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30年近い時を経て陽の目を見たロサンゼルスでのライヴ演奏盤 バド・シャンク(Bud Shank)は、西海岸ジャズを代表するアルト奏者、フルート奏者。ピアノ奏者のクロード・ウィリアムソンに加え、ドン・プレル(ベース)、チャック・フローレス(ドラムス)とのカルテット編成でライヴ録音盤が、『ライヴ・アット・ザ・ヘイグ(Live at the Haig)』という一枚である。ウィリアムソンを除く2人のことはよく知らないけれど、このメンバーでは同じ年の1月や11月にパシフィック盤(その片方はこちら)が吹き込まれている。本盤の録音月は不明だけれど、想像するに、バド・シャンク自身のバンドの当時のレギュラーメンバーだったということなのだろう。 録音がなされたのは1956年、場所はロサンゼルスの有名ジャズクラブ、ザ・ヘイグである。なんでも本人たちはこの日の演奏が録音されているのを知らなかったそうで、その音源も録音から30年近く経ってから、1986年になってようやく陽の目を見たというものである。 1950年代後半の西海岸ジャズらしい秀逸な演奏内容が本盤には収められている。まず、注目したいのは、1.「ハウ・アバウト・ユー」。テンポの良い演奏と軽やかなバド・シャンクの演奏にとにかく魅かれる。3.「アンバサダー・ブルース」はどこかしら憂いを感じさせるバド・シャンクとクロード・ウィリアムソンの演奏がいい。5.「浮世はなれて」は、少々おどろおどろしい雰囲気の演奏の中で、バド・シャンクがアルトとフルートを使い分けて演奏しているのが印象的で、ライヴならではの演奏と言えそう。6.「マイルス・サイン・オフ」は、バド・シャンクの流れるようにメロディアスな演奏がいい。筆者的には1.と並んでこの6.が特に本盤の聴きどころと感じる。[収録曲]1. How About You2. Lover Man3. Ambassador Blues4. I Heard You Cried Last Night5. Out of This World6. Miles Sign-off[パーソネル、録音]Bud Shank (as, fl)Don Prell (b)Chuck Flores (b)Claude Williamson (p)1956年録音。 【中古】CD Bud Shank Live At The Haig SHCJ1011 Sohbi, Choice (7) /00110 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.10.03
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2026.02.04
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バンド活動の終焉に向かいつつあった時期の成果 バンドが成熟し、大衆の人気も得ると、維持するのが難しくなっていくというのは、ある程度避けがたい問題なのかもしれない。『シュールリアリステック・ピロー』でカウンター・カルチャーの代表とみなされた後も、ジェファーソン・エアプレインは何年にもわたってトップ20にチャートインするアルバムを出し続けた。順に挙げてみると、『アフター・ベイジング・アット・バクスター』(1967年)が17位、『創造の極致』(1968年)は全米6位。続く1969年のライヴ盤と『ヴォランティアーズ』は、それぞれ17位と13位。70年代に入り、『バーク』(1971年)は全米11位で、本作『ロング・ジョン・シルヴァー(Long John Silver)』(1972年)が全米20位という訳なので、セールス的に悪くはない。 この間、いろんな意味で時代は急速に流れていた。サイケの時代は過ぎ、ベトナム情勢は変化、政治的な意味で反体制の代弁者としての役割もバンドには重かった部分もあったのかもしれない。各メンバーは一体となって同じ方向を向くというよりは、そのベクトルが四方八方へ拡散していくことになった。本盤の前作に当たる『バーク』の制作時点では、マーティ・バリンとスペンサー・ドライデンがバンドを去っていた。ヨーマ・カウコネンとジャック・キャサディはホット・ツナにつながるユニットの活動に傾き、ポール・カントナーはグレース・スリックのソロを含むプロジェクトを進めていく。そんな状況も踏まえると、確かに、『バーク』や『ロング・ジョン・シルヴァー』は、全体のまとまりというよりは、複数の個性を組み合わせた、わかりやすい喩えでいうと、初期ビートルズよりは後期ビートルズみたいな状態になっていたことは否定しがたいと思う。 とはいえ、この時期の成果が駄盤を生んだと言うつもりはない。それどころか、個人的には結構好きだったりする。本盤について言えば、何よりも、ジェファーソン・エアプレイン史上、これほど激しくグレース・スリックが歌うアルバムはない。曲調も全体的にハードで、本作の数年前に衝撃的な死を遂げたジャニス・ジョプリンがグレース・スリックに乗り移ったのかと思ってしまうほどの場面も随所にある。 個人的におすすめのナンバーは、2.「エアリー(鷲の群)」、4.「ミルク・トレイン」(ジョン・ヘンリー・クリーチのバイオリンにも注目)、9.「イート・スターチ・マム」といった曲に代表されるような、激しい演奏でグレース・スリックがヴォーカルをとるナンバー。ギターを前面に出したハードな演奏と鬼気迫る彼女のヴォーカルの絡みが、筆者としては本盤の本領発揮の場面だと思う。そして、よく聴くとその演奏の中には、『シュールリアリスティック・ピロー』で“サイケの申し子”とされた頃からの音やフレージングがちゃんと息づいている。 翌年にライヴ盤があったものの、本作は当初のジェファーソン・エアプレインの実質的には最終作となってしまった(80年代末の復活盤はこちらを参照)。実際のバンド内の状況はともかく、音楽面だけ見れば、この緊張感ある状態のアルバムをあと1枚2枚と残してほしかった。本作は、そう思いたくなるほど聴き応えのある1枚だと思う。[収録曲]1. Long John Silver2. Aerie (Gang of Eagles)3. Twilight Double Leader4. Milk Train5. The Son of Jesus6. Easter?7. Trial by Fire8. Alexander the Medium9. Eat Starch Mom1972年リリース。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ロング・ジョン・シルヴァー [ ジェファーソン・エアプレイン ] 【輸入盤】JEFFERSON AIRPLANE ジェファーソン・エアプレイン/ORIGINAL ALBUM CLASSICS(CD)下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2016.06.27
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マイペースで展開される独自世界 ドラッグが原因でフリートウッド・マックを抜け、1970年代の大半を棒に振ったピーター・グリーン(Peter Green)は、1979年の『虚空のギター』以降、年1枚のペースでアルバムを発表するようになった。フリートウッド・マックでの活動期が彼の初期活動期だとすると、この一連の時期を第二期、そして1990年代~2000年代にかけてのスプリンター・グループでの活動を第三期と分類することができる。 さて、そのうちの第二期に当たる、復帰第2作(フリートウッド・マックから脱落した直後に1枚作っているため、ソロとしては通算第3作)となった本盤『夢幻のギター(Little Dreamer)』は、前作の重い雰囲気を引きずりつつも、その延長線上としての独自世界を展開したものとなった。前作と大きく違うのは、楽曲のほとんどを実兄のマイク・グリーンが担当している点で、この傾向は本作以降しばし続くことになる。もう一つ、前作に比べるとギターが前面に出ている(ただしブルース・ロック全開のギターというのとは方向性は異なるのであしからず)。 全体としての重苦しさを湛えつつ淡々とした雰囲気(よく言えば、「アルバトロス」のような路線の延長線?)は、前作からの延長線上に位置づけられるものである。個人的にはこの独自の雰囲気は結構好きなのだけれど、往年のフリートウッド・マックをイメージする人からは期待外れに見える部分はあるのも事実である。 個人的に気に入っている曲をいくつか挙げておきたい。1.「ルーザー・トゥ・タイムズ」は、このまったりとした雰囲気がくせになる。3.「悪い星の下に」は、アルバート・キングで知られる有名ブルース曲だが、雰囲気がいかにもこの当時のピーター・グリーン風で、これはこれで一聴の価値ありだと思う。6.「ウォーキン・ザ・ロード」は本盤中、最もブルースらしさを残した演奏で、“レイド・バックしたブルース”とでも言えそうなナンバー。さらに、表題曲の9.「夢幻のギター(リトル・ドリーマー)」は、本盤中でも最もムード音楽的な雰囲気だが、個人的な好みではこういうのもありという風に思う。[収録曲]1. Loser Two Times2. Momma Don'tcha Cry3. Born Under a Bad Sign4. I Could Not Ask for More5. Baby When the Sun Goes Down6. Walkin' the Road7. One Woman Love8. Cryin' Won't Bring You Back9. Little Dreamer1980年リリース。 【中古】 Little Dreamer / Peter Green / Peter Green / Castle Music UK [CD]【メール便送料無料】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019.05.11
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やっぱりフォリナーはこの声でないと 「ガール・ライク・ユー(Waiting For A Girl Like You)」や「アイ・ウォナ・ノウ(I Want To Know What Love Is)」といったヒット曲で知られるフォリナー。70年代後半に登場し、“アメリカン・プログレ・ハード”の代表格とされるも、ポップ寄りの“売れ筋路線”に走り、80年代前半~半ばには巨大なセールスを上げることとなった。 そんな絶頂期を迎えたフォリナーだが、売れ筋バラード路線に嫌気をさしていたのがヴォーカリストのルー・グラムだった。彼は次第にソロ活動を志向するようになり、1987年に『レディ・オア・ノット』、89年には『ロング・ハード・ルック』と2枚のソロ・アルバムをリリースし、ついに90年にはフォリナーを脱退してしまう。最大の原因は、バラード路線を推し進めてきたメンバーのミック・ジョーンズ(ギター)との確執だった。 バンドを代表する“声”を失ったフォリナーは、新たなヴォーカリストを迎えてアルバムを発表するがセールス的に不発に終わる。折しも90年代に突入し、音楽シーンの状況は大きく変わっていこうとしていた。グランジをはじめオルタナの波が押し寄せる中、産業ロック~MTV全盛時代を突き進んできたフォリナーにとって、売れ筋バラード路線を続けるにはもはや限界があることも見えていた。そんな中、一度は脱退した“ヴォイス・オブ・フォリナー”ことルー・グラムを再びメンバーに迎え入れ、1994年に発表したのが本作『Mr. ムーンライト(Mr. Moonlight)』である。 上述のような経緯を経たせいか、『Mr. ムーンライト』では、かつて全盛を極めたバラード路線はかなり抑え気味で、全体的には、音の厚みを増したロック・サウンドに回帰している。バンドの演奏も、『4』(1981年発表の第4作アルバム)の頃に戻ったかのように生き生きとした、ある意味、フレッシュさが戻っている。3.「アンティル・ジ・エンド・オブ・タイム」や9.「アイ・キープ・ホーピング」のようなミドル・テンポの曲も含まれているものの、アルバムの中核はむしろヴォーカリスト、ルー・グラムの志向していた、ロック然としたナンバーにあると感じられる。1.「ホワイト・ライ」、4.「オール・アイ・ニード・トゥ・ノウ」(アルバム・タイトルの“ムーンライト=月光”というのはこの曲の詞から来ていると思われる)、8.「ホール・イン・マイ・ソウル」、10.「アンダー・ザ・ガン」といったところがその典型である。 こうしたギターに重きを置いたロックサウンド回帰の傾向を端的に示すのが、7.「ビッグ・ドッグ」というインスト曲である。ところが、本盤の後、フォリナーのアルバム制作は滞り、2003年にルー・グラムは再びバンドから脱退してしまう。ルー・グラムの再脱退後、フォリナーはメンバーチェンジを繰り返し、現在では唯一のオリジナル・メンバーとなったミック・ジョーンズ中心のバンドとして存続している。結果論かもしれないけれど、現在から見れば、上述の「ビッグ・ドッグ」は、バンドの大きな岐路となり得た曲だったように思えてならない。この路線が続けば、ルーの再脱退もなかったかもしれない。それどころか、1990年代後半~2000年代にかけてフォリナーというバンドの最盛期がもう一度訪れたかもしれないという気がする。しかし、現実はこれとは違っていた。本作『Mr. ムーンライト』からは、3.のような曲がシングルカットされ、米国でアダルト・コンテンポラリーのチャートに入るような売り込み方がなされてしまった。レコード会社の方針か、はたまたファンに根付いたイメージというものが強くてそれを払拭できなかったのかはさておき、7.のような路線を深めていくことはできなかった。それどころか、本盤が20世紀最後の(かつルー・グラム所属最後の)アルバムとなってしまったのは残念である。 蛇足ながら、日本盤には追加曲12.「クラッシュ・アンド・バーン」が収録されている。キャッチーな曲ではあるが、ギターのサウンドとルー・グラムの歌声がうまく融合されたいかにもフォリナー的ナンバーであるので、興味のある方は日本盤を探してみてもらいたい。[収録曲]1. White Lie2. Rain3. Until The End Of Time4. All I Need To Know5. Running The Risk6. Real World7. Big Dog8. Hole In My Soul9. I Keep Hoping10. Under The Gun11. Hand On My Heart12. Crash And Burn *日本盤ボーナス・トラック1994年リリース。 【中古】 Mr.ムーンライト /フォリナー 【中古】afb
2010.02.24
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自由奔放な大西順子のピアノ・プレイ 知り合いに大西順子によく似た女性がいる。年齢は近いが、別に顔が似ているわけではない。しかし、私には彼女と大西順子が重なって見える。特段美人と言うわけでもなく、何か特別に色気があるというわけでもない。けれど、その人の笑顔がなぜか大西順子と重なり合う。彼女を見ていて、きっと大西順子もこんな性格の人ではなかろうかと思う次第だ。 大西順子は1967年京都出身、東京育ちのジャズ・ピアニスト。1986年から3年間バークリー音楽院に学び(首席で卒業らしい)、その後数年間はニューヨークで活動を始める。1992年には日本に戻り、デビュー作『WOW』(録音は同年だが、発売は1993年)を発表。ジャズ・アルバムとしては異例の売り上げを記録し、大きな評価を得る。本盤『ビレッジ・ヴァンガードの大西順子(Junko Onishi Live at the Village Vanguard)』は、翌1994年、日本人として初めて自前のグループでニューヨークの名門ジャズ・クラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」にて1週間公演を行なった際の録音であり、『ニューヨーク・タイムズ』紙でも絶賛されたとのことである。 さて、上の知人女性の話に戻ると、彼女は男性の多い職場で孤軍奮闘しながら、精神的にも疲れるのではなかろうかと察するのだが、それにもかかわらず、どこかあっけらかんとした明るさと自由な雰囲気を振りまいている。普通なら肩に力が入ってしまいそうなところにもかかわらずである。彼女が大西順子と重なり合うというのはきっとこの部分なのだと思う。 本盤の大西順子の演奏は、スリリングでありながら、小難しくない。ひとことで言うと、自由奔放なのである。緊張感はあるが、その緊張感を楽しんでいるようにさえ思われる。特定のジャズのスタイルの語法や演奏スタイルがどうとか、難しい話を超越したところで、「私はこれがやりたいのよ!」とばかり奔放に演奏を繰り広げる。長尺の曲も多く、その間の緊張感は張り詰めている。けれどもその1曲1曲が終わった時の爽快感は、背後にある自由奔放さゆえの気持ちよさであり、演奏者本人と聴き手が分かち合えるものだと感じる。全6曲の中で、とりわけ筆者が好むのは、1.「ソー・ロング・エリック」の緊迫感、6.「コンジニアリティ」の弾ける自由さである。[収録曲]1. So Long Eric2. Blue Skies3. Concorde4. How Long Has This Been Goin' On5. Darn That Dream6. CongenialityJunko Onishi (p), Reginald Veal (b), Herlin Reiley (ds)録音: 1994年5月6・7・8日 【中古】 ビレッジ・バンガードの大西順子 /大西順子トリオ 【中古】afb
2009.09.24
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MTVアンプラグドとツェッペリン再結成? 日本では“ジミー・ペイジ&ロバート・プラント”のアルバムと表記されているけれども、“ジミー・ペイジ&ロバート・プラント・アンレデッド”というのが本盤の正しい名義のようだ。もちろん、ジミー・ペイジ(Jimmy Page)とロバート・プラント(Robert Plant)というのは、あのレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の元メンバーである。 そもそも本盤に掲げられていて、MTVの特別番組のタイトルにもなっていた“アンレデッド(Unledded)”とは何なのか。レッド・ツェッペリンの“レッド(Led)”は“鉛(Lead)”の綴りを変えたもの(読み間違えられないように変えたと言われる)。そして、この盤の“アンレデッド”も同じように“Unleadded”が通常の綴りで、綴り字を変えてはあるものの、“鉛を取り除いた”を意味する。つまりは、“非ツェッペリン化した”ペイジ&プラントという意味合いでわざわざこう記されているということなのだろう。 そのようなわけで、結局のところ、彼らはツェッペリンに戻る気はなかったということになる。要するに、本盤の演奏も“ツェッペリンの復活”ではなく、あくまで“ツェッペリンの新解釈(カバー)”という形で過去の楽曲に向かい合っていたと思われる。とまあ、本人たちの意図はそうであったにせよ、あまりに大きな過去の遺産に引きずられるのはやむを得ないといったところか。本人たちが演奏している以上、聴き手の側はツェッペリンを思い出さないわけにはいかない。演奏自体は優れているが、今になって冷静に見れば、作り手にとっても聴き手にとっても、何とも微妙なスタンスのアルバムになってしまったという感じだろう。 とはいえ、この二人の合流は、次の段階のアルバム制作(1998年の『ウォーキング・イントゥ・クラークスデイル』)へとつながった。その点では悩ましい位置づけの本盤も、一歩引いて前後の経緯を見据えれば、必要なステップだったと評価できるのかもしれない。[収録曲]1. Nobody's Fault but Mine2. Thank You3. No Quarter4. Friends5. Yallah6. City Don't Cry7. Since I've Been Loving You8. The Battle of Evermore9. Wonderful One10. Wah Wah11. That's the Way12. Gallows Pole13. Four Sticks14. Kashmir1994年リリース。 ノー・クォーター/ジミー・ペイジ&ロバート・プラント[SHM-CD]【返品種別A】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーを“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2017.12.01
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洗練と技巧の現代ピアノトリオ盤 ダン・ニマー(Dan Nimmer)は、ウィスコンシン州ミルウォーキーで1982年に生まれたジャズ・ピアノ奏者である。メロディをきちんと伝えられ、リズム感のある聴き手を引き込むようなタッチを見せる、技術的に高いレベルの演奏者だ。ウィントン・マルサリスのグループのメンバーとして活躍するほか、ヴィーナス・レーベルから自身のトリオ作を複数枚発表している。 本盤『モダーン・デイ・ブルース(Modern-Day Blues)』はそうしたヴィーナスでのトリオ盤の一つで、2009年末に録音されたもの。ベースはデヴィッド・ウォン、ドラムスはピート・ヴァン・ノストランドで、ニューヨークでの録音盤である。選曲は、スタンダード曲を中心に、自作曲も含んでいる。 いくつかの曲に触れながらアルバムの内容を見ておきたい。1.「ブルー・ボッサ」は、実に滑らかで優雅な演奏で、ダン・ニマーらしさがよく出た演奏に仕上がっている。おそらく多くのリスナーの注目が集まるのは、3.「クレオパトラの夢」。バド・パウエルの有名曲だが、正確なタッチとどこか明るい快活さに惹き込まれる。ジョン・コルトレーンの5.「ブラック・パールス」も本番の注目曲の一つで、勢いのいいベースも心地よい。 アルバム後半に移り、7.「ワバッシュ」は、キャノンボール・アダレイの楽曲だが、うまい具合に料理され、軽快に流れる現代風ピアノ・ジャズ演奏に仕上がっている。ハンク・モブレーの楽曲である9.「アー・ハー」は明るいながらもグルーヴ感がしっかりと伝わってきて、ダン・ニマーの演奏力の高さに改めて感心させられる。ラストを飾る表題曲の11.「モダーン・デイ・ブルース」は、本盤で唯一のオリジナル曲。シンプルなブルースながらノリのよさと勢いの強さに聴き手はぐいぐいと引き寄せられてしまう。結局のところ、自作曲であっても、スタンダード曲であっても、自分流の演奏を生かして聴き手を演奏の世界に引き込んでいく。そこがこのピアニストの魅力ということになるのだろうか。[収録曲]1. Blue Bossa2. Love Is a Many-Splendored Thing3. Cleopatra's Dream 4. Out of the Past5. Black Pearls6. Le Coiffeur7. Wabash8. How Could You Do a Thing Like That to Me9. Uh Huh10. I'm an Old Cowhand11. Modern-Day Blues[パーソネル、録音]Dan Nimmer (p), David Wong (b), Pete Van Nostrand (ds)2009年12月20~21日録音。 モダーン・デイ・ブルース [ ダン・ニマー・トリオ ] ブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2026.09.30
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デスモンドとマリガン(その2) ポール・デスモンド(Paul Desmond)とジェリー・マリガン(Gerry Mulligan)の『ブルース・イン・タイム』は1957年の吹込みだったが、そのアイデア自体は1954年には生まれていたという。そしてその1957年の録音からおよそ5年後に、二人の共演が再び実現した。その結果がこの『デスモンド・ミーツ・マリガン(Two of a Mind)』という盤である。 先の盤と同様にピアノレスでの演奏であるが、前回との違いは、それぞれの自作曲よりもスタンダードが優先されていて(本来収録の6曲のうち、デスモンドとマリガンそれぞれの曲は、3.と4.のみ)、聴きやすさ、とっつきやすさという点では、本盤の方が上だと言える点だろう。また、演奏面についても、聴き手を楽しませようという意図が前作よりも強いように思う。マリガンのアレンジというのもあるのだろうけれど、安心して聴ける理由としては、5年の歳月を経ての再会というせいか、二人の演奏にいっそう余裕が感じられる。ユニゾンもハーモニーも、他の絡み方の部分も、いっそう息が合っているように思われる。 聴きどころと言えそうなのは、1.「君はわがすべて(オール・ザ・シングズ・ユー・アー)」、表題曲でデスモンド作の3.「トゥー・オブ・ア・マインド」、そして、6.「アウト・オブ・ノーホエア」。ちなみに、この盤は、現行CDでの追加曲も興味深い。本編の別テイクがいくつか入っているほか、7.「イージー・リヴィング」が入っているのが有難いし、何よりジム・ホールが参加した表題未定曲(10.,11.)が興味深い。 以上、2回にわたってジェリー・マリガンとポール・デスモンドの共演盤を見たけれど、特に後者についてはデイヴ・ブルーベックと組んでいる印象が一般に強いかもしれない。けれども、マリガンとのこれらのコラボレーションを聴くと、特にデスモンドについては、そのイメージが変わるに違いない。蛇足ながら、そんな観点からも推奨盤と言えそうな気がする。[収録曲]1. All the Things You Are2. Stardust3. Two of a Mind4. Blight of the Fumble Bee5. The Way You Look Tonight6. Out of Nowhere~以下、CD追加曲~7. Easy Living8. All the Things You Are [alternate take]9. The Way You Look Tonight [alternate take]10. Untitled Blues Waltz 111. Untitled Blues Waltz 2[パーソネル、録音]Paul Desmond (as) Gerry Mulligan (bs)Jim Hall (g, 10., 11.) John Beal (b, 4., 5., 7., 10., 11.)Joe Benjamin (b, 3., 6., 9.)Wendell Marshall (b., 1, 2, 8)Connie Kay (ds, 1., 2., 4., 5., 8.)Mel Lewis (ds, 3., 6., 9.)Ed Shaughnessy (ds, 10., 11.)1962年6月8日(10., 11.)、6月26日(4., 5., 7.)、7月3日(1., 2., 8.)、8月13日(3., 6., 9.)録音。 CD/ポール・デスモンド/デズモンド・ミーツ・マリガン +5 (解説付) (期間生産限定スペシャルプライス盤) 【輸入盤】Two Of A Mind [ Paul Desmond / Gerry Mulligan ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2018.01.22
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90年代、空白期の高精度ライヴ盤 スティーリー・ダン(Steely Dan)は1972年にデビュー盤を出してから1980年の『ガウチョ』まで、メンバーの問題などはあったものの活動を継続していた。しかし、それ以降、活動は休止し、一方のドナルド・フェイゲンはソロ作を出し、他方のウォルター・ベッカーは麻薬を断とうとハワイ移住した後、プロデュースなどで活動する。 1990年代に入り、フェイゲンのソロ第2作をベッカーがプロデュースし、さらに何年か後にはベッカーのアルバムをフェイゲンがプロデュースするという交流が生じている。ちょうどそんな時期の間で、彼らは“スティーリー・ダン・フィーチャリング・ウォルター・ベッカー&ドナルド・フェイゲン”という名義でツアーを行った。つまるところ、スティーリー・ダンとしての活動は休止状態のままであったものの、両者の交流はあり、その中で生まれてきたライヴ・ツアーの模様が、1990年代の“スティーリー・ダン空白期”にひょっこり出たアルバムである本盤『アライヴ・イン・アメリカ(Alive in America)』となった。 よく言われるように、スティーリー・ダンは“バンド”というよりも、上記2人の“プロジェクト”のようである。つまりは、バンドの一体感よりは音楽の統一性および完成度が優先される。それがいいとか悪いとかではなく、スティーリー・ダンはさおういうものなのだろう。だとすると、ライヴ盤というのを訝しがる聴き手が多くいて不思議はない。 がしかし、である。スタジオ録音での完成度の高さをイメージする聴き手が諸手を挙げて納得というレベルの演奏が居並ぶ。がっかりしたくないから聴くのを躊躇するというのはまったく当たらないように思う。なおかつ、洋楽の世界全般を見ても、これほど精度の高いライヴ盤はなかなかお目にかかれないだろう。 元の楽曲のイメージにも左右されているとは思うが、筆者の好みをほんおいくつかだけでも挙げると、まずは『ガウチョ』に収められていた1.「バビロン・シスターズ」。この1曲目で大納得である。セカンド作所収の3.「菩薩」のスリリングさもいい。8.「サード・ワールド・マン」はライヴでの完成度とは何ぞやという一つの答えのようにすら思える。そして、何と言っても、アルバムを締めくくる11.「彩(エイジャ)」(元は同名アルバムの収録曲)。ライヴでの質の高さと完成度の問題へのもう一つの解答と言える。 スティーリー・ダンのキャリアの中では決して“決定版”でも何でもないのかもしれない。もしかすると、タイミングがうまく合って実現しただけの、通過地点のライヴ盤であったりするのかもしれない。けれども、一聴き手としての個人的見解を述べると、スティーリー・ダンを聴いたことがある人も、そもそもその経験がない人も、洋楽を聴くすべての人に、ハイレベルなライヴ盤として一度は聴いてもらいたい作品と言えるように思う。[収録曲]1. Babylon Sisters 2. Green Earrings3. Bodhisattva 4. Reelin' In The Years 5. Josie 6. Book Of Liars7. Peg 8. Third World Man9. Kid Charlemagne10. Sign In Stranger11. Aja 1995年リリース。 【メール便送料無料】Steely Dan / Alive in America (輸入盤CD) (スティーリー・ダン) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひ“ぽちっと”お願いします。 ↓ ↓ ↓
2017.03.26
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こなれてきたとはいえ、今から見ればまだまだ若さいっぱいの好盤 ラウラ・パウジーニ(Laura Pausini)は、1974年、北イタリア出身の女性シンガー。1993年にイタリア語で歌った作品でメジャー・デビューしたが、翌年にスペイン語でアルバム(参考過去記事)を発表すると、一気に国際的アーティストとして受け入れられるようになった。 その後、イタリア語版とスペイン語版双方がリリースされた『ローラの休日(Le cose che vivi/Las cosas que vives)』を挟み、1998年に同じくイタリア語版とスぺイン語版の両方でリリースされたのが、本盤『私のこたえ(La mia risposta/Mi respuesta)』だった。ここではスペイン語版の方を取り上げたい。 リリース当時にこのアルバムを聴いたとき、個人的な感想としては、“ラウラも貫禄がついてこなれてきたのかな”と思った。でも、四半世紀ばかりたった今になってこのアルバムを聴くと、やはり若々しい。年齢にすれば、当時24歳。とはいえ、外国語であるスペイン語でのアルバムは既に3作目。そんなわけで、いくぶん余裕の出始めた、しかしまだ若々しさも残る歌唱というのが、この盤の印象と言える。 筆者の好みの曲をいくつかおすすめとして挙げておきたい。表題曲の1.「ミ・レスプエスタ(私のこたえ)」は、“私のこたえは、あなた一筋”といった内容の女性の心を歌ったナンバー。3.「アナ・ディメ・シー(愛しいアナへ)」は、本番収録曲中で個人的にはいちばんのおすすめで、スロウテンポでじっくり聞かせるタイプの曲。ついでバラード的な歌唱として気に入っているのは、8.「エン・アウセンシア・デ・ティ(寂しい日々)」と11.「素直な気持ち」の2曲。ついでながら、ボーナストラックの13.「ルッキング・フォー・アン・エンジェル」は、表題のとおり英語での歌唱となっている。[収録曲]1. Mi respuesta2. Quédate esta noche3. Emergencia de amor4. Ana dime sí5. Una historia seria6. Como una danza7. Me siento tan bien8. En ausencia de ti9. Sucede a veces10. ¿Tú con qué sueñas?11. Una gran verdad12. Felicidad13. Looking for an Angel1998年リリース。 ↓イタリア語版↓ 輸入盤 LAURA PAUSINI / LA MIA RISPOSTA [CD] 【中古】 La Mia Risposta ラウラ・パウジーニ / LAURA PAUSINI / EASTW [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023.07.09
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2026.08.04
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ルンバ・フラメンカによるビートルズ曲をいくつか 前回の記事でロス・ローリン(Los Rolin)の『ルンバ・ビートルズ!(Por rumbas)』なるアルバムを取り上げました。その特色がある程度は言葉で伝わったことを願いますが、やはり実際にお聴きいただくのがいいだろうということで、彼らの演奏シーンを少しご覧いただこうと思います。 まずは、彼らのビートルズ・カバーを代表する曲として、アルバムのオープニング・ナンバーとなっていた「ヘルプ!(Help)」です。 ヴォーカルのパコ・アギレラ(Paco Aguilera)のキャラの濃さが際立っていますが、他のメンバーもなかなか面白いです。ギターや打楽器に集中するメンバーだけでなく、コーラスに加えて”踊り担当”のメンバーもいます。映像自体はTVショーか何かのものだと思われますが、もし仮にスペインに観光旅行でもし、期せずして現地でこんなショーに巡り合えたなら、などと想像すらしてしまいます。そんなことが起きたならば、生涯忘れ得ぬ旅になること間違いなしといった感じの衝撃度です(笑)。 さらに別のステージも見てみましょう。まずは、次の映像をご覧ください。 「イエロー・サブマリン」(スペイン語なので「スブマリーノ・アマリージョ」)から始まりますが、アルバムにも収められているメドレーになっています。「シー・ラヴズ・ユー」~「ミッシェル」~「愛こそはすべて(オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ)」~「オール・トゥゲザー・ナウ」~「イエスタデイ」と進んでいきます(この映像のものは、英語ではなく、スペイン語ヴァージョンで歌っています)。 見つけられた映像はそう多くなかったので、動く姿はここまでなのですが、折角ですのであと2曲ほど音声だけでもお聴きください。なかなか渋めの選曲の「アイ・シュッド・ハブ・ノウン・ベター(恋する二人)(I Should Have Known Better)」、そして正統派な選曲の「オール・マイ・ラヴィング(All My Loving)」です。 [収録アルバム]Los Rolin / Por rumbas(ルンバ・ビートルズ!)(1991年) 【中古】 ルンバ・ビートルズ! CD ロス・ローリン / ロス・ローリン / エピックレコードジャパン [CD]【ネコポス発送】 【中古】 ルンバ・ビートルズ! CD ロス・ローリン / ロス・ローリン / エピックレコードジャパン [CD]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2026.08.09
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エルトン名曲選(その14) エルトン・ジョン(Elton John)の名曲選、続いてもう1曲、初期のアルバムからの楽曲を取り上げたいと思います。セカンド盤『僕の歌は君の歌』(原題はセルフタイトルの『エルトン・ジョン』)に収録され、同盤の末尾を飾るナンバーとなっています。まずはその曲、「王は死ぬものだ(The King Must Die)」のオリジナル・ヴァージョンをお聴きください。 この曲についてはずっと前(本ブログで動画が貼り付けられない仕様だった頃)に一度取り上げている(参考過去記事)のですが、今回は、せっかくの機会ですので、いくつかライヴでの演奏の模様をご覧いただこうと思います。 その過去記事の中でも言及した、1980年代のオーストラリアでのライヴ・テイクをご覧ください。メルボルン交響楽団との共演によるもので、この当時のエルトンの喉の具合はよくなかったのですが、それでもこの曲の魅力が存分に伝わる演奏だと思います。 続いてもう一つ。今回は、逆に時代をさかのぼって1971年のライヴ映像です。元のアルバムでの発表が1970年ですので、当時としては前年発表の作品からの楽曲をライヴで披露しているといった場面です。 [収録アルバム]Elton John / Elton John(僕の歌は君の歌)(1970年)Elton John / Live in Australia (エルトン・スーパー・ライヴ) (1987年) 【国内盤CD】【新品】エルトン・ジョン / 僕の歌は君の歌[+3] 僕の歌は君の歌 [ エルトン・ジョン ] 輸入盤 ELTON JOHN / LIVE IN AUSTRALIA [CD] 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2026.09.01
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全盛期を代表するスティットらしい一枚 ソニー・スティット(Sonny Stitt, 1924年生、1984年没)は、ビバップ~ハードバップで活躍したジャズ・サックス奏者。チャーリー・パーカーに似た演奏をすることから“バードのコピー”みたいな言われ方をされてしまうことが多いが、実際のところは、パーカーを模倣したわけではなく、偶然同じような演奏スタイルにたどり着いただけで、スティット自身が述べているところでは、パーカーとの間でも互いにそれを認め合っていたとのこと。とはいえ、パーカー存命中はアルト・サックスの演奏を意図的に避け、しばしばテナー・サックスに持ち替えた。 本作『ナウ!(Now!)』は、1963年、インパルスへ録音のワンホーン(カルテット編成)盤。スティット自身、40歳手前という年齢の頃で、ここでもアルトとテナーを持ち替えながらの演奏が繰り広げられている。まさに脂の乗り切ったころのワンホーンがしっかり堪能できる盤といった作品である。 冒頭の1.「サーフィン」からして、その軽妙さに思わず乗せられてしまう。3.「エストラリータ」の軽やかさも、6.「ネヴァー・シ!」や7.「マイ・マザーズ・アイズ」のベタベタな感じのサックスの加減も、全編を通じてスティットのサックスはストレートで正直だ。ついでにもう一つ個人的お気に入りも挙げておくと、8.「アイム・ゲティング・センチメンタル・オーヴァー・ユー」の軽妙さなんかは非常に気持ちいい。 でもって、この作品の演奏を聴いていると思い浮かんでくる感想なのだけれど、“スティットを聴く”ということを馬鹿にするジャズ・ファンがいるのも分からないではないという気がしてくる。小難しくジャズを聴きたい人には、スティットの演奏はしばしばストレートで正直すぎる(悪く言えば、“わかりやすすぎる”)部分もあるのだろう、という意味でにおいて、そう思ったりする。けれども、ビバップ的な演奏の醍醐味は、わかりやすく楽しく聴かせる部分にあるとういのも一理あるんじゃないだろうか。 新しいことや革新的なこと(それは時に小難しい聴き方を聴き手に要求することにもなる)を追い求めつつ、演奏を楽しむのもいいだろう。けれども、その一方で、こういう素直な演奏を素直に楽しむという発想もあってもいいように個人的には思う。シンプルに楽しく軽妙なスティットのワンホーンに乾杯![収録曲]1 Surfin'2 Lester Leaps In3 Estralita4 Please Don't Talk About Me When I'm Gone5 Touchy6 Never -Sh!7 My Mother's Eyes8 I'm Getting Sentimental Over You[パーソネル、録音]Sonny Stitt (ts, as)Hank Jones (p)Al Lucas (b)Osie Johnson (ds)1963年6月10日録音。 Sonny Stitt ソニースティット / Now & Salt & Pepper 輸入盤 【CD】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2013.05.03
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10万アクセス記念~今聴きたい曲(番外編) 予定の10曲は過ぎましたが、12月、クリスマスということで、番外編です。先日、久々に街へ出たらこれが流れていました。バンド・エイド 「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(Do They Know It's Christmas?)」 1984年に発表され、1997年にエルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウィンド1997」が爆発的なセールスを記録するまで、UK史上いちばん売れたシングルだった曲です(現在は史上2位)。記事にも書きましたが、今から見ると、参加メンバーがみんな若いです。 後にバンド・エイドII(1989年)やらバンド・エイド20(2004年)もありましたが、結局、聴くならオリジナル・メンバーの84年のがいいですね。 下記3つのランキングサイトに参加しています。 ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2010.12.14
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ジャズという音楽の醍醐味の一つとは、組み合わせの妙 ロイ・へインズ(Roy Haynes)は1925年生まれで、80歳代にしてなお現役のジャズ・ドラマーである。レスター・ヤングやチャーリー・パーカーといった大御所に始まり、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンク、エリック・ドルフィなど数々の歴史的ジャズ奏者と共演し、70年近いキャリアを誇る。現在では数少ない存命中の生き字引的ミュージシャンでもある。 そんなヘインズが1963年にリーダーとして吹き込んだのが本作『クラックリン(Cracklin’)』である。実はこの人のリーダー作は、あまり聴いたことはない(でも参加盤は数多いので、彼の演奏そのものはあちこちで耳にしている)。実際、サイドマンとしての活躍が長いわけだが、リーダー作も結構残しているので、それらは徐々に聴いていきたいと思いつつ、ひとまずは本作を見ていきたい。この盤に関する限り、非常に濃厚なジャズの楽しみの一つが体現されており、ジャズが好きな人なら誰でも一度は聴いてみる価値がある1枚だと感じている。 ヘインズのドラムは遠慮なく叩かれる。それが演奏全体を盛り上げて(というよりはむしろ時に“煽って”すら)いる。本盤でそれに応じるのがサックスのブッカー・アーヴィン(Booker Ervin)である。このテナー奏者は筆者のお気に入りでもあるので、本ブログでも繰り返し取り上げている(例えば過去記事(1)・(2))が、平たく言ってしまうと、彼の特徴は“吹きまくりのくどいサックス”である。上品かつ優雅な味わいを添えているのはピアノのロニー・マシューズで、この人はマックス・ローチやアート・ブレイキーとの活動が知られる。 アルバム全体を通して“濃すぎず”なおかつ“薄過ぎない”のは、ヘインズの統率力のバランスにあるのだろう。自身のドラミングも含め、各ミュージシャンの個性をしっかり出させながらも、全体の統制はとれている。特に個性が強いのは、上記のブッカー・アーヴィンだが、好きにやらせるところはやらせ、抑えるべきところは抑制を効かせることに成功している。もちろん、その好き放題や抑制の手綱はヘインズのドラミングなのである。 ジャズとは好き勝手にやればいいという音楽ではない。その好き勝手がどう組み合わされ、どう統一感を持つかが最終的には作品の出来栄えにつながると言ってもいいのかもしれない。この点に関して、本盤では、ミュージシャンの絶妙な組み合わせとリーダーとしての力量のコンビネーションが6曲通して見事なまでに貫かれている。[収録曲]1. Scoochie2. Dorian3. Sketch Of Melba4. Honeydew5. Under Paris Skies6. Bad News Blues[パーソネル・録音]Roy Haynes (ds)Booker Ervin (ts)Ronnie Mathews (p)Larry Ridley (b)1963年4月6日録音。 【送料無料】クラックリン 下記ランキングに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2012.03.03
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中島みゆき、80年代後半のスペシャル・ライヴ盤 中島みゆきの1987年リリースのライヴ盤『歌暦』(うたごよみ)は、前年末の12月18~21日に両国国技館で行なわれたスペシャル・ライヴ「歌暦Page86 ―恋歌―」を収録したもの。映像版(ビデオ、DVD)はなく、CDのみで発売された。 中島みゆきの一般的なイメージと言えば、初期のフォーク・シンガー(弾き語り)的なものと、それから後のバラード・シンガー(歌姫)的イメージが多数派を占めるのではないだろうか。けれども、このライヴ盤では80年代のややロック的な曲調に傾いていた時期の演奏も含まれていて、後々のストーリー的ライヴ・パフォーマンスの芽生えと、普通のライヴっぽさとがうまく混じり合っているというのが全体的な印象である。 これら2つの特徴のうち、最初の方に属する例をいくつか挙げると、まずは冒頭の1.「片想’86」。他に歌をじっくり聴かせる的なものとしてお気に入りなのは、5.「鳥になって」、6.「クリスマスソングを歌うように」、10.「この世に二人だけ」といったところ。他方、80年代の中島みゆきに特徴的だったロック調(「ご乱心」などと言われることもある時代に含まれる)の傾向のナンバーとしては、有名なヒット曲の3.「悪女」、9.「F.O.」、12.「見返り美人」、13.「やまねこ」が個人的にはお気に入り。特に「悪女」は以前のアルバム・シングルいずれとも違ったアレンジでこの時期の中島みゆきの傾向をよく表しているようにも思える。 余談ながら、筆者が生まれてから最初に所有したCDは実は中島みゆきの本アルバムであった。別に他のアーティストを差し置いてとかいうわけは特にないのだけれど、CD再生機器を生まれて初めて買った時(つまりは初めてCDを聴けるようになった時)、おまけで店頭のCDがついてくるという特典があって、その時たまたま選んだのがこのアルバムだった。当時はレコードかカセットテープが音楽を聴く主な再生手段だったわけだけれど、最初のCDと言うだけで何だか嬉しくなり、繰り返し聴いた。だからということでもないのだけれど、なかなかよくできたライヴ盤で、後のストーリー・ショウ的な中島みゆきのライヴのスタイルの原型とも言うべきドキュメントでもある。 ちなみに、この盤はドルビーサラウンドのエンコーディングがなされていて、当時の盤には、CD型のよくわからん円盤状に折り畳まれた紙に、詳細な技術解説があった(この紙ののために1枚ものなのになぜか2枚組用の箱に入っていた)。確かに、筆者も一時期ドルビーサウンドで聴いて楽しんだが、今から思えば、80年代当時はこうした音楽の音源の革新期まっただ中で、こういう付加価値も売りになったというのもなんとも懐かしい話でもある。[収録曲]1. 片想'862. 狼になりたい3. 悪女4. HALF5. 鳥になって6. クリスマスソングを唄うように7. 阿呆鳥8. 最悪9. F.O.10. この世に二人だけ11. 縁12. 見返り美人13. やまねこ14. 波の上1987年リリース。 【送料無料】歌暦/中島みゆき[CD]【返品種別A】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2016.10.09
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300万アクセス記念~いま聴きたいあのナンバー(其の26) 続いては、グラミー賞やラテン・グラミー賞を受賞しているフリエタ・ベネガス(フリエッタ・ベネガス,Julieta Venegas)のナンバーです。 ベネガスは、カリフォルニアはロング・ビーチ出身で、メキシコのティフアナ育ちのアメリカ/メキシコ人女性シンガーです。何回か前の記事にも書いたように、この米墨国境を挟んだ辺りというのは、もうだいぶ前からですが、いろんなアーティストを輩出する”先進地域“になっているように思います。 彼女のサード・アルバムに収められた2004年のナンバー、「レント(Lento)」のビデオクリップをご覧ください。 ご覧になって一目瞭然とは思いますが、ロケ地が東京というビデオです。そのキャッチ―な曲調と相まってなんだか一度聴いたら耳から離れなくなるタイプのナンバーです。余談ながら、メキシコ人名(スペイン語名)のJulietaは“フリエタ”もしくは“フリエータ”の方がしっくりくるように思うのですが、日本語では“フリエッタ”の表記が定着してしまっています。[収録アルバム]Julieta Venegas / Sí(2003年リリース) 【メール便送料無料】JULIETA VENEGAS / SI (輸入盤CD) (フリエッタ・ヴェネガス) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひ“ぽちっと”お願いします。 ↓ ↓ ↓
2018.09.22
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500万アクセス記念~いま聴きたい曲(その24) 引き続きジャズの分野から、今回は帝王マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の演奏です。1980年代のものですが、曲自体はジャズ・スタンダードやジャズ・ミュージシャンによるものではなく、その当時のシンディ・ローパーによるヒット曲です。 まずは、マイルスのアルバム『ユア・アンダー・アレスト』に収録されている「タイム・アフター・タイム(Time After Time)」をお聴きください。 続いては、ライヴ演奏のビデオです。1985年、モントリオールでのライヴ演奏の模様で8分の長尺です。幻想的な雰囲気を醸し出す演奏で、ジョン・スコフィールドのギターもいいです。 1991年にマイルスは亡くなりましたが、時の流れは早いもので、来年で没後30年となります。まだまだ本ブログで取り上げたい彼の作品もたくさんありますので、少しずつ記事にしていけたらと思っていたりします。[収録アルバム]Miles Davis / You’re Under Arrest(1984~85年録音) ユア・アンダー・アレスト [ マイルス・デイビス ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020.08.20
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フィル・コリンズをメインに据えたトリオ期の締め括り盤 メンバーが徐々に脱退していき、フィル・コリンズを軸とする3人体制で1980年代にポップなサウンドを志向して「インヴィジブル・タッチ」などのヒットを飛ばしたジェネシス(Genesis)。やがて1996年にはフィル・コリンズ自身も脱退することになる(ただし2006年に復帰)のだが、この“黄金期”の最後のスタジオ作となったのが、1991年の『ウィ・キャント・ダンス(We Can’t Dance)』というアルバムである。 本盤は、大きなヒットを記録したアルバム『インヴィジブル・タッチ』以来、5年ぶりの新作で、全米4位、全英1位と好評を博した。前作と比べると、ポップさを一定程度は保ちながらも、過度にポップさを強調せず、どちらかと言えば、それよりも前のプログレ・サウンドがうまく盛り込まれている(フィル・コリンズにとってみれば、ひょっとすると、この折衷具合がバンド活動継続のモチヴェーション低下につながったのかもと個人的には勘繰りたくもなってしまうけれど)。 シングルとしてヒットした曲という観点では、1.「ノー・サン・オブ・マイン」(英6位、米12位)と7.「アイ・キャント・ダンス」(英米ともに7位)が目立ったナンバーである。他に筆者の個人的な好みでとくに外せないと思うのは、一応シングルカットされたが上記2曲ほどヒットはしなかった2.「ジーザス・ヒー・ノウズ・ミー」。たたみかけるような演奏に加え、皮肉の聴いた詞の内容も気に入っている。 これら以外に注目したい曲としては、10分ほどの長尺曲が2つ含まれている。ひとつは、3.「ドライヴィング・ザ・ラスト・スパイク」、もうひとつはアルバム末尾の12.「フェイディング・ライツ」である。この12.はプログレ色がいい感じに戻ってきているように思うのだけれど、同じような特徴のナンバーとしては、6.「ドリーミング・ホワイル・ユー・スリープ」も捨てがたい。 結果的には、フィル・コリンズを含むジェネシスのスタジオ作としては、これ以上の新作が出ることはなかった。とはいえ、個人的には、その当時はそれこそよく聴いたし、現在も思い出しては時折引っ張り出してきて聴き続けている盤だったりする。 [収録曲]1. No Son of Mine2. Jesus He Knows Me3. Driving the Last Spike4. I Can't Dance5. Never A Time6. Dreaming While You Sleep7. Tell Me Why8. Living Forever9. Hold on My Heart10. Way of the World11. Since I Lost You12. Fading Lights1991年リリース。 【輸入盤CD】Genesis / We Can't Dance (w/DVD) (ジェネシス) 送料無料【中古】ウイ・キャント・ダンス [Audio CD] ジェネシス 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2021.06.04
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スタジオ・ライヴ感の強いソロ・セカンド作 テイスト(参考過去記事)での活動を経て、1970年代に入ってソロとしての活動を進めたロリー・ギャラガー(Rory Gallagher)。そのソロ・ファースト作は1971年5月にリリースされた『ロリー・ギャラガー』だったが、同年11月に早くもセカンド作を発表している。それが、本盤『デュース(Deuce)』ということになる。 基本となるメンバー(ロリー・ギャラガーに加えて、ベースのジェリー・マカヴォイ、ドラムスのウィルガー・キャンベル)は前作と同様で、全体としては、いい意味で“やりたいようにやれている”というのが、筆者の抱いている印象である。なおかつ、スタジオ・ライヴ感の強い演奏が印象的と言えそうな一枚だと思う。 後発のCDでは、1.と2.の曲順が異なる(下記のデータは再発CDで曲順が入れ替わった盤に基づいたもの)。そこでは2曲目となっている「ユースト・トゥ・ビー」がオープニング・ナンバーに相応しい(とはいえ、1.「目が覚めないボク(アイム・ノット・アウェイク・イェット)」が名曲でないという意味ではまったくない)。これら2曲のほか、特に筆者の好みのナンバーとしては、6.「キミの町で(イン・ユア・タウン)」や10.「波の峰(クレスト・オブ・ア・ウェイヴ)」なんかが挙げられる。同時に、アコースティックな演奏も随所で光っており、中でも9.「心が乱れて(アウト・オブ・マイ・マインド)」がいい。なお、11.「パスエイジョン」はCDでの追加曲だが、元々のアルバムに含まれても遜色のない好曲にして好演奏だと思う。[収録曲]1. I'm Not Awake Yet2. Used to Be3. Don't Know Where I'm Going4. Maybe I Will5. Whole Lot of People6. In Your Town7. Should've Learnt My Lesson8. There's a Light9. Out of My Mind10. Crest of a Wave11. Persuasion*CDボーナストラック1971年リリース。 デュース [ ロリー・ギャラガー ] デュース 50周年記念 2CDエディション [ ロリー・ギャラガー ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023.01.28
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10年ぶりながら変わらぬ健在なジャーニーの世界 ジャーニー(Journey)は、1973年にサンフランシスコで結成されたバンド。当初はプログレッシヴ・ロックを志向したバンドだったが、1970年代後半のスティーヴ・ペリー(ヴォーカル)の加入以降、路線を変更し、1980年代にかけて商業的成功を積み重ねた。 けれども、『Raised On Radio〜時を駆けて』(1986年)のヒットを最後に、すでにソロ活動を始めていたペリーは脱退し、ジャーニーの活動は止まってしまう。そこからさらに10年の歳月が流れ、1996年に届けられたのが10枚目となる本作『トライアル・バイ・ファイアー(Trial by Fire)』だった。メンバーが再結成して成功を収めたものの、この黄金期のラインナップは体調不良の問題でペリーが脱退して、結局、ジャーニーはメンバーを変えて存続していくことになった。 『トライアル・バイ・ファイアー』は全米3位を記録したわけだが、その内容はというと、1980年代のきらびやかな音作り、大衆受けするメロディと作風が見事に復活したと言えるものだった。冒頭の1.「メッセージ・オブ・ラヴ」は、「セパレイト・ウェイズ」を彷彿とさせるギターがカッコよく、まさしくジャーニー復活を印象づける楽曲に仕上がっている。3.「ラヴ・ア・ウーマン(ホエン・ユー・ラヴ・ア・ウーマン)」は、シングルとして全米ビルボードで12位、カナダのチャートでは3位のヒットを記録した楽曲で、ジャーニーらしさ全開のバラードである。 他に注目したい曲もいくつか挙げておきたい。4.「イフ・ヒー・シュッド・ブレイク・ユア・ハート」はサビが印象的なジャーニーらしい1曲。7.「ドント・ビー・ダウン・オン・ミー・ベイビー」や10.「ホエン・アイ・シンク・オブ・ユー」、11.「イージー・トゥ・フォール」や13.「イッツ・ジャスト・ザ・レイン」といった楽曲は、いかにもなバラード調で、ジャーニーのこうした側面が好きな人にとっては、確実に聴きどころとなりそうな部分である。 個人的に気になるナンバーとしては、9.「カラーズ・オブ・ザ・スピリット」とアルバム表題曲の14.「トライアル・バイ・ファイアー」。前者については、異世界へ誘うような曲調と演奏が気に入っている。後者は、絵アルバムのエピローグ(終章)的なナンバーで、幻想的な雰囲気が筆者には響く。なお、15.「ベイビー・アイム・リービング・ユー」はクレジットされていないシークレット・トラックで、レゲエ調のノリが不思議な1曲となっている。[収録曲]1. Message of Love2. One More3. When You Love a Woman4. If He Should Break Your Heart5. Forever in Blue6. Castles Burning7. Don't Be Down on Me Baby8. Still She Cries9. Colors of the Spirit10. When I Think of You11. Easy to Fall12. Can't Tame the Lion13. It's Just the Rain14. Trial by Fire15. Baby I'm a Leavin' You [シークレット・トラック]1996年リリース。 【輸入盤CD】【新品】Journey / Trial By Fire (ジャーニー) 【中古】 トライアル・バイ・ファイアー/ジャーニー ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.07.18
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エルトン名曲選(その2) エルトン・ジョン(Elton John)の名曲選、続いては、1974年のアルバム『カリブ』に収録された「僕の瞳に小さな太陽(Don't Let the Sun Go Down on Me)」というナンバーです。同盤からの先行シングルとして発売され、全米2位、イギリスでも16位とヒットしました。 後のライヴステージの模様もご覧いただこうということで、次の動画です。2000年、MSG(ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン)でのライヴで、『ワン・ナイト・オンリー』という表題でライヴ・アルバム、DVD化されたステージでの演奏です。 最初の発表からこのライヴまでの間、四半世紀ほどの年月が流れていますが、その間で、実はこのナンバーは、米・英いずれものチャートであらためて1位を獲得しています。それは、1993年のことでした。ジョージ・マイケルのライヴにエルトンがゲストとして登場し、共演したウェンブリー・アリーナでのライヴ・テイクがシングルとして発売されました。このヴァージョンがヒットし、さらにはグラミー賞にもノミネートされるなどしました。 [収録アルバム]Elton John / Caribou(1974年)←オリジナル・ヴァージョンを収録Elton John / Elton John One Night Only -The Greatest Hits(2000年)←上記のライヴ・ヴァージョンを収録Elton John / Live in Australia(エルトン・スーパー・ライヴ~栄光のモニュメント~)(1987年)←別のライヴ・ヴァージョンを収録Elton John / Duets(デュエット・ソングス)(1993年)←ジョージ・マイケルとの共演ヴァージョンを収録 【国内盤CD】【新品】エルトン・ジョン / カリブ[+4] 【中古】デュエット・ソングス / エルトン・ジョン 【中古】 エルトン・スーパー・ライヴ〜栄光のモニュメント/エルトン・ジョン 【中古】洋楽DVD エルトン・ジョン・ワン・ナイト・オンリー (ビクターエンターテイメント) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2026.08.05
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2016年締めくくり(その4) いよいよ大晦日を迎え、2016年も終わろうとしています。繰り返しになりますが、本年もたくさんのアクセスをいただきありがとうございました。今年は楽天ブログに記事毎のアクセス数記録がランキング形式で表示されるようになりました。それで驚いたのは、新着記事だけでなく過去記事で話題性のあるものにたくさんアクセスいただいているのを知ったことです。最近だと、ジョージ・マイケルの訃報が報じられるとワム!の記事や彼自身のアルバムの過去記事が上位に、クリスマスが近づくと過去のクリスマス曲の記事へのアクセスが集中するといった具合です。 さて、余談はともかく、1年の締めくくり、最後はラテン系のアルバムからもぜひ1曲と思い、まずはこちらのナンバーです。ペルー出身で、長らくメキシコを拠点として活動しているタニア・リベルターの『ポル・ティ・イ・ポル・ミー(Por ti y por mí)』に収録の「ノチェス・デ・ボダ(結婚式の夜)」です。 同アルバム内でこの曲は2種の異なるバージョンが最初と最後に収められています。元はホアキン・サビーナ(スペイン人のシンガーソングライター)の曲ですが、今回はその2つのバージョンを両方とも続けてどうぞ。 11月の訃報、そしてつい先頃まで名曲選をやっていたので、くどいと言われそうですが、今年の本当の締めくくりはレナード・コーエンです。年頭のデヴィッド・ボウイからつい数日前のジョージ・マイケルまで、様々なアーティストが亡くなったというニュースの続いた1年ではありましたが、中でもレナード・コーエンの死去は個人的には特段にショックな出来事でした。過去記事を振り返っていると、『コーエン・ライヴ』を取り上げていたことを思い出しました。 そこで、既出ではありますが(参考過去記事)、同盤にも収録された「哀しみのダンス(Dance Me To The End Of Love)」のライヴの映像を2種取り上げて、本年の締めくくりにしたいと思います。まずはリリース(元アルバムはこちら)から4年ほど後の1988年のライヴ映像、続いては2008年ダブリンでの映像です。 皆さま、よき新年をお迎えください。[収録アルバム]Tania Libertad / Por ti y por mí(2015年)Leonard Cohen / Cohen Live(1994年)Leonard Cohen / Various Positions(哀しみのダンス)(1984年) コーエン・ライヴ [輸入盤] / レナード・コーエン ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひ“ぽちっと”お願いします。 ↓ ↓ ↓
2016.12.31
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隙を見せない完成された音の世界 イエスの最高傑作としてよく名前が挙げられるのは、1971年の『こわれもの(Fragile)』と1972年の『危機(Close to the Edge)』の二枚で、本盤はその一方である。イエス(Yes)という、何とも肯定的な名称のこのグループは、英国出身のプログレッシヴ・ロック・バンドで、上記2枚制作時のメンバーは、ジョン・アンダーソン(ヴォーカル)、ビル・ブラッフォード(パーカッション)、スティーヴ・ハウ(ギター)、クリス・スクワイア(ベース)、リック・ウェイクマン(キーボード)。ヘルマン・ヘッセ(ドイツの作家)の作品(『シッダールタ』)から着想を得たコンセプト・アルバムで、収録曲はたった3曲という大作主義の構成(LPでは、A面に1曲、B面に2曲)。1曲目と2曲目は、サブタイトル(それぞれI.~IV.)のついた組曲形式で、前者が約19分、後者は約10分の長尺である。 本盤の真骨頂は、緊張感に溢れた完璧な演奏にある。1.「危機」の出だしからして、息を呑む緊迫感が曲を支配する。けれども、その緊迫感はただ息苦しいというような類のものではない。緊迫感がずっと続くにもかかわらず、息が詰まってしまわないのは、パーフェクトに計算しつくされ、完成された音の世界が広がるからなのだと思う。2.「同志」は、若干、ゆったりした感じの曲調であるが、その完璧さはまったく損なわれない。さらに、3.「シベリアン・カートゥル」は、そのような"完成された音の世界"の極致である。緊張感は最後まで持続され、一つの狂いもない完璧な計算の上に成り立っているかのような音(そして間)が9分近く続く。付け加えておけば、この3.は、回数的には、筆者が本盤でもっとも繰り返し聴いた曲である。 以上のように、この『危機』というアルバムは、決してリラックスして聴けるものではない。そうではなくて、聴き手も一緒に緊張しながら、その緊張感をスリリングに味わい、それと同時に演奏の美しさと完璧さを楽しむような一枚だと思う。イエスというバンド自体は再結成などを経て長年続いてきたわけだが(2008年で40周年)、最初に名前を挙げた5人のラインアップは、後々には一度も再集合していない。言い換えれば、この時期のイエスでしか体験できないものである。なお、イエスの代表作のもう1枚とされる『こわれもの』(本盤の前年、1971年のリリース)も秀逸な一枚としておすすめで、そのうちに改めて紹介できればと思う。[収録曲]1. Close To The Edge (I. The Solid Time Of Change / II. Total Mass Of Change / III. I Get Up I Get Down / IV. Seasons Of Man)2. And You And I (I. Cord Of Life / II. Eclipse / III. The Preacher The Teacher / IV. Apocalypse)3. Siberian Khatru~以下、2003年リマスター時のボーナス・トラック~4. America (single version)5. Total Mass Retain (single version)6. And You And I (alternate version)7. Siberia (studio run-through of 'Siberian Khatru')1972年リリース。 【送料無料】Forever YOUNG::危機 EXPANDED & REMASTERED [ イエス ]
2009.10.13
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愛しの名曲たち(2) カーペンターズ(Carpenters)の名曲を取り上げる不定期更新特集、第二弾は「遥かなる影((They Long To Be) Close To You)」(第一弾「涙の乗車券」はこちら)。作曲バート・バカラック、作詞ハル・デヴィットによるナンバーで、1970年5月にシングル発売され、その後、この曲のタイトルを冠したアルバム『遥かなる影(原題:Close To You,発売当初の邦訳タイトル:愛のプレリュード)』にも収録された。シングルは、全米ヒットチャートで4週間続け1位というセールスを記録し、年間通じても5位となった。 カレン・カーペンターの歌声は、1969年のデビュー時から完成されたものであった。かのポール・マッカートニーが“世界最高の女性ヴォーカル”と評したその声が、聴衆に受け入れられていったのは、まさにこの年のことだった。「遥かなる影」のヒットに続き、同じ1970年には上記セカンド・アルバムから「愛のプレリュード」が全米2位のヒット。さらには、年末に向けてリリースされた「メリー・クリスマス・ダーリン」というクリスマス曲もヒットし、有名ポップ・デュオとしての地位を確立した。 実はこの「遥かなる影」は、カーペンターズにとってある種の賭けだったようだ。1963年にリチャード・チェンバレン、1964年にディオンヌ・ワーウィックがこの曲を取り上げていたが、この曲をシングルA面として大々的に出すに際し、リチャード・カーペンターには不安があったという。リチャードは、ハーブ・アルパート経由でバート・バカラックを紹介された。リチャードの考えでは、バカラック・サウンドの甘ったるい部分が聴衆から大人気を得るか、さもなくば全く無視されるかのいずれかになるだろうと想像していたということである。結局、リチャードはピアノの奏法についての一定の条件の下に、自由に編曲できる権利を得てこの曲をレコーディングした。 その結果、「遥かなる影」は大ヒットとなり、カーペンターズにとって大きな飛躍の第一歩となった。この曲(そしてカーペンターズのアレンジ)は、その後も愛し続けられ、最近でも、日本では別の歌手によるヴァージョンがトヨタ・ホーム(noonによるカヴァー)や日本ゼネラルモーターズ(ANRIによるカヴァー)のCMに用いられるなどしている。 ↓今回の動画はこちら。1971年のライヴ映像です。↓ [収録アルバム]Carpenters / Close To You(邦題:『愛のプレリュード』、後に『遥かなる影』と改題) (1970年)その他、Carpenters / Yesterday Once More (ベスト盤、1984年)などベスト盤類に収録。1970年、シングル・リリース。 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012.06.16
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“10年ひと昔”と言いますが… いきなりですが、これをお読みの方にとって“10年”とはどんな時間でしょうか。10代や20代の若者にとって、10年というのは想像しにくく、相応に長い時間だろうと思います。でも、もっと長く生きてきた人にとっては、ある種イメージしやすいまとまった時間単位と言えるかもしれません。要は、10歳の時に20歳の自分、20歳の時に30歳の自分は容易に想像しがたいですが、40歳や50歳にとって10年後の自分ははるかに想像しやすいものでしょう。 最初にこの曲を聴いたときは、筆者も10年なんて単位でまだ物事が考えられなかったのですが、気がつくと10年前が“ついこの間”とすら思えることも増えてきました。先日ふと耳にしてこの曲の存在を思い出し、落ち着いて聴いてみたので、本ブログでも取り上げようと思った次第です。 渡辺美里と言えば、小室哲哉作曲のイメージが強いかもしれませんが、この「10 years」は大江千里の作曲です。メロディも素晴らしいですが、注目したいのは作詞です。渡辺美里は早い段階から作詞を結構手掛けており、この曲の頃はほぼすべての発表曲を作詞していたようです。冒頭に書いた筆者の凡人的感性とは違い、発表当時21歳だった渡辺美里は、この頃から10年単位でものが見えていたということになるでしょうか。そう思うと、物事を広く見通し、そしてそれを詞にすることができる感受性の高い21歳だったということになります。 以下、映像です。まずは往時のライヴの様子から。1989年、東京ドームでのライヴでの歌唱です。 正直、歌のうまさで聴かせるタイプというよりは、勢いで迫るタイプという印象を持っています(17歳でコンテスト受賞時にセックス・ピストルズが好きと言っていたそうですが、何となくわかる気がします)。ともあれ、渡辺美里と言えば西武球場(後に西武ドーム)で20年連続ライヴをやったことでも知られています。 最後は、比較的最近の映像も見ておきたいと思います。2年前(2017年)のものをご覧ください。“10年”を5回重ねた年齢に達した渡辺美里ということになりますが、スターダスト・レビュー(さすがにベテランという貫禄の演奏です)との共演による「10 years」です。 [収録アルバム]渡辺美里 /『ribbon』(1988年リリース) ribbon [ 渡辺美里 ]↓昨年(2018年)、30周年記念エディション(リマスター、ボーナストラック入り)が出ているようです。↓ ribbon -30th Anniversary Edition-/渡辺美里[Blu-specCD]通常盤【返品種別A】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いします! ↓ ↓
2019.07.14
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1940~50年代音楽をテーマにした、ドクター・ジョンの貫禄盤 ドクター・ジョン(Dr. John)の音楽的バックグラウンドはといえば、ミシシッピ、ニューオーリンズの豊かな伝統音楽、中でもR&Bと分類される音楽ということになるのだろうけれど、本盤『アフターグロウ(Afterglow)』でモチーフになっているのは1940年代後半から1950年代初めにかけての音楽。つまりは、ジャズ、ブルース、ポップなどといった音楽ジャンルが今ほどに厳格に分かれておらず、もう少し“音楽”なるものがひと塊に近かったと言える時代の素材である。こうした素材を、R&Bの素養やジャズ的な感覚を生かしつつ現代的アプローチで提示しているのが、この『アフターグロウ』ということになる。 ジャズ側に寄ったドクター・ジョンのアルバムと言えば、『イン・ア・センティメンタル・ムード』(1989年)という盤がある。本盤『アフターグロウ』は、上述のように40年代後半~50年代初頭に焦点を当てたものだが、ジャズ的バックグラウンドが強く出ているという点では、『イン・ア・センティメンタル…』に続く路線に位置づけられる1枚とも言っていいだろう。また、同盤と同じくトミー・リピューマがプロデュース(さらにそれ以前には『シティ・ライツ』などもプロデュース)しているというのも同じ流れに位置することを示唆している。実際、本盤はジャズ・アルバムのチャートで7位を記録した。 全体としては、カルテット演奏がベースになっていて、ストリングスやビッグ・バンドも加えられている。本盤を聴いてもっとも印象的なのは、これぞニューオーリンズ的なピアノ演奏とジャズ・ヴォーカル的なドクター・ジョンの歌の二点である。1.「アイ・ノウ・ホワット・アイヴ・ガット」、2.「ジー・ベイビー・エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー」、5.「ソー・ロング」、6.「ニューヨーク・シティ・ブルース」なんかは、彼のピアノとヴォーカルを堪能するにはもってこいの演奏である。ドクター・ジョンと言えば『グリ・グリ』のようなイメージで聴くと、意表を突かれることだろうけれど、今となっては、これもいかにも彼らしいスタイルである(少なくとも筆者的にはそういうイメージも強く残っている)。 少し聴き込んでみると、いろんなことに気がつくのだけれど、以下の二つは本盤の特筆すべき点として挙げておきたい。まず一つめは、ビッグ・バンド、ストリングス、パーカッションといった、本盤の演奏の基本形にプラスアルファで加えられている音の使い方が抜群に効果的という点。おそらくはプロデューサーのトミー・リピューマの狙い通りなのだろうが、本当に聴けば聴くほど効果的にそれらの音が使われていると思う。もう一つは、さりげなくドクター・ジョンの自作曲が入り込んでいること。具体的には、6.「ニューヨーク・シティ・ブルース」と8.「ゼア・マスト・ビー・ア・ベター・ワールド・サムホエア」は、ドク・ポーマスとの共作で、後者はB・B・キングへの提供曲だったもの。それから、9.「アイ・スティル・シンク・アバウト・ユー」もドクター・ジョンの自作曲であるが、これらいずれもが居並ぶスタンダードの中に混じって何の違和感もない。それどころか、繰り返し聴いた筆者には、6.や9.はもはや本盤には欠かせないナンバーという気さえしてしまうほど、不思議な統一感がアルバムを通してある。 最後に余談ながら、本盤の出来の満足度はジャケット写真のドクター・ジョンの表情にそのまま表されているように見えてならない。目を閉じて優しい笑みを見せているこの写真もまた、従来のイメージとは違うという印象を持つ人が結構いるかもしれない。一般に、音楽家は丸くなると面白くなくなることが多い。でも、ドクター・ジョンのこの盤を聴いていると、それが必ずしも真ではないということがわかるように思う。[収録曲]1. I Know What I've Got2. Gee Baby Ain't I Good To You3. I'm Just A Lucky So-And-So4. Blue Skies5. So Long6. New York City Blues7. Tell Me You'll Wait For Me8. There Must Be A Better World Somewhere9. I Still Think About You10. I'm Confessin' (That I Love You)1995年リリース。 【中古】 アフター・グロウ /ドクター・ジョン 【中古】afb 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2019.09.27
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エルトン名曲選(その6) 不定期でお届けしているエルトン・ジョン(Elton John)の名曲選、今回は1973年発表のアルバム『黄昏のレンガ路(Goodbye Yellow Brick Road)』から、個人的に特にお気に入りの1曲です。 アルバム表題曲の「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード (Goodbye Yellow Brick Road)」です。アルバムはイギリス・アメリカのいずれでもチャート1位となり、この曲もシングルとしてイギリスで4位、全米で2位という人気ぶりでした。 秀逸な楽曲ですが、高音部分なども考えると、ライヴでの再現性は容易ではないナンバーとも言えるように思います。実際、ある程度の年齢からのエルトン・ジョンのライヴでは、必ずしも元のヴァージョンに囚われない形での歌唱になっていっています。今回は、1980年代のまだ若かった(30歳台だった)頃のライヴをご覧ください。1984年、ウェンブリー・スタジアムのステージで、その当時、VHSやLDで映像化されたものです。 最後にもう一つ、この曲はビリー・ジョエルによっても取り上げられています。彼のライヴで披露されたりしたほか、2人が共演する機会というのもありました。2000年、マディソン・スクエア・ガーデンでのエルトンのライヴにビリー・ジョエルがゲストとして登場した際の映像をご覧ください。英と米それぞれのポップ/ロック界を代表するピアニストかつシンガーの共演です(個人的には、この“ビリー・ジョエル節”の「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」も何気に気に入っています)。 [収録アルバム]Elton John / Goodbye Yellow Brick Road(黄昏のレンガ路)(1973年)Elton John / Night and Day Concert(1984年、VHS/LD)Elton John / One Night Only–The Greatest Hits(2000年) 黄昏のレンガ路 [ エルトン・ジョン ] 【輸入盤CD】【新品】Elton John / One Night Only (エルトン・ジョン) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2026.08.15
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円熟期に入った好盤 マイケル・フランクス(Michael Franks)は、1944年カリフォルニア生まれの米国人シンガー。1970年代からコンスタントに作品を発表していったが、1990年代頃からは、ジャズのチャートに顔を出すようになった。元々、ジャズ・ミュージシャンを多く起用し、“ジャジー”な音楽を披露していたが、1999年、長年所属したワーナーを離れてソニー系のウィンダム・ヒルからリリースした『ベアフット・オン・ザ・ビーチ(Barefoot on the Beach)』は、円熟の境地に入った彼の安定感をよく示す作品だと言える。結論めいたことを先に言ってしまうと、マイケル・フランクを初めて聴くという人には、個人的に本盤はお勧めの1枚になると言いたくなる。この盤は、そんな好盤に仕上がっている。 プロデュースを担当したのは、チャック・ローヴとジミー・ハスリップ。前者はニューヨーク出身のジャズ・ギタリスト、後者は西海岸のジャズ・フュージョン・バンドであるイエロージャケッツのベース奏者である。また、マイケル・ブレッカー、スティーヴ・ガッドをはじめ一流のプレーヤーたちが録音に参加している。 アルバム全体として、20年以上のアルバム制作のキャリアの集積の上にある作品だと言えそうである。表題曲の1.「素足で海辺に」、2.「心のすべて」という冒頭の2曲は、フランクス節と言ってもいい淡々としたヴォーカルが現代的・都会的メロディとテンポで積み重ねられていく好曲で、一気にフランクス・ワールドに誘われる。3.「終わりのない愛」は、ヴァレリー・シンプソンとのデュエット。4.「青春の泉」はスティーヴ・カーンのギターがいい味を出している。 5.「君が微笑んだとき」は、再びフランクス節全開の曲で、テナーはマイケル・ブレッカーによる。6.「ダブル・トーク」の囁くようなヴォーカルもまた、フランクスの特徴・得意技である。7.「彼女のささやき」は、筆者的には上記の1.および2.と並んで本盤で特に好みのナンバーで、個人的に本盤のベスト3曲を挙げるならこれら3曲を選ぶと思う。 どちらかというと明るさを感じさせるソフトタッチの8.「スプリング・エイント・ヒア」を経て、ランディ・ブレッカーのトランペットが雰囲気を盛り上げる9.「雨のなかを」のような静謐で暗い情景を思わせるナンバーが続くあたりは、曲ごとに変わる景色を楽しむことができ、飽きることがない。10.「ミスター・スムース」はさりげなくヴォーカル力が発揮されている。11.「隠れる月のように」はフランクス節の美しいヴォーカルでアルバムを締めくくっている。[収録曲] ( )内は邦盤に記載の邦訳タイトル1. Barefoot on the Beach(素足で海辺に)2. Heart Like an Open Book(心のすべて)3. Now Love Has No End(終わりのない愛) [with Valerie Simpson] 4. The Fountain of Youth(青春の泉)5. When You Smiled at Me(君が微笑んだとき)6. Double Talk(ダブル・トーク)7. Every Time She Whispers(彼女のささやき)8. Why Spring Ain't Here(スプリング・エイント・ヒア)9. A Walk in the Rain(雨のなかを)10. Mr. Smooth(ミスター・スムース)11. Like Moon Behind a Cloud(隠れる月のように)1999年リリース。 【中古】CD Michael Franks Barefoot On The Beach BVCJ37566 BMG JAPAN Japan /00260 【中古】(CD)ベアフット・オン・ザ・ビーチ/マイケル・フランクス 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2026.09.10
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地味ながら滋味ある一枚 ザ・バンド(The Band)のアルバムの中で人気がない、あるいは印象が薄い一枚はと言うと、確実にこの『カフーツ(Cahoots)』という盤がその有力候補にな上がることだろう。ジャケットも地味だし、一般の認知度も他の作品に比べると低い。とはいえ、それが実は魅力的なのではないかと言いたいのが今回の記事である。 本盤は1971年にリリースされた。ライヴ活動は活発ながら、メンバー間の関係は既に摩擦が始まっており、曲作りにもかつてのように順調なわけではなかった。そうした状況のなか、アラン・トゥーサンを迎え、ホーンセクションを取り入れるなど新たな試みを実行に移したのがこの盤であった。 収録曲には、インパクトのある名曲然としたナンバーがある訳ではなく、どちらかというと地味なラインアップに見える。けれども、粒揃いで噛みしめると滋味あふれるキャラメルのような楽曲がさりげなく並んでいるとでも言えばよいだろうか。そんな中から、個人的に注目したいナンバーをいくつか挙げておきたい。 1.「カーニバル(ライフ・イズ・ア・カーニバル)」はトゥーサンによるホーンセクションの導入が印象的な1曲。うまく言葉にしづらいのだけれど、落ち着きがないように見えて落ち着いている雰囲気が、筆者的には妙にしっくりくるナンバーである。2.「傑作をかく時(ホエン・アイ・ペイント・マイ・マスターピース)」はボブ・ディランのナンバーで、ディラン自身の吹き込みでは「マスターピース」の邦題が付けられている。いかにもザ・バンドらしい演奏で、リボン・ヘルムのヴォーカルが冴える。5.「4% パント・マイム」は、ヴァン・モリスンがゲスト参加しており、彼とリチャード・マニュエルのヴォーカルの掛け合いが聴きどころとなっている。 元のLP盤では、6.「シュート・アウト・イン・チャイナタウン」以降がB面に当たる。アルバム後半の聴きどころと言えそうなのは、7.「ザ・ムーン・ストラック・ワン」。切なさが伝わるリチャードのヴォーカルに浸れる1曲である。続く8.「シンキン・アウト・ラウド」の演奏、9.「スモーク・シグナル」のヘルム節もそれぞれに魅力を秘めたナンバーだと思う。そして何よりも、11.「リヴァー・ヒム」のいかにもザ・バンドといった曲調と演奏は聴き逃がせない。 以上のように、決してインパクトがあるとは言えそうにないし、まったく派手でもないのだけれど、滋味に溢れた1枚だと思う。逆説的かもしれないが、きっとこの地味さこそが、ある意味でザ・バンドらしさとも言えるのだろう。そうした観点からすると、不人気盤だから、あまり知られていない盤だからなどといって『カフーツ』を避けて通るのはもったいない。むしろもっと積極的に聴かれてよい盤ではないかと思う。[収録曲]1. Life Is a Carnival2. When I Paint My Masterpiece3. Last of the Blacksmiths4. Where Do We Go from Here?5. 4% Pantomime6. Shoot Out in Chinatown7. The Moon Struck One8. Thinkin' Out Loud9. Smoke Signal10. Volcano11. The River Hymn1971年リリース。 カフーツ +5 [ ザ・バンド ] カフーツ 50周年記念エディション (2CDデラックス・エディション) [ ザ・バンド ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.09.16
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方向性が定まった第三作 邦題は『サード・アルバム』となっているものの、原題は『ザ・イエス・アルバム(The Yes Album)』。どちらも本盤をよく表していて、邦題は文字通りイエスとして3枚目のアルバムであることを示している。一方、元の英語表題の方は、“これぞイエス”という、いわば意思表明のようにも見える。 イエスは、1969年にセルフ・タイトルのデビュー盤『イエス(Yes)』(邦題は『イエス・ファースト・アルバム』)を発表し、翌70年にはセカンド作『時間と言葉』を制作した。これら2作は、後の『こわれもの』や『危機』で頂点に達するイエス流プログレとは少し趣向が違っていて、サイケデリック・ロックやシンフォニック・ロックと呼べそうな音を展開していた。 これに対し、本盤『サード・アルバム』制作時には、前2作と比べて見ると2つの大きな変化があった。一つはギタリストの交代で、オリジナル・メンバーのピーター・バンクス(後に2013年に死去)が抜け、これに代わってスティーヴ・ハウが新加入している。ハウは作曲能力もさることながら、独特で圧倒的なギター・プレイをもってイエスの黄金期を支えることになる。 本盤制作に際してのもう一つの変化は、“6人目のイエス”と呼ばれる影のメンバーの存在である。前作『時間と言葉』でエンジニアとして参加していたエディ・オフォードが、本作ではバンドとともに共同プロデューサーとなっている。オフォードはその後のイエスの諸作のほか、この同じ頃のEL&P(参考過去記事)の諸作でもエンジニアを務め、この当時のプログレ・サウンドの立役者とも言える人物である。 聴きどころとしては、1.「ユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイス」はバンド名のイエスが作者名義となっている曲で、9分超であるものの、変化にとんだサウンドで聴き手には飽きない演奏となっている。同じく時間数的にはボリュームのある3.「スターシップ・トゥルーパー」、4.「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル」という2つの組曲がアルバム半ばで続いているが、これは、元はA面最後とB面最初に配されていたもの。あと、個人的なお気に入りとしては、6.「パーペチュアル・チェンジ」がいい。それから、2.「ザ・クラップ」は上述の通り新たに加入したハウのギター(アコギ)が堪能できる。[収録曲]1. Yours Is No Disgrace 2. The Clap3. Starship Trooper: a. Life Seeker~b. Disillusion~c. Würm4. I've Seen All Good People: a. Your Move~b. All Good People5. A Venture6. Perpetual Change1971年リリース。 サード・アルバム [ イエス ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2018.05.16
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晩秋の「枯葉」 ~トランペッター編(その3)~ 第1回はチェット・ベイカー 、第2回はウィントン・マルサリスときたが、トランペッターに焦点をあてた「枯葉」の話なら、最後はやはり"あれ"を外すことはできないだろう。 ということで、マイルス・デイヴィスによる、かの名演奏である。名義上のリーダーはキャノンボール・アダレイだが、実質的にはマイルスがリーダーとされるブルーノート盤『サムシン・エルス』の1曲目に収録された、有名なあの「枯葉」のことである。 よく知られているように、当時、マイルスはコロムビアと専属契約にあり、ブルーノート・レーベルでリーダー盤を出すことは不可能だった。そうした中、キャノンボール・アダレイをリーダー名義にして吹き込まれたのが、『サムシン・エルス』であり、ブルーノート1500番台どころか、ブルーノートを(はたまたモダン・ジャズ界を)代表するアルバムの一つに数えられることになったのが、この盤である。 音の厚みを活かした荘厳なイントロの後、マイルスのミュート・トランペットが出てくる瞬間ときたら! 何度聴いてもぞくぞくするもので、既にこの時点から言葉でうまく表現すらできなくなってしまうほどだ。 上記の箇所から幕を開けるマイルス最初のソロ・パートは、実はただ単に元のメロディを奏でているだけだ。つまりは、アドリブではなく原曲に忠実なメロディを吹いているだけに過ぎない。にもかかわらず、マイルスにしかできない演奏ということを聴き手は納得するしかないというのが不思議である。その理由は、この演奏が、哀愁に満ちた"歌"であるという点であろうと感じる。要するに、マイルスは"トランペットを吹いている"のではなく、"トランペットで歌っている"と表現する方がいいのだろう。 その後、ソロ演奏はキャノンボール・アダレイ(アルト・サックス)からマイルスへ、続いてハンク・ジョーンズ(ピアノ)から再びマイルスに戻って曲の終わりを迎えるのだが、いずれもマイルスに移った瞬間が聴き手側の興奮を最大に引き上げる場面である。決して、サックスやピアノのソロの出来が悪いわけではない。むしろその逆で、キャノンボール・アダレイもハンク・ジョーンズも曲調を十分に意識した"ここ一番"の見事なソロを演奏している。にもかかわらず、最後のいい所はマイルスが持っていってしまっているのである。結局のところ、他のメンバーが最高の演奏を繰り広げた中、マイルスがその"最高"を超える"超最高"の演奏を披露したということにつきるのかもしれない。哀愁に満ちたミュート・トランペットの音、微妙な抑揚をコントロールしてのニュアンスのつけ方、その結果として生まれてくるブルーな世界…。名演にならないわけがないという条件が見事に揃っている。 ちなみに、この完成版はTake 2だったそうで、最近になって、存在しないとされた(完全演奏ではないと考えらたままマスター・テープとして眠っていた)Take 1が"発見"された。こちらも聴いてみたいという方は、期間限定(いつまでなのか不明)で公開中とのことなので、こちらをご覧いただきたい。[収録アルバム]Cannonball Adderley / Somethin' Else (Blue Note 1595)Miles Davis (tp), Cannonball Adderley (as), Hank Jones (p), Sam Jones (b), Art Blakey (ds)1958年3月9日録音 (参考リンク)晩秋の「枯葉」~トランペッター編~: その1(チェット・ベイカー)へ その2(ウィントン・マルサリス)へ 他のマイルスの記事: 『クールの誕生』へ 『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』へ 【楽天ブックスならいつでも送料無料】サムシン・エルス+1 [ キャノンボール・アダレイ&マイルス・デイヴィス ]
2009.11.20
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愛しの名曲たち(7・最終回) カーペンターズ(Carpenters)の名曲を振り返る不定期企画、ほぼ2カ月がかりでようやくひとまずの最終回に辿りついいた。とか何とか言って、実のところ、最初から締めくくりにしたい曲が筆者の頭の中にはあって、半ばそれは最初から決まっていた。それがこの「オンリー・イエスタデイ(Only Yesterday)」である。客観的なことを何も考えず、個人的な好みと感性でとにかく1曲選べ、と言われたら、おそらくは「イエスタデイ・ワンス・モア」とこの「オンリー・イエスタデイ」の間で悩むこととなるだろう。そのくらい、筆者はこの歌の虜になってしまている。 カレン・カーペンターのヴォーカルの魅力には、“憂い”の感覚がある。その部分は、既に紹介した「スーパースター」のところで述べた通りなのだけれど、その“憂い”の感覚を醸し出すにはヴォーカリストとしての重要な要素があった。“低音の魅力”である。カレンの歌は低音域が実にしっかりしている(カレンいわく、この低音域は彼女の“basement”だった)。この「オンリー・イエスタデイ」においても、それは存分に発揮されていて、サビにいたるまでの低音の部分が実にいい味を出している。並のシンガーならばここまで引っ張れないだろうと思うほど、低音部の多い歌でも聴かせることができる。実際、カレンは3オクターブの音域を持っていながらも、高音部を特に強調しようとは考えなかったという。この曲の歌声を聴けば、それもなるほどと納得がいく。 詞の内容の微妙な感じもいい。ただハッピーというわけでもなければ、ただ憂鬱な内容でもない。“悲しい昨日と明日への希望”とでもいったモチーフである。「悲しくて孤独だったのはもう昨日のこと/あなたのおかげで過去と涙から離れることができる/明日はきっと今日よりずっと明るくなる/悲しみは昨日に置いてきたのだから/それはもう昨日のこと・・・」というのがサビの内容。 さらに注目なのは、ギター・ソロの部分。エレクトリック・ギターがソロ・パートをとっているが、これもまたさらりといい味を出している。実は1972年のシングル「愛にさよならを(グッバイ・トゥ・ラヴ)」でファズなギター・ソロを起用してカーペンターズは一部のリスナーから批判を浴びたことがあった。結果的に、その後はギター・ソロの使い方がうまくなったのではないかと思う。本曲でもこのソロ部分でギターサウンドが効果的に使われて功を奏している。 1975年のアルバム『緑の地平線~ホライゾン』からの先行シングルとして発売され、全米チャートでは4位、同イージーリスニング・チャートでは1位を記録した。1970年の「遥かなる影」以降、数々のヒット曲を世に送り出したが、全米TOP10入りはこの曲が最後となっている。アルバムのヴァージョン(アルバムとシングルでミックスが若干異なるそう)を映像つきでどうぞ。 ちょっと意訳し過ぎ?な感じもしますが、日本語(字幕)で大意を知りたい向きはこちら。 *リンク切れにつき、以下、オフィシャルビデオ映像を追加しておきます。 [収録アルバム]Carpenters / Horizon (1975年)Carpenters / Yesterday Once More(1984年)など各種ベスト盤類に収録。1975年シングル・リリース。[関連過去記事] カーペンターズ~愛しの名曲たち(1):「涙の乗車券」 カーペンターズ~愛しの名曲たち(2):「遥かなる影」 カーペンターズ~愛しの名曲たち(3):「雨の日と月曜日は」 カーペンターズ~愛しの名曲たち(4):「スーパースター」 カーペンターズ~愛しの名曲たち(5):「シング」 カーペンターズ~愛しの名曲たち(6):「トップ・オブ・ザ・ワールド」 【Joshin webはネット通販1位(アフターサービスランキング)/日経ビジネス誌2012】【送料無料】緑の地平線(ホライゾン)/カーペンターズ[SHM-CD]【返品種別A】 【送料無料】ポップス定番ベストセレクション::カーペンターズ 20/20ベスト・オブ・ベスト・セレクション [ カーペンターズ ] 下記ランキングに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2012.08.05
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ベスト盤よりアルバムを聴くべし! ~ザ・ローリング・ストーンズ編~ ある時点まで、ストーンズのことはシングル曲レベルでしか聴いたことがなかった。ヒット曲で耳に入ってくるのはもちろん、編集盤(ベスト盤)などを聴いたことがあったのだが、正直、退屈な感じがした。そのせいで、過去のアルバムにさかのぼって聴くところまで行く気にはならなかった。別に、編集盤に収録されがちな各曲の質が低いわけでも、演奏が悪いわけでもない。世界に名をとどろかせるストーンズなのだから、当然、一流の楽曲と演奏だ。でも、編集盤を聴いた時は、なぜか心に響かなかった。 ある時(といっても、上の経験からこの時まで20年近くが経過していたのだが)、70年前後にリリースされたストーンズをアルバム単位で聴くきっかけがあった。その中でも本作『Let It Bleed(レット・イット・ブリード)』(1969年)は、今までの自分の中でのストーンズのイメージをひっくり返すものだった。 ちなみに、以前聴いていたベスト盤はもっと後の時代が中心で、この時期の曲はほとんど収められていなかったのだから、印象が違うのは当り前かもしれない。けれど、『Let It Bleed』にも、いかにも後の「ストーンズ節」につながるノリの曲が含まれているので、必ずしもそうとは言い切れない。 考えてみるに、シングルやベスト盤で「ストーンズの真骨頂」のような曲をひたすら詰め込んで聴かされることで、いくらか食傷気味になっていたようだ。様々な曲がうまく散りばめられ、配列されたアルバム単位で聴いてはじめて「真骨頂」な曲が映えるのだ。『Let It Bleed』収録曲で言えば、2「むなしき愛(Love In Vain)」や、7「ユー・ガット・ザ・シルバー」のような曲は、シングル発売やベスト盤編集といった限られた選曲では選ばれにくいタイプの曲だ。前者はロバジョンことロバート・ジョンソン(1930年代米国の黒人ブルース・アーティスト)の名曲で、英国のストーンズが古典的ブルースを彼ら流に見事に血肉に変えていることがわかる。他方、後者はカントリー調の曲で、内にストーンズらしさを保ちながら表面的には見事にカントリー風アレンジをこなしている。 こんなに素晴らしいアルバムならもっと早くに知って愛聴しておくべきだった! 編集盤を先に聴いたのが仇になったわけだ。編集盤だけ聴いていまいちな印象を持ったせいで、他のアルバムに手を伸ばすのが遅れてしまった。編集盤(ベスト盤、コンピレーションもの)に、特定アーティストを聴きはじめる入口になるという利点があることは認める。けれど、それが必ずしもすべてのアーティストに当てはまるわけではない。遅ればせながら、ストーンズはそのことも教えてくれた。[収録曲]1. Gimmie Shelter2. Love In Vain3. Country Honk4. Live With Me5. Let It Bleed6. Midnight Rambler7. You Got The Silver8. Monkey Man9. You Can't Always Get What You Want1969年リリース。 【送料無料】レット・イット・ブリード/ザ・ローリング・ストーンズ[SHM-CD]【返品種別A】 にほんブログ村
2009.08.01
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80~90年代、グロリア・エステファンの足跡を振り返る(その8) グロリア・エステファン(Gloria Estefan)の80~90年代の曲を時代順に追ってきているこのシリーズ。いよいよ終盤に差し掛かってきました。もうあと3回ですが、よろしくお付き合いください。 さて、彼女の出自はキューバ。父親は軍人で大統領のボディガードを務めていたりしたらしいのですが、キューバ革命が起こり、その直後に家族でアメリカに移住。3歳でキューバを離れたグロリアにとって、祖国は郷愁の念を抱く地になったことだろうと思われます。 過去記事でも取り上げた『ミ・ティエラ~遥かなる情熱(Mi Tierra)』の表題曲「ミ・ティエラ」をどうぞ。文字通り、この曲名およびアルバム表題は、スペイン語で、“私の地、我が故郷”の意味です。 上述の過去記事にも書いたことなのですが、実際にはキューバは記憶の彼方の遠い地なのだろうと想像されます。けれども、消されえない望郷の思い、あるいは心理的にも遠い生まれ故郷への郷愁の気持ちといったものに満ちています。カリブ音楽のリズムを取り込みながらも、この切ない心もちが何とも言えない名ナンバーではないかと思います。 ところで、グロリアは、この曲を発表する以前、1990年に交通事故で脊髄を損傷するという大きな事故に遭いましたが、1年ほど後に見事に復帰。その後の元気さは55歳を超えた現在まで続いているようです。そのようなわけで、今回は同じ曲の新しい映像(2013年、アルゼンチンでのライヴ演奏の模様)をご覧ください。とっくに“若いおねーちゃん”ではなくなっているグロリアですが、50歳代半ばでこの若々しさはなかなかできないのではないかと思ったりもします。 [収録アルバム]Gloria Estefan / Mi Tierra (1993年) 【送料無料】【輸入盤】Mi Tierra [ Gloria Estefan ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.09.19
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It’s Christmas Time~クリスマスソング集(その7) うってかわって、再び“しっとりな”洋楽クリスマス・ソングを取り上げたいと思います。ロック界の姉御ことクリッシー・ハインド率いるプリテンダーズ(The Pretenders)によるクリスマス・ナンバーです。 彼らには「2000マイルズ」という、クリスマスによく取り上げられる名ナンバーもあるのですが、今回はこちらのカバー曲を選んでみました。元々は1940年代にミュージカル映画用にレコーディングされ、後にフランク・シナトラが歌って定番曲となり、現在まで様々なアーティストによってカバーされてています。 クリッシー・ハインドのヴォーカルはシャウト系でもなく、声質もストレートで澄んだ感じなので、こういう曲をやるときれいに決まりますね。比較的最近(といってももう5~6年はなるでしょうか)では、クリスティーナ・アギレラもこれをやっていましたが、少々ねっとりしすぎていて、個人的にはこのプリンテンダーズのヴァージョンのようなシンプル&クリアなものの方が好きだったりします。 ちなみに、上記のオリジナルはジュディ・ガーランド(Judy Garland)による、『若草の頃(Meet Me In St. Louis)』の挿入歌です。せっかくですので、そちらもよろしければご覧ください。 [収録アルバム]Various Artists / A Very Special Christmas(クリスマス・エイド1)(1987年) 【RCP】【Joshinはネット通販部門1位(アフターサービスランキング)日経ビジネス誌2013年版】【送料無料】クリスマス・エイド/オムニバス[CD]【返品種別A】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2013.12.19
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「ギター小僧」、本領発揮のライブ盤 ニルス・ロフグレンは、ニール・ヤング関係(『今宵その夜』)、リンゴ・スター関係(オールスター・バンドに参加)、ブルース・スプリングスティーン関係(E・ストリート・バンドのメンバー)といったところでよく知られるギタリスト(他にピアノを担当することもある)。 自身のバンドとしては、Grin(グリン)として活動し始めたが、いまひとつ売れず、その後、ソロとして再デビュー。とはいっても、大ヒットがあったわけではなく、上で挙げた大物アーティストたちのサイドマンとしても活躍しながら、しかし、自分のアルバムも着実にリリースしてきた。 さて、ニルス(愛着があるので、こう呼ばせていただく)の各アルバムを年代順に聴いてみると、(あくまで持論ではあるが)大まかに次のような3つの時期に分けられるように思う。1) デビュー~70年代全般・・・・・「ギター少年」そのものの、あどけなく、巧く、小気味よいギターを聞かせてくれる成長期。2) 80年代~90年代前半・・・・・・ポップ、売れ筋ロック系のテイストを取り込みながらも、ギタリストとして成熟していった時期。3) 90年代後半~2000年代・・・・ヴォーカルに渋みが生まれ、ギターもさらに磨きがかかる時期。 本作は2)の時期の、つまりギタリストとして非常に油ののった時期の1985年にイギリスのハンマースミス・オデオンで録音されたライブ・アルバムである(リリースは翌86年)。バンドメンバーは、実の兄弟のトム・ロフグレンを含む、気心の知れた仲間で、うまくニルスを引き立てる演奏をしている。 クレイジー・ホース(ニルスは彼らのアルバムにも参加経験がある)に捧げられた「ベガーズ・デイ」(下記の通り、輸入版CDには未収録)で幕を開ける。その後は録音当時最新だったアルバム『フリップ』からの曲をピックアップしながら、中盤から終盤にかけては、グリン時代以来の名曲がずらりと並ぶ。中でも、筆者が気に入っているいくつかを紹介しておこう。 グリン時代の曲としては、「ライク・レイン」。この曲に加え、「ビリーヴ」と「シャイン・サイレントリー」はアルバム全体の中でもおとなしめの曲で、派手なギタープレイの曲の間で輝いている。70年ソロ時代の曲としては「コード・オブ・ザ・ロード」と、アルバムを締めくくる「アイ・ケイム・トゥ・ダンス(ロックン・ロール・ダンス)」のギターが盛り上がる。さらには、「キース・ドント・ゴー」(日本盤CDには未収録)とグリン時代の「ムーンティアーズ」もギターの聞かせどころだ。全体を通して聴くと、弾きまくるところは弾きまくり、押さえるところは押さえて曲を聞かせるという、バランスのとれた構成になっている。 スタジオ録音の各アルバムもいいのだが、初めて聴く人で、ニルスのギターに興味があるという向きには、このアルバムをお勧めする。上で何箇所か注釈をつけたのでお気づきかとは思うが、困ったことに、盤によって収録曲に違いがある。事実関係はよくわからないのだが、おそらくは2枚組レコードをCD1枚に無理に収録したことがその利用と見受けられる。手元には1)リリース当時の2枚組レコード、2)日本盤1枚ものCD、3)輸入(ヨーロッパ)版1枚ものCDの3種がある。今からLPを捜し求める人はあまりいないと思うので、CD2種の曲目を記しておく。追記:ちなみに、どちらのCDがおすすめかは判断がつかないでいます。日本盤CDの方が、オリジナルLPの雰囲気に近い気がするけど、輸入版には収録されているビートルズの名曲「Anytime At All」やローリング・ストーンズのメンバーに捧げられた「Keith Don't Go」がカットされてるのは痛い…。(輸入版CD)1. Secrets In The Streets2. Across The Tracks3. Delivery Night4. Cry Tough5. Dreams Die Hard6. Believe7. The Sun Hasn't Set (On This Boy Yet)8. Code Of The Road9. Moontears10. Back It Up11. Like Rain12. No Mercy13. Anytime At All14. New Holes In Old Shoes15. Keith Don't Go16. Shine Silently17. I Came To Dance(日本盤CD)1. Beggar's Day2. Secrets In The Streets3. Delivery Night4. Cry Tough5. Dreams Die Hard6. Believe7. The Sun Hasn't Set (On This Boy Yet)8. Code Of The Road9. Moontears10. Back It Up11. Like Rain12. Sweet Midnight13. Shine Silently14. I Came To Dance
2009.07.23
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フライング・ダッチマンに残された代表作 ガトー・バルビエリ(ガート・バルビエリ,Gato Barbieri)は、アルゼンチン出身のテナー奏者。ローマ移住を経てニューヨークへ拠点を移し、1970年代を中心に作品を残した。キャリアの中で、当初はフリー・ジャズに傾倒、やがてルーツ(南米)音楽に向かい、さらにはロックやポップスにも歩み寄っていくなど時代とともに音楽スタイルも変遷していった。 1970年代前半、フライング・ダッチマンというレーベルに所属時の、ちょうどアヴァンギャルドな音楽性から南米音楽への回帰を見せた時期の1971年に吹き込まれ、1973年に発表されたのが、本盤『アンダー・ファイアー(Under Fire)』である。レコーディングからリリースまで間が空いているが、この狭間の1972年には映画『ラスト・タンゴ・イン・パリ』のサウンドトラック(作曲ガトー・バルビエリ、編曲オリヴァー・ネルソン)を録音し、本盤のリリースと同じ1973年にヒットさせ、グラミー賞にも輝いている。 そうしたわけなので、純粋なジャズを期待して聴くものではない。アルゼンチン出身の、チャーリー・パーカーに触発されたミュージシャンが遍歴を重ね、南米音楽のルーツに回帰し、次なるインパルスでの録音に向かっていく前段階の生の姿を捉えたものだと言える。 ステレオタイプと言われてしまうかもしれないが、南米的“熱さ”と言えば、1.「エル・パラナ」と5.「エル・セルタオ」が何と言ってもいい。また、起伏のある曲の構成に仕上げられた4.「マリア・ドミンガス」も“熱さ”が存分に感じられる。特にこれら3曲はいずれも尺が長め(8~9分程度)で、聴きごたえも十分にある。なお、少し変わったところでは、同じアルゼンチン出身のアタワルパ・ユパンキの楽曲(2.)を取り上げている。本盤では、2.「月に歌う(Yo le canto a la luna)」となっているが、これは「トゥクマンの月(Luna tucumana)」)と同じ曲で、ガトー自身のヴォーカル・パートも含まれている。[収録曲]1. El Parana2. Yo le Canto a La Luna3. Antonico4. Maria Domingas5. El Sertao[パーソネル、録音]Gato Barbieri (ts, vo), Stanley Clarke (b), Roy Haynes (ds), Airto Moreira (perc, ds), John Abercrombie (g, elg), James Mtume (conga), Moulay Ali Hafid (perc), Lonnie Liston Smith (p, elp)1971年録音。 Gato Barbieri ガトーバルビエリ / Under Fire 【CD】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 “ぽち”応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019.03.13
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サビーナ曲選(その5) スペインのシンガーソングライター、ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)の楽曲を5回に分けて取り上げてきました。今回はひとまず区切りの5回目です。 今回の曲は、「アオラ・ケ…(Ahora que…)」です。1999年の『19ディアス・500ノチェス』に収録されたナンバーです。この曲の表題は、スペイン語で“~なんだから”といったような意味合いで、同じ出だしの語句をもとにして様々なフレーズを紡いでいくというのは、ある意味、詩人サビーナとしての真骨頂と言えるのかもしれません。 さて、最後は2015年のライヴ映像です。アルゼンチンのブエノスアイレスのルナ・パークでのライヴ演奏で、アルバムとしてもリリースされた音源をお聴きください。 ホアキン・サビーナの名曲選、ひとまずはこれで一区切りとします。[収録アルバム]Joaquín Sabina / 19 días y 500 noches(1999年)Joaquín Sabina / 500 noches para una crisis(2015年) ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - 19 Dias y 500 Noches CD アルバム 【輸入盤】 【輸入盤CD】Joaquin Sabina / 500 Noches Para Una Crisis (Bonus DVD) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023.06.24
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半世紀以上前の音楽的胎動 “1966年×ブルース・ロック”と訊かれて、“ジョン・メイオールとエリック・クラプトン”と答えられるのは、よほどのブルース・ロック好きの人かもしれない。さらに前後を見れば、前年にはポール・バターフィールド率いる名盤『イースト・ウエスト』、翌年にはサヴォイ・ブラウンのデビュー盤など、ブルース・ロック史的には大きな胎動の時期だった。 そんな1966年の盤として、ぜひこれも忘れてはならぬと思うのが、ザ・ブルース・プロジェクト(The Blues Project)の『プロジェクションズ(Projections)』というアルバムである。このバンドは、1964年にエレクトラ・レーベルが企画したその名も“ザ・ブルース・プロジェクト”に端を発し、そこにあのアル・クーパーも合流していく。 実はこの盤は厳密な意味では、ザ・ブルース・プロジェクトのファースト作ではない。1965年末に録音され、66年になってから発売されたライヴ盤がデビュー作であった。その時点でメンバーだったトミー・フランダース(ヴォーカル)は脱退し、仕切り直しでアル・クーパー(Al Kooper)とダニー・カルブ(Danny Kalb)をヴォーカルとしてアルバム制作を行う。その結果が、最初のスタジオ録音作となる本盤だったというわけである(結局、アル・クーパーもその2年後には抜けていってしまうわけだけれど)。 全体的な印象としては、ムーディーなブルースを志向している曲が多めで、演奏面で決して“派手でない”。とはいえ、結果的にはそれがいいと言えるように思う。もう少し踏み込んで言えば、上記のメイオール盤やバターフィールド盤と比べて、それほどまでの“勢い”がない。ギター(ダニー・カルブに加え、スティーヴ・カッツ(Steve Katz)がギターとハーモニカを担当)が出しゃばり過ぎないないというのも、それを表していると言えるのかもしれない。“派手さがない”というのは、別に悪い意味で言っているわけではなくて、実のところは、意図的なものだったのではないかと感じている。つまりは、ノリで聴かせる部分を敢えて抑え、腰を据えて聴くタイプの、より“玄人”なリスナーを意図していたのではないだろうかと思ってみたりもする。 ぜひ注目してほしいナンバーとしては、まずは、1.「泣かずにいられない」。派手にならず地味な曲調でじっくり聴かせる点と、ハモンドオルガンのカッコよさが個人的には強く印象に残る。あとは、4.「二つの列車」に見られるような、まったりとした雰囲気が個人的には好みである。この“まったり感”というべきものは、表題通り大幅にフルートをフィーチャーした7.「フルート・シング」なんかでも面白い形で展開される。さらに、上記1.と並ぶスリリングさという点では、8.「やさしく抱いて」、同じく上述の“まったり感”という観点では、9.「フライ・アウェイ」もお勧めと言えるように思う。 [収録曲]1. I Can't Keep from Crying2. Steve's Song3. You Can't Catch Me4. Two Trains Running5. Wake Me, Shake Me6. Cheryl's Going Home7. Flute Thing8. Caress Me Baby9. Fly Away1966年リリース。 プロジェクション(モノ・ミックス) [ ザ・ブルース・プロジェクト ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023.08.22
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勢いに乗る世界的ヒット第二弾 モン・ラフェルテ(Mon Laferte)は、本名のモンセラー・ブスタマンテ(Monserrat Bustamante)として出身国チリで一度メジャーデビューしているものの、グラミー賞の場に名を連ねるようなアーティストになったのは、メキシコを拠点として再メジャーデビューしてからのことだった。 その人気の火付け役となったのは、2016年の『モン・ラフェルテVol. 1』のヒットだった。同盤はメキシコ国内チャートで4位、チリやペルーでプラチナディスクとなったが、それに続く2017年の本盤『ラ・トレンサ(La trenza)』はいっそう大きなヒットを記録した。メキシコで1位のほか、スペインや米国ラテン・チャートでも好成績を残し、チリ、ペルーに加えアルゼンチンやコロンビアなどスペイン語圏の各国でセールスを伸ばした。 当初、『モン・ラフェルテVol. 2』の表題を想定していたという通り、前作の続編に当たるような内容を意図して制作が進み、聴衆の期待を上回る好曲揃いのアルバムに仕上がった。注目したい曲をいくつか見ておきたい。1.「パ・ドンデ・セ・フエ」は、冒頭からラフェルテ節が全開で、個人的にお気に入りのナンバー。3.「ミ・ブエン・アモール」はスペインのミュージシャン(エロエス・デル・シレンシオのリーダー)のエンリケ・ブンブリとのデュエットで、シングルとしてもヒットした。5.「アマーラメ」は先行シングルとしてヒットした曲(特にチリではシングルチャート1位となった)で、有名歌手のフアネスとのデュエット。 アルバム後半で必聴の曲の一つが7.「プリマベラル」。しっとりとした歌唱が好印象で、メキシコのシングルチャート1位に輝いている。歌唱力発揮のナンバーとしては、10.「フラーコ」も外せない。さらに、アルバム表題曲の11.「ラ・トレンサ」もじっくりと聴かせる好曲でおすすめ。アルバム全体としては、モン・ラフェルテの歌唱力そして歌を伝える表現力が存分に発揮されていて、大ヒットになったのも頷ける出来の一枚だと思う。[収録曲]1. Pa' dónde se fue2. Que sí3. Mi buen amor4. Ana5. Amárrame6. Yo te qui7. Primaveral8. No te fumes mi mariguana9. Cielito de Abril10. Flaco11. La trenza2017年リリース。 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2025.05.04
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キンクス名曲選~PART III(その5) 第3弾をお届けしているザ・キンクス(The Kinks)の名曲選ですが、ひとまず最後となる5回目は、1980年代のナンバーです。「思い出のダンス(Don’t Forget to Dance)」という表題の楽曲です。 「思い出のダンス」1983年にリリースされたシングル曲で、チャート上の成績は全米29位という結果でした。大きく目立ったヒットというわけではありませんでしたが、その後、前年に全米6位だったシングル曲「カム・ダンシング」とともに、同年発表のアルバム『ステイト・オヴ・コンフュージョン』に収録されました。 まずは、この曲のビデオクリップをご覧ください。ストーリー仕立てですが、ところどころで映るレイ・デイヴィスおよびバンドの姿が現れ、円熟ぶりが垣間見える哀愁ある1曲です。 続いては、この曲のライヴ演奏もご覧いただきたいと思います。リリース当時(1980年代)のライヴのステージでの演奏です。ライヴだから盛り上がるというよりは、こうした楽曲をさらりと“聴かせる”というのが、レイ・デイヴィスらしさということでしょうか。 5回にわたって、キンクスの名曲選(第3弾)にお付き合いいただき、ありがとうございました。次回更新からは、再びいつものペースに戻って更新していこうと思います。[収録アルバム]The Kinks / State of Confusion(1983年)以下、過去のキンクス名曲選の記事をまとめておきます。~キンクス名曲選 PART I~(その1)「カム・ダンシング(Come Dancing)」(その2)「ミスフィッツ(Misfits)」(その3)「20世紀の人(20th Century Man)」(その4)「ヴィクトリア(Victoria)」(その5)「サニー・アフタヌーン(Sunny Afternoon)」~キンクス名曲選 PART II~(その1)「ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ(The Village Green Preservation Society)」(その2)「ウォータールー・サンセット(Waterloo Sunset)」(その3)「ネオンのまぶしさ(Underneath the Neon Sign)」(その4)「ローラ(Lola)」(その5)「スリープウォーカー(Sleepwalker)」~キンクス名曲選 PART III~(その1)「マスウェル・ヒルビリー(Muswell Hillbilly)」(その2)「ライフ・オン・ザ・ロード(Life on the Road)」(その3)「オーストラリア(Australia)」(その4)「デイズ(Days)」(その5)「思い出のダンス(Don’t Forget to Dance)」(本記事) ↓こちらのリンク先はLP盤です↓ 【中古】LP Kinks State Of Confusion AL88018 Arista /00260 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.07.11
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エルトン名曲選(その15、最終回) 10回のつもりが15回になりましたが、エルトン・ジョン(Elton John)の名曲選、今回をもって一区切りとしたいと思います。15曲目は、1974年のアルバム『カリブ』に収められた「ティッキング(母さんの言葉)(Ticking)」です。有名曲でもなく、シングルカットもされていませんが、同アルバムの締めくくりとなっている密かな名曲です。 まずは、アルバムに収録されたヴァージョンをお聴きください。 続いては、ライヴでの演奏をお聴きいただこうと思います。ライヴ映像ではなく、往時の写真等が出てくるビデオなのですが、1977年、ロンドンでのライヴのテイクとのことです。 最後は、2003年のライヴの様子をご覧ください。曲紹介に続き、貫禄の歌唱と演奏を見せている映像です。 エルトン・ジョンの名曲選、10回を予定していながら15回まで続けてみました。これでひとまずの区切りです。お付き合いくださり、ありがとうございました。[収録アルバム]Elton John / Caribou(1974年) カリブ +4/エルトン・ジョン[SHM-CD]【返品種別A】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2026.09.02
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クリスマスに聴きたい名曲 ~その2~ あまりにも定番曲ではあるが、ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)(原題: Happy Xmas (War Is Over))」。正確なクレジットは、1971年のシングル・リリース段階では、John & Yoko, The Plastic Ono Band with the Harlem Community Choir(ジョンとヨーコ、プラスティック・オノ・バンド、ならびにハーレム・コミュニティ合唱隊)と記されていた。ただし、後の再発シングルの際(1980年)には、ジョン・レノン名義とされている。 この曲を聴くと12月という気分がする。というのも、ジョン・レノンが自称ファンを名乗る人物に自宅前で射殺されたのは1980年12月8日。つまり、12月に入ると1週間ほどでジョンの命日がやってきて、ラジオや街中では彼の代表曲を耳にすることになる。無論、そうした代表曲の一つがこの「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」なわけで、これを耳にすると、ジョンの死を思い出させるとともに、クリスマスシーズンの到来を告げる曲ともなっている。 エコーが強くかかったヴォーカルとバックの子供たちのコーラスが印象的で、ジョンは"単なるクリスマスソング"ではないクリスマスソングを作りたかったのだと言う。発表されたのは1971年(権利関係の理由で英国では翌年リリース)で、当時のベトナム情勢を考え合わせると典型的な反戦・平和のメッセージである。それをクリスマスソングに織り込んだところが、この曲が息長く聴き継がれていることにつながっているように思う。 「戦争は終った」というコーラス部分の歌詞は、曲の表題(副題)とされているが、単に戦争が終ったという意味の歌ではない。その後には「もし君が望むなら」と続いており、逆に言えば、"望まなければ戦争は終らない"ということでもある。つまるところ、平和への、戦争のない世界へのアクションを訴えかけるものだ。筆者にとって最も印象深いのは、冒頭の「もうクリスマスだ。/君は何をしたんだい。/また1年が終わり、/新しい年が始まる」という詞。特に2行目の「What have you done?」(セカンド・ヴァースでは「What have we done?(私たちは何をしたのだろう)」と歌われている)の部分である。受身にクリスマスを迎えて年を越すというのではなく、能動的にアクションを起こそうというジョンのメッセージが強く感じられる。 ちなみに、冒頭のジョンとヨーコそれぞれの囁きは、「ハッピー・クリスマス、キョーコ」、「ハッピー・クリスマス、ジュリアン」というもので、キョーコとジュリアンはヨーコとジョンそれぞれの子(いずれも二人が再婚する前の子ども)の名前。一部歌詞カード(下記のアルバムに付属のもの)では誤って「ヨーコ/ジョン」と記載されているようだが、実際には「キョーコ/ジュリアン」というセリフである。[収録アルバム]John Lennon / The John Lennon Collection (1982年、CD版のみ「ハッピー・クリスマス」を所収)John Lennon / Lennon Legend: The Very Best of John Lennon (1997年、米盤1998年)その他、各種クリスマス曲のコンピレーション盤にも多数収録。参考(前後の記事へのリンク):クリスマスに聴きたい名曲~その1~イーグルス「ふたりだけのクリスマス(プリーズ・カム・ホーム・フォー・クリスマス)」へクリスマスに聴きたい名曲~その3~バンド・エイド「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」へクリスマスに聴きたい名曲~その4~ワム!「ラスト・クリスマス」へ 【輸入盤】イマジン:ジ・アルティメイト・コレクション [ JOHN LENNON ]ランキング投票:
2009.12.23
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円熟のコーエン、初めて聴く人にもおすすめ 1934年生まれのカナダの詩人・シンガーソングライターであるレナード・コーエン(Leonard Cohen)。筆者は初期の“クラ~い”作品たち(と言うと語弊があるけれど、いきなり勧められた人の気持ちになってみれば、この表現もあながち大外れではない)も好きなのだが、あまりそちらばかり勧めると拒否反応を示されるのではないかとの恐れがある。そこで、今回はもう少し後の、いわば“円熟期”にあたるコーエン作を紹介してみようと思う。90年代にリリースされた唯一のスタジオ盤『ザ・フューチャー』を取り上げたい。 このアルバムは、コーエンのスタジオ作としては通算9枚目となる。曲のテーマも雰囲気もどれも重い。英語がよくわからなくてもその重さは伝わってくるのだが、英語の詞を理解すればなおのことそうなのだろう。筆者の英語力でもって、部分部分の詞がわかる程度に過ぎなくても、十分のヘヴィである。例えば、アルバム表題曲の1.「ザ・フューチャー」。これは本アルバム収録の2.とともにオリバー・ストーン監督の映画『ナチュラル・ボーン・キラーズ』で使用された曲でもある。この曲では、“~を返しておくれ”という詞が続くが、その“~”の部分に入るのは、ベルリンの壁、スターリン、さらにはHiroshima(広島)だったりする。最後には、“自分は未来を見てきた。それは殺人だ”と締めくくる。表題曲がこの調子というだけで、“未来”という表題にも関わらず、その内容が何とも重苦しいものだという様子がイメージしてもらえるのではないか。 その一方でサウンド面では初期のコーエンと違い、いかにも弾き語り的な部分は少ない。荘厳なアレンジや孤独感を盛り上げる女性ヴォーカルなどがバックから聞こえてくる。詞がわからなくても雰囲気が伝わる…と述べたのは、この演奏面の盛り上げが一役買っているためだと感じる。コーエンの詩だけを淡々と楽しみたい向き(コーエン上級者?とでも言えばよいだろうか)には耳障りな部分もあるかもしれない。けれども、初めて聴いて見ようという向きには、こっちの方がとっつきやすい(というか、まだとっつきやすい)ように思う。 とまあ、全体のイメージ的の概略みたいになってしまったけれど、1984年作の『哀しみのダンス(Various Positions)』なんかと並んで、最初にレナード・コーエンに触れてみるにはバランスのとれたよい作品だと思う。もちろんコーエンにひたすら弾き語り的なものを求めるのでなければ、単独の作品としてもよくできているお勧め作と言える。[収録曲]1. The Future2. Waiting for the Miracle3. Be for Real4. Closing Time5. Anthem6. Democracy7. Light as the Breeze8. Always9. Tacoma Trailer1992年リリース。 Leonard Cohen レナードコーエン / Death Of A Ladies' Man / Recentsongs / The Future 輸入盤 【CD】 下記ランキングに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2012.07.16
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ピーター・グリーンの頭に鳴っていた音とは何だったのか なんとも不思議なアルバムである。これを名盤と呼ぶのはどこか憚りを感じるのだが、それと同時に、絶対に駄盤ではないとも思える。ピーター・グリーンと言えば、ブルースブレイカーズの『ア・ハード・ロード』、もしくは、自身が結成したバンド、フリートウッド・マックの初期の好演が思い浮かぶ。これらを気に入った人にとって本盤が推奨かどうかも怪しい。考え始めると、当時のグリーン自身がドラッグに蝕まれ、よくわからなくなっていったのと同じように、こちらの思考もよくわからなくなっていってしまいそうだ(ということは、名盤というよりはやっぱり“迷盤”?)。 本盤『エンド・オブ・ザ・ゲーム(The End Of The Game)』は、ピーター・グリーンがフリートウッド・マックを抜け、1970年に発表した初ソロ作である。本盤を聴いて思うのは、“垂れ流しセッション”風でありながら、“垂れ流し”にならず、随所でプレイが光っていることである。その手の盤はジャズに時々あって、ジャズの世界では“メンバー集めて録っちゃいました”的なアルバムをたまに見かける。逆に、ロックおよびその周辺分野にはこのパターンは多くはない。なので、ジャズ側で過去記事から一例を挙げると、クリフォード・ブラウン・オール・スターズ『ベスト・コースト・ジャズ』などがこれに該当する。このブラウニー盤を聴いていてもそうなのだけれど、セッション風(またはセッションそのまま録音)の盤が退屈にならないための条件はただ一つ。それは、名手の存在感があるかないかである。もちろん、本盤でのその役割はピーター・グリーンで、彼のギター演奏が随所で輝いている。これこそが本盤を駄盤で終わらせることのできない理由となっている。 ただし、そのギター演奏なのだけれど、バリバリのブルース・ロックを期待すると見事に裏切られてしまう。この時点で、ピーター・グリーンはもうブルース・ロックの枠からはみ出してしまっていた。そのことを踏まえつつ、本盤を聴いていて、聴き手の思考から離れないでいる問いがある。それは、ピーター・グリーンの頭には一体全体どんな音が鳴っていたのだろうか、という問いである。ジミ・ヘンドリクスの場合にも概ね類似のことが言えるのだけれど、ジミ・ヘンは外向きに開放的に“頭の中の音”を作品にしようとしていたように思う。それに対し、ピーター・グリーンの本作はどうも内向きな感じがするのである(これもヤク中のせいか?)。 この問いは筆者の中ではいまだ解決していない。けれども、想像を含めて述べると、ひょっとしてこれと同種の“頭の中の音”を持っていたかもしれないミュージシャンがいる。それは、カルロス・サンタナだと感じる。サンタナ(カルロス率いるバンド)の2ndアルバム『天の守護神(Abraxas)』がリリースされたのも、本盤と同じ1970年。同じくサンタナの『キャラバンサライ』のリリースはその2年後。この『エンド・オブ・ザ・ゲーム』を作った時のピーター・グリーンの頭にあったサウンドというのは、サンタナの上記の作品に体現されているような音だったのではないだろうか。そう考えるとなかなか面白い。一つ間違えれば、ピーター・グリーンはブルースロックからジャズロックへの橋渡しを大々的にしていたかもしれないし、この『エンド・オブ・ザ・ゲーム』も一つ間違えれば、サンタナ盤と同列の“不朽の名作”に化けていたかもしれない。 でも、現実はそうはならなかった。その後、ピーター・グリーンは引退状態を余儀なくされ、次作が世に出るには1979年まで待たねばならなかった。70年代を通していくつかのロックの道筋が確固として形成され、ピーター・グリーン自身が先鞭をつけたブルース・ロック、本作が指向し得たジャズ・ロックの道筋は、復活を果たした70年代末には状況がすっかり変わり果ててしまっていた。時代は産業ロック、MTV、シングル乱発志向、やがてはロックの非ロック化といった80年代のシーンへと移り変わろうとしていた。その意味では、ピーター・グリーンとは、時代の流れに取り残された悲運のミュージシャンだったとも言えるのかもしれない。[収録曲]1. Bottoms Up2. Timeless Time3. Descending Scale4. Burnt Foot5. Hidden Depth6. The End Of The Game1970年リリース。 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓
2010.12.17
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いきなりの完成度で世界を驚愕させたデビュー作 ホイットニー・ヒューストンは、米国ニュージャージー生まれのR&B/ポップ歌手。母のシシー・ヒューストンもシンガーで、この母はエルヴィス・プレスリーやアレサ・フランクリンらのバックを務めた経験がある。いとこにもディー・ディー&ディオンヌ・ワーウィック姉妹がいるなど、ゴスペル、R&B、ソウル系の音楽家族の環境で育ち、幼少の頃には聖歌隊のソロイストも務めた。ニューヨークのナイト・クラブで母とともに活動していたところ、プロデューサーのクライヴ・デイヴィスによって見出され、1985年に本盤『そよ風の贈りもの(Whitney Houston)』でデビューした。 無名の新人のアルバムなので当初の売れ行きはゆったりとしたものだった。1985年の2月に発売され、半年ほど経って夏頃からセールスを伸ばし始め、翌1986年になってビルボードで14週連続No.1という記録を樹立した。もちろん、こうしてセールスが伸びていく間にはシングルのヒットがあったためなのだが、最初のシングル1.「そよ風の贈りもの(ユー・ギヴ・グッド・ラヴ)」は全米3位を記録したが、本格的に人気に火が付き始めたのは1985年夏にシングル発売された4.「すべてをあなたに(セイビング・オール・マイ・ラヴ・フォー・ユー)」が全米シングル1位に輝いてからだった。その後も6.「恋は手さぐり(ハウ・ウィル・アイ・ノウ)」、9.「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」が立て続けに1位を獲得。デビュー・アルバムでのこれだけのヒットはそれ以前も以後も例のない記録であった。 全体にわたって質が高く、捨て曲がほとんどなく、デビュー・アルバムにしてこれだけ売れたのも納得できる。中でもホイットニーのデビュー時点でのシンガーとしての完成度の高さが伺えるのは、スロウ系の歌い上げるナンバーである。上述の4.「すべてをあなたに」と9.「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」、さらには後者のシングルでB面としても収録された7.「オール・アット・ワンス」の3曲は“これらを聴かずに死ねるか!”と声を大にして言いたくなるほどの名唱。この3曲だけのためでも本アルバム1枚を買う価値は十分すぎる上、他の曲も、ジャーメイン・ジャクソンとの2つのデュエット曲(5.「夢の中の二人」と8.「やさしくマイ・ハート」)、テディ・ペンダーグラスとのデュエット(10.「ホールド・ミー」)など聴きどころが多い。 ところで、いつだったかCD(たぶん90年代半ばの輸入盤CD)を入手してからずっと不思議なことがある。当時(レコードの)A面だと思って聴いていた部分がアルバム後半に収録されているのだ。つまり、筆者の記憶では同CDの6.~10.がA面、1.~5.がB面だったはずなのである。以来しばらくはその輸入盤CDを聴いていて、多少は慣れたもののやはり違和感がある。ところが、国内盤はCDで再発され続けても、筆者がレコード時代に聴いた日本盤LPと同じ曲の順序である。ジャケットが違う(米盤は“過激すぎる”という理由で、白い水着姿のジャケットが別の写真に差し替えられた)のは知っていたが、曲順のこの違いは何がどうなってこういうふうになったのか、いまだもって不明である。ちなみに最近の記念エディションではついに日本盤も米盤と同じ曲順に変わったようだ。 1990年代後半から2000年代にかけては離婚騒動、薬物依存症、セックス中毒などいろんな問題を抱え込み、すっかりそのシンガーとしての存在がくすんでしまった。もっぱらゴシップ報道を賑わすようになってしまったホイットニーだったが、2000年代末から復活してきている。現在、47歳とまだまだ老け込む年齢ではないので、第二の全盛期が訪れることを期待したい。[収録曲]1. You Give Good Love2. Thinking About You3. Someone for Me4. Saving All My Love for You5. Nobody Loves Me Like You Do (duet with Jermaine Jackson)6. How Will I Know7. All at Once8. Take Good Care of My Heart" (duet with Jermaine Jackson)9. Greatest Love of All ←動画はこちら10. Hold Me (duet with Teddy Pendergrass)1985年リリース。なお、日本盤の曲順(&邦訳タイトル)は以下の通り。1. 恋は手さぐり2. オール・アット・ワンス3. やさしくマイ・ハート(デュエット・ウィズ・ジャーメイン・ジャクソン)4. グレイテスト・ラヴ・オブ・オール5. ホールド・ミー(デュエット・ウィズ・テディ・ペンダーグラス)6. そよ風の贈りもの7. シンキン・アバウト・ユー8. サムワン・フォー・ミー9. すべてをあなたに10. 夢の中のふたり(デュエット・ウィズ・ジャーメイン・ジャクソン) そよ風の贈りもの [ ホイットニー・ヒューストン ] 【輸入盤CD】【新品】Whitney Houston / Whitney Houston (ホイットニー・ヒューストン) 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2010.08.27
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It’s Christmas Time~クリスマスソング集(その8) 70年代の地味なクリスマス曲を1つ取り上げてみたいと思います。“深遠なるアメリカ”を求めて音楽的な旅を続けた、偉大なるザ・バンド(The Band)のナンバーですが、この曲を発表した時点では、メンバーも分裂・解散状態にあり、結果的には契約をこなすべくリリースされたアルバム『アイランド(Islands)』(1977年リリース)のA面の片隅に置かれていた曲です。 クリスマスらしいというよりは、ザ・バンドらしいといった感じの曲ですが、後にこの曲の別ヴァージョンも発表されました(『南十字星』の再発時のボーナス曲として収録)。そちらのヴァージョンもどうぞ。 う~ん、別ヴァージョンでアレンジが変わってもやっぱりザ・バンドですね(笑)。クリスマスシーズンにもあまり耳にすることはないナンバーですが、この地味さ加減が何気に気に入っています。毎年このシーズンになると街では定番曲ばかりが繰り返し流れてしまいがちです(昨日も街へ出ましたが、ある店で定番曲のオンパレードを耳にしました)。ある種ワンパターン化していますが、たまにはこういう渋いのも取り混ぜて欲しいものです。[収録アルバム]The Band / Islands(1977年)←オリジナル・ヴァージョン収録。The Band / Northern Lights-Southern Cross(1975年)←2001年再発時の追加ボーナストラックとして、別ヴァージョン収録。 【送料無料】アイランド(初回生産限定) [ ザ・バンド ] 【RCP】【Joshinはネット通販部門1位(アフターサービスランキング)日経ビジネス誌2013年版】[期間限定][限定盤]南十字星/ザ・バンド[CD]【返品種別A】下記ランキングに参加しています。お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2013.12.21
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