突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

PR

プロフィール

ふろぷしーもぷしー

ふろぷしーもぷしー

カレンダー

サイド自由欄



little_heart.gif


thumbnailリュキア伝説

リュキア伝説・本館

☆完結しました☆



rykia_contents.gif




鬼の棲む街バナー.gif



little_heart.gif






thumbnailレグルス王

真魚子さまの絵



thumbnailトキ

エメラルドeyesさんのブログ
『ねこマンサイ』
で紹介していただいた、
ふろぷしーもぷしーの過去日記
『迷い犬を保護してしまいました』2008.6.19~10.7



thumbnail鮎屋トキ

『いっしょに歩こう!』
2008.12~2009.1


キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07

お気に入りブログ

風に向かって クリス… New! 千菊丸2151さん

小説 「scene clipp… マトリックスAさん

パンの日々 nako7447さん
道楽オヤジのお気楽… 車屋のオッサンさん
ゆっくりね ラブドルフィンさん

コメント新着

風とケーナ @ ご完結おめでとうございます.:*・☆ ふろぷしーさま、こんばんは♪ この度は、…
ふろぷしーもぷしー @ 千菊丸さま☆゚・*:.。. いつもありがとうございます☆ わずか一、…
2011.07.16
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類

 頬を上気させて、いつもの倍も饒舌に話し続けるエリダヌスに、アギーラが何度も何度もうなずきながら、自分の胸に手を当てた。
 『想いがかなって良かったね!』
 そう言っているのだ。

 声の出ないアギーラだけれど、毎日こうして布教のお勤めに付き添ってくれているうちに、その言いたいことが全部こんなふうにわかるようになった。
 アギーラが、本当に真っ直ぐで、誠実な心の持ち主だということも。

 初めのうちは、正直なところ、アギーラが気味悪かった。
 話せないからその考えていることがわからない、ということではない。
 アギーラにはどこか得体の知れない、真っ暗な闇を抱えているようなところがあって、その闇が、わけもなくエリダヌスを怯えさせたからだ。


 でも、こうして毎日、不安なこと気がかりなことつらかったこと悲しかったことそして嬉しかったこと、修行道場や布教先で味わうさまざまな思いを、時には愚痴も交えて、行く道帰る道、他言の懸念無用のアギーラに向かって吐露しているうちに、だんだん心が落ち着いて、神殿につくころにはすっかり晴れ晴れとした気持ちになっていることに気がついた。
 アギーラが、エリダヌスの話に一生懸命耳を傾けて、一緒に喜んだり悲しんだり憤ったりしてくれる、その確かな手ごたえが伝わってくるからだ。 
 そして気がつけばエリダヌスは、アギーラにすっかり心を許していた。
 返事なんか返ってこなくても、いまやアギーラは立派な相談相手。 
 そのちょっとした動作で、言葉で表現する以上に豊かな感情を表して、エリダヌスを癒やし、励まし、勇気づけてくれる。 
 エリダヌスも今は、アギーラの動作から、その言おうとしていることを、言葉で聞く以上に理解できるようになっていた。

 今日も、エリダヌスは、自分と同じくらい喜んでくれているアギーラに、声をはずませ、夢中になって話し続けていた。
 「・・・それにね、今日はもうひとつ、凄いことがあったんですよ。 私、とうとう法力をつかえるようになったんです。 今日初めて『神罰』に成功しました。 今まで何一つできるようにならなくて、あなたにもずいぶん愚痴をこぼしてしまいましたよね・・・」

 そこまで言った時、突然、激しい耳鳴りがエリダヌスを襲った。
 こんなことは初めてだ。
 耳の奥で轟音が沸き起こって周囲の音が何も聞こえなくなる。

 そして、激しいめまい。
 あたりの景色がぶよぶよとゆがんで、それから目の前が真っ暗になって、気分が悪くて、立っていられなくなった。
 思わずしゃがみこんだ。
 ゾクゾクと、激しい悪寒が背筋を一気に這い上がる。
 それが頭のてっぺんまで到達したとき、全身が思わずぶるっと大きく震えた。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.07.16 17:24:15 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: