突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2010.03.15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 まったく、俺ってどうしてこんなについてるのかしら。 このことをアルクトゥールスが知ったら、どんなに悔しがるかしら!


 ヴェガは足取りも軽く、ほくほく顔でゾーハルの酒場へ向かっていた。

 こんなにヴェガが浮かれている原因は、ほかでもない、この前迷宮で手に入れた、あの、古い錆びついたはさみだ。 アルクトゥールスはあれをゴミ同然のガラクタと頭から決めつけて、よく確かめもしないでヴェガに押しつけたのだったが、何しろカルチョナみたいな欲深い怪物が後生大事に隠し持っていた品物だ。 そこを強調してうまく売り込めば少しは金になるんじゃないかと、ためしにマルシリオに見せてみたところ、マルシリオはあの汚いはさみを一目見るなり、目を輝かせ、上ずった声でこう叫んだのだった。

 「ヴェガ、驚いたな! こんなものをいったいどうして手に入れられたんだい?! これは、鑑定に出してみなきゃわからないけど、噂に聞く伝説の秘宝にまず間違いないと思うよ! ほら、リュキア城跡の地下迷宮に眠っているという宝物のうちでも、金や宝石類とは違って不思議な力を秘めているという特別な品物だ。 何しろ千年という時を隔てて地上に姿を現したものだから、外見はどれもこのはさみのようにゴミと見分けがつかないが、その内側に秘められた神秘の力は今も生きているんだ。 私にはちゃんとわかる。 なんといっても国一番の商家の古い大きな蔵で、よちよち歩きのころからいろいろな商品を見て触って育った私だもの、価値のあるものには特別な勘がはたらくんだよ。 もっとも、こういった品がそれぞれどんな力を秘めているのかまでは、専門の鑑定人でなければわからないがね。 ねえ、ヴェガ、このはさみ、ぜひ私に売っておくれよ。 どうせこんな錆びたはさみ、本来の使い方がわからなければ、おまえさんが持っていたってしかたがないだろう? 鑑定に出すのもけっこうな料金がかかるし、信頼できる鑑定人を知らなければ話にならない。 私に売ったほうが絶対お得だと思うなあ」

 もちろん、口のうまいマルシリオに、実際に取引されるであろう値段よりずっと安く買い叩かれてしまうのはわかっていたが、ヴェガはおとなしくマルシリオの言葉に従うことにした。 マルシリオの言うとおり、ヴェガは信頼できる鑑定人なんて知らなかったし、高額の鑑定料を支払う気にもならなかったからだ。 それに何よりも、マルシリオの提示した金額は、ヴェガの予想をはるかに上回っていた。

 金貨5枚!

 これだけあったら、当分の間酒代には困らない。 鑑定もしないうちからこんな値がつくとは、さすがは王様の宝物だ。 


 さあ、今夜はゾーハルの店で一番高い、極上の酒を、べろんべろんになるまで飲んでやるぞ!





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最終更新日  2010.03.15 17:44:30
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