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まさにホリエモンだな、と思う。 確かに、本音で書いているのだと思う。 だから、書いてあることに対して、「そうそう!」という人もいれば、 「そうかなぁ……」という人もいると思う。 結構、好き嫌いが分かれると思う。 『ONE PIECE』のファンまで、敵に回しちゃってるしね。 でも、「人間関係はゼロイチで測れるものではなくて、 グラデーションになっている。」(p.76)なんて、同意しないわけにはいかない。その他にも、「30秒で終わるメールはすぐ返す。5分で終わる仕事は、片っ端から片づける」(p.115)もそう。私は、知ってる人から「2分で終わる仕事は、その時すぐにやってしまう」と聞いて、「2分なら、いいかも」と思って、そうし続けている。あとは、「睡眠時間を削っても使える時間は増えない」(p.122)もそう。そして、激しく同意するのは「得意な人に外注する」(p.130)。 何度も言うように、やりたいことをやるためには人に任せることが大事。 もしなんらかの分野の知識が必要になったら、ざっくりと理解した上で、 分かる人間に任せるようにすればいい。(p.142)さらに、ちょっと考えさせられたのは、次の一文。 大体、手に入れただけであとは安泰な資格やスキルなどほとんどない。 大事なのは、資格やスキルをどうやって活かすかだ。 最近では、国家資格である弁護士の資格をとっても、 ワーキングプアに陥っている人も多いと聞く。 当たり前だ。 資格をとっただけで、営業もせず自動的に仕事が入ってくるわけがない。 大勢の人がとりたがるような資格を持っているだけでは、 他と差別化することにはならないのだ。(p.140)ホリエモンのことが大好きでなくても、いや、嫌いだと思ってる人でも、読んでみる価値はあると思う。だから、200頁もない、行間だらけの新書に、多くの人たちが、864円も払って買ってるんだと思う。
2016.01.31
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2014年11月14日に第1刷発行なので、 本著が世に出て随分月日が経ってしまいました。 その次の2巻の発行日が同年12月12日。 それから半年ほどして、まとめて購入しました。 それからしばらくして、TVドラマも始まったけれど、 内藤さんの奥さんには、あまり興味がないので全く見ず。 でも、今話題の五代様が出ていたので、見とけばよかったなと少々後悔。 まぁ、今放映している深キョンのドラマは見てますけど。そして、購入してから半年以上経って、やっと読みました。でも、「Qシリーズ」とは、ずいぶん趣が違います。ほんわかムードとは程遠い、かなり暴力的で、血が流れ、さらには登場人物も死んでしまいます。即ち、本作の主人公である紗崎玲奈は、凜田莉子とは全く次元の違うキャラであり、かと言って、岬美由紀とも違います。表紙に描かれたイラスト同様、ちょっと嫌悪感さえ感じてしまいます。2冊買ってしまったので、次巻は読みますが、その先については、次巻次第です。でも、『探偵の鑑定』は読むことになるでしょうから、やっぱり、4冊読んでおかないといけないのかなぁ。
2016.01.31
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池上さんと佐藤さんの対談。 『新・戦争論』は未読なので、このコンビの書籍は初めて読みました。 他では読むことのできない、密度の濃い情報がたくさん詰まっていました。 たくさん売れるのも、頷けます。 本著での注目は、やはり中東についての記述でしょう。 本文にもあるように、日本に住む者にとって、 中東を理解することは複雑で、難しく感じられます。 TVニュースを見たり、新聞を読んでも、今一つピンと来ない。そのあたりを、本著では上手く説明してくれていて、「なるほど、そういうことか」と頷かされます。アラブとペルシャ、シーア派とスンニ派という括りだけでは収まらない現状、そこに核が絡む恐ろしさが、ひしひしと伝わってきます。それらを中心に据えて、米ロやヨーロッパの動向を見定め、沖縄の問題も考えていかねばならないようです。好むと好まざるにかかわらず、この世界的な動きの中で、日本も立ち回っていかねばならないのです。 戦場の経済学からすると、敵を殺さない方がむしろ効率的なんですよ。 レーザーで相手の目だけを潰す。 すると、その兵士を戦線から離脱させる分、余計に手間がかかるわけです。(p.176)この佐藤さんの言葉を受けて、池上さんが語ります。 そうですね。だから、非殺傷兵器の研究はずいぶん進んでいます。 たとえば対人地雷。これは基本的には殺すためのものではなく、 兵士の足が吹き飛んで苦しむような状態にさせるのが狙いです。 すると、周りの兵士が二人がかりで助ける。 これで計三人、戦力から外すことができる。 そのために、わざわざ威力を弱く調整しているのです。「スゴイ……」と思わず唸ってしまいました。そして、次の佐藤さんの言葉には、さらに驚愕。 旧日本軍がずっと三八式歩兵銃を使用し続けたのも、同じ理由ですよ。 どうして日露戦争の銃を第二次世界大戦でも使ったのかという批判がありましたが、 物量が足りなかっただけでなく、殺傷能力が弱いので、 米軍に負傷者がたくさん出るからなんです。これまで読んできたものとは180度違う視点。その後に続く、ドローン導入による戦争のバーチャル化の記述には、背筋が寒くなりました。テレビや新聞だけでは、決して得ることのできない情報でした。
2016.01.24
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読書好きならスラスラと気分よく読めます。 でも、ターゲットはこれまであまり読んでこなかった人? 読書の効能を色んな観点から教えてくれています。 まぁ、今更言われなくても分かりそうなことが多いですが。 また、ビジネスパーソンが読むべき4ジャンルとして、 生物学、歴史、軍事学、哲学を挙げると共に、読書をすると運がよくなるとしています。 読むべき4ジャンルは合点がいきますが、運が良くなるというのはどうかなぁ…… でも、失敗するリスクを下げたり、第六感は働くようになるかもしれませんね。そして、著者の堀さん式の読書術も紹介されています。目標とする年間読書量や細切れ時間の活用、読書ノートのSNS公開、ビジネス書と小説、その他を4:3:3で読む等々。堀さんはコミックは読書にカウントしない主義だそう。巻末には、堀さんのお薦め本が6冊掲載されていますが、私が読んだのは『武士道』だけ。『失敗の本質』は、途中で止まったままです(いつか読み切るつもり)。『大空のサムライ』は、近いうちに読んでみることにしました。
2016.01.24
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表紙をめくれば、そこに知りたい情報は載っている。 カレーにファミレス、牛丼、定食、イタリア料理に餃子・中華と回転寿司、 さらには、うどん、トンカツ、ファストフードにコーヒー&ベーカリー。 それは、2014年4月現在のお薦め「うまいチェーン店」の一覧。 そして本編では、それぞれのお薦め店は、他店とどう違うのか、 どうすれば、良い店とそうでない店とを見分けることが出来るのかを、 色んなパターンで紹介してくれている。 まぁ、決してビックリポンな新情報ではないけれど。ただ、食べることが好きな人にとっては、読んでいるだけで楽しく面白い。また、とても読みやすい文章・構成になっているので、どんどん読み進めながら、外食産業の在り様を再確認することが出来る。どうせ外食するのなら、気分良く美味しいものを食べたいですからね。
2016.01.24
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お話としては、あまり前に進みません。 すずが、特待生の話を受けてみると決意したことと、 四姉妹の恋が、それぞれに一歩前進したことくらい…… と思っていたら、最後で大どんでん返し!! でも、それは本当に最後の最後だけ。 そこ以外は、本当に全編ハートマークの連続。 こんなにもラブラブなお話で、一巻まるごと通し切るのもスゴイ。 でも、それが嫌味にならないところが、もっとスゴイ。 大事なのは自分のことをちゃんと見守ってくれてるって実感できることじゃないかな 先回りして世話を焼くことばかりがいいとは限らないんですよね 患者さんのリハビリでもそうなんです 手を出しちゃったほうが実はかんたんなんです 障害の程度が同じぐらいでも その人の性格や考え方で リハビリの進み具合は大きく異なります 健康なおれたちが不運なハンディを負った人たちの本音を理解するのは正直不可能です だからせめて ずっと見守ってますよって それぐらいしかできないし 自分にできることなんか その程度だって そう思っていたほうがいい気がするんです 何より傲慢にならずにすみます(p.66)井上君が幸に言った言葉。いいですね。
2016.01.24
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リノベーションについての本です。 『ぼくらのリノベーションまちづくり』の嶋田さんの名前も登場します。 高校在学中から早稲田商店会の活動に参加し、若くして社長に就任した著者。 その失敗経験を披露しながら、リノベーションについて語ります。 そこに見られるのは、きれいごとではなく、 いかにして事業を成功させ、継続させていくかという執念。 本音で語られた文章には、これまでの著作にはなかった説得力を感じます。 そして、そこにはこれまでの常識とは違う、新たな指針が示されています。 天から降ってきたお金は、地域の問題を解決するどころか、かえって災いの元となる。 お互いのエゴが出て、協力して行うべき取り組みも浅はかになる。 回り道に見えるかもしれませんが、自分たちで儲かる仕組みを考えることのほうが、 よほど地域にプラスなのです。 にもかかわらず、いまだに「まちづくり」「地域活性化」と言えば 「補助金を持ってくること」と思い込んでいる人が少なくありません。 それは愚策中の愚作であるということを、ぜひ念頭に置いていただきたいのです。 みなさんの地元では、私たちのような過ちを繰り返さないでください。(p.29)これは、本著の中でも特に重要な部分。なので、事あるごとに、あちこちで繰り返し記述されています。 まちづくりは税金でやってもらうのが当たり前、と考えている市民がいまだに圧倒的。 財政のことなど全く考えもせず、好き勝手に 「あれをやれ」「これが欲しい」と意見だけは行政に言う。 それが叶わないとなると、今度は「お役所仕事」「市長はアホだ」と批判する。 あるいは批判を避けたい役所の側も、公共事業を業者に丸投げしてその場をしのぐ。 これが本当に正しい“まちをよくしていく”プロセスなのでしょうか。 日本はある意味恵まれすぎてしまって、なんでも行政がやってくれた時代が続いたことで、 自分たちで出来ることさえも税金でやってもらおうとしているようにも思えます。(p.47)結構過激な表現ですが、的を得てると思います。そう、著者が言いたいのは「自力でやる」ということ。 そもそもまちの再生に必要なのは「経済」です。 行政が税金の再配分で補填するのではなく、 「まち全体を見据えて、いかに稼ぐか」が重要なテーマなのです。 よく「あたたかいまち」「心が通い合うまち」といったフレーズを聞くことがありますが、 これらは全て無責任な“きれいごと”です。 稼げなければ、衰退するしかない。これは歴史が証明しています。 では、縮小する社会環境においてどう稼ぐか。 全ての産業を横断して地域の限られた資源を活用し、稼ぎを生み出し、利益を残し、 その利益をさらなる事業に再投資し続けるしかありません。(p.51)そう、自力でやるためには、「自分で稼ぐ」しかないということです。 逆に言えば、だれかカリスマ的または強権的なリーダーがいて、 その人が頑張り続けないと維持できないシステムは脆いということです。 既に、どこかで無理が生じている可能性がある。 日本の組織によくあるパターンですが、リーダーがいなくなった途端、 ガラガラと崩壊するのではないでしょうか。(p.70)これは、組織論として、とても共感できました。私が目指しているのも「自分がいなくても回る組織」をつくることです。つまり、自分がそこに必要な存在でなくなることが目標というわけです。もちろん、それが完成したら、自らはそこを去ることになりますが。さて、著者がまとめた、まちづくりを成功させる「10の鉄則」は次の通り。 1.小さく始めよ 2.補助金を当てにするな 3.「一蓮托生」のパートナーを見つけよう 4.「全員の合意」は必要ない 5.「先回り営業」で確実に回収 6.「利益率」にとことんこだわれ 7.「稼ぎ」を流出させるな 8.「撤退ライン」は最初に決めておけ 9.最初から専従者を雇うな 10.「お金」のルールは厳格にさらに、巻末にまとめてくれた「まちを変える10の覚悟」は次の通り。 1.行政に頼らない 2.自らが労働力か資金を出す 3.「活動」ではなく「事業」としてやる 4.論理的に考える 5.リスクを負う覚悟を持つ 6.「みんな病」から脱却する 7.「楽しさ」と利益の両立を 8.「入れて、回して、絞る」 9.再投資でまち全体に利益を 10.10年後を見通せ時間を割いて読むに値する一冊でした。
2016.01.23
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『これでいいのか小中一貫校』の山本さんの著作。 小中一貫校の問題をはじめ、新自由主義教育改革全体について その様々な問題点を指摘している。 そして、その行きつく先について、大いなる警鐘を鳴らす。 読んでみて思ったのは、日本の教育政策が、 いまだに欧米を後追いしたものに過ぎないということ。 そして、それが経済的な効果を第一の目的としたものであるということ。 さらには、そこでは効率が最優先されているということ。まず、「第1部 今日の教育改革の全体像」では、「第1章 新自由主義教育改革とは何か」において、次のように述べている。 従来、少なくとも日本の戦後教育改革の理念に基づけば、 教育の公共性とは、全ての公立学校がどこでも平等に教育サービスを提供することによって 保障されるものと考えられていた。 6・3・3制は、そのための「教育の機会均等」原則を実現する教育制度であった。 しかし、現代のグローバル経済の社会において、 国際競争に勝ち抜いていけるようなエリート養成に重点的に資源配分していくことこそが 教育の公共性の実現である、と財界、政府は発想を転換したのだ。(p.19)ようするに、かつての「一億総中流」の世の中ではなく、「格差社会」を目指すことに舵を切ったということ。 アメリカの教育委員会は今日でも96%が公選制であるが、 教育委員会の権限移譲は教育の民衆統制の性格を弱めていくことになった。 さらに、教育改革を先進的に行う自治体、 シカゴ、ボストン、デトロイト、フィラデルフィアなどは、 公選制教委を廃止して市長の任命制に移行し、 教育に対する市長の権限を強化する改革を行った。 そのような新自由主義教育改革は以下のような制度から構成されるものであった。 1.アカデミックなスタンダードの設定 2.スタンダードに基づいた一斉テストの実施 3.一斉テスト「結果」に基づいた学校評価・教員評価 4.学校選択制(その結果に基づいた学校統廃合、公教育の民営化を含む) 5.教育バウチャー制度(生徒数に応じた教育費配分制度) 6.学力テスト体制に即した「学校参加」、校長にリーダーシップの拡大(p.25)要するに、政治が教育を主導していくよう転換されてきているということ。このような教育改革を行う自治体は、アメリカでも上記のような大都市が先陣を切っているが、これについては、日本においても同じような傾向が見られる。まずは、東京や大阪等の大都市で先行実施されたものが多い。さて、「第2部 学制改革の突破口」の「第6章 小中一貫校とは何か」では、次のような記述がみられる。 九州に典型的に見られる地域の新自由主義的再編は、 大資本や多国籍企業が活用しやすいような大規模な単位に地域を再編していくものであり、 旧来からの住民の生活圏としての地域はその障害物とされていく。 そして、旧来の集落が小学校区を形成しているケースはきわめて多い。 地域から学校を消滅させることは、 住民の生活圏を破壊させるためには極めて有効なのだ。(p.186)なかなか衝撃的な文章である。これが真の狙いであれば、恐ろしいとしか言いようがない。 その新自由主義的なグローバリゼーションの特徴と影響については、 この会議では「教育費の削減と一斉テストによる教育支配」 「民営化と公設民営学校への公的資金注入」などが、主な問題点として、取り上げられた。 特に、テスト結果については、 経済的、社会的に不利な立場にある生徒のテスト結果は 一般的に低いことが実証されているにもかかわらず、 それが教員の評価にダイレクトにつながっている点は大きな問題であるとされた。(p.213)これは、NAFTAにおいて行われた、第11回「公教育を守る3カ国国際会議」についての記述であるが、なかなか興味深いものがある。テスト結果の数字には様々な要因が絡み合っており、その扱いはとても難しいということだ。 2015年1月に文科省が、 「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置に関する手引き」を公表したのだ。(中略) そこには、総務省による、学校がなくなることによる地域コミュニティの衰退を 懸念する意向が強く反映されている。(p.61)本著において、今後進められるであろう統廃合において、明るい希望の光の一筋として提示されているのが、この「手引き」である。 「手引き」では、児童生徒数に応じた機械的に統廃合を進めるのではなく、 「小規模校のまま存続させることが必要と判断するところ」として、 以下の4例が挙げられている。 1.近隣の学校との距離が遠すぎる。 スクールバスを導入しても安全安心な通学が出来ないと判断される場合。 2.学校統廃合を行った際に、 さらなる少子化や地域の産業構造の転換により児童生徒数が減少するなど、 通学可能な統廃合を進めることが困難になる場合。 3.同一市町村内に1校ずつしか小・中学校(小中一貫校)がない場合。 4.学校を当該地域コミュニティの存続や発展の中核的な施設と位置づけ、 地域をあげてその充実を図ることを希望する場合。(p.220)特に4については、地域の存続問題とかかわるところであり、「まちづくり」「まちおこし」とも密接にかかわる部分である。これらの問題に関心のある方たちは、小中学校の統廃合問題にも、ぜひ関心を向けてもらいたい。
2016.01.23
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エッセイ風で、とても読みやすいです。 でも、中身はとてもしっかりしていて、 「なるほど!」と、目から鱗のオンパレード。 著者の試みは、とても上手くいっています。 男と女の脳は、回路のかたちと信号特性が違うのだから、 同じ入力に対しても、全く違う出力を見る。 だから、異性が期待したように動かないのは当たり前。 それぞれの使い方を知れば、ストレスをためることもないというわけ。 職人によくある「口下手だけど、手は一流」なのは、 「口下手だからこそ、手が一流」なのかもしれない。 もっと細かいこと、 たとえば「遅刻しがち」「気が弱い」「のんびり屋」なんていうことにも、 そういう脳でないとできないきらめきがあるのに違いない。(中略) 脳を装置として見立てれば、 すべての脳に「欠点に見えて、長所の根源」となるものがある。 そして、その場合、欠点を封じ込めたら、個性が発現しないのである。 本当の男女問題は、ここにある。(p.033)そう、男女は、それぞれ違う別物の装置を搭載しており、同じインプットがあったとしても、別のアウトプットをするようにできている。そして、それは両者が共存していくために、必要不可欠なものであり、互いに尊重しあうべき長所なのです。 片方は、高い空間能力を有し、獲物までの距離を正確に測って狩りをし、 複雑な図面も読むし、ビルも建てるし、飛行機も飛ばす。 目の前のことに気づかず、大切なひとの心の複雑な機微にとんと疎いが、 究極の事態に強く、死ぬまで頑張れる脳である。 もう片方は、目の前をなめるように見て、 他者の体調変化や食べ物の腐り具合を見逃さず、 おしゃべりによって潜在情報を収集し、 それを何十年経ってもとっさに使える臨機応変脳だ。 片方は、無茶な冒険や競争をして新天地を開拓し、 のんきに遺伝子をばらまく。 もう片方は、生活空間を大事にし、 生殖相手の遺伝子を厳選して独占しようとする。 片方は、継続して責務を果たした相手に愛着がわき、 もう片方は、共感してくれる相手に愛着がわく。 片方は、成果評価がなければやる気を失い、 もう片方は、ねぎらいのことばがなければやる気を失う。(p.048)そして、男女それぞれの脳のトリセツが始まります。まず女性脳は、1.とにかく、話を聞く2.とにかく、傍らに置く3.言ってくれればやったのに、は禁句4.過去の浮気を告白してはいけない5.過去を蒸し返されたら、優しくあやまる6.女性がキレたら、理由を追求せず、ただ真摯にあやまる7.答えようのない質問に善処する8.ことばの反復と、体験返し9.結果よかったことについて、過去の失敗を指摘しない10.過去をねぎらう11.ことばのダイヤモンドをあげる12.過去をねぎらう(営業編)13.そろそろ、きみの○○が食べたい、と言える男子になる14.あなたのお薦めは?に即答する15.職場の涙は、見て見ぬふりをする5や6、7などは、男性からすると、「はぁ?」と言いたくなるところですが、そこらへんを、ちゃんと説明してくれていて、「なるほどね」と思わせてくれるところが、本著のすごいところ。次は男性脳のトリセツ。1.思いやりで、愛を測らない2.不満があったら、率直に言ってみる3.優先順位で、愛を測らない4.提案は、フェアな複数候補の態にする5.愚痴や指図で追い立てない6.家事の全容を理解させる7.結論から言う、数字を使う8.ものを取ってと頼むのは、必要最小限にする9.秩序を、安易には乱さない10.兄を立ててやる11.夫を立てると、息子の成績が上がる法則12.細かいゴール設定と、その確認を怠らない13.死ぬまで、頼りにする1や3は、これを知らないと、女性はとても傷ついてしまうかも。また、9や10、11は、子育てにも生かせる重要ポイント。この後の「夫婦の相性」のところでは、「エアコンの理想の設定温度が一致しないわけ」が秀逸。そして、最終章の「齢を重ねてゆたかになる」は、人生について考える、良いきっかけになります。
2016.01.17
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結婚するときは大変だが、離婚となればもっと大変だ。 そして、争い事は始めることより、終わせることの方が難しい。 そう、一旦動き始めたものを、制止することはそう易しいことではない。 何事も始めることより、終わらせることの方が、随分と難しいものらしい。 だから、撤退戦が難しいということはよく分かります。 そして、それを上手くできるかどうかは、大きな違い生む。 『ビジョナリーカンパニー3 衰退の五段階』でも、 そのことには、きちんと記されていました。 *** そして、日本海軍は真珠湾で飛行機で大成功を収めた。 マレー沖でもそう。 その大成功にもかかわらず、海軍は大鑑巨砲主義と艦隊決戦主義から抜け出せなかった。 ここに、三代目エリートの持つひ弱さと特権意識が表れています。 海軍のエリート中のエリートは砲術科であり、 その序列を崩したくなかったのだろうと思います。 日本の商社でも、昨日までの主産業、鉄鋼閥がトップを出し、 先端技術を扱う部門を補助機関としか見ていなかった会社がザラにある。 そういうところがいまリストラで苦しんでいる。 もう一つは半藤さんのおっしゃる成功体験の復讐です。 日露戦争では、無敵といわれたロシアのバルチック艦隊を東郷平八郎が破りました。 その成功体験が海軍を縛ったということでしょう。(中略) 成功したければ、過去の成功体験を捨てることです。 成功体験を捨て、新しい時代に適応するシステムと人材の登用を真剣に考えることです。 それをしないことを、アンラーニングと言います。(p.44)「新しい時代」の到来と、それに適応する「システムと人材」に気付くこと、それが出来るかどうかにかかっているわけですが、簡単なことではありません。 秀抜なアメリカの経済学者レスター・サローは、 「マネジメントとは、結局のところ、失敗する前に方針を変えるよう説得することだと思う。 失敗して変えるのは当然、 うまくやっている間にいかに変身を図るかである」と言っています。 誰が誰を”説得”するのか。 説得する人間は経営者しかいません。 その意識転換の出来ない経営者、説得できなかった経営者が撤退の時期を失い、 結局、企業を潰してしまう。 たとえば、ダイエーや西洋環境開発、そごうなどです。 中内功さんや堤清二さんはさんは攻撃はそれなりにうまかったが、撤退戦ができなかった。 そごうの水島廣雄さんなど、 二十世紀最後の年まで高度成長の夢が捨てられなかった。(p.127)中内さんや堤さんが「攻撃はそれなりにうまかった」レベルとは、とても思えませんが、「撤退戦ができなかった」のは確かでしょう。それほどに、攻めることより、引くことの方が難しい。「攻撃が最大の防業」とも言いますが……。さて、著者の半藤さんは、戦史に学ぶリーダーの6つの条件として、第3章の中で、次の事柄を掲げています。1.権威を明らかにすると同時に責任をしっかりと取ること2.組織の目標を明確にするための決断をすること3.焦点の場に位置せよということ4.情報を自分の耳で確実に聞くこと5.規格化された理論にすがらないこと6.部下に最大限の任務遂行を求めることさらに、江坂さんの方は、ダメな経営者のタイプとして、次の6つを掲げています。1.目的がはっきりしていない官僚的経営者2.時代性のない経営者3.問題を先送りする経営者4.部下の人気取りばかり考えている経営者5.運の悪い経営者6.いまだに「全員頑張れ」と言っている経営者その後の第4章では、軍部の人事のまずさが敗戦へと繋がっていった様子が、第5章では、半藤さんが、日本が太平洋戦争に突入していった5つのポイントを示しています。1.日本型タコツボ社会における小集団の弊害2.理性的な判断の目を曇らせる情緒的、ムード的な思考の支配3.国際社会における日本の位置づけを客観的に把握していなかったこと4.現象面での成果を急ぐ短兵急な発想5.自民族の利益のみを追求する国際的エゴイズム ビスマルクは人は失敗から経験を学ぶが、 私は歴史からそれを学ぶと言った。(p.7)人の経験を自分のものとして取り込む、これぞヒトの知恵というものですね。
2016.01.17
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上巻を受け、「第三章 白秋」の昭和22年から28年までと、 「第四章 玄冬」の昭和28年から49年までが描かれている。 日本の石油業界を牛耳ろうとする外油と、それに与する国内石油会社が、 鐵造率いる唯一の民族資本・国岡商店をつぶしにかかるところからスタート。 鐵造は東京銀行やBOAから多額の融資を受け、 石油タンクを購入したり、日本最大のタンカーを建造したりして、 アメリカ、そしてイランから石油を運び込み、販売することに成功する。 特にイランからの石油輸入は、このお話の中でクライマックスと言えるもの。そのイランでクーデターが起こり、契約解除と価格通告を受けた鐵造は、またしてもBOAから多額の融資を受け、全米一の石油精製技術開発会社UOPに依頼して、徳山に世界一規模の環境と調和する美しい製油所を、短期間で建設する。その後、鐵造を支え、見守り続けた日田が逝去し、石油業界の生産調整が廃止され、鐵造は社長の座を退く。さらに、武知が去り、弟・正明が社長を退き、東雲が三代目社長となる。その東雲が社長を退いた後は、四代目に姉・ミツの息子・落合隆が就任。そして、昭和56年3月、鐵造は95年の生涯を終えた。お話しも、きっぱりとした潔い終わり方で、好感が持てた。
2016.01.17
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著者は『「折れない心」をつくるたった1つの習慣 』の植西さん。 本著は、絆を築き、守り、強めていくための指南書。 「たった1つの」と銘打ちながら、 10章にも渡り多数の事柄を紹介しているのは『折れない心』のときと同じ。 そして、書いてある内容は、 誰もが普通に納得できることばかり。 別の言い方をすれば、取り立てて目新しいところはありません。 この手の本を多数読んでいる人にとっては、ちょっと物足りないかも。 このように、言葉には、心をハッピーにするプラスのエネルギーと、 心を暗くしてしまうマイナスのエネルギーを持つものが存在しています。 普段、なにげなく使っている言葉には、 一瞬で人の感情を左右するパワーがあります。 ですから、大切な人との絆を強くしたいときは、 相手がハッピーになる言葉、 つまりはプラスの言葉を使うように心がければいいのです。(p.124)「言霊」ですね。この後に、その例が示されているのですが、相手がマイナスの言葉を使っても、それをプラスの言葉で返せる人って、本当にスゴイと思います。 この二つの言い方は、「アイメッセージ」と「ユアメッセージ」と呼ばれています。 日頃から、「あなたは○○です」というメッセージで話すことが多い人は、 つい文句を言ってしまいがちです。 意識的に、「私は○○だと思います」というアイメッセージを増やすことで、 その場の雰囲気を壊すことなく、 自分の気持ちを相手に伝えることができるでしょう。(p.133)これは、○○の内容によるのでは?○○の部分が、先のマイナスの言葉なら、雰囲気を壊すことなくどころか、それまで築いてきた折角の絆を、断ち切ってしまうことにもなりかねません。やはり大事なのは、プラスの言葉を使うことを心がけるということでしょうね。
2016.01.09
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本著は、コミュニケーションを潤滑にするための指南書。 著者はアナウンサー歴30年の梶原しげるさん。 1950年の生まれだから、ほぼ団塊世代の方。 ですから、メールに対する感覚は、現代の若者のものとは少々違う。 でも、それを世代の違いというだけで済ませてはいけないでしょう。 なぜなら、社会で生きていくということは、 色々な世代の人たちと関わりあいながら生きていくということですから、 どの世代の人たちとも、うまくコミュニケートしなければなりません。だから、遅刻する時はメールでなく、電話をかけなければいけないし、簡単に「頭が真っ白」と言ってはいけないし、「口癖」を連発するようなことは、気をつけなければならないし、きちんと相手に伝わるような挨拶をしなければならない。さらに、雑談も出来るようにならなければいけないし、粗探しに明け暮れたり、反論ばかりしているよではいけないし、人の話をちゃんと聴いて、自分のことも話をしなければいけません。そんなことを、まとめて書いてくれています。 1.「否定的」な見方を。「肯定的」に変える 2.自分の「攻撃的」な態度を、「受容的」に変える 3.相手を「やっつけよう」という気持ちを、「相手の味方になろう」に変える この3つのポイントを心掛けたあなたの言葉に、 部下の仕事のモチベーションはグンとアップし、 上司のためにも会計処理をきっちりして恩に報いようと改めて決意を固めます。(p.126)確かに、粗探しをされるより、褒められる方が気分が良いし、褒められれば、相手のために頑張ろうと思うようにもなるでしょう。でも、褒めるのって、なかなか簡単ではないですよね。わざとらしくなく、自然にこれが出来てしまう人は、本当にスゴイです。 このように「こじれのもと」を作るバカには、 その気分や感情をこちらが大人になって受けとめ、 最後に、あえて責任を持たせるべく「役割」をあたえ、 穏やかな形で対案を求めるのが有効です。 つまり、「反論ばかり言うバカ」「理屈ばかりこねバカ」退治には、 「受け止め」&「巻き込む」が一番の特効薬となるのです。(p.178)こんな風に、上手く受けとめ、見事に返すことが出来れば本当にイイですね。「スゴイ」とか「イイですね」とかは思えるのですが、実行は難しい…………
2016.01.09
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想像していたより、随分と軽いテイスト。 重く、深刻になりすぎることなく、入院生活が描かれています。 コミックエッセイなので、基本マンガ。 その作画のタッチも、作品イメージに大きく関与しています。 著者は、統合失調症で精神科病棟に入院していました。 吃音で周囲との関係が上手く築けず、 リストカットで意識を失っていたところを母親に発見され、 そのまま病院に搬送、入院することになったのです。食事の味がしないとか、薬を飲んだ後の思考力低下や感覚の鈍化、呂律が回らないとか、ボーッとするとか、手が震えて折り紙がうまく折れないとか、絵がうまく描けないとか、「あーっ、そうそう」というところがいっぱいありました。著者が入院したのは6人部屋だったので、同室の患者さんと様々な交流があったり、時にはトラブルもあったようですが、一人部屋に入院した場合は、こういったことはあまりないです。ただし、色んな持ち物を制限されたりとか、勝手に病棟の外に出ることが出来ないのは一緒ですね。保護室はあったのかな?まぁ、病院によって違いはあるのだと思います。本著は、ボリュームの割りに、内容的にやや軽い、薄いと感じる方もいるかもしれませんが、本当に本著を読むことを必要としている人には、ちょうど良い感じ、なのかもしれません。
2016.01.09
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リノベーションとは、新たな価値やアイディアを創造し直すこと。 建物の場合は、既存の建物を活かしながら、その価値を新たに創造し直すこと。 建物の「使われ方(用途)」や「使う人(入居者、利用者など)」を変えて、 空間を新しく生まれ変わらせること。 このリノベーションで、まちを変えていく。 小倉や雑司ヶ谷でリノベーションを手掛けた著者が、 本著では、その取り組みを具体的に紹介してくれている。 まちづくりについて書かれた書物は数あれど、本著はちょっと視点が違う。 ***2014年5月に日本創生会議が「消滅可能性都市」を発表した。それは、20歳から39歳までの女性人口が、2010年からの30年間で半分以下になってしまう地域。そこに、東京23区で唯一、著者の住む豊島区が入っていた。 そもそも池袋は「住みたいまちランキング」でも 上位3位以内に食い込んだりしているのに、 なぜ消滅可能性都市になってしまうのか。 住みたくても住める家がない、 住み続けることができないまちだからじゃないのか。(p.192)つまり、豊島区周辺の大学に入学した若者たちは、このまちに住み始めるが、区内に魅力的な仕事がないため、就職してからは中央区など区外へと通勤する。そして、しばらくの間は、このまちに住み続けるが、結婚や出産のタイミングで、家賃が安い区や千葉県などへと引っ越してしまう。 すでに述べた通り、豊島区の賃貸住宅にはワンルームがすごく多い(中略) そして、結婚して子どものいる家族が住めるファミリータイプの部屋が極端に少ない。 それらのワンルームや空き家をどうやって、 子育て世代にとって必要な場所へとリノベーションして活用できるか。(中略) 住む場所(家)だけではなく、保育園、幼稚園、学童保育といった 子育て支援をシームレスにするようなサービスが必要になる。 そして若い人たちが働きたいと思うような魅力的な仕事・職場も必要だ。 若者たちに「将来もこのまちに、子育てをしながら住み続けたい」と思わせる、 そういう暮らし方のできるまちだということを表現しなければいけない。(p.194)こういったねらいで、著者はリノベーションによるまちづくりを進めた。そして、その際に気をつけねばならないことには、次のようなこともある。 たとえ空き店舗が再生されても、隣の建物から 「こっちの方がいい」と人が引っ越してきてしまったら、何の解決にもなっていない。 それまでまちにいなかった人たちがやってきてこそ そこで新しいビジネスを始めるからこそ、まちに新たな雇用が生まれるのだ。(p.204)若者たちに「将来もこのまちに、子育てをしながら住み続けたい」と思わせる、それまでそこにいなかった人たちがやってくるそんなまちやむらにつくりかえることが、どこにおいても、まちおこし・むらおこし最大のポイントになるのだと思う。
2016.01.07
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「第一章 朱夏」は昭和20年から23年まで、 「第二章 青春」は昭和18年から20年までが描かれている。 主人公は、国岡鐵造。 彼が一代で築き上げた石油販売会社・国岡商店の店主である。 彼は、戦後の混乱の中、石油配給統制会社の妨害にあいながらも、 ラジオ修理や漁業、印刷、瓦礫撤去等、新たな事業に乗り出すとともに、 他企業が敬遠した、海軍燃料タンク底の残油を浚う作業を引き受ける。 その姿勢は、やがてGHQにも認められるところとなる。 彼は、福岡県に生まれ、神戸高商に学んだ。 その時、淡路島の資産家・日田重太郎の息子の家庭教師をする。 その後、鈴木商店の採用を蹴って、個人商店の坂井商会に就職し、 そこで商才を発揮した鐵造は、台湾での小麦販売で三井物産を出し抜く。その後、没落した生家の面倒を見るため、独立を望む鐵造を支援したのが日田で、この後も、何度となく鐵造の危機を手助けしていくことになる。この日田との出会いがなければ、国岡商店は存在することはなく、また、日本の石油業界の歴史も大きく変わっていたことだろう。さて、明治紡績からの大量の機械油の発注を受けたことを契機に、国岡商店の事業は軌道に乗るが、三年で資金が底をついてしまう。ここで、再び日田から資金援助を受け、海上での軽油販売を始める。関門海峡を暴れまくる国岡商店の伝馬船は「海賊船」と呼ばれるようになった。その後、海外での販売を伸ばそうと、満鉄に掛け合い、厳冬に耐える車軸油で、スタンダードら外油との争いに勝利した国岡商店だったが、折からの不景気で、第一銀行から融資全額返済を求められる。この時、高利貸しからの融資を決意した鐵造を押しとどめたのも日田だった。そしてもう一人、この危機を救ったのが二十三銀行門司支店長・林清治。本店の頭取・長野善五郎に掛け合い、第一銀行への返済額の融資了承を得る。しかし、本店の重役たちが難色を示したため、長野が鐵造と会うことになる。「大丈夫ですか」「大丈夫です」、このやりとりだけで融資は決定したのだった。さらに、金融恐慌の波が押し寄せ、二十三銀行は大分銀行と合併し、大分合同銀行となったが、そこで融資見直しが始まる。門司支店の藤原一太は、国岡商店の貸付金回収を命じられるが、国岡商店の調査を進めた結果、回収断念の報告書を本社に提出する。首藤正寿頭取は鐵造と会い、重役会議で回収方針を撤回すると共に、さらなる融資の拡大を許可する。国岡商店は上海にも進出し、外油と販売競争を展開する。が、その後アメリカは、日本への石油輸出全面禁止に踏み切ったのだった。 ***この後、お話しは戦後を迎え、第一章へと繋がっていくことになります。下巻は、それを受け、昭和22年のお話しから始まります。それにしても、かなり波瀾万丈の人生です。その度に、他力を得ることが出来てしまう人格が、突き抜けています。
2016.01.03
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昨年末にまとめて購入したものの一冊。 著者名とタイトル、そして目次だけ見て何冊か選び、 中身は見ずに購入したので、読み始めてビックリ。 新たに書き下ろされたものではなく、これまでの著作の抜粋集でした。 第一章 人間には「分際」がある 第二章 人生のほんとうの意味は苦しみの中にある 第三章 人間関係の基本はぎくしゃくしたものである 第四章 大事なのは「見捨てない」ということ 第五章 幸せは凡庸の中にある 第六章 一度きりの人生をおもしろく生きる 第七章 老年ほど勇気を必要とする時はないこれらのテーマについて記されている部分を、曽野さんのこれまでの著作の中からピックアップして掲載しています。まぁ、抜粋されている部分なので、良いことが書いてあるわけですが、やはり前後の繋がり、流れの中で読まないとピンと来ないのも確か。 神父さん、僕は今の日本には言論の自由があるなんて嘘だと思いますね。 至るところに本当のことを言えないという暴力があるよ。 筧さんの家でしか心を許してこういう話できないなんて、 実におかしいことでしょう(p.43)まぁ、確かに、思っていることを何でも言えないのは事実。でも、思っていることを何でもかんでも言ってしまうと、あちこちで、まずいことが色々起こってしまうのも事実。心を許して話ができる場があるということは、それだけで結構恵まれていると言えるのでは?
2016.01.03
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