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2024/06/29/土曜日/曇り
6/7 金曜日
日本の公立美術館や博物館は、個人の撮影に吝嗇である。ことを海外の美術館で再認識させられる。
ストロボなど発光するものを用いない限り、マウリッツハイスもこちらも撮影フリーだ。
Google mapではフェルメール美術館とあるけれど、これはセントラム、センターが正しい。
実物の展示ではなくデルフトの町の歴史やフェルメールの研究を中心に案内する施設なのだ。
こちらでチケット購入、日本語解説のレコーダーが貸し出される。この解説はかなり優れものだった。
地階の展示ではフェルメール作品の総覧と、彼の時代背景や交友関係なども紹介されていた。
日本にも収蔵ひとつ。アイルランドにもひとつ。
なるほど。
この3人は同じモデルかな?右端のタッチはまるで、 マリーローランサン
みたい。帽子デザインもモダン
真珠の耳飾りの少女がマダムになったらこうなる?
黄色のトーンが作品ごとに異なるのが面白い。
実物はどうなのかしら。
デルフトブルー、或いはフェルメールブルーに最も映える反対色の黄色が、彼の絵の中ではろうたけて、うるむように温かい。
展示されていたフェルメールのパレット
絵の具も当時のもので、配色もこの並びだったらしい。光から闇へと色の階
↓こちらはマウリッツハイスに展示されていたフェルメールが用いた材料見本。
濃い黄色はweldとある。キバナモクセイソウ?
薄いのはearth pigments 黄土かな?
↑同じフロアに展示されていたデルフト焼の中で
一番好みのお皿
このフロアでは修復の様子のビデオ紹介や室内エスキースの技法、多消失点の用い方の説明がある。
また カメラオブスクラ
の体験もできる。
カメラオブスクラは マルクト広場
への小道にアングルが向けられていた。
上下は正常値に設定されていたが左右は逆転。
小さな覗き穴からは広場と小道の陰影がややぼやけて、通りを歩く人がまるで動く絵画か初期の映画を見るよう。
フェルメールの驚きと発見の追体験。
《天文学者》
と 《
地理学者》
同じデルフトに、同じ織物商を営む家にほぼ同じ頃生まれたレーウェンフックがモデルと考えられている。
商人ながら科学全般に興味を持ち、独学で工夫しながら幾つもの顕微鏡を作った。
ここにはその内の一つが展示されている。
彼との交友がフェルメールの絵を創造したと考えるのは理に叶うように思われる。
交友といえば、ギルド 聖ルカ組合
。
↑当時のギルド組合員の卓の再現。
水は非衛生的で一般にビールが飲まれていた。
女子どもも、である、もちろんアルコール度数は低いものだったろうけれど。
そういえば断酒する男が平気でビールを飲む場面が何かの小説に出てきた。ビールはそういう扱い。
ところで。
この卓の奥行きは70センチに満たないほど。組合員は相対するのではなく交互に座す細長い設計だ。
何を意図しているのだろうか。
これは、何かの冊子で見た 小池一子
さんの熱海の別荘を思い出させる。
断崖絶壁に建つその家の窓からは海しか見えない。
その海に向かって、丁度このような細長いテーブルが据えられていた。それに吸い寄せられた。
なるほど。異様に奥行きのないあの長テーブルは
クリエイターギルドの卓だったのだな。
↓現代のパールイヤリングガール
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