DR.YORK / LOVE WON'T LET ME WAIT LP(TIMELESS 400406)'87
甘茶ソウルファンには、その特異なスウィート・センスで一目置かれているドクター・ヨークですが、 WIKIPEDIA
によると、現在彼は多くの児童に対する性的いたづらの罪で懲役135年の刑に処されているようです。おそらくはそれ故にアルバムは全て廃盤状態のようで、何とも残念な状況。中古市場で彼のレコードが高騰しているという話は特に聞きませんが、数十年単位で考えたとき、彼の諸作品がどのような形でソウル・ファンに聴き継がれていくのだろうか、、、と不安でなりません。
そんなバック・サウンドだけを聴いてても十分楽しめる内容なんですけど、複雑に展開するメロディも凝っているし、更にどのメロディ・パートも感動的で味わい深い。特にサビに向けてストリングスを伴って徐々に盛り上げていく箇所など「こみ上げ感」抜群です。こんな感動的なサザン/ディープ風味の甘茶曲をもっと知りたいものです。甘茶ソウル百科事典 BILLY'S 091でセレクト。「SINGING A NEW SONG」というCDにも収録されているようです。
GIRLS / THE HURT'S STILL HERE (MEMPHIS 102)'70
1970年と少し古めの女性サザンソウル。甘茶ソウルというには少し無理があるかも。ザ・ガールズとグループ名義だけどコーラスが入ることは無く、ほとんど女性シンガーのソロ作といった感じ。調べてみると彼女達は「OVATIONS / HAVING A PARTY」でバッキング・ヴォーカルとして歌ったユーラ・ブフォード、マキシン・ジョーンズ、マリー・デイヴィスがメンバーのようです。
PHILLIP MITCHELL / THERE'S ANOTHER IN MY LIFE (EVENT 223)'75
甘茶ソウル百科事典未掲載でU.S.BDG #761のフィリップ・ミッチェルのNOT ON LP曲。U.S.BDGでもほとんどこの曲について触れられていないけど、甘茶ファンにとっては彼のアルバムよりも遥かに重要な作品と言えるでしょう。彼のインタビューが掲載されている こちら
のページによるとビルボードのR&Bチャートで58位を記録したらしいです。海賊コンピ 「SOUL FROM THE VAULT RARE SWEET DYNAMITE VOL.5」
にも収録されており、マニアにも昔から人気だったようですね。
TRUTH / COME BACK HOME (SOUNDS OF CLEVELAND 11711)
U.S.BDG #684のTRUTH。「究極の、、、」で有名なLARRY HANCOCKが在籍したことでも有名。甘茶ソウル百科事典での記載はないし、「THE DEEPEST SOUL VOL.2 (GOLDMINE GSCD41)」に収録されているから一般的にはディープ扱い?でも、このムードなら甘茶ソウルだよねえ。U.S.BDGの久保田泰広氏によると、この「COME BACK HOME」が彼等の初レコードでここで聴けるツインリードはラリーハンコックとリオグリーン。「ソウルトレインでの映像は脳裏に焼き付いて離れない人が多い」とのことなので、もしやと思い「YOU TUBE」検索してみると、なんとその 伝説の映像
がありました。で、出来の方がこれまたグレイト。鳥肌ものですね、興奮しました。私、個人的に初めてソウル関連の映像を保存しました。これを見ると確かに途中でリードは交代していますねえ。ここでの映像は2分弱ですが、シングルでは延々7分も金太郎飴的にこの調子です。「IF YOU COME BACK HOME」という甘いコーラス、エレキシタール、ハープ?グロッケンなどの煌びやかな甘ーいバックに二人のリードの実に素晴らしい絶唱合戦。甘いメロディも最高ですね。
【 甘茶偏差値 69
】
ANTHONY WATSON / SOLID LOVE AFFAIR LP(AMHERST 3301)'85
ラララーラララーという単純明快だけど甘いコーラスが妙に懐かしい何かを思い起こさせる。ララバイ、つまり子守唄ということだけどまさにそんな原始的で直接DNAを刺激するかのような響き、輝きを持った甘茶ソウル。グロッケンのキラキラ感もいい。甘茶ソウル百科事典P.16「私の甘茶自慢」でソウルバーオーナーの川畑満男さんが紹介されているのが、この曲収録のレアアルバム「DYNAMIC FIVE / LOVE IS THE KEY (MR-LA899-H)」。かなり珍しいようでWEB検索してみましたがどこにも見つかりませんでした。その川畑さんによると「BEAUTIFUL LADY」もバラードで最高とのことなので是非とも聴いてみたいものです。(その後FM番組出演時にリクエストにこたえて頂けました。)
FIVE SATINS FEATURING FREDDIE PARRIS / SUMMER IN NEW YORK (VICTOR 74-0478)
物悲しく湿っぽいメロディはキャッチーなうえに品もあります。淡白で透明感のあるコーラスをバックに歌われるファルセットリードも、力の入れ加減が絶妙で適度に泣きの入った所もグッド。臨場感のあるバックに負けない魅力ある内容ですね。なお、「THREE FOR LOVE」というグループによる5分超えとちょっと長いカバーがあり、そちらも同様のナレーション入りでなかなかの出来。
SPECIAL EDITION BAND/ YESTERDAY'S DREAM LP(GSP/UNIVERSAL 3700)
元歌はORAN"JUICE"JONES / THE RAINで、86年のヒット曲。ヒットしただけあってこちらは分かりやすいんだけど、STEPHAN版を聴いた後ではなんとも薄くヌルくて煮え切らない出来。一応TERRY'S 054ということで選曲されている訳だけど、私はORAN"JUICE"JONES版はちっともイイと思わないなあ。特にバックの打ち込みサウンドのチープ感はナサケナイ、、、。