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列伝27 ランディ・バース⑥
1985年にあらゆることを成し遂げたバースさんに タイガースファンが翌年も期待するのは当然ね
1986年のバースさんはいろんな記録に絡むのよ 連続三冠王は狙ってたわけじゃないだろうけど 自分のバッティングができれば数字はついてくるぐらいはおもってたんじゃないかな 他の優勝メンバーたちが冴えない中で一人チームを支えた1年になったわ
(18)優勝の反動か?各選手が不調のチームは序盤Bクラス
歓喜の年から明けて1986 ( 昭和61 ) 年、バースはスタートが良くなかった。4月中旬に腰椎の軽い捻挫や風邪で3試合を欠場するなど体調が悪く、月間ホームランは3本に終わっている。
5月になって打率は上昇したが、ホームランは5月1日から22日までの16試合でわずかに1本しか出なかった。下旬になって7試合で6本の固め打ちをして、やっと本来の感触を掴んだようだ。5月31日の大洋10回戦から翌6月1日の11回戦では、試合を跨いで4打数連続本塁打のプロ野球タイ記録を達成している。
阪神は優勝候補の筆頭に挙げられていたが、開幕してみるとサヨナラ負け2試合を含むいきなりの4連敗。しかも4月20日の中日3回戦で、4番の掛布が左手に死球を受けて骨折し、登録を抹消される。
このアクシデントの影響で、真弓がサード、岡田が4番に抜擢されるというしわ寄せが起こり、二人ともリズムが狂ったのか調子を落とした。阪神は5月中旬、一時5位まで転落している。
(19)バースだけが6月から全開モードに、 初の4割打者誕生か?
バースは6月に入ると打ちまくった。20試合で猛打賞が6回、月間13本塁打29打点、6月末には打率が3割8分7厘まで達している。
18日のヤクルト11回戦から始まった連続試合本塁打は、26日の巨人12回戦 (
後楽園 )
で、江川卓に22号場外ホームランを浴びせるまで続き、7試合連続のプロ野球記録に並んだ。惜しくも27日で途切れたが、気落ちする様子もなく、その翌日の28日には23号を放っている。
一方、同じく6月18日から続いていた連続試合打点の記録は、途切れることなく7月に入り、4日の巨人13回戦 ( 甲子園 ) でまたもや江川から25号を打ち込んで、13試合連続という驚異的なプロ野球新記録を樹立した。
7月2日に4割を超えた打率は、7月9日には4割7厘まで上昇し、打点とともに他を圧倒している。ホームランも原 (
巨人 )
やゲーリー (
中日 )
と激しく競り合いながらトップグループを形成している。バースは前半戦終了時点で、2年連続の三冠王を視野に入れるとともに、初の「4割打者」の可能性すら夢ではなくなってきた。
バースの打棒が猛威を振るっていた時期の阪神は強く、6月26日から7月9日まで9連勝。首位広島へ3.5ゲーム差に迫り、連続優勝も現実味を帯びた。
(20)驚異の打撃にフォアボールが急増
しかし、8月に入るとバースに対する攻めが明らかに変わる。6月のバースは絶好調だったにもかかわらず、四死球は20試合で10個。7月も16試合で6個だった。ところが、8月は25試合で24個に、9月以降も26試合で28個と急増したのである。
骨折の後遺症と肩痛で不調をかこっていた掛布が再び抹消され、バースの前後の打線が弱くなると、歩かされるケースが極端に増えたようだ。それでも、バースは集中力を切らすことなく、8月に10本、9月以降も11本のホームランを記録したのは立派だった。
9月に本塁打王、打点王をほぼ確定したバースは、9月30日時点で3割9分4厘という高打率をキープしていた。しかし、10月の残り7試合は24打数7安打に終わったため、4割の夢は破れ、最終打率は3割8分9厘にとどまっている。
それでも、1970 (
昭和45 )
年に張本勲が記録した日本最高打率3割8分3厘4毛を、16年ぶりに更新する大記録を達成した。
2000(平成12)年にイチローが3割8分7厘と迫ったが破ることはできなかった。ほぼ内野安打がないバースの記録がいかにすごいかがわかる。
(21)2年連続の打撃三冠もMVP獲れず!?
2年連続の三冠王達成、2つのプロ野球新記録、2つのタイ記録をマークしたわりには、バースの評価は意外に低く、セ・リーグのMVPは優勝チームの広島から、北別府が選ばれている。
かつて、1964 (
昭和39 )
年、最多勝・最優秀防御率で優勝に貢献したバッキーではなく、55本塁打を記録した王がMVPに選ばれたことがあった。バースの場合も、その時の王と同様のケースと考えられるのだが、なぜ選出されなかったのか大いに疑問が残るところだろう。
2003 (
平成15 )
年のメジャーでは、ア・リーグのMVPに最下位のレンジャースからアレックス・ロドリゲスが選ばれるなど、アメリカの方がはるかに公平感がある。
連続優勝を狙った阪神だったが、「死のロード」期間中に6連敗したことで、優勝争いから完全に脱落した。チームの成績不振は、吉田監督と選手との不協和音を増幅する。
8月末には、男性週刊誌の対談記事の中で、バースが吉田監督を批判したとして、球団が100万円の罰金を課す事件も起こっている。
実際には取材記者との雑談で冗談のつもりで「ヨシダのバント作戦はワンパターンだ」と喋ってしまったところ記事にされたものらしい。特に他意はなく、吉田監督との関係は良好だったようだ。
最終成績は3位で、Aクラスというと聞こえはいいが、その実情は貯金をすべて吐き出して、首位からは13.5ゲームも離されていた。
ランディ・バース⑦へつづく

4年目のバースさん 怪我や不振でチームメイトが軒並み低迷する中での2年連続三冠王は素晴らしいよね 多分タイガースファンもそれしか楽しみがなかったかもしれない もし4割達成してたらもっと早く殿堂入りだったかもなあ
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