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ふろぷしーもぷしー
突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました。
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薬屋のひとりごと ９…
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2009.10.22
カテゴリ： カテゴリ未分類
馬を止めて振り返ると、今、砂漠に出てきたベテルギウスが、馬から下りようとしているところだった。
「盗賊は放っておいていい。 それよりも、今は襲われた旅人を助けるのが先だ」
出鼻をくじかれたようで少しがっかりはしたものの、ベテルギウスの言うとおりだ。 まして『上官命令』と言われれば、逆らうわけにはいかない。
太刀を鞘に収めて、レグルスは、砂漠に駆け出したペルセウスに向かって叫んだ。
「おーい、ペルセウス！ 戻れ！」
だが、ペルセウスはその声が聞こえたのか聞こえなかったのか、逃げ去っていく盗賊一味を追ってどんどん遠ざかり、ついに、砂漠のかなたへと消えてしまった。
「ベテルギウス！ ペルセウスが戻って来ないよ！」
叫んだレグルスに、ベテルギウスが答える。
「放っておけ。 そのうち帰ってくるだろう」
怪我人が出たようだ。
ベテルギウスのもとに戻って、馬から下りてみると、倒れているのは、ジャムルビー族の神官のようだった。 砂の上の、あちこちに黒い血だまりができている。 深手を負ったのかもしれない。 もう意識がない様子のその神官に、付き人なのか見習いなのか、まだ幼そうな神官が二人、すがりついて泣いている。 『エリダヌス』――― それが怪我人の名なのだろうか、幼い二人は繰り返し繰り返しそう口にした。
思わず立ち尽くしたレグルスとベテルギウスに、年上らしいほうの子供が、顔を上げ、震える声で言った。
「私たちは、ここからはるか西の海の向こうの、ハザディルという国から、ここ、ゴルギアスホローの神殿に遣わされてやってまいりました、修行の神官です。 半年近くかかって、ようやく今夜、ここにたどり着きましたが、夜中のこととて、もう城門は閉まっていて、城内に入る方法もわかりませんでした。 やむなく門の前で朝を待つことにいたしまして、野宿をしておりますと、突然、先ほどの盗賊団に襲われたのでございます。 彼らは私たちに、金品や、巻物とかいうものを要求いたしましたが、私たちは修行の旅の途中ですので、彼らを満足させるようなものは何一つ持っておりませんでした。 それを知ると盗賊たちは急に凶暴になり、私たちの仲間の一人を刺し殺そうとしたのです。 どうか、傷を受けた仲間を、助けてください！」
小さなほうの子どもも、すすり泣きながら訴えた。
「ああ！ エリダヌスは、私たち二人を逃がそうとして、あの凶暴な盗賊たちの前に自ら命を差し出したのです。 お願いです、どうかエリダヌスを助けて！」
激しく泣き出した幼い神官を、年上のほうの神官が抱きしめ、自分も声を殺してすすり泣き始めた。
痛ましげに眉を曇らせてこの様子を見ていたベテルギウスが、顔を上げてレグルスに言った。
「レグルス、怪我人を馬に乗せ、この小さなお客人二人とともに、リュキア神殿まで送ってさしあげよ。 そのような凶悪な盗賊が出没するとは、思いもよらなかった。 私はペルセウスを探して連れ帰ってくる。 軍への報告はその後で」
レグルスも急に、単身深追いしていったペルセウスの身が心配になってきたが、ひらりと馬に飛び乗ったベテルギウスの目は、心配するな、と言っていた。
「盗賊は放っておいていい。 それよりも、今は襲われた旅人を助けるのが先だ」
出鼻をくじかれたようで少しがっかりはしたものの、ベテルギウスの言うとおりだ。 まして『上官命令』と言われれば、逆らうわけにはいかない。
太刀を鞘に収めて、レグルスは、砂漠に駆け出したペルセウスに向かって叫んだ。
「おーい、ペルセウス！ 戻れ！」
だが、ペルセウスはその声が聞こえたのか聞こえなかったのか、逃げ去っていく盗賊一味を追ってどんどん遠ざかり、ついに、砂漠のかなたへと消えてしまった。
「ベテルギウス！ ペルセウスが戻って来ないよ！」
叫んだレグルスに、ベテルギウスが答える。
「放っておけ。 そのうち帰ってくるだろう」
怪我人が出たようだ。
ベテルギウスのもとに戻って、馬から下りてみると、倒れているのは、ジャムルビー族の神官のようだった。 砂の上の、あちこちに黒い血だまりができている。 深手を負ったのかもしれない。 もう意識がない様子のその神官に、付き人なのか見習いなのか、まだ幼そうな神官が二人、すがりついて泣いている。 『エリダヌス』――― それが怪我人の名なのだろうか、幼い二人は繰り返し繰り返しそう口にした。
思わず立ち尽くしたレグルスとベテルギウスに、年上らしいほうの子供が、顔を上げ、震える声で言った。
「私たちは、ここからはるか西の海の向こうの、ハザディルという国から、ここ、ゴルギアスホローの神殿に遣わされてやってまいりました、修行の神官です。 半年近くかかって、ようやく今夜、ここにたどり着きましたが、夜中のこととて、もう城門は閉まっていて、城内に入る方法もわかりませんでした。 やむなく門の前で朝を待つことにいたしまして、野宿をしておりますと、突然、先ほどの盗賊団に襲われたのでございます。 彼らは私たちに、金品や、巻物とかいうものを要求いたしましたが、私たちは修行の旅の途中ですので、彼らを満足させるようなものは何一つ持っておりませんでした。 それを知ると盗賊たちは急に凶暴になり、私たちの仲間の一人を刺し殺そうとしたのです。 どうか、傷を受けた仲間を、助けてください！」
小さなほうの子どもも、すすり泣きながら訴えた。
「ああ！ エリダヌスは、私たち二人を逃がそうとして、あの凶暴な盗賊たちの前に自ら命を差し出したのです。 お願いです、どうかエリダヌスを助けて！」
激しく泣き出した幼い神官を、年上のほうの神官が抱きしめ、自分も声を殺してすすり泣き始めた。
痛ましげに眉を曇らせてこの様子を見ていたベテルギウスが、顔を上げてレグルスに言った。
「レグルス、怪我人を馬に乗せ、この小さなお客人二人とともに、リュキア神殿まで送ってさしあげよ。 そのような凶悪な盗賊が出没するとは、思いもよらなかった。 私はペルセウスを探して連れ帰ってくる。 軍への報告はその後で」
レグルスも急に、単身深追いしていったペルセウスの身が心配になってきたが、ひらりと馬に飛び乗ったベテルギウスの目は、心配するな、と言っていた。
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