してその真逆を行くかのような犀星。その彼らを敢えて共通項で割出した展覧会は共感の持てる内容だった。犀星の火鉢猫の写真が絶妙で、彼の最大の肉親はこの猫では、と思わせる。また、芥川と犀星の人生の捉え方が二人の人生をどう展開させたかについて堀辰雄の一考が穿っている。無料の案内や絵地図、コミックシートも充実。その足で蕎麦屋、童心舎まだ周り道、お昼を済ませ東洋文庫へ行く。なんと。火曜日休館。因みに日曜日も。大体図書館、美術館、博物館は月曜休館が多いため、気の利いたところは偶に休館を火曜日にずらしているけれど。自戒要注意がっかりを取り戻さんとスイーツに向かう補填行動に走る。↑巣鴨の、お茶もできるフレンチパウンドハウス。一番人気を尋ねると苺のショートケーキとのこと。初めてのお店でも迷わず買うピスタチオ系と焼き菓子も合わせ求める。カードは使えない、要注意二つとも食べちまう。ショートケーキは甘さも量も控えめでフレンチではなくあくまでジャポネ。ピスターシェはピスタチオスポンジ、チョコスポンジ、ピスタチオムースの中にラズベリーがゴロリと入って甘さ酸味口どけのハーモニーが美味しい。
2022.04.27
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2022/04/26/火曜日/蒸し暑い日田端駅の南口で降りたのが間違い。3分で着くところを15分迷い歩く。が、開館が10時なのでほぼぴったりに着く。南と北の高度差がかなりある。面白い土地風景。メインは室生犀星と芥川龍之介の交友と文学について。二人が親友だったと知りなんとも驚く。金沢で犀星記念館を訪れた時にはその関係への言及は無かったような。お互いの子どもを気遣う手紙のやり取り、二人を比較した展示など文士に親しみの湧くような工夫が凝らされている。木登りする龍之介!などビデオ資料も独自に編集されていて興味深い。画像を見て龍之介の自殺に関しての漠然とした捉え方が少し変わった。その知らせに衝撃を受けた高校生だった当時の太宰治の日記や、戦後津軽にいた太宰を芥川比呂志が訪ね「新ハムレット」上演許可を求めた逸話はマンガメディアで紹介している。これも配布されている。北区では芥川龍之介記念館が開館されるらしく、多角的に龍之介の人と作品が理解されるようになりそうでとても楽しみだ。荒川区や北区では文化歴史資産を積極的に収集公開しようとする動きが感じられ頼もしい。午前一杯ゆっくり楽しめる。入館料は無料。私自身は中学生の頃よく読んだ室生犀星との詩の再会再び、が印象に残る。娘の朝子さんが書かれたものなども読んでみたい。合わせて荒川散歩も。
2022.04.26
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2022/04/25/月曜日/外は暑い長年当地に暮らしていたご近所さんがお引越しする時にお庭のギボウシとクリスマスローズを頂いた。私たちが当地に引越しできた時入れ替わるように向かいの平屋のおばあさまが引越しで行かれたが、その方から分けて頂いたとのこと。この二つの家がなくなるとそこに三軒ずつおうちが建って、わが家の窓辺から眺める緑はすっかり消えてしまったけれど、ギボウシは暫く狭い庭を賑わせてくれるだろう。昨年、ギボウシは花を咲かせてやがて姿形は土の中へ消えていった。と思ったら、春分の頃にはぐんぐん大きくなって、後に買い求めて隣に植えた斑入りのギボウシを蹴散らかす勢い。下草を引っこ抜こうとひょいとのぞいてみると、なんとスズランが一株ひっそりと花を付けていた。そういえば引越したお宅の庭は当初スズランが咲き誇る庭だと伺ったっけ。ギボウシの根元にくっついてきたのが今年花咲いたのだろうか。随分昔、イタリアのボローニャの文具店でスズランをお店の方から頂き、ハテナ?と思いつつ嬉しい気持ちで満たされ、後から5月1日のこの風習をパリで知った。それから何十年、私は大地からスズランを頂いた。左はスズラン型に実を付けたラズベリー。フランボワーズ、スズラン、ランラン。
2022.04.26
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2022/04/24/日曜日/過ごしやすい曇天〈DATA〉偕成社/エヴァ・イボットソン訳者 三辺律子2008年6月初版第1刷スマーティーズ金賞、ガーディアン、カーネギー賞ノミネート原題 Journey to the Lever Sea〈私的読書メーター〉〈14年前の再読。小公女やピーターパン、メアリーポピンズ、ツバメ号、ハヤ号らの栄養を吸収しアマゾン河で繰り広げられる、ビクトリア英国時代の冒険譚にして進路に悩むジュブナイルを応援する著者のナラティブ「思う存分泣かせてくれる犬というのはその体重と同じ金にも等しい価値がある」「あなたはどうなんです?あなたも冒険に対する憧れをお持ちなのでは?」「そうでない人なんていませんでしょう?」「ただ、ああどうして大人はわかってくれないんだろう。ぼくたちだって大人と同じように、何が自分にとって大切なのかわかってるのに」〉読書会定例本。学校図書館購入後に楽しく読んだ記憶がある。本好きな中学女子に好まれた。主人公マイアは研究者である父と音楽家の母をエジプトで亡くし、未成年ゆえに遠い親戚、しかも遠地アマゾン奥地のゴムプランテーションを経営する家族に引き取られる。これが『小公女』の逆バージョンさながら。植民地から英国→英国から植民地。#小公女じゃなかった。『秘密の花園』ですねー、あの時代の少女主人公で凡そ可愛らしさの無い、という。両親家令全て伝染病で失い天涯孤独となる‥同行の家庭教師ミントン先生が雇われ、お互い〈本好き〉であることの共通項をもつ。この二人はやがて愛情と信頼で結ばれる。『メリーポピンズ』。渡航の船旅で劇団の少年と仲良くなる。ジャングルに忽然と現れるヨーロッパの都市のような町マナウスで、『小公子』を演じるのだというが、これが大きな伏線。これまたひねり、ツイストを予感させる逆転劇となる。孤児『オリバーツイスト』→実は貴族ならぬ、孤児の子役→貴族後継者なりすまし、実は血の繋がりがあるかも、と妄想させる逸話も。辿り着いた、現地の言葉です休息の家、と呼ばれる後見人の家は、実はマイアの生活費をアテにしていた。歳の近い双子は意地悪で高慢、一家は万事英国流を持ち込みアマゾンに馴染まず破産寸前。マイアはしかし持ち前の性格の良さでどんどん現地に馴染んでいく。英国ウエストウッドお屋敷のタバナー後継者である、現地インディオとのハーフ、フィンと出会い、遂にアマゾンの美しい支流や風景に出会い、こここそ自分の場所だと確信する。『ハックルベリー・フィンの冒険』?探偵の派遣とフィンの夢、英国に帰りたい子役、火事で九死に一生などの事件がたたみかける物語構成なのだが、行間随所に著者のナラティブが登場人物を通して感じられる。むしろそれらの言葉ゆえに物語が生まれたようにさえ。なりすましをどう取り扱うのか、その子役の良心はどうなっているかとお冠のメンバーもいたけれど、モテモテマイアちゃん、こんな子現実いるのかと話し落ちして、ああ夢の彼方のロマンスと納得のおばさんたち。コルセットフリー万歳、ミルトン先生、結婚には向かない女の件が妙に元気をもたらす。
2022.04.24
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2022/04/22/金曜日/暑い書道お稽古の後、刺繍作品展を見る目的で原宿方面へ。お昼を済ませ途上のハチミツ専門店は前から気になっていた所。主にハンガリー産のアカシア蜜蜂非加熱のものを扱っている。量り売りで瓶代は掛かるけれど、マイ容器持込もできるらしい。テイスティングでガツンと香りの来たダマスクローズの香りを後から付加したアカシアハチミツ100gとチョコクッキー(ハニーショコラサンドリープ)5個をお試し買いする。ハニーショップの上がギャラリーで、たまたま会津木綿や織物、会津の風習天神さんの桐塑人形、水彩画などが展示されていた。水彩画の武藤さんは元日産車デザイナーだったとのこと。天神さんのお菓子を二つ頂く。びっくり。美味しかったです!ありがとうございました。あー犬も歩けばでございます。さて、当初目的の立体刺繍を展示中のラパン・エ・アロというギャラリーへ辿り着く。クレヨンハウスも近い。ニット教室にあった案内ハガキの、このオリーブのリース!編み物で応用できないかしらん?それで実物を見に。あら、ステキ。刺繍とレース編みの中間のような。色のニュアンスがステキ。特にドングリが素晴らしい。毛糸ではこんな細かさは難しいかも。↓お楽しみはこれから。マイハニー表参道にて、3500円くらい。
2022.04.23
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2022/04/22/金曜日/教室出たら真夏六文字から四文字に。小学校高学年向け大きく楷書で書くのは難しい。見るという文字のバランスが取れず、見るばかり書き連ねて投了する。教室壁には御禅師さまに五名の禅師が寄書きした表装や俵屋宗達の歌仙が展示され目を洗う。
2022.04.22
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2022/04/18/月曜日/まだひどく寒い朝〈DATA〉暁印書館/稲葉博昭和63年4月30日初版発行昭和63年7月15日再販発行〈私的読書メーター〉〈こんな本に出会えるのが地元公共図書館の強味。著者は昭和2年生まれ東大史学科を出られ小田原城内高校に奉職、本書は昭和63年刊行。県下の古刹とそれに纏わる歴史、縁起や日本霊異記ばりの伝説なども混じえ飽く事がない。実証的でありつつ同時に民衆が支持してきた物語を包摂する大らかさが好ましい。例えば本書表紙、神体画像の富岡八幡宮。もと頼朝がエビス神を勧請、後八幡を祭神に据えたがやがて衰朽。これを再造営し更に慶珊寺建立を為した領主、名門豊島家の江戸城内刀傷事件の凄まじさ、後日次々降り掛かる呪いを導く筆先のミステリー驚嘆〉取り上げられた寺社①富岡八幡宮、慶珊寺城内刃傷沙汰②最宝寺の地蔵略縁起千鶴丸母子と頼朝③茅ヶ崎満福寺蘇生譚④三島信仰の源流伊豆七島と白浜神社/三宅島薬師縁起⑤座間の竜源院、円教寺最後の大名、箱根戦争、小田原藩の窮状。源義経と牛王姫⑥厚木の金毘羅堂、戒善寺金毘羅のルーツから天狗憑きの話⑦中央線相模湖側の古刹、善勝寺嵯峨野大覚寺と繋がりをもつ内陣の菊の御紋。深大寺より伝承のケイ。元々は中国で作られた楽器で仏具として発展。そもそも深大寺というのは深沙大将の意で、創建当時のご本尊だったという。⑧藤野小渕の三柱神社秦徐福渡来伝承推理⑨上大井の三島神社頼朝縁、八牧兼隆の物語は伊豆香林寺へ⑩南足柄の長円寺大森彦七、大蛇退治ともう一人の大森彦七。吉備津彦神社の、百済の王子温羅(ウラ)伝説などなど。最近神奈川で私が面白く感じているのが小田原、厚木、座間辺り。散歩先いよいよ増える。
2022.04.19
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2022/04/16/日曜日/最後の肌寒い日?ラベリーのサイトでN先生が見つけたレインボーマウス。作成図というか作成ファイルというか購入すると全額ウクライナ支援金になります。オリジナルは虹色段染めのコットンだけど、余り毛糸のレフティが沢山あるのでそれで作ってみた。スタフは毛糸の試し編みの残りなんかをぎうぎうと詰める。あ、イースターだから卵型を編んで、それをマウスのおうちにしても良いかもね。
2022.04.18
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2022/04/16/土曜日/朝は暖房必要〈DATA〉河出書房新社/古川日出男装画 松本大洋2017年5月20日初版印刷2017年5月30日初版発行〈私的読書メーター〉〈時の大権力者室町殿に庇護された能演者は観世親子ばかりではなかった。主人公の犬王は実在の花形能役者、作家として前者以上に贔屓されたという。著者は、異能異形の犬王を召喚。やがて琵琶法師となる壇ノ浦の漁師の少年友魚を創出させ、この二人の結びつきを通して犬王を、琵琶法師を、また平家物語そのものを鎮魂した。ように思う。平家物語は語り聞く中で自然派生したバージョンが多くあったという。失われた多くの平家物語異聞の浮かばれぬ霊魂、切り捨てられた過去、平家物語現代語訳で知り得たものを須く成仏の76南無ビートの疾走。〉平家物語付いている。先だって平家ブラザーズの琵琶でリモート堪能した。コロナで2年越えで海を越えられない島暮らし。勢い今までうっちゃりのアレコレが大波のように私に寄せくる、民族ルーツの古典や古刹の形で。民族ルーツといってもこの列島が国の形を為したのはたかだか1300余年。隣の大国やインド中東、地中海沿岸には非すべくもなし。その前の昔は杳として知れない。世界史登場をいつと見るかは諸説あるようだが、国家としての体裁が整ったのが天武帝の7..8世紀頃とするならばいかにもの新参者なのだなあ。かつて纏められたらしい国史は失われ、古事記日本書紀は客観性に乏しく矛盾も目立つという。なんだデータ改竄の歴史は長いというか整合性のある国史を持っているのだろうか。そこで重要なのが和歌や日記や物語、詞章、手紙、訴状など書かれたもの、記録されたもの。お能は敗者の物語なのだ。そもそも、作家とはモノが語る依代なのだろう。古川日出男は平家物語の現代語訳に取り組むことで、敗残者、声なき声の琵琶法師となろうと決意したに違いない。『ゼロエフ』も本書も通底する三絃の響きあり。アニメ公開が来月。キャラクターデザインは松本大洋氏とのことだけれど、この本の表紙画、犬王は氏のデザイン。本として世に出た5年前既にアニメ化が想定されていたかどうかは私には分からない。偶然なの?
2022.04.17
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2022/04/15/金曜日/セーター日和毛糸だま春号にも掲載あるらしい←未確認。上は私の手習で並太糸使用下は先生で中細使用、並べるのはおこがましいけれど違いがよく理解できるのでお勉強になります。繰り返し特集される辷り編みだけど、未だかつてこの編み地を用いた何かを作ったことがない。意外と面白いのがレンガ積み、馬目地?これらを用いてちょっとしたものから楽しもうっと。因みに裏側はこうなるので、何に用いるか考える参考にしたいけど、基本は裏を見せない時がよいと思う。傘のエのおくるみ、クラスのお仲間の方オリジナル!素晴らしいアイディア。これならコンビニでも一目瞭然♪
2022.04.16
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2022/04/09/土曜日/日差しは初夏〈DATA〉講談社/古川日出男訳者 木原善彦2021年3月3日第一刷発行2021年8月2日第二刷発行初出「群像」2020年4月号 福島のちいさな森 「群像」2020年11月号 4号線と6号線と 「群像」2021年3・4月号 国家・ゼロエフ・浄土 長い後書き 書き下ろし〈私的読書メーター〉〈復興五輪。その違和感故に著者は福島を歩く。コロナ延期なし、開催予定日通り著者は開始する。福島の南北県境、国道4号、国道6号を歩き、見、思考する旅。それは自分の来し方行く末を見つめ、問い、体力の限界や、偶然出会った人との会話に目を開かされる具体的な道行だ。イチエフ、ニエフがあるならゼロエフもあるだろう。浅はかな己をそれに刻印させて同行する。ゼロエフは概念的でありつつ同行者としての像を結ぶ。平家物語、銀河鉄道、老人と海、川で溺死していた、それどころか生まれえなかった自分、見送った母フク、ゼロになったFへの愛。〉東北に行かなくては。歩いてみなくては。あのときの話を聞きに行かねば。もし話してくれる人のいるならば。それなら未だ足を運んでいない広島原爆ドームに先ず行くべきではないか。そんな思いが3.11後、日毎大きくなった。まして当地に暮らしている方やご出身の方はどんな思いをされただろうか。心も言葉も及ばない。なので折に触れ、関わる本を読むことを科している。著者は郡山のシイタケ生産業が実家という。地震で家が倒壊しただけでなく、原発水素爆発事故で山が汚染される。放射性物質の流れた後をトレースした。もちろん目には見えない。見えないということが恐ろしい。人が消えた山里に獣たち鳥たち花草果実薮は戻りオラが春をうたう。少しずつ禍々しいものが消失し、道も橋も鉄道も復旧され、やがて人も戻り暮らしが始まる。幸せになりたい祈りを重ねて。あれから何度か足を運んだが、一番始めに訪ねた宮沢賢治記念館。賢治の直筆だったか「ながれたり、げにながれたり」に津波が重なり震撼した。仙台市アーケードの花は咲くのBGMに涙をながし、塩釜から松島へ渡った直後の土砂降りと、直後の30分も消えなかった虹の二重アーチにノアと神の約束を思った。大川小の学校裏のこんもりとした小山は、大きな子が小さな子を引っ張り乗り上げることができたものをと地団駄を踏みたかった。どうして為す術なく海に持っていかれたか。その敷地の銀河鉄道の、児童卒業制作に胸がちぎられる。さまざまな思いと風景が重なりながら読んだ。そして小国と丸森町を今度は行けるだろうか、と考えた。
2022.04.13
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2022/04/10/日曜日/車内ではクーラー気温という明日からは4月も中旬。先月10日辺りから編みはじめた男物プルオーバーが捗らない。6号、4号針で中細二本どり。メリノとカシミア。風工房さんのデザインで、各パーツ編みのところを不精につき、出来るだけ閉じハギを避け、胴部分は輪編みで。本日、40グラム200m三個目入るところで、脇下まで到達近いけれど、全体ボリュームの4分の1くらいかな?既に次が編みたい。コチラアミコ的。次はちいちゃいものを。
2022.04.12
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2022/04/09/土曜日/晴天2020年公開映画モノクロフィルムが、1960年代ソビエトを活写する。監督は今年85歳になるコンチャロフスキー。複雑で理解し難いソビエトロシア。今のウクライナ国境にほど近い辺境から捉えたその近現代史を、詩情豊かに多声で響かせた。主人公リューダは共産党組織の地方委員会幹部で、スターリニズム真っ只中に成長した真っ直ぐなコミュニストである。彼女の一見白系ロシア人風貌からは結びつきづらいが、彼女の父はコサック兵であることが映画の経過とともに理解される。コサックを含むタタール系アジア系モンゴル系など多くの民族グループはかつて辛酸を舐めた歴史的背景をもつ。そのロシア帝国で、革命によりみな労働者として平等であり、労働者自らの自由な自治に基づき人類のユートピアが築かれる筈だった。少なくとも彼女リューダはそれを信じて疑わず、真っ直ぐ生きて来た。が、その一方で彼女の地位故に長蛇の列に並ぶこたなく容易く、垂涎のラトビア産チーズもルーマニア産サラミも手に入ることには鈍感で、自前の事と理解している矛盾に無知である。コサックであることの誇りと父祖的豊かさを体現する老人の父、自由で民主的な未来を体現する娘。その狭間で現実として立ち現れるソビエトの結局極めて古臭い因習に満ちた体面重視の社会システムを前に、同志ではなく個人が名前を持ち名前で交流することがどういうことか、監督はピアニッシモで問う。硬直したこの国に老監督が見せる一コマ。ドン河の、おそらくコサック民の子どもと馬の素晴らしく詩的な場面。その水につかり顔を洗うリューダの洗礼。今のロシアにも希望を告げてはならないのだ。世界が美しいことを知るのであれば。
2022.04.11
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2022/04/08/金曜日/花まつり教室に向かう道の桜はもう葉桜になりかけ。前回この桜の樹だけが未だ花を咲かせないと思案していたら、それのみ八重桜だったのだ。本日のお題は「新たな目標」あなたの目標は何ですか?と先生に尋ねられ、返事に詰まる。そこはそれ、お習字が上達するなんぞとお茶を濁したが、私の目標、新たな目標、それは何だろうか。考えている内に先月伺った講演の三者の姿が浮かんだ。美術家杉本博司さん、興福寺多川師、春日大社花山院師の対談。若い時はいざ知らず、彼らは今現在、誰一人として自らの発意の人生を生きているようには見えなかった。それよりも大きな力とか縁起によって生かされ働かされている自分を、自分の地点からではなく、もっと遠いところから観察して面白がっているように見えた。これはとても好ましく私に感じられた。できれば、スケールはずっとずっと小さくても自分を生きるより、自分が生かされるように生きてみたいもの。それを目標に掲げたい。花まつりの今日の日に寄せて
2022.04.09
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2022/04/08/金曜日/花まつりらしい陽気霊岸島が何となし好きで、書道の後こちらに渡ることが多い。教室で浜町がどこにあるか、勘違いを伝えた私。霊岸島=新川からほど近い浜町方面へ。その道すがら気になる洋菓子屋さんの前を通りかかる。入ってみる。まあ、マカロンがまるでお花畑のよう。こんなにマカロンが並ぶお店は珍しい。ウインドウのディスプレイもフランスっぽいなあ。フランスの技能者がマイスターのよう。ところでパティシエはクラブハリエとある。昨冬近江八幡本店に出かけたご縁か、水天宮さまのご縁か。元々フランボワーズ、ピスタチオが大好きなのだけれど、当店でも人気はそれのよう。マカロン3種とブラウニー2種を買い、先ずはフランボワーズをいただきました。皮はそんなに固くなく、何方かと言えば繊細。挟まれたクリーム、ホワイトチョコ入り?とトロリフランボワーズソースの甘酸っぱさよ♪すごいなあ、たねやさん。水天宮前にこんなオシャレなフランス菓子店。琵琶湖の水路側の本店を思うと、水天宮前に意味があるのかも。お買い物全部で二千円しないのはだいぶ価格が押さえられていそうにも思う。お菓子で世界を幸せに/ウクライナに春を
2022.04.08
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2022/03/30/水曜日/麗しの春うらら招待券が明日までという日の駆け込み根津美術館。と、その前にせっかくの原宿、前回2時に終了していた豆大福の瑞穂へ。しかしまあ大福一本のお店のずっしりと大きな昔ながらの大福。並んで買う。だらだらと歩く表参道の、ジルサンダーウィンドウに釘付けクロシェの濃紺と水色のワンピースは川に流れる筏の花びらの如し。恐らく手仕事と思われる。素晴らしいの一言、こんな作品を一度は編んでみたいもの。246を越えるとコムデギャルソンショップ。いつもバッグが表に陳列されてるけど?後で訪ねた岡本太郎記念館の「座ることを拒否する椅子」がplay!の源泉かと。さて、根津美術館。この季節に合わせたか、花びらのような美術品が陶磁器、漆で揃う。曜変天目茶碗の出品あり、三大曜変天目に比しても遜色ないのでは?↑草苺か蛇苺か、の花は山桜の花より大きい。地上の星。5つの水指、野々村仁清、伊賀焼、古雅なり。ホールは前回と変わらない展示。白大理石の如来立像を見て、再びジルサンダーのワンピースを思い出す。カタチと味と重さのチカラに浸る。
2022.04.05
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2022/03/31/木曜日/暑いんだか寒いんだか〈DATA〉新潮社/アリ・スミス訳者 木原善彦2020年3月25日発行2017年、ブッカー賞最終候補作〈私的読書メーター〉〈ポトフォリオから、あららスケッチ画がこぼれ落ち風に遊ばれバラけて集めた、ような独特な作品スタイル。時空でゆらめく絵画。偶に時代のアイコン登場。本作のエンジンとなったらしいブレグジット国民投票。結果EUから英国は離脱。著者出生地スコットランド独立運動の気運上昇、分断、更に壁。一世紀を生きたダニエルの夢か現か我も彼も難民。『冬』では高等遊民的不思議人ダニエルの背景がかなり見える。大人を生きられなかった「秋の妹」。でも今確かに、ダニエルとエリサベスは出会ったのだ。隣人になるってどんな気持ち?ステキな問いだ。〉エリサベスは母と二人暮らし。隣に越して来たダニエルは既に十分おじいちゃんだったけど、利発で言葉にこだわるアートが好きなエリサベスと年齢も、だから持っている経験も全て超えて何というか魂がかいごうする←変換できないわiPhone。初めての会話らしい会話でダニエルは、やっと会えた、という。やっとって何?と聞くエリサベスに「生涯の友」と答えるダニエル。エリサベスが咄嗟に嘘をついた架空の妹にも、その真実を知りながら会えてよかったよ、という夏のお兄ちゃんダニエル、切ない。本を読まなくちゃいけない。いつでも読まなくちゃ。政治や社会もよく読むんだ、今は何を読んでるの?こんな会話のできる隣人がほしい。今は大学講師となり実家を離れ6年に一度しか帰省しなかったエリサベスが、ダニエルが老人ホームに入居と聞いて足繁く帰省するようになる。ただ眠り続けるダニエルの元で本を読む。声に出さずに。ある日の居眠りでダニエルと夢を交歓したような感覚を持ちダニエルは初めて目を開ける。やあ、やっぱりきみだ。また会えて嬉しいよ、何を読んでいるのかな?(エリサベスが読もうとしていたのは『二都物語』)この選択こそダニエルへの深い共感と愛以外の何者でもないことを示す。再びのカイゴウはとても静かで歳月の降り積りを漂わせるが、見よ、窓外の灌木の中に一輪の薔薇が晩秋に艶やかに
2022.04.04
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2022/04/01/金曜日/やや花冷えと、10日ほど前、桜は稲荷古墳界隈で見事に満開の頃小田急喜多見駅から南下したところに宇奈根という地名があり、その響きが万葉的というか良いなあと以前から感じていた。狛江や砧なんぞも近い。思い立ち散歩に出歩く。矢張り古い土地のようで円墳が住宅地にポコポコと散在しているが、先ずは土地の古い神さまにご挨拶に赴く。氷川神社に向かうこの道、世田谷。区内には渓谷もあるしハケもあり多摩川沿いに水も豊かで小高い丘もある。独立したい気持ちの伝わる地理風景だ。ご由緒によると、多摩川洪水で古文書が失われ詳細ははっきりしないが、740年天平の頃の創建と伝承されている。地名が先か氏姓が先か。この地の領主は喜多見氏で元々は江戸地域開祖である江戸氏の子孫という。また、この石鳥居は1653年建立で都区内で最古の部類に入るという。本殿も堂々として美しい出雲系。境内社に稲荷、天神、大山祇、月読、出雲、大鳥、祖霊の支社が祀られている。これら支社の場所がいかにも特別な雰囲気を醸している。印象深いのが社殿前左手にある立石大神。「付近から出土した石棒」との説明文だが、どう見てもこれは道祖神だと思う。だとすると支社の祖霊祀りは氷川神社よりももっと古いイワレがありそう。祭典に、私は初耳の「アボヘボ新年行事」というのがある。元旦に授与して下さるそうで、縁があれば伺いたく思う。
2022.04.03
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2022/03/30/水曜日/ほどほど温かい根津美術館に出かけた後、すぐ側にある岡本太郎の旧居アトリエ、現在記念館、を訪問する。太郎のエネルギーが精神にヴァイタミン作用する今は「赤と黒」のテーマ展示左、「雷人」は遺作で未完のため、太郎のサインはない。そのキャプションと太郎の老いと死に対する考えのボードはショップにある。赤あっての黒、黒あっての赤。俺の中の悪が俺を生き延びさせてくれた、とは鶴見俊輔。関川夏央の対談で飛び出した言葉なんかが蘇る黒。そして狭い庭のどこまでも豊穣な白と緑に蘇生させられる。座ることを拒否する目玉の赤い椅子は、コムデギャルソンのplay!だと気づく。あれはハートではなくお尻、hipのシャレなんだな。
2022.04.03
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2022/03/26/土曜日/少し生暖かい風の吹く曇天蔵亭さんは元々この土地で代々続く農家。苺が美味しくて評判だったのが、この数年ワイン用の葡萄を育てワイン作りを始めた。以前から自宅の蔵をオシャレに改装したワインスクールに参加して本日は4.5回目くらい。「チョコレートとワイン」の相性を楽しむ会とは斬新な。なんとショックな事に画像をうっかり削除していた∑(゚Д゚)ステキなチョコプレートと四つ並んだワインが見られない。しくしく。ともかく。カカオの栽培分布はほぼ赤道挟んだベルト。元々は髪の毛飲み物とされ、貴重なものだった。ココアパウダー、固形チョコ、ミルクチョコの発展など。チョコレートの原料になるまでの加工が大変なこと。原種は三つ。果実であること、発酵やポリフェノールの含有、またテロワール、香りを楽しむなどチョコとワインは近しい。収穫→発酵→乾燥 ここでカカオ豆として出荷、ビーンツーバーはこの状態で仕入れて焙煎、磨細、混合、精錬、調温による結晶化、成形へと手間ひまかけてオリジナルを作り上げる。提供されたチョコは、ビターチョコ82%?ミルクチョコ、オーガニックドライフルーツチョコ、カカオマスを使用しないホワイトチョコ、カカオニブ。#カカオニブとは、カカオポット(←果実の種のこと)の中に大体20から50ほどのカカオパルプがあり、そのカカオパルプの外皮を除去したもの、中身。梅干しの種の中の白いコリンとした苦っぽい胚みたいな?甘味も無くやや燻した感じのカカオニブはお酒によく合うことを発見。提供されたワインはピノノワール、ボルドーフルボディわたし的にはミドルボディ、ランブルスコ、ポートワイン。定石通りというかビターは、甘みもアルコール度も高いポートワインと相性よく、ホワイトチョコレートは軽めピノノワールが自然に溶け込む。果実のチョコは生姜の香りが強めでどれも難しい。私にはランブルスコとミルクチョコの組み合わせは良かった。ランブルスコそのものがベリーの風味と微発酵があり、チョコと合わせるとおしゃれな感じがした。カカオニブはどれともOKだった。
2022.04.02
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2022/04/01/金曜日/寒い雨の朝うわー、4月馬鹿の日ですね(´;Д;`)アップロード過程で3月1ヶ月のお蕎麦の記録9件が消えた!ショック。手元には何も残らないなんて、何が起きたか不明。金沢文庫や茅場町、南青山他新しい開拓4件が〜悲しや。仕方ないまた気を取り直して( ´Д`)y━・~~と思っていたら、あらまあ3/12日付けで生きておりました。とにかく記録が残ってよかった(^^)
2022.04.01
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