突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2014.07.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 懐かしい鈴の音に誘われるように、たまこの脳裏にもまた、クロと昇一お兄ちゃんとの楽しい思い出が、次から次へとよみがえっていた。

 昇一お兄ちゃんが家からこっそり持ち出してきた、温めたミルクの入った哺乳瓶を、正樹と奪い合ってクロに飲ませたこと。

 たまには思い切り日光浴をさせなきゃねと三人で話し合い、昇一お兄ちゃんの自転車のかごに古いタオルを何枚も敷きこみ、クロを乗せて出かけたこと。

 クロを抱いて正樹と道を歩いていたら、大きな犬につきまとわれて死ぬほど怖い思いをしたこと。


 そして、昇一お兄ちゃんが、クロが死んじゃった、と、泣きながら、店の裏の藪の中にお墓を掘っている、胸の痛くなるような悲しい光景。



 あれこれ思い出したら、クロが愛しくて、思い出が哀しすぎて、それを今まで忘れていたことが悔やまれて、たまこはぼろぼろ涙をこぼしながら、もう一度あのころに戻ってクロを呼んだ。


 「おいで、クロ。 珠子と遊ぼ。 一緒に、昇一お兄ちゃんを迎えに行こ」



 その瞬間、龍の体がぐらりと大きく揺れて、それから、うろこの一枚一枚が、龍の体を離れてぼろぼろとはがれ落ち始めた。



 鎧のようなうろこがみるみるうちにはがれ、龍の体全体が、ガラガラと大きな音を立てて崩れていく。




 「クロちゃん!」




 驚いて駆け出そうとしたたまこを、マサキがあわてて抱きとめた。

 「行っちゃだめだ、珠子! クロはもうこの世のものではないんだ! おまえまであっちの世界に行っちまう気か?! そんなことはさせないぞ!」


 トラオも、それに加勢して叫んだ。

 「そうだよ、たまこちゃん、かわいそうなようだけど、俺たちにできるのはここまでだ。 クロは自分で行き先を見つけて、一人で行かなきゃいけないんだ」

壊れる龍


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最終更新日  2014.07.28 18:56:13 コメント(4) | コメントを書く


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