突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.07.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アンタレスは夢を見ていた。

 リュキア大通りを歩いていると、向こうからミュルメクスが歩いてきた。
 ガキ大将だったミュルメクスは、アンタレスより2歳年上。 
 今ではすっかり大人のバルドーラに成長して、そのたくましい体を、輝かしいリュキア軍の紋章のついた鎧兜で飾っていた。

 アンタレスを見つけたミュルメクスが、懐かしげに手を振って駆け寄って来る。
 「アンタレスじゃないか! 大きくなったな! みんなに、リシャーナとからかわれていたころの、泣き虫のおまえが、うそみたいだ!」

 アンタレスも笑って、ミュルメクスの差し伸ばした手を握り返した。
 「ミュルメクス、おまえこそ、すっかりりっぱになりやがって! あのころの小憎らしい悪ガキとは思えないなあ!」

 もう、恨みはなかった。

 ミュルメクスの顔を見ると、初めて自分の剣を手に戦ったことや、その剣を作ってくれたダイダロス、厳しい剣術の稽古のことなどがいっぺんに頭によみがえってきた。
 つらい思いをしたことよりも、楽しかったことばかりが思い出された。
 ただ、懐かしかった。

 2人はそのままバルドーラの広場まで行き、木陰のベンチに座って、思い出話に花を咲かせた。

 ミュルメクスは、美しい戦闘衣を身につけて、真新しいぴかぴかの鎧兜を着て、まぶしいくらい、かっこよかった。
 「ミュルメクス、リュキア軍の戦士になったんだな! いつ入隊したんだ?」
 「1年前。 成人してすぐ、試験を受けたんだ。 一発で合格したよ。 あの時は、嬉しかったなあ・・・」

 1年前 ――― それにしては武具一式、ぴかぴかの新品だな、と、首をかしげつつ、そんなことよりも、バルドーラの若者の例に漏れずリュキア軍に入隊することを夢見ていたアンタレスは、勢い込んでミュルメクスに言った。
 「俺も来年は成人するよ。 そうしたら俺もすぐに入隊試験を受けるつもりだ。 試験は難しかったか? どんなことをさせられるんだ?」

 ミュルメクスはちょっと肩をすくめ、どこか沈んだ表情で答えた。


 アンタレスは目を輝かせて、ミュルメクスを見上げた。
 「ミュルメクス、それじゃおまえのあの子分たちも今じゃみんな戦士か! 凄えな!」

 思わず感嘆の声を上げたアンタレスから顔をそむけて、ミュルメクスが悲しげにため息をついた。
 「・・・今じゃみんな墓の下さ。 迷宮に行って殺されちまった」





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最終更新日  2011.07.25 16:37:58
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