全805件 (805件中 701-750件目)
< 1 ... 10 11 12 13 14 15 16 17 >
2021/11/9/火曜日/晴↓万世橋から海方向職場徒歩圏内の、ポルトガル菓子屋さん。前回は臨時休業、今回は無事店内へご婦人二人が切り盛りしている。路地にある。手仕事である。これらの好みが重なり嬉しい。えー、エッグタルトは売り切れ( ;∀;)アーモンドのケーキとお店の方オススメのマルメロのゼリーみたいなスイーツを買い、オススメの食べ方、トーストにカマンベールチーズ、そこに薄くゼリーを載せてむしゃむしゃ。セボン。しまった、画像撮り忘れ。
2021.11.12
コメント(0)
2021/11/10/水曜日/曇り後晴、暑いくらい代々木上原からテクテク15分くらい、和菓子の岬屋さんに立ち寄った。レッスン後のご褒美、なんでもご褒美(^^)ちっちゃいお店で高齢のご夫婦で切り盛りしている様子。ちょっと京都の和菓子屋さんみたいに切り箱からお菓子を出してくれる。店内がもう少しすっきりすると風情が生まれそう。惜しいこと。本日、上生は残菊、織部も気になる。へー麦饅頭、素朴な感じ。千々に乱れるお口とお胸の内。結局無難な感じの黄身しぐれと最中を求める。最中は夏は作らないとのこと。はーそんなもんなんだな。ひとのお宅を云々言いながら、帰宅後、wicked way meadさんの蜂蜜酒を飲む前に写真!と思うと、カウンターが余りにごちゃごちゃ!何とかせむと。片付け始めて知る、捨てるしかないモノが結局かなり残地物となってあちらのお部屋に行くだけの腰砕けなお片付け、でも擦ったり磨いたりしていると気分は上がります。お菓子も待っているし!あれ!最中が非常に美味しい。黄身しぐれの比ではない。皮がかなり厚め、餡は甘さ控えめ。香ばしい。空也最中より断然こちらが好きだな。たっぷりお茶は台湾高山茶。湯呑みは若松河田の備後屋で買ったちょっと不思議な小鹿田焼
2021.11.11
コメント(0)
2021/11/7/日曜日/晴久しぶりにおウチでDVD鑑賞フランス人の美しいところが全て出た、みたいな。ちょっとしたファンタジーのような。かつてはパリにもあったであろう下町の人びとの共助精神。だって主人公靴磨きの老人は若き日々をおそらく、かつてアルジェリア内紛、1999年以降アルジェリア戦争、の義侠にかられ、パリのカフェでわいのわいのと談義し、詩を叫んだ時代彷彿ムシューなんです。お洒落で信義を重んじ自由を愛して女性には花を贈る、例え今晩のバゲットが買えなくとも、なパリジャン。あーランスロットの末裔か。ル・アーブルのカフェで、モン・サン・ミシェルはブルターニュかノルマンディかともめたり、あら私もソレ不思議な中立点だなぁと思ってました。それからドイツ語フランス語で揺れた最後の授業の地、アルザス出身らしい男のアルザス語りなどなど、当地がフランス中の流れ者到着地であることを匂わす。更に末期癌を匂わせる靴磨き男性の奥さん。衰えた眠りに添える、ご近所婦人の読み聞かせがカフカ短編集。婦人の出自をそれとなく匂わせる、東奥、ユダヤ、ドイツ圏。そこに難民が命からがらアフリカからやってきてコンテナで見出される。脱出する少年、彼を何とか希望の地へ送り出そうと奮闘するムッシュとご近所仲間の人情。日本からは失われて久しい感情だ、何でこんなぺこぺこの薄っぺらになっちまったんだかだから奇跡はその少年と靴磨きマダムの手の触れ合いから醸された。そんなおはなし。
2021.11.10
コメント(0)
2021/11/7/日曜日/曇り後晴〈DATA〉河田書房新社/ウィリアム・シェイクスピア石井美樹子 訳/2021年5月20日初版印刷2021年5月30日初版発行 〈私的読書メーター〉〈『マクベス』を読む。この時点で返却の至時。高額でも買おうかしら。何でこんなに面白いマクベス⁉︎マクベスを焚き付けるのは三人の魔女だけではない。奥方の非道振りが当初凄まじい。奥方に弱腰を咎められ、魔女の予言を成立させるべく謀叛殺人を企み次々と血塗られていくマクベス。一度悪事に身を染めれば底しれぬ奈落に陥るしかない。人間の女故の脆さが結局狂い死に至らす奥方と女の股から生まれなかった烈将マクダフの妻子の忌まわの会話の対比。「綺麗は汚い」ならぬ「晴は曇、曇は晴」のスコットランド。森が城に迫り来る様、指輪物語彷彿〉"Fair is foul, and Foul is fair,"余りに有名なこのセリフは、ずっと「きれいは汚い、汚いはきれい」だと自分の中にヒモ付けられていた。真理を巧みに忍ばせた魔女の言葉遊び的イメージで。ところがなんとまあ、石井訳は変わりやすいスコットランドの天気を言っている、と。確かに一日に一年があるような変わりやすい天気は、アイルランドがもっと激しいにしてもスコットランドも十分そうなのだろう。ダイレクトに天候の変わり目を伝えつつ、これから先に生じる登場人物の毀誉褒貶を印象づける伏線にもなっている。そもそもマクベスの第一声が"So foul and fair a day I have never seen "なのだ。そこで三人の魔女は並列のfoul とfairをお手玉した?舞台のスコットランドを加味するなら、ゴルフの時にでも言えそうなセリフかしらん。いやいやひょっとするとマクベスの言葉が魔的なものと気脈を通じさせたかもしれぬ、こちらで鳴らせばあちらで響く。「気をつけよう、甘い言葉と暗い道」だ。この物語を猛烈に働く組織人間の出世物語にも翻訳可能なところは、人間存在の本質をとらえている所以。百年二百年で人間変わりっこない。千年二千年で少し変化するだろうか。趣味とか好きなものなんていうのさえ、案外3代4代掛けていつかの時代のその血脈に、ぽかっと現れてくるものなんだろう。マクベスは悲劇的な人物だが、物語の最後は悲劇的ではない。寧ろ私には好ましいエンディングといえる。
2021.11.09
コメント(0)
2021/11/5/金曜日/秋晴れ随分前から駒場にある日本民藝館を訪ねたいと思っていたら、先に近代美術館で柳宗悦を中心とした100年展が開かれてしまった。所蔵品のめぼしいものは此方に移ってしまったことだろうと先ず此方を見学する。お堀を挟み反対にあった工芸館は建物ごと金沢に引越してしまい、身近に見られず本当に残念なことだ。ところで入場料1800円もするのに、出品リストの用意がない。リストはQRコードで読み取れと曰う。その時はそんなものかと思ったが、作品を見ながら印象を書き込んだりするのにこんな小さな画面でそれも叶わず、不親切さに呆れた。帰宅後の思い起こしの楽しみも失せ。美術館に対応改善を乞う。改めて柳宗悦の大きさ、守備範囲の広さに感じ入った。同時代、民俗学を起こした柳田國男とのカイゴウも一度あったことを知る。バーナード・リーチは六世乾山に陶芸を学んだという。尾形乾山の伝書を預かった三浦乾也が六代目かと思っていたが、その辺り事情が入り組んでややこしい。ここでいう六世乾山は浦野乾哉であるらしい。今夏、乾也縁の秦野市で彼の生誕200年展があったそうな。なんという事、気がつかないままコロナ夏を過ごしたのだった。陳列の、今和次郎『日本の民家』ああここでも出会えた岡書院!また鳥取民藝運動に投じた吉田ショウヤ氏の展示もあり、いつか民藝美術館と割烹も訪ねたいと強く思った。展示のお終いに、宗悦の揮毫「悉有美醜」があった。達筆というのではないが迷いない勢いがあると感じた。「美の標準」から「美の法門」へと至る昇華モノの介在はとどのつまり、山川草木水空気熱運動、天然と呼ぶべきかは。本日のお土産一升瓶カゴ、『吉田ショウヤの建築の原点』記念の和手ぬぐい、3点帰り道、宝来屋で栗饅頭と熊本みかん丸ごと大福、うまし。
2021.11.07
コメント(0)
2021/神無月の間10/12には屋根の防水シート工事が終わり、その後内装パネル?が搬入され、月半ばには屋根が葺かれ始めた模様。この頃から多い時は8台くらい工事車が並び、大型車も頻繁に行き来している様子。内装、衛生、設備が進んでいるようだけど、サナギの中の蝶の如く中身不明。ありゃ、いつの間にか大きな電柱が立っていた。それまで、一軒のおうちだったせいか、ヒョロっとした細い木材に電線が絡んでいたけれど。今や異風堂々。
2021.11.06
コメント(0)
2021/神無月の間10/12には屋根の防水シート工事が終わり、その後内装パネル?が搬入され、月半ばには屋根が葺かれ始めた模様。この頃から多い時は8台くらい工事車が並び、大型車も頻繁に行き来している様子。内装、衛生、設備が進んでいるようだけど、サナギの中の蝶の如く中身不明。ありゃ、いつの間にか大きな電柱が立っていた。それまで、一軒のおうちだったせいか、ヒョロっとした細い木材に電線が絡んでいたけれど。今や異風堂々。
2021.11.06
コメント(0)
2021/11/3/水曜日/秋晴れ〈DATA〉河田書房新社/ウィリアム・シェイクスピア石井美樹子 訳/2021年5月20日初版印刷2021年5月30日初版発行 〈私的読書メーター〉〈四つの内の『ハムレット』を読む。本や舞台で何度も出会った、その度のモヤモヤ。その背景を知りたくば図書館架に幅広でシェイクスピアに纏わる資料が潤沢な結構な国なのだが。沙翁初心者の私は、この本でハムレットと沙翁の骨格、構造が能く掴めた。第一資料であるテキストの誤訳に対する訳者の誠実な行動に共感をもつ。17世紀前後の英国の情勢を巧みに世相の鏡となす舞台がクリア。言葉の羅列には今の世に向けた皮肉?と得心させるもの多く。人間の思考進化の無さに加え、王の鷹揚気高さも失った我らの悲喜劇は在るかないか、それが問題。〉シェイクスピアにアーサー王伝説がどんな影響を与えたか、なんていうのも『アーサー王と円卓の騎士』を並行読書中、気にしていた。私の読んだアーサー王テキストではアーサー王が大陸の戦地に赴くに際してロンドンの都市と王妃グネヴィアを甥のモルドレッドに託す。ところが、この甥は彼女を誘惑し結婚を迫り、王であると宣言する。さて、王妃はどう反応したか。王妃はこれを唾棄してロンドン塔に立て篭もるのだ。ハムレットより古い時代。騎士は騎士らしく勇敢で、名誉と高貴な女性に生命を賭して駆け抜けた。歌になり誉れとなった伝統も失われた当節に、ハムレットはいう。「二千人の命と二万ダカットでもこの藁しべほどの問題に決着をつけられまい。これはありあまる富と平和が生んだ腫瘍だ。内部で膨れ上がり、外からは原因がわからぬまま、死にいたる。」「乳を吸う前に、乳房に敬礼をしたたぐいだ。退廃した我らの世が猫かわいがりする、あんなやからを大勢知っている。流行の言葉使いとうわべの社交術に長けている。泡のような連中だ。世故に長けためざとい連中の間をはったりでくぐりぬけるが、試しに一吹きするとーー泡と消える。」「おお、神よ、ホレイショー、このまま真実が伝えられぬならどんな汚名を残すことになるか!きみがいつもわたしを大事に思ってくれていたのなら天国への旅立ちの至福をしばし遅らせ、この厳しい世で、辛いだろうが、きみの言葉で私の物語を伝えてくれ。」今現在のどこかの国の政治諸々の堕落に、真の歴史的考察を与えよとする学術、公文書を黒く糊塗する権力のやりたい放題への、ハムレット否、シェイクスピアの遺言か。
2021.11.06
コメント(0)
2021/11/1/日曜日/秋晴れ羽衣なんとまあ。武相荘前のあまり広くない庭先に能舞台が設置された。一時頃着いて三時開演前の間に日差しが少しずつ傾いて、空気が霊妙に変化して来るよう。狭い舞台に総勢12名。橋掛は尺五ほど。さてこの極小の空間に松原の白波、山並みを越え月世界に昇る天女、それら風景が出現するのかどうか。羽衣は謡の者、ツレの頬も掠め、憂き世の人に舞を伝えんとする勢いで衣の掛かっていた松の木から観客席を覗き込む姿が見られた。果たしてこれは屋内能舞台ではあることだろうか。天女の衣を既に纏った存在が、いかにも人間くさくなってしまったように感じられ少し違和感を覚えたけれど、白州正子さんのエピソードもそこはかとなく思い出された。しかしこれは意図したことでもなければ計算ずくのことでも無いように思われた。序の舞から破へ移行するに及び音曲も激しさが増し、樹上の野鳥たちの声もひとしきりボリュームが増す。秋の傾いた光が天女の挿頭を輝かせ移ろわせ、落ち葉もひとひら舞う。外で演じられる醍醐味。今度は屋内能舞台で再び友枝雄人氏の羽衣を見たい、どれだけ違うのか、違わないのかを。お能の前に大鼓、小鼓のワークショップがあった。「はるがすみ たなびきにけり 」の段を楽しんだ。よおーぉ〜、ほ、ほの例の掛け声?が気持ち良く、腹の底から出ると身体の中心が感じられる良い企画だった。
2021.11.05
コメント(0)
2021/11/1/日曜日/秋晴れ羽衣なんとまあ。武相荘前のあまり広くない庭先に能舞台が設置された。一時頃着いて三時開演前の間に日差しが少しずつ傾いて、空気が霊妙に変化して来るよう。狭い舞台に総勢12名。橋掛は尺五ほど。さてこの極小の空間に松原の白波、山並みを越え月世界に昇る天女、それら風景が出現するのかどうか。羽衣は謡の者、ツレの頬も掠め、憂き世の人に舞を伝えんとする勢いで衣の掛かっていた松の木から観客席を覗き込む姿が見られた。果たしてこれは屋内能舞台ではあることだろうか。天女の衣を既に纏った存在が、いかにも人間くさくなってしまったように感じられ少し違和感を覚えたけれど、白州正子さんのエピソードもそこはかとなく思い出された。しかしこれは意図したことでもなければ計算ずくのことでも無いように思われた。序の舞から破へ移行するに及び音曲も激しさが増し、樹上の野鳥たちの声もひとしきりボリュームが増す。秋の傾いた光が天女の挿頭を輝かせ移ろわせ、落ち葉もひとひら舞う。外で演じられる醍醐味。今度は屋内能舞台で再び友枝雄人氏の羽衣を見たい、どれだけ違うのか、違わないのかを。お能の前に大鼓、小鼓のワークショップがあった。「はるがすみ たなびきにけり 」の段を楽しんだ。よおーぉ〜、ほ、ほの例の掛け声?が気持ち良く、腹の底から出ると身体の中心が感じられる良い企画だった。
2021.11.05
コメント(0)
2021/11/3/水曜日/秋晴れヌーボーワインで有名なボジョレーは11月の第3木曜日が解禁祝いの日。山梨ワイナリーでもヌーボー祭があり、それは本日なんだとか。ところで鶴川、岡上の蔵亭もそれにあやかり本日ヌーボー祭の日となった。でもこれは特別なお祝いの日。川崎の農園で育ち川崎のワイナリーで醸造された初めてのワインの蔵出しなのだから。春から農園のお手伝いされた方には思いひとしおに違いない。岡上ヌーボーはメルローもピノノワールもその他畑のぶどうを全て集めて、ボジョレーの「マサラシオン・ガルボニック」なる醸造法で醸されたとのこと。色はやや濁り気味でも香りのブーケが立ち上がり、ぶどうの皮裏のヌルりを思い出すような味わい、微発酵とフレッシュ感。でもこれはあくまで始まり、これから蔵亭は成長して美味しくなるその途上に漸く一つの点を灯したんだと思う。記念のハーフボトル35?本の一つをお持ち帰りできたワインセミナーでは試飲の時に栗をお持ちくださった方がいらして、食べるとワインの味がまろやかに変わることにビックリ↑右下画像の右、岡上ヌーボー左イチゴワイン蔵亭お庭で見た柿の色、帰り道のお寺山門奥、少し色づいた木?地域情報誌マイタウンから〈今年7月に初の純川崎産ワインを完成させた「蔵邸ワイナリー」で、11月3日(祝)に開催される同イベント。11:00〜16:00までの間に蔵邸を訪れれば、岡上産ヌーボーを1杯600円で味うことができ、さらに柿スイーツやキッシュなど、自家農園で収穫した季節の野菜や果物を使った軽食も楽しめます。この機会に秋深まる岡上へ出かけて、ゆったりと過ごしてみてはいかがでしょうか。〉
2021.11.04
コメント(0)
2021/11/02/火曜日/曇り後晴右は2013年11月22日に長崎、油屋町のレトロな喫茶店で頂いたミルクセーキ。卵黄の濃厚さと甘味とクリーミーなシェイク感にうっとり。これはどう考えてもエッグノックではなかろうか?フローズンではあるけれど、と思った。長崎でしか食べられないと諦めていた。ところが職場から徒歩15分の秋葉原駅側の「日本百貨店しょくひんかん」の「長崎トルコライス食堂」に、このメニューがあることを発見!本日ようやく立ち寄った。8年前を思い出させると同時に、いや昔食べたのはこんなにジャリジャリした氷では無かったなあ、とかちょい甘さが強くないかなぁとは思ったが、でもやっぱりこれこれ。うんまいです。お食事時間でなければ、デザート系やコーヒー単品でも大丈夫だそうです。900円。たまたまPayPay特典で25%戻り特典中。
2021.11.03
コメント(0)
2021/10月純米酒六撰 白玉の酒は静かに呑むべかりけり全て純米酒。三人で飲み比べてみました。コロナ禍が少し落ち着いた今、こんな楽しみも世の中にあったんだと思い出す。私自身は大吟醸よりか純米酒が何となく旨く感じる。ここは純米酒の品揃えが嬉しいお店。福島のお酒、奈良萬はややフルーツの香。かたの桜、大阪交野市のお酒。やや時間が過ぎてすっかり他のお酒を忘れてしまう。これでは日記が役に立たない(´;ω;`)唯一記憶にあるのは一博が魚介によく合った、ということ。次回これを中心に楽しみたい、佳肴あり、な時に。国産白ワイン2種左のは酸味が強く私の好みとは異なる。シャブリとか好きな人には向くのかしら?辛口軽目シャープで和食に相性。甲州シュールリー、とあって醸造は仙台秋保右、ポラリス。ピノグリ、大変美味しくてびっくり。これはル ミリュウ https://le-milieu.co.jp/というマイクロワイナリー、何とお二人で回しているそうです。素晴らしい出来栄えだと味音痴の私にも分かる!から凄いです笑笑酸味があろうが渋みがあろうが、日本酒だろうがワインだろうが、出来の良いお酒はみな円い。この白はほんと円いです。これはショッピングセンター、エルサ安曇野のリカーショップ蔵紀行で手に入れたもの。このお店ではこの地域産のお酒ワインが吟味されて並んでいるようです。それでも次回はル ミリュウさんのワイナリーに行ってみたいなあ
2021.11.01
コメント(0)
2021/10/30/土曜日/秋らしく晴鶴川の武相荘を訪ねたのは久しぶりのこと。室町に遊ぶ〈特別展〉開館20周年記念の。今様「遊びをせんとや生まれけむ たはぶれせんとや生まれけむ…」白州正子の書が掲げてある。白洲次郎の「play fast」は、いつものように木の根元に。そのバーは見学はできるのだけど、ここでギムレットかなんかやることが可能かどうかは知らない。展示品を見ていると青柳恵介氏や友枝真也さんが説明くださる。例えば「常滑蹲」。これは青柳氏が白州正子さんと出会う前に既に所有していたけれど、「信楽檜垣紋水指」は、京都の古道具屋さんにご一緒の折、白州正子さんが購入されたとか背景をエッセイのように語って下さる。角切がある根来の盆は室町と想像できるとか、ざっくばらんにお話は展開される。これは!というのが友枝家に伝わる翁面と面を蔵う入れ物、「面箱」それに正子さんの「能面 老女」翁面面は顎が離れた様式、これは大陸や半島の影響が濃く遺るものだそうで、それ以外の面はこの仕組みを持たないらしい。しかし顔意匠はまことに日本らしい、と友枝氏。また本来は文箱だったと思われる「面箱」。友枝家伝では細川ガラシャから賜ったものという。細川の九曜紋と細川ガラシャ生家の明智の桔梗紋が文箱には描かれている。「能面 老女」に関しては白州正子さんの『能面』に詳しい。丹生神社の若い女の子面が見たくなるではないか。白州正子さんは案外優れた旅のガイドかも。何度か見た彼女の書架に今回は幸田露伴の『澁澤栄一傳』を見つける。2年前頃からなぜか幸田露伴に関心が向き目に止まったのだろう。
2021.10.31
コメント(0)
2021/10/29/金曜日/午後やや曇り〈DATA〉福音館/シドニー・ラニア石井正之助 訳/NCワイエス 画福音館古典童話シリーズ81972年2月25日初版1999年5月15日第26刷 〈私的読書メーター〉〈再読本。いつも初読みたいに読める私。とはいえここまで蘇りのない本も珍しい。ズバリ筋が掴みにくい。児童向け福音館の編集意向が仇となったか、物語の因果を損なってるカン←心へんに感。心ある編集者なら指咥えてゲームコンテンツに奪われる子どもを取り返さないものかは。能テキストが様々な古典芸能その他に本地垂迹されるような感覚でトリスタンとイズーなんかも今回は別途楽しむことはできたけれど。エレインBの生命掛けの愛に応えられぬランスロットの「心を束縛されない愛」も、同性ならば騎士として従い同行できたものをと嘆息。〉昨夕のリモート定例会本。参加6名。スマホ画面でおまけに発言したいウズウズも皆にあり、の状況は6名がマックスかなあ。英国でフランスで、アーサー王は沢山書かれていて、翻訳編集がそのテキストによって登場人物の印象が変わる、ということが理解できた。ガウェインとランスロットの2派に好みが分かれる。義理上、老婆と結婚するガウェインのエピソードがぐっとくる。この老婆、実は魔法にかけられていて1日のうち半分若く美しい娘になる。夜と昼、どちらが若い方が良いかを問われガウェインが何と答えたか。これ、フェミニズム的にフェアだと参加者喜ぶ。ところでテキストによれば老婆ではなく、醜いと美しいバージョンもある。あ、いま気づいたけれど、シェイクスピアの「綺麗は汚い」って原語ではfairではなかったか。ひょっとしてガウェインの、魔法女の花嫁が思い出されていたかも⁈円卓の円が象徴する望月。ここにパーフェクトに優れた騎士がパズルのようにピタリと嵌れば、後は崩壊するしかないのが万物流転の無常。ランスロットとガウェインの闘いは当に「真の敵は、汝に無限の勇気を吹き込む」死闘だった。後、ランスロットは修行僧となり清貧の内に生涯を終えた。これ、能の世界に並ぶテキストかと感じ入る。
2021.10.31
コメント(0)
2021/10/29/金曜日/美しい晴〈DATA〉岩波書店/山川静夫2017年8月23日初版第1刷 〈私的読書メーター〉〈初めて見た文楽は人形の動きに魅了され、三業の残り、太夫と三味線に気が回らなかった。曽根崎心中だったが手元に記録無しの粗忽者。著者山川氏はそこが凄い。歌舞伎ににはまった学生時代からの記録帳は大阪勤務時代に文楽を加え、そのメモには奥様との会話の一端も含まれる!文楽を演じる方、支える方の芸に賭ける血の滲む鍛錬に、観る側のかくあるべし学究努力があってこその本書の仕上。複雑な事情を抱える文楽の裏と表が実に分かりやすい。お染の頭を託された事を知った浄瑠璃作家のご主人が「それだけでは風邪をひく」の情の顛末、これぞ文楽。〉人間国宝四世、竹本津太夫への山川氏のインタビュー。「床に現れた太夫は、必ず語りはじめる前に床本をおしいただきますが、津太夫さんはどんな御心なのでしょうか?」これが巨体の津太夫の琴線に触れたか、「ほんまに人間ゆうのは弱いです…」と、吐露した言葉も途中絶句となり、人間国宝となってさえまだ及ばない、先代の父のように語れない口惜しさに号泣する段、ほろりとする。三味線の十世、竹澤彌七に「一番悔しかった事は何ですか?」文楽の役回りの、また当人の個性など諸々の勘所を押さえた問いが、山川氏の天賦の才か。彌七、答えて「そんなもん、悔しい事ばっかりですわ。いくらでもありまっせ!」延々2時間ばかり具に語り続け「人生って悔しい事の連続と違いまっか」と最後は穏やかに収まったという。山川氏はこの事を引き合いに『真の敵は、汝に無限の勇気を吹き込んでくれる』という言葉を紹介してくれる。含蓄がある。まるで円卓の騎士ランスロットとギャラハットのような。打ち倒す敵だけれどもお互い正義がある、ような。生き死にの意義をもたらすというか。誠の友よりも誠の敵を得られるが至宝かも。話は変わるけど、登場される方のおおさか言葉がほんにええなあ、ひらがなの生きたことばやなぁ。
2021.10.30
コメント(0)
そば一仁/世田谷区3回お邪魔している。一度は一時頃で既に蕎麦が無くなっていた。やはり中休みのある人気蕎麦店は12時前に入りたい。平日ランチセットこれで1200円。見上げたものです、こんなに美味しい蕎麦なのにねぇ、心意気を感じますよー。応援したくなります。ツユは私にはやや濃いめ。店内自家製粉につき粗挽、田舎、微粉のブレンドだとか。蕎麦の旨味に力強さも加わる。いろり庵きらく/高田馬場駅まあ、普通かな、箱そばと変わらず。かき揚げは赤坂みまき よりは中身は上、油は下、の印象。永青文庫から駅までの戻り道、行けども行けどもラーメン屋ばかり。さすが早稲田大学領域。気分が蕎麦なので、とにかく蕎麦店へ打心蕎麦/世田谷区10割蕎麦。蕎麦もツユもとても美味しい、屋内も風景も頗る佳いです。蕎麦湯の濃さ!デザート蕎麦団子もこんなに美味しいとは。ただし平日の午後1時に行って1時間近く前庭で待ちました。ランチはコースがお得とのこと、ハモ、ホタテ、蓮根、南瓜の天ぷら。普段は箱そば、偶にちょっと贅沢な3千円。そば処弁天/台東区少し肌寒く、カキ南を頂く。大きなぷりりとしたカキが五つも!蕎麦はしっかり香り締め、つゆは濃いめアツアツ。美味しくお腹一杯で1550円。お釣りに50円玉、お賽銭どうぞの心意気か?ゆき庵/台東区職場が神田なので、薮も砂場もまつやも歩ける範囲ではある。それでもどうかすると電車で二駅先のこちらで食べたい。12時過ぎると海鮮丼は無いことが多い。本日は甘エビ鯵カツオいくら。本日、ご飯がちょい柔らかく感じたけど、新蕎麦一番。これで1400円はほんとお値打ち蕎麦切り みまき/港区評価の高さに入ってみたけど、茹で上げ後の処理がまずいのか蕎麦がデレデレ。かき揚げもカタチはきれいだけれど、玉ねぎにんじんが細切り過ぎて歯触りも楽しめないくらい。値段も安くてカルテプリではあるのか。
2021.10.29
コメント(0)
2021/10/25/月曜日/晴後曇り後村上開新堂のクッキーの一番小さな缶包装紙を開くと紅白の紐飾り紐を外し、パンフレットをどけて、セロテープ留めを取り蓋を開けてロウ紙をめくるとお出ましのクッキーがぎっちりと。これは何だかワクワクとする運び、なのだ。味はどうってことない。至って普通の昔ながらのビスキュイ素朴、飾り気なし控えめに使われているバターも粉もよく吟味されていそう。泉屋みたい、という人もいるけれど全然違う。あちらが機械とすればこちらは手作り、手仕事を感じる。今現在、予約は受け付けていない。次にいつ、この蓋を開けられるかは全く分からない。残念なこと。
2021.10.28
コメント(0)
2021/10/26/火曜日/小雨後晴〈DATA〉平凡社/岡茂雄平凡社ライブラリー2311998年1月15日初版第1刷 〈私的読書メーター〉〈先に読んだ『本屋風情』。再び彼の筆に出会いたく手にする。先と重なる小編も幾つかある中、有名な観光地、上高地の当て字の出どころを探索する第二部「詮索」が白眉といえる。出版事業を通して学問に奉仕する志しを立てた岡青年。間違いがあやふやなまま世に定着するを潔しとしない徹底振りが底知れない。出版事業で学問奉仕の志しを立てた氏だが、本念は画家になる事だったという。故の石楠花風狂、屑屋の爺さん章にはくすり。良いものが世に必ずしも顧みられず、小賢しげな者が要領よく凌ぐ浮世であればせめて高山の花か氏の筆に触れるべき哉〉あら〜推敲なき文章をインスタントに投稿するとこんな結果、の二度書き文章(´;ω;`)岡茂雄さんに叱られそう、ごめんなさい。この本では『本屋風情』で詳細に触れられなかった落雁除隊の背景が分かった。四囲を山に囲まれ育った少年が、山、高原で可憐な花や神聖な風景に出会う。彼の豊かな感性は美に出会い、心を震わせ生涯を定める。しかし裁判官の父を早く亡くし、母の負担を慮る心優しさは彼をして美術の道を諦め、陸軍幼年学校へ進ませる。そこを通過すれば自ずと職業軍人となるが、初日の授業からして自分は誤った進路を選んだとの自覚を持つ。それが米騒動に軍隊が駆り出されるに及んで、このような事態は警察機関が出動するもの、軍の任務でないどころか困窮している農民側を苦しめ利益を得ている米問屋を助ける所業には加味できない、と除隊される事決意する。その為のあれこれの工夫が涙ぐましい。長谷川如是閑に傾倒した一片が垣間見える。彼の山岳博物館構想を松本市が実現していたらどんなだったろうと想像しながら、お城周りを散歩し、鉢伏山を登ってみたい。
2021.10.27
コメント(0)
2021/10/24/土曜日/晴風有り横山大観と下村観山共作の〈明暗〉を見に早稲田大学の会津八一記念博物館を訪ねた。直径4.5mの継ぎ目無しの和紙、とは驚く。果たしてどのように梳いたものだろうか。同じものがドイツのグーテンベルク博物館にもあるという。建物の内部空間が広々としているせいか、そんな大きく見えない。見た目2.7mくらい。即ち六帖間の狭い側くらい。私はこれを月の出かとばかり思っていたが、実は日の出なのだった。建物は1925年竣工、今井兼次のデビュー作、用途は図書館だった。学生たちはホールの階段を上り、その踊り場で眺めたこの絵、即ち暗い蒙を開く開知の太陽の〈明暗〉を見て、閲覧階の2階へ上るという仕掛。誰が考えたか。巷の栄華低く見るための2階閲覧室、何処もかしこも金のみ顧みて知が顧みられない時代だ。せめて〈明暗〉でもとっくり眺めた後、本を開きたい。ところで、こちらの2階に碌山の代表作〈女〉があった。碌山美術館はそういえば、今井兼次設計。何かの縁続きだろうか。会津八一氏コレクション冨岡重憲コレクション展示、考古学の山内清男時代の展覧会開催中。国際文学館、村上春樹ライブラリーが今年オープンした様子。要予約、カフェは開いてれば予約無しで利用できる。演劇博物館があるのが素晴らしい。確か村上春樹氏は演劇学部だったと記憶。全て無料で公開、ただ今石井ふく子展開催中。キャンパスのイチョウ、早いものはもう黄変気味
2021.10.26
コメント(0)
2021/10/23/土曜日/高原の夏のような日、風有り所要があり早稲田界隈に出かけた。連れもあり、偶に洋食のお昼を摂るべく初めてのお店でもあり予約を入れておいた。予約しておいてよかった!予約以外は入れない様子さて、こじんまりした店内は店名のように、プラドジュールなフランス食堂風。シャンソン流れ、テーブルクロス無しお昼の定食は前菜、主菜を四つほどから選べる。それで1200円とあるので余り期待してなかった所へ、私の選んだ牛のテリーヌ!とても手練れた一品、分量も惜しみない。安くて申し訳無いのでロゼ400円を頼んだらこれが嫌みなく美味しい。主菜は鯛のグリルにクリームソース、まあお味は普通だったけど、これもボリュームのある一切れ、ついて来るパンも2種類と気が効いている。お腹は一杯、でもなんか申し訳なくてデザート、ドリンクセット550円も頼む。クレームカラメル。まあ普通、だけと苦めコーヒーとマッチングで美味しい。↓連れの主菜は豚のハンバーグ、中にスタフ種々有り感激だ!カルテプリ以上です。この価格で提供するにはおそらく旬の素材を用い無駄にせず、省けるところは省きエッセンスは見失わない、みたいな哲学を要する筈。こんなお店を応援したいものです。
2021.10.25
コメント(0)
2021/10/23/土曜日/美しい秋日和シアターオーブにオリバー!を観に行った。オリバー役は全部で四人。本日のオリバーキャストは高畑遼大くん。オリバー役でこの舞台の全てが決定してしまうかも、というくらいの重圧を軽々越えて飛翔してみせた高畑君。孤児院でもロンドンのいかがわしいストリートでも品のある清潔感を失くさない雰囲気は稽古で掴めるものではない。彼の最初のボーイソプラノの響きがホールに満ちた時、オリバーのパーソナリティを何よりも能弁に決定付けて観客を鷲掴みしたと思う。変声期前の天与のほんの一瞬に出会えた特別な体験。この達成感と高揚の後にやって来る大人への道のりの重さを観る側は予見する。故にその無垢さが一層刺す。SPiや市村たちが演じる青年期、中年期、老年期の、汚れちまった人間の哀しみとの鮮やかな対比が、ああディケンズ。久しぶりに伸び伸びしている浜田めぐみさんを舞台に見た。
2021.10.24
コメント(0)
2021/10/22/金曜日/冬の寒さ、小雨農大生と関わりのある蔵元の、お酒が並んだ壁を見てみよとて出かける。事前予約、無料。企画展は「学祖群像」、まさに青天を衝けの時代。どうしてこうも立派で志の高い青年たちが大挙生まれて来たのか?農大最初の学長となった農政学ジャーナリストの魁、横井氏は足尾高山の問題を先駆けて報知したのだという。時の農林大臣榎本武揚はその任を遂げた上で辞任した。さらに日本の博物学の泰斗田中芳男。農代と三者、三者同士の関わりの説明ボードが分かりやすい。初めて知ることばかり。進化生物学研究所と農業研究が母胎のためか、展示はやや雑駁、逆にいうと守備範囲広く農大生一般教養必須の展覧会のように感じた。2階は日本酒に関する全般、醸造昔道具、容器や浮世絵、それに鶏の剥製がずらり。お酒にコト寄せ、江戸庶民の風刺が効いた御一新浮世絵が興味深い。旨い肴で酒を飲み交わす宴席風。実は戊辰戦争の様相を描く。長州薩摩の侍に、魚に当たりやがれと睨む会津、庄内の浪人魚屋風情。ブタで一杯どう?と土佐、箱根、三春新政府群。天璋院の給仕を手伝う和宮が応えて、ブタは知りませぬ。ブタが大好物で豚一様と呼ばれた慶喜公不在の皮肉か。料理待ち胸算用する少年睦仁親王、後の明治天皇のとなり、有栖川宮。↓こちらも心行き惹かれた作品、教訓、祖の目鏡「ばくれん」ヤンキーな姐さん、左手に茹でたカニをむんずと掴み、ギヤマンで酒呑みほすとは、なんとまあ羨ましき。帰途、駅前に見るからに美味しそうな和菓子屋さん在り、栗饅頭と栗の茶巾絞りをお土産にする。このお店の室礼が素敵なので、写真を撮らせて頂いた。ホトトギスを初めてそれと知り見た。柿は細工物かと見まごう。「近頃は和花も少なくなってお茶の先生もお困りです。」こんな会話が30年後残っていますよう。
2021.10.23
コメント(0)
2021/10/20/水曜日/秋晴れ、風ありレッスン会場は神田川に近い場所。この川沿いに1時間ちょっと東に下れば実は永青文庫側に行ける。が時間節約のため東西線で早稲田まで出る。かつてのお屋敷街の面影が残る堂々とした木立。胸突き坂入り口には関口芭蕉庵。高台の南面に川、とても気持ちがよい所。神田上水改修工事の監督のような仕事に携わった芭蕉はこの地の水番屋に住んでいたという。戦災で消失したものの庭は当時の姿を復元したそうだ。↓歌川広重が描いた神田川。右手に芭蕉庵、左は名実どおりの早稲田の田んぼ、「名所江戸百景」この更に右上には各藩守の下屋敷など並ぶ。明治になると細川家本邸や家政所が建ち、家政所が今の永青文庫となった。細川家が所蔵した書画骨董の中に国宝が複数あるという。うら覚えだが、江戸時代、藩の飢饉に際してお殿様の趣味で集めた品々を全て売り払って藩の人びとを救った歴史が肥後の国にあったと思う。確か江戸屋敷にいた家老の判断だったと記憶するが切腹覚悟の事だったろう。お殿様の趣味の動産というのはそのような時に役立つものなのだなあ。永青文庫、屋外は思ったより質素で、屋内もそんな気張ったデザインではない所がよい。家政所であるのだし。伊丹の造り酒屋22代目当主、岡田利兵衛氏の柿衛文庫コレクションの「芭蕉」展。柿衛文庫は日本三大俳諧コレクションとのこと、全く無知にして本日初めて見聞する事多し。蕪村の絵画はよく知るところだったが、芭蕉のスケッチも実にらしさを感じる淡さ。諧謔五七五を芸術のそれに変転させた「ふる池や、蛙とびこむ みずのおと」俳句への取組が深まるに連れ、書の姿まで変じてゆく有様が見てとれる。そして書も句も体力も漲ったそのとき、こぼれ落ちたのが、ふる池 なのだった。自身の手による短冊が見られるとは感激。『奥の細道』これも未だ読んでない、私は。
2021.10.22
コメント(0)
2021/10/19/火曜日/一日寒い小雨一年半のコロナ巣ごもりの反動か、兎に角歩きたい、美しいものを見たい、古刹名刹で手を合わせたい、という心境。そして訪ね歩くとまあ、東京にはいったい幾つ美術館博物館があるのやら。それに私が行くそれらは殆ど人がいない。道にも人は少ない。港区立郷土歴史館を出て山種美術館に行く。30分ほどのディスタンスである。道すがら見つけたところでランチを摂る。↓こんなにたっぷりで1400円、なんか申し訳ないくらい飲食店の努力が刺さる。なるたけ応援したいなあ。山種はさすがに年配の方が多い展覧会。気品あり、こじんまりの中にたっぷりゆっくり、がある。両者超絶技巧とあるが、晩年の作品にはそんなケレンは去っている。それを佳、花を多く描いた御舟、山や伽藍を多く描いた吉田善彦。最近は展覧会カタログは買わず。絵葉書を少し求めて美術館を後にする。帰途、バスク地方チーズケーキだけを商っているお店を見つけ、それもお土産とする。
2021.10.21
コメント(0)
2021/10/18/月曜日/いきなり晩秋の晴〈DATA〉講談社/乗代雄介初出 本物の読書家 「群像」2016年9月 未熟な同感者 「群像」2017年7月〈私的読書メーター〉〈常磐線車両内が物語の主要舞台。大叔父を高萩駅最寄りの老人施設に送り届けるべく指名された私。親戚の噂ではこの大叔父、若い頃に川端康成から手紙を貰ったらしい。この道行で開陳されるかも、と私の期待も膨らむ。そこへ関西弁の男が隣り合わせる。男の、小説や作家への知識が半端でない事が分かるに連れ、大叔父の秘密は徐々に明かされる。折々にフローベルやフォークナー、太宰や川端、夏目に二葉亭、サリンジャーなどの作品や言動が挿話され常磐線のリニアに唐草模様が自在に絡む印象の文章論の一面も。他に「未熟な同感者」含む。〉中学生の時にたぶん母がジュニア小説集を私に買ったのだが、川端康成の『乙女の港』にすっかり惹かれて何度読んだかしれない。随分時間が過ぎてこれが女流作家のオリジナルをリライトしたものと知り、軽い裏切り感を覚えたものだった。私の記憶は何処かで捏造されて、それは野上彌生子作品と思い込んでいたのがこの本によって中里恒子と修正された。よかった。サリンジャーが『ライ麦畑でつかまえて』を書いていた時の状況、全然知らなかった。これは高校生の時に自分のお小遣いで買って、もうもう繰り返し読んだ。自身の職業倫理観を作った作品だと思う。ところで著者は社会学部で何の勉強をしたんだろうか?
2021.10.20
コメント(0)
2021/10/19/火曜日/寒い小雨模様↑赤坂氷川神社の山車倉に貼られたポスターに目が止まったのは今月5日の日差しの強い戻り夏みたいな日で、蚊に刺されたのだった。本日時間を見つけふらりと出かける。目黒駅から真っ直ぐ行く。年配女性グループは↓この展覧会に吸い込まれて行く。私もふらふら入りそうになるが、どうやら予約制の様子。きっぱり当初目的地へ。東京大学医科学研究所と敷地を分け合っている印象。アプローチが分かりにくいけれど、ガードマンの方がいます。非常に立派な建物。旧公衆衛生院、内田祥三設計。ロックフェラー財団の寄付支援で1938年設立とのこと。公衆の衛生こそ国家が安全保障の第一に挙げるべく、の誇りの感じられる威容だ。機能面で流石に対応できなくなっただろうが、よくぞ残ったもの。見学ルートのパンフレットがあるが現在ボランティアガイドツアーは無いようで今回は割愛して、2階左翼に展示された港区所有の人形をみる。あーここで氷川神社と結びつく仕掛け。江戸三大祭りの内、震災戦災で日枝と神田には残らなかった山車人形が氷川に14中9つ残った。その内の三体が展示されている。その一つ、ヤマトタケルの命は考えてみれば卑怯なり。女のフリで熊襲タケルの命を葬ったわけだ。浄瑠璃人形のかしらが幾つか。人形遣いの吉田冠十郎自身が作製していたとは。さぞや人形に気魄がこもった事だろう。宮中「人形満て」の習わし。これ興味深い。大正天皇の人形満て、に及んだ下賜が回り回って巌谷小波が持つに至ったクロ駒に乗る御所人形の麗しいこと。ピカイチと感じたのは大正天皇の「御台人形 鶴亀」とからくり儀右衛門の「弓曳き童子」。知恵と技に優れた からくり儀右衛門こと、田中久茂1799年生まれ、は懐中燭台や無尽灯の商品開発を為し京都で時計師として活躍。55歳で佐賀藩お抱えとなり蒸気車、蒸気船の雛形などを作る。御一新で久留米の製鉄所が閉鎖されると、なんと75歳で一族引き連れ上京。銀座に電信機などの店舗兼工場を開く。これが東芝の始まり、天晴れなるかな。
2021.10.20
コメント(0)
2021/10/19/火曜日/朝から冷たい雨あーあ、ここまで毛糸玉3個用いて幾つの夜を編みにしが、ボタンホールの間違いに気づく。また一から編み直し( ;∀;)そんな時は、岡田エミリさんが紹介してくれたデンマーク大使夫人の言葉を読み直し、多くの編むお仲間の姿を思い浮かべ、我が慰みとす。You should always do something, never be inactive. Even if you are looking at television. You can be active by knitting, doing crochet, embroidery etc. if you make a mistake in your work: always start over again and never just continue. Finally I was told that no one could see how long time I spent on finishing my handcraft. But everyone could see the result, if it was nice or bad.このデザインをされたN先生のアドバイスでは前立のボタンホールの所をスナップ留めにしてはどう?とのアドバイスがあり、心癒される。しかし解いて新たに編み始めた。閉じたら開いたりのボタンホールデザインがこのカーディガンの要だし、急に晩秋らしく寒さを感じるお天気でもあり。少しでも手がきつめになって、ゲージが気になるけれど、いつもゆるゆるになるので、これでOK
2021.10.19
コメント(0)
2021/10/17/日曜日/雨の寒い日近所の映画館で上映中。木曜日で打ち切りを知る。まあね、007には太刀打ちできないかもね。それでもこんなに早く?手元で座席予約画面を開くとがら空き。あーあ予約無用かと映画館へ。上映10分前にチケット購入のパネル操作をすると、え!殆ど空席無し!そうか予約ではなくこの場で直接買う人が多いんだなぁ、満席が妙に嬉しい。よい映画だった。ジョニー・デップ、シーザーハンズの無垢な青年、海賊の弾け振りマフィアの非道冷酷、考えてみると役幅の広い人。ユージン役によくハマっている。アイリーン役の美波さんの知的で毅然とした所も役に見合ってよかった。タイトルロールでBased on event とあったと記憶。こういう時の「事実に基づく」という表記は event で置き換えられるのかぁ、なるほど。「事実」というよりも「起きた事」とか「生じた事」、一連の出来事の意に近いのかしら。エンドロール近いところの女性ボーカルの曲、 One Single Voice / Katherine Jenkins とてもよかった。↓現在のアイリーンさん、朝日新聞10/16土曜日盤より
2021.10.17
コメント(0)
2021/10/13/水曜日/偶にしぶく雨書道博物館に出かけた。正岡子規旧居見学予定もあったがコロナ禍の影響でこの時点で暫く閉館。旧居前にある、中村不折氏が開設し今は台東区立の「文字」を扱う専門博物館はさすがに開館しています。中村不折は高遠の人。先月訪ねた安曇野の碌山美術館の碌山とほぼ同時代の信州人、フランス行きやロダンとの面会に関して先輩後輩の縁ある事を知る。碌山からの葉書の展示あり。不折は恵まれた出自とは異なるが、おそらく才能豊かで高潔な、大きな人だったのだろう。西洋絵画を当時パリに学んでいるが、それに留まらず書道研究に大きな足跡を残す。日清戦争の従軍記者として正岡子規と共に中国や朝鮮半島に滞在した事が起因だった。当時清国の工芸品の夥しい流出は巨大市場のある欧米日本へと向かう。一儲け狙う売買の沸騰の様子は広田不狐斉著作で読み印象に残った。そんな時代に不折は大陸滞在する。彼の審美眼に叶う作品群はおそらく格安に入手できた。しかしそれらは芸術家の手に渡ったのであり商機の対象ではなく散逸を免れた。不折は個人の力で博物館を建て学問研究に資するよう努めた。頭が下がります。一方で中村不折は味わいのある、文豪に愛された文字を持った人でもある。諏訪の有名な清酒、真澄や信州一味噌の文字などは信州人不折の手による。また墓碑の書き手として森鴎外に指名されたという。展示の「西宮酒造株式会社社長紀徳碑」の士徳商才の題額は渋沢栄一、碑文は不折の書、渋沢翁の支援などもあったろうか。碌山美術館設立に渋沢敬三氏の寄付があり、渋沢家と信州人の縁三代も見えて面白い。そういえば幸田露伴に『渋沢栄一伝』があり、前々から読みたく思いながら果たせていない。3日と開かず、副島種臣の書を、ここと別の場所でも見た。こじんまりとした博物館だが見るもの多く思ったより時間が過ぎていた。人間の個性が現れる文字、書の面白さ。書くのは無理としても、せめて幾らか碑文の読める人になりたいものだ。この度の展示テーマは「書でみる日本の歴史と文化」そういえば、東洋文庫にあった広開土王碑←5世紀始め、これの3.4面が展示中。日本の国の成立ちを知る上で特別な歴史資料だ。ここに見える倭国は八州統一政権ではないし、以降150年ほど大陸とのやりとりの記録がどこにも無いそうだ。「倭国大いに乱れ」それどころではなかった証?大和朝廷立国として時の政権が記紀で粉飾しても、まつろわぬクニは未だ沢山あった。この国の始まりはそんな古いものではないんだなぁ。聖徳太子が仏教を国の宗教と取り決めた背景には宗教戦争のような様相が?と想像を膨らます。↓子規庵
2021.10.17
コメント(0)
2021/10/13/水曜日/小雨、薄寒い雨新宿でレッスンの日。駅に戻るとこの猫ちゃんその引きがあったでしょうか、何となく雨の中豪徳寺へ。招き猫の、という枕詞のある豪徳寺は玉電じゃない、東急世田谷線の宮の坂駅が最寄り。寺務所前では看板猫のお出迎え、その座り姿のこんもりぶりと意外な脚長初めて境内に入ったと思う。古刹の名に相応しい風景のお寺。曹洞宗、彦根藩城主の江戸菩提寺になる前は1480年創立の弘徳院という歴史をもつ。お寺で請えば「招福猫児」←まねきねこ由来が頂ける。それによると創建当時は雲水が2、3人修行する程度の貧寺。時の和尚が猫を愛し、自分の食事を割いて可愛がっていた。ある日、和尚が猫に「汝我が愛育の恩を知らば何か果報を招来せよ」とまあ、冗談半分にか言い聞かせた。何事もなく日が過ぎたある夏の日、門の辺りが騒がしい。鷹狩と思しき武将数名が言うに、通りがかりの門前に猫がうずくまりいて彼らに招くようにしきりと手を振る様子を怪しんだと。和尚は招き入れて渋茶など出していたところ、雷鳴と大雨にわかになり、そこで和尚は静かに三世因果の説法をした。武将はその仏縁を喜んだ。その武将こそ江州彦根藩主、井伊直孝で以来井伊家菩提寺となり宗派も臨済宗から曹洞宗へ、寺名も大谿山豪徳寺となり一大伽藍となった。和尚、猫の恩に報い猫の墓を建てるよう言い残す。後年猫の姿形を創り、崇め祀らばその霊験あらたか、知らぬ人はなかりけり、と。井伊家13代藩主にして大老、井伊直弼の墓もここに懇ろに祀られて塀に沿った細い道からも垣間見える。歴史ある寺の側にはたいてい元地主神社があるのが日本人の宗教特性のように感じ受ける。矢張り直ぐ側には世田谷八幡宮がある。この鎮座は、豪雨でこの地に2週間ばかり留まった源義家が帰路に戦勝を感謝して、現大分県の宇佐八幡宮の御分霊を祀ったのが由来という。
2021.10.16
コメント(0)
2021/10/14/木曜日/曇りのち晴〈DATA〉講談社/2021年7月5日出版小林エリカ 著/川名潤 装丁〈私的読書メーター〉〈ホームズに同名作があるんですね。著者ご両親は共訳全集もある有名なシャーロキアン。お父様は精神科医でエスペランティスト。本作は四人姉妹の末娘リブロ=著者、の成長を育んだ家族史であり、同時に父亡き後10年に起きた東北大震災、原発事故、コロナと苦難続きの日本現代史の同心円も広がる。文章が驚くほど平易なのは技か持ち味か。短編「交霊」は興味深い。「降神z」で得た霊たちとの会話をクラウド保存していた母が死に、いま悪阻に苦しむ娘がそれを聴く。キュリー夫人に殆ど憑依していた名もなき女の、そのモノガタリを。〉コナン・ドイルがその晩年、心霊現象に惹きつけられたのは弟と息子の死が大きな要因になったことだろう。しかし当時の欧州は心霊大ブーム、マダムブラバッキーなどいわゆる霊能力者が縦横に活躍した時代でもあった。永遠不滅の霊魂の存在を信じることは欧州の伝統的宗教の考えからは外れるが、ダーウィン進化論などに啓蒙された当時の科学的思考とは相性が良かったのかもしれない。奇行にも思えるドイルの振舞いには個人的時代的背景があった。著者は、短編「降霊」の中で、その行為を日本に暮らす私たちの等身大の世界に折り畳んで、非常に上手く落とし込んでいると感じた。英国シャーロキアンツアーに、未だ少女であったエリカさんを連れご家族で参加したご一家の強い念を覚える。ツアー一向はスイスにまで移動し、シャーロック、モリアーティ最期の地、ライヘンバッハの滝まで赴く。バリツなる日本武術を体得していたお陰で滝から生還できたとしてシャーロックは復活する。その地に仮装で参加したツアーグループ。著者のお父様は日本人バリツ武術家スタイルだったというから、お仲間中の崇敬を得たこと想像に難くない。私も実はこのライヘンバッハの滝に、たまたま10年位前にケーブルカーに乗って行ったことがある。シャーロックモリアーティの闘いの板絵みたいなものが設置されていたと記憶するが、果たして今は?
2021.10.15
コメント(0)
2021/10/12/火曜日/曇り小雨向島を幸田露伴住居跡を目指し歩いていると左に立派なお寺が。牛頭山弘福寺 という。縁起を読むと黄檗宗第二代禅師が葛飾郡の僻村にあった堂宇を1673年、黄檗宗の寺として葛西一族の城址に寺領を移して今に至る、とある。中国風の趣、唐風結構、丸窓隅田七福神の布袋さまを祀る。寺務所で見かけた「せき止め飴」が名物のよう。あら買えばよかった。勝海舟がここで座禅に励んだ逸話が『氷川清話』にあるそう。ところで、お賽銭箱の葵紋が気になります。帰宅時間が迫り、幸田露伴住居跡は次回として急ぎ足で対岸の待乳山聖天へ。一般に「しょうてん」さんと呼ばれるみたいだけど石碑には「しょうでん」と認められる。宗派は「聖観音宗」で浅草寺と同じ。本堂扁額は「聖天宮」とあり、明治政府廃仏毀釈の嵐をやり過ごし今でも神仏習合の信仰が生きている、と縁起にある。境内中、印象的でとても美しい神楽殿があった。見学の際にも大根を奉納されている方がいた。確かに暮らしに根付いた様子の伺える奉納大根の山。何で読んだか失念したが、江戸湾が遠浅の潟のようであった時もここの場所だけはこんもりとした高台だったので、真土山と呼ばれていた。それがいつの間にか今の当て字となった、というもの。さて、江戸時代の絵師はここの風景を好んでよく描き、それが聖天さんに保管され公開もしているとのこと。機会があれば訪ねて当時の風景を楽しみたい。
2021.10.15
コメント(0)
2021/10/12/火曜日/曇り小雨鶯谷から言問通りをまっつぐに東の隅田川目指して間もなく、の所から浅草な雰囲気がしてくる。常は松下翁の私財で復活の、雷門から本殿行くのだろうが、そんな訳で西から行くと、手前には浅草寺病院なる立派な建物がある。これはお寺経営どうかは特段調べもしないけど。右手に銭塚地蔵堂。謂れがいかにも落語のようで、ほろりと参る。それにしても真新しく立派で、寄進の大きなお寺であること、末のお堂まで。そこを出るとすぐ左手に「カンカン地蔵尊」なるお堂。置いてある石で願い事を唱えながらこのお地蔵さまを叩くのだという。お地蔵様はそれですり減り、すっかり変わり果てた姿に。何やら申し訳なく思いつつ、そっと感謝を込めてカンカン音を立ててみた。右下から二つ目の画像雷門と参道しか縁の無かった浅草寺も細部を見てみると面白い。浅草寺中の重要文化財2点の内、伝法院は公開かどうかは今回の訪問では判らない。もう一つの二点門、これを通り寺外に出ると、オヤ桜の花が寒そうに咲いている。日枝神社で見たものと同じ種類かしら。この後の墨堤散歩の折、至る所にある桜案内板で「十月桜」ということを知る。隅田堤は江戸時代からの桜の名所。震災と戦災で桜はすっかり入れ替わっている様子。この地区の人びとがどれだけ桜を大切に思っているか、つくづく理解できた。さて、ことの始まり、鶯谷に習字博物館 を訪ねたのだった。そこから言問橋の向こうにある三囲神社←みめくりじんじゃ←を目指していたのだった。ここにある筈の石碑を見たかったが、社務所は無人で尋ねることが叶わなかった。私的散歩ガイド、素白先生によると「昔の東京の筆匠たちが建てた秦の将軍蒙恬の碑」を見に、先生は戦後に三囲神社を訪ねている。「蒙恬は武人で、匈奴を討ち長城を築いた人」で初めて毛筆を作った伝があるという。そんな訳で筆匠たちは蒙恬を称える碑を建て年々集い将軍を祭った、その石碑を私も見たいとはるばる訪ねたのだった。その碑文の盟主となったのが明治初めに日本橋通旅籠町で筆を商っていた、高木翁。先生曰く「この人はただの筆匠ではなく、文字の有る人であった。」そうだ。文字の有る、とは 学問の有る よりも何やら奥ゆかしい。幸田露伴住居跡も白鬚神社もじまん草餅もお預けなので、また次回のお楽しみとしよう。
2021.10.14
コメント(0)
2021/10/12/火曜日/曇り小雨山手線鶯谷駅、言問通りを隅田川までひたすら歩くとほぼ30分で言問橋に辿り着く。隅田川少し手前には浅草寺。その間スカイツリーが段々近く大きくなる風景が実感できる。鶯谷→根岸→下谷辺り向島へは言問通りを少し南下し〈すみだリバーウォーク〉で向島は見所沢山でとても回りきれない。また次回のお楽しみとしよう。言問団子はお休み、すぐ横の長命寺桜餅さんは緋毛せんでお茶と桜餅350円の休憩。お店の北側にはかつて三浦乾也の旧宅あり。明示版の言問団子のお皿、氏の焼き物が頗る可愛い、古びない。埼玉屋小梅でお土産の団子、豆大福、小栗、きんつば。それに書道博物館の優れものトートバッグも!向島で見たスカイツリー
2021.10.13
コメント(0)
2021/10/10/日曜日/朝のうち小雨晴、風ややあり〈DATA〉早川書房/1978年出版(本国1963年)ジョン・ル・カレ著/宇野利泰 訳〈私的読書メーター〉〈タイトルと本作内容は非常に意味を持つんだろうなぁ英語母語の人には。と思えど貧弱な私の英語力。決してstep inside and warm up を伺えない、もう一つの壁があり、それは人種、歴史宗教の壁、の読みに留まる。ベルリンの壁崩壊からぐるり一世代過ぎ、(東)はこぞって個人の豊かな暮らしへEU奔流。それももいつしか自国主義、権威国家へ飛沫しぶく今となっては東西冷戦や諜報活動は既に古典世界。国家間よりも国家を凌ぐ巨大産業の知的財産諜報活動が今日的だろう。がそれ故に尚、斃れていく人の真実と人間、が光る。〉物語の中で愚か故に尊い愛情豊かなリズというコミュニストが配役されている。彼女は英国の共産党支部から東ドイツの視察員に選ばれ赴く場面がある。尤もミステリーにおいて偶然の出来事、産物は殆どない訳で、その背景に驚くべき仕掛けがあるのだが、未だ彼女はそれを知らない。彼女という人間性をよく活写しているのが、東ドイツ滞在中の、貧しい一家の暮らしの中に見出す印象をかこつところ。「…僧団内の生活みたい、とリズは思った。修道院とかキブツとか、そういったものでの生活の楽しさ。腹はいっぱいにしないほうが、世の中がよくなるように感じられる。」あー、これがリズなのだ。それを理解した、若しくは必要としたのがリーマスでありフィードラーなのだ。これは最近行った展覧会に展示されていたミリアム・カーンの絵。この絵を観て何となく心に渦巻いたユダヤの表象。こんなシンプルで一目で伝える力量、果たしてカーンはユダヤ人だった。『寒い国から帰ってきたスパイ』は、英国諜報員のリーマスと親子ほど歳の開きのリズがほんのひととき男と女として心を通わす。理屈を超えて求めて止まない何か。人生一代二代で即席に出来上がるものとは異なる何か。どうしようもなく惹かれる血というか。それを分け合うユダヤ人の兄弟、姉妹の物語でもあった。かつてリズと愛称された美人女優がいた。誰だったか、リズの目はバイオレットとグリーンなのよ!と聞いたことを思い出す。私は長く彼女はユダヤの血が入った人、という印象を持っていたけど真実は分からない。彼女は何度も結婚離婚を重ね、その内2度繰り返したお相手リチャードバートンが、映画でリーマスを演じている、のもなんやら。ところで、小三治の訃報に今晩ふれた。今月のチケットを買っていたのに。悲しい。小三治曰く「人間の生きる永遠のテーマってのをきちっと押さえてますから落語ってね。人間として生きることがいちばん大切で素敵なんだ。」あーこれですとも!これ。リーマスも最後は人間として死んだ。リズのいない世界で彼は人間として生きられなかった、そう思う。
2021.10.12
コメント(0)
2021/09/22ー29三棟の内、左奥は早々と屋根、野地板が張られ、サッシも嵌め込まれる。手前の家は2階壁パネルがほぼ出来上がり、一番遅い奥の家は漸く一階壁パネルが建ち上がっている様子。09/29ー10/06いつの間に。左奥は屋根のルーフィングも終えて、奥右の家も2階間仕切り壁も出来上がっている。職人さんたちは早い日は6時過ぎにはやって来て、音の出ない作業などしているかと思えば、7時過ぎにはタッカーやインパクトの高音を響かせる。日曜日以外は日没後まで、ご苦労なことです。と見てる間にカバーリングされたので、いよいよこれから外装仕上げでしょうか?内部では設備工事かな?
2021.10.11
コメント(0)
2021/10/08/金曜日/暑い日照り夕日の岡の行人坂を降りて、太鼓橋を渡りV字道の左をゆるゆる上ると左に蛸薬師。福をすいよせるタコさんの十両千両は庶民の気持ちにピッタリ寄り添ってくださる、かたじけなさ。ここにも三葉葵が、それは三観音お祀りお腹さま⁉︎の縁うなぎの八つ目や、解除されたにまだ店内で頂けぬ〜諦め折れたならば、そこが目黒不動への道これは異なり。瀧泉寺は天台宗。なのに不思議なデザインの鳥居があり、先日見た日枝神社のものに酷似している。色々調べていくとぼんやり見えて来るのが日本古来からの地主神の存在と中国朝鮮半島を経てやって来た外来宗教、仏教との折合い。役小角の果たした役回り、山岳信仰背景と鎌倉以降の寺の自衛など含めてこれは先に読んだ『能から紐解く日本史』が理解を少し進めてくれた。実は更に道教、景教も絡んでくるのだか。果たしてここには神仏習合立役者、役行者の像が間もなく19世紀になろうか近世にちゃあんと据えられている。そもそも行人坂、とは出羽三山、特に湯殿山の修験道の行者を指していうらしい。この地にはそのご子孫も随分お住まいのこと拝察。家伝として何事か大切に守り来たものが天台宗寺設立前からあったということではないだろうか。寺の縁起に掲載された1836年江戸名所図会を見るとお不動さん周囲は鬱蒼とした杜、参道は賑やかな茶屋や飴屋団子屋などが並んでいても離れた所にわずかに里の家が見えるだけ。確かに本堂奥に大日との文字が見え、鳥居もあるがいわゆる山王鳥居ではない。維新頃もこのような風景だったろうか。素白先生によれば、目黒の里は春はたけのこ秋は栗が名物で草葺きの二階家が戦後間もなくまで門前に残り、のんびりと鄙びた風景が最後まで残っていた由。飽食とグルメの浮世に明日の米を心配する人も多くある今の世をば、甘藷先生何思う。
2021.10.10
コメント(0)
2021/10/08/金曜日/晴、夏の逆襲続く昨夜の地震の影響で通勤時間帯を過ぎてもダイヤ乱れがあった。普段の倍ほども時間をかけて目黒へ。こんな日はあまり欲張らず、ふらり散歩のテイで歩こう。何はともあれ、行人坂へ。広重の太鼓橋へ。権八小柴の比翼塚へ、お不動さんへと心も弾む。前知識無しの行人坂途中の「松林山 大圓寺」に立ち寄る。御縁起と御朱印をお願いしたところ、折りしも展覧会中の雅叙園入場チケットを頂いてしまいました!頂いたのも何かのご縁と雅叙園に出向く。ここに仮屋崎さんの生花展で訪ねたのはもう随分前のこと。アプローチもうろ覚え。とにかくホテルロビーに入り、ドアマンならぬウーマンに尋ね、左手エレベーターで3階へで、このエレベーター、扉の意匠が日光東照宮風、百段階段のお部屋デザインの呼び水のよう(↓画像は下の真ん中)部分だけ揃えて見れば、こんな風景も↓しかし、雅叙園の真骨頂はこんなキッチュさにあると思うさて、本日はお茶の頂ける間があった。そのお代と入場料が丁度一緒。ご招待券で入った手前、茶菓を頂くことにした。豪奢な打掛がずらり展示された草丘の間で、上等な烏龍茶とモナカ、和三盆でゆるりとする。何やら不思議な展開で頂きものばかりのお土産となり。そういえば私の座右の銘?犬も歩けば棒に当たる、なお散歩、でした。
2021.10.09
コメント(0)
2021/10/06/水曜日/好天偶々お昼ご飯に立ち寄った所にあったお寺、八幡山森厳寺は浄土宗のお寺。本堂の方に向かうとあれ?これは徳川家の葵では?と怪しむ。一足入れるだけで気持ちよいくらいに衆生、地域に開かれているお寺だと分かる。ただ寺務所が見当たらず、ご縁起は入手できなかった。幸いお寺のHPがあってそれを見て葵の紋との関連が理解できた。肝心の葵の紋を撮影し忘れてしまったが、御本尊も厨子の弁財天もその扉はすべて開かれてあたたかい。縫針の立派な供養塔もある。境内の、世田谷名木百選のイチョウは樹齢400年以上とか。すると赤坂氷川神社のイチョウとほぼ同年。こちらの方が少し大きいように感じたけれどどうだろうか。このイチョウの生育を考えて周辺の建築も配慮しているとの記述がHPにあった。なんか嬉しい。イチョウも千年生きれば神さま、の八州にほん。
2021.10.08
コメント(0)
2021/10/05/火曜日/晴、暑い日神猿と書いて「まさる」と読むそうです。何故か日吉、日枝神社ではお猿さんがトーテムのよう。比叡山は天台宗本山が築かれるずっと前から地主神の聖山だったという。やがてお寺と習合し山王と敬われた。それでお猿=山、の縁もあったのかしら?やがて京都に都が置かれると鬼門を鎮護する日吉大社として隆盛する。その流れが江戸の先駆け、川越にもたらされる。更に太田道灌の江戸の居城に分祀され、それを家康が盛り立てる。明治の御一新でその名が新たに日枝神社となったが、それまでは「お山」とか「山王さん」と呼ばれていたそうだ。ここだけ小高い丘になっている。その裾野はそこそこ広いがお社のある所は思ったよりこじんまりしている。長い階段が疎ましい方には外堀通りに面してエスカレーターが設営されている。相当に豊かな神社と思われる。自民党本部も目と鼻の先。西鳥居の狛犬のたもとの桜の若木。季節外れの花がちらほら付いていた。そういえば何年か前の11月に京都御所の桜の木にもこんな感じで花があったことだった。江戸三大祭りといえば神田祭、深川祭、山王祭。祭りには日吉さまも昔の名前で出ています♪
2021.10.08
コメント(0)
2021/10/05/火曜日/晴、夏の逆襲ニュース番組で見た三島喜美代さんの作品に関心を持ち、森美術館に出かけた。ミックスペーパー、資源ごみの要塞のようなボリューム。喉元過ぎれば熱さを失う、ニンゲンの愚かさは軽いか重いか。少なくともこの作業に費やした時間の重みは手応えがある。大きなゴミ箱から溢れる様々な国の新聞。驚くべし。陶土にシルクスクリーンの焼き物。How does it make ?陶器➕シルクスクリーンは更に面白い展開が期待できそう。三島さんがどんなに人生を楽しんでいるか、インタビューから力強く伝わる。誰だって本当に夢中になれるものを見つけたら、それ以外何にも要らないはず。それって最高アンナ ボギギアン なんか民族も性別も年齢もすっかり超越している。そんな彼女が織りなしたシルクロードのインスタレーション。意外なほどに繊細でいながら、おおらかでユーモラスなセンスが溢れて、好きだなあこれ。出色、ミリアム・カーン。今回初めて知った。彼女の絵は今回の展覧会のポスターにもなっていた。バーゼルのユダヤ人家庭に生まれたことは間違いなく彼女の表現の源になっていると思う。過激さと静かさの同居するような不穏、それを増幅させる色使いが素晴らしい。他にもいくつか好みのものが
2021.10.07
コメント(0)
2021/08/25ー09/03基礎コンクリート打込み、型枠外しまで1週間くらい。2021/09/11ー13足場が立ち上がると、基礎に土台が据えられました。2021/09/16ー18ツーバイフォーは土台の上に捨て床が貼られて、壁パネルで囲んで、なるほど3日で窓や玄関の開口部込みで出来上がっていく。早い。
2021.10.06
コメント(0)
2021/10/05/火曜日/夏に逆流言問通りを歩く予定が、出かける段になり、森美術館に予約を入れていたことを思い出す。急遽行き先は赤坂方面へ。せっかくだから展覧会がおわったら古刹をひとつふたつ。古刹の側には和菓子屋さんもちらほらとあるのが定め。浅田家さん、えー本日分すべて売り切れですと、未だ2時にもなってないのにる⁈豆大福諦めて、豆カンで有名な相模屋さんで葛餅と画像の求肥、森美術館ショップで草間彌生ちゃんキーホルダー、日枝神社で頂いた栞。
2021.10.05
コメント(0)
2021/10/03/日曜日/晴夜半突発の雨あり〈DATA〉扶桑社/2021年出版大倉源次郎 著/〈私的読書メーター〉〈能楽小鼓方大倉流宗家である著者の日本史観は記紀ではなく、能の謡曲からインスパイアされている。例えば「花筐」は武烈天皇後継オオアトベ皇子(諡は継体天皇)の寵姫照日前の物語。国史に越前時代の皇子実子の血は絶えたとあるが、能楽では姫は無事皇子の玉穂宮に連れ帰られる。著者は照日と玉穂の名から、継体天皇が大和に天照大御神と連作障害の無い進化した水田稲作を伝えたと推察する。「国栖」は乙巳の変前夜の大海人皇子の話だが、ここには皇子と吉野山権現信仰の賀茂、国栖民族の共闘が伝えられている等々。翁と八重山の秘祭、興味尽きず〉歴史は勝者の記録だ。よく考えてみれば能の主人公たるシテは大体がことの成り行き上、不遇を囲った人や霊魂が多いと感じる。いわば敗者から見る日本史。そういう視点から能楽を捉えてみると、何故その題材が選ばれたかなども想像が広がる。例えば、この国の芸能の始まり。それを今に伝えるのが能楽「玉井」であり、玉井が描くのは古事記の海幸山幸の物語だと言う。兄海幸にとって命より大切な釣り針を失くした山幸。何としても釣り針を返さねばと難儀していた。そこに手を差し伸べたのが海の王国のお姫様豊玉姫。美男山幸は愛され、秘宝を授かる。その魔法の珠の威力で結局海幸は弟の山幸に従うことになる。どのように従ったのかというと「顔に丹(に)を塗り俳優(わざおぎ)となり」芸能をもって仕えたのだ。それが芸能者のはじまりと古事記にあるそうな。私の記憶ではその部分が抜け落ちていた‥因みに山幸の孫が神武天皇。大和に侵攻しその地の豪族長髄彦に勝利した戦いが記紀にいう神武天皇東征。その後もこの地は度重なる宗教戦争?が頻発。聖徳太子を経て役行者により宗教的な寛解があった後、京に都を置いて千年の始まりとなったのが桓武天皇であると。大和ことばを苦心して漢語に乗せこの国の記録と為し、時の天皇に献上されたのは天武天皇の発令から数十年経った712年のこと。更にその40年後、東大寺大仏開眼供養の豪奢な祭は中国朝鮮の遥か遠くインドからも僧を招きその数一万、おそらく歌舞楽曲の楽人中に海幸子孫も大勢いたことだろう。ここに漸く、東海の果ての蓬莱の島が一国を構え、アジア世界に大々的にデビューお披露目を果たした。それが日本の始まりというのは卓見と思う。今年で1270年、案外若い国。というように能楽通し日本の国、形が見えるがじつはまだまだ奥行があり、遥か先はユダヤ教にも辿りつくそうな。とうとうたらり♪
2021.10.05
コメント(0)
2021/10/03/日曜日/爽やかに暑い観てから3ヶ月以上経っているが、忘備としてメモ書き一昨日か読了の『しあわせの書』が、話の主題は全然異なりながら.プロットとして「フェイクスピア」を思い起こさせた。そも舞台というのは虚構だ。とある事件を古今東西、劇作家は書き演出家が役者を動かし、観客はそれを観て笑い怒り涙するが、それは事実とは異なると誰もが承知の介だ。しかも面倒なことに事実と真実もまたぴったり重なるものではない。全き真実を人間如きが持ち得ようか、あるいは持つことに耐えられようか。シェイクスピア風に言えば「人間なんかが見ることができない夢を見ていただよ」が芝居の奥義でもあろうか。私は「フェイクスピア」の舞台となっていた池袋芸術劇場の入り口柱に貼られた大きなポスターを見て、この仕掛けにハッとした。画像では認めにくいかも。芝居初日は5月24日。日航ジャンボ機墜落事故の搭乗者は524人。この符号。初日の数字の並びに野田秀樹の意図が無い筈はない。この演目、観る側にどう受け容れられるかそこに魂魄打ち込んだか。このような文字数字の配列を侮ってはいけない。文学は亡き人の言葉を掬い上げ、今ここにある人に伝え、読む側見る側に何かしらの変容を促すが、生者死者を結ぶ依代なり秘密は、案外細やかなものに宿るのではないだろうか。で、何故それに注目したか。それはその日が私の誕生日でありオスタカヤマをいつも思い出すからに他ならない。えー口惜しや、0615にこのエレベータ乗っていれば完璧だったが寝過ごしてしまった。演出家鈴木忠志さんに『虚構の真実』という著作があるそうだが私はまだ読んでいない。そうだ舞台の話。売れっ子役者の一生さん、この肉体造形姿勢発声がまた何でも変容可能な汎応力秘めて得体も知れない。前田敦子が余りに星の王子さまにフィット。ピーターパンなんかも良さそう。橋爪功が鍛錬重ねた舞台俳優であることが一目瞭然。時間も経ち、あとは霞。
2021.10.03
コメント(0)
2021/10/01/金曜日/台風雨〈DATA〉新潮社/1987年出版泡坂妻夫 著/〈私的読書メーター〉〈「ゆる言語学ラジオ」をたまに楽しんでいる。『ピダハン』は確かに面白く読んだ。これも水野氏が「えーなんだよこんな本、と思い読むのだけど最後の10ページで驚天動地」みたいな紹介をしていて、やっぱり驚天動地したくて読んでみた。「転んで(ミステリーの文脈ならトリックが看破されて?)笑わせる喜劇(読書を唸らせる作品?)は役者ならできる(ミステリー作家ならお手の物?)ただし立ち上がるとき笑わせたとしたら真の喜劇役者」との解説が実に実に穿っていると、読後分かる。いやはやこのパッケージが奇書なり〉考えてみると泡坂さん、これはワープロ(当時ですから)でしか書けないはず。しかし面白いことにKindleなんぞの電子ブックではこの楽しみは味わえない、というエッジが効いている。ところで、この本の冒頭は新興宗教団体教祖の著した「しあわせの書」の存在と教祖さまのエピソードとなっている。それから本文一章が始まるが、いきなりの下北半島恐山イタコの場面へと飛ぶ。そこへどこかの局の撮影クルーがやって来て、飛行機事故で死んだ芸能人の口寄せをしてもらう…あれ、これは6月頃見た野田秀樹の「フェイクスピア」とちょっと被りあり。野田さんもこれを読んでいたかも?なんぞと思った次第。
2021.10.02
コメント(0)
2021/7月8月7月は簡易的な地耐力検査の後、杭を打ち込むなどの宅地造成。土盛でぼんやりと、あらこんな風に三軒が建つのかという風景が見える。8月には屋外トイレが設置された。いよいよ毎日職方が入るのだろう。基礎部に手が入れられ、背筋、床下土間コンの為のシート貼り、基礎の背筋文脈見える。土中の給排水配管など設備工事も進む。コンクリート乾燥のオープンタイムかお盆休みか、4.5日職人さん姿が消える。コンクリート乾燥の時期としてタイミングがよい。車が側にある打ち込む杭の長さピッチの寸法がよく分かる。
2021.10.01
コメント(0)
2021/10/01/金曜日/台風に伴う雨〈DATA〉ほるぷ出版/1985年出版市古貞次・小田切進編 日本の文学3/「五重塔・運命」幸田露伴〈私的読書メーター〉から〈ほるぷ出版「日本の文学」集で読む。就寝時の習し読書が慣れぬ文語体漢字で一向に内容が入らない。試しに起きて音読するとまあ。語調の流れの良さにびっくり印象くっきり意味内容すっきり。講談というのは経験ないがこんな感じだろうか。因縁曰の感応寺(出版57年前に天王寺と改名)五重塔の普請を巡る二人の大工の葛藤は前田愛氏の解説にあるようにギルド集団と個の芸術家のそれか。ゴッホ耳削ぎ事件を彷彿。塔いよいよお披露目の目前の凄まじき嵐の描写、猛るギリシア神々か上野戦争の予見でもあったか。造ると成すの妙を上人に諭されの満了。〉地図左上、旧感応寺寺領の西に隣接するような所に露伴旧居の銘板がある。そこからわずか200m南東に五重塔はあった。露伴が生まれた翌年の上野戦争のあおりで、一家は上野谷中神田を点々としたという。幼い露伴も当時の話を親族縁者から聞き及んだ事だろう。焼き払われた上野の森一体、この五重塔だけが奇跡のように屹立して、露伴ほどの筆のものなら「頌せん讃せん詠ぜん記せん」ものかは。
2021.10.01
コメント(0)
2021/06/05の頃東の道路を挟んだ隣家が売却引越をしたのは五月の末日。その変化を毎日キッチンから見ることになった。その家の南には、我が家のダイニング窓から見えていた平家のお宅がかつてあった。そこに三軒の建売住宅があっという間に建った。風景なんていうものは呼吸する間に変化していくものと理解した。それではその呼吸を少しく眺めてみんと思う。6月少し過ぎて建物撤去、更地になるまでサクサクと進む。そこに暮らした人の30有余年の時間デリートもさくっと。庭木に桜が無理と知ったという住人の嘆きも一瞬のこと。
2021.09.30
コメント(0)
全805件 (805件中 701-750件目)