突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2014.03.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類

  これが、商店街野良猫たちのリーダー、ナナなのだろう。  

  思わず吹き出しそうになるのをこらえて、ミケは、この思い上がった若猫に言った。

  「それでは、今、ここに集まった青二才どもがどのくらいこのおばばの言葉に従うか、その目で試してご覧になりますかえ?」


  くすりと笑って、ミケは周囲の若猫たちを見回し、それから、あたりの空気を震わすばかり、気迫のこもった大音声を張り上げた。

  「こりゃ! ここの心得違いの野良猫どもめ! おまえたちは、そもそも自分がなぜ野良猫をやっているのか、忘れてしまったのかえ! 寒い思いをしても、ひもじい思いをしても、この首に首輪はつけさせぬ、人の作った檻の中に自ら入ることはせぬ、あるがままに生き、あるがままに死ぬ自由こそわれらの誇り、と、高らかに言い放ち、飼い猫を、人間のおもちゃになりさがった怠け者、犬にも劣るお調子者、猫族の恥、と、見くだしていたのではなかったか? そのおまえたちが、なぜ今になってノロ猫ごときの道具になりさがり、やれご飯はおいしくなきゃいやだの、寒いところで寝るのはシンドイだの、めんどくさいからけんかはしないだの、どういう顔で勝手放題文句を並べられるのじゃ。 楽をしたさに徒党を組むなど飼い猫以下、どころか、飼い猫だってはだしで逃げ出すほどの横着ぶり、恥ずかしいとは思わないか? どんな御褒美をもらえるのか知らないが、こんな屋根のてっぺんでごろごろにゃあにゃあ、わけのわからん唄なんぞ歌ってるヒマがあったらもっとほかにやることがあるだろう。 頭を冷やしてよく考えてごらん、太古の昔から、脈々と引き継がれてきた猫の生き様を。 猫は猫らしく、何も犬族のように徒党を組まなくたってちゃんと一人で生きていけるように、神様は猫に、生まれながらにして孤高のハンターにふさわしい優れた体を下さったのじゃ。 ハンターなら、エサは自分で狩って食べなさい。 ハンターの道を捨てるなら、きちんと人間の飼い主を見つけてその人に養ってもらうことだ。 人間と寝食をともにして、優しく互いをいたわりあって暮らすのもなかなかいいものだよ。 さあ、わかったら、もう兵隊ごっこは終わりだ。 解散、解散! 一人前の猫だったら二度とこんな、猫だか犬だか人間だかわからない、ハンパなまねをするんじゃないよ」


  ミケの怒声に、猫たちも急に冷静さを取り戻し、夢から覚めたように互いの顔を見合わせ、すると、どれも急に気恥ずかしそうな表情になって、こそこそ逃げるように、一匹、二匹と屋根から降り始めた。



  ナナの顔がたちまち、驚きと怒りの色に染まる。

  「ちょ、ちょっと! ばあさん、何すんのよ! あたしの軍団を勝手に解散させないでよ!」


  それからナナはあわてて猫たちを引きとめようとした。

  「こら! 全員戻れ! 命令だよ、隊長の命令っ! 絶対服従だと教えたでしょ! も・ど・れ・だよ、も・ど・れ! 戻れ! ああ、もう、まだ覚えられないの、バカっ!」


  けれど猫たちはまるで憑き物が落ちたみたいに、ナナのほうなど振り向きもせず、次々と屋根の上から姿を消していく。


  怒りのあまり全身の毛を逆立てて、ミケを振り返ったナナに、ミケは厳しい声で言った。

  「お嬢ちゃん、あんたもそろそろ潮時だ。 ゲームはこのあたりでおしまいにして、人間に戻る準備を始めなさい」

赤提灯の猫たち


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最終更新日  2014.03.08 20:12:40 コメント(2) | コメントを書く


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