ラッコの映画生活

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2007.04.23
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父の仕事の関係で、ボクは子供の頃の数年間パリに住んでいました。その後大人になってからは訪れることはあっても単なる旅行での滞在です。ここしばらくはフランスに行っていません。随分と変貌もしているようですが、新旧のフランス映画を見ながら、出てくるフランスの習慣などは自分では当たり前に感じつつも、もしかして知らないで見ている方も多いのかな(?)などとも感じ、多くの方にボクの好きなフランス映画にもっと親しんでもらいたいな~と思い、映画を見ながら感じたことをいくつか書いてみようと思いました。まずはアパルトマンについて。

『エレベーターを降りて左』
っていうエマニュエル・べアール主演のコメディーがありました。日本語題としてはやや妙ですが、珍しく直訳されています。この映画のアパルトマン(集合住宅)は近代的な作りでしたが、フランスのアパルトマンっていうのは50年、100年のものでも1戸が広くて、15畳とか25畳とかの広い部屋が5室以上もあったりします。それで各階には2戸ずつが普通なんですね。それでエレベータを降りて廊下と言うか踊り場に出ると、右と左の2戸しかない。それで例えば「キャトリエーム・エタージュ・ア・ゴーシュ」(4階左)と言えば家を特定できるわけです。

『昼顔』
なんて映画を見るとそういうのが出てきますが、扉を開けて中に入るとだいたいが(日本的に言えばかなり広い)玄関(の間)になっていて、その玄関にドアが例えば3つあります。一つはメインとなる観音開きの大きな2枚ドアで、場合によってはガラスの入ったドアだったりで、サロンに通じています。そしてこのサロンにやはり同じようなドアがあってダイニングルームになっている。お客さんを招待するとまずサロンに通してアペリティフ(食前酒)飲みながら歓談なんかして、食事の用意が出来ると「マダム・エ・セルヴィ」って言ってダイニングでディナーして、終わるとサロンに戻ってコーヒーとかになる。玄関に面したあと2つのドアは、1つは台所に通じ、一つはプライベートな寝室に通じているわけです。

『個人教授』
もうかなり前に見た映画なので記憶ははっきりしませんが、ルノー・ヴェルレー演じる主人公のブルジョワ家庭には住み込みの女中さんがいて、屋根裏の小さな部屋に寝泊まりしていたと思います。ボクが子供の頃に住んだパリ17区のアパルトマンにもそういう屋根裏部屋がありました。さっき書きませんでしたがフランス式には道路から建物に入った階は「レ・ド・ショッセ」(道路と水平に→地上階)と言って、住み込みの管理人(コンシエルジュ)の住居があるだけで、残りの空間はアパルトマン内部とは別になっていて店舗とかになっています。このコンシエルジュの住居の様子は 『男と女』 の中でトランティニャンがモンテカルロから一晩車を走らせパリのアヌーク・エメのアパルトマンを訪れるシーンで出てきます。 『アメリ』 の中にも出てきたでしょうか。

そして一つ階段を上がるとそこが1階(プルミエ・エタージュ)と数えるわけです(日本式には2階)。そしてアパルトマンがフランス式5階(日本式6階)まであるとすると(その場合各階左右合わせて10戸ある)、その上に1階か2階の屋根裏部屋があるわけですが、そこにはメインの表階段やエレベーターでは行けません。狭い汚い(?)裏階段を昇って行くわけです。そしてこの裏階段は各戸の台所に面する裏口には面しています。つまりご主人やお客さんは表階段やエレベーターで各戸に行くわけですが、女中さんとかの下働きの人は裏階段を昇り降りし、またご主人の家には台所から入るわけです。(あるいは安い屋根裏部屋を借りて住んでいる人もこの裏階段を利用することになります。)基本的にこういう身分制社会の形態を留めているわけです。

『愛のはじまり』
適当の例がないのでアジャーニの出たこの駄作映画を引用しますが、アジャーニがパリ郊外の父親の住む部屋を訪れるシーン。玄関のドアを開けたまま訪ねてきたアジャーニと父親が対面するのですが、少しするとアジャーニのバックの廊下の灯りが消えます。これが実にフランス合理主義的電灯システムです。廊下や階段やエレベーターは建物内にあって、昼間でも暗いので照明が必要なのですが、これは点けっぱなしではないんですね。壁に小さなパイロットランプのついた押しボタンが一定間隔にあって、これを押すとしばらく決まった時間、30秒とか1分だけ灯りが点り、その後は消えてしまう。そしたら手近な次のボタンを押せば良い。こうして決して誰もいない廊下・階段に電気が点けっぱなしということがないわけです。使わない時でも家中の電気を煌々と点けたままというアメリカ的安楽(快適)主義とは違うわけです。地方都市ポワチエのホテルに泊まったとき、そのホテルの廊下も同じ電灯システムでした。

『ふたりのベロニカ』
の中でフランスのヴェロニカが、パリの駅の喫茶室で気分を害してアレクサンドルから逃げるシーンがあります。最近は治安の悪さもあるのでしょう 『コード・アンノウン』

そう言えばこの 『ふたりのベロニカ』 の中には、アパルトマンではなくホテルの部屋ですが、彼女が疲れているので中庭(クール)に面した静かな部屋を希望する場面がありました。最初に書いたように各階は左と右の2戸からなっているわけですが、アパルトマン部分は「くの字」型とかになっていて、一部が表の道路に面し、残りは中庭に面しています。中庭と言ってもただの空間で、ゴミ置き場とかもあったりします。もともとは建物全体が一つのお屋敷だったりしたのだと思いますが、そんな場合は古くは馬車や馬を置く部分だったのだと思います。だから眺めは悪いわけですが車道に面していないので静かなわけです。

上に書いたかつてボクの住んだパリ17区のアパルトマンの構造を図にしてみました。子供の頃の記憶で描いただけなので縮尺などかなりいい加減です。青い部分が実際に住んでいたアパルトマン(各部屋が広いので全体で40~50坪あったのではないでしょうか)で、緑色の部分は入ったことがないお隣(お向かい)で詳細は不明です。またレ・ド・ショッセ(地上階→日本式1階)のコンシエルジュの部屋以外の部分は道路に直接面した花屋さんで、何年か後に行ったときは銀行になってました。

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Last updated  2007.05.31 22:41:27
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