音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2025年08月20日
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テーマ: 洋楽(3566)
ホルヘ・サンタナのバンドによるラテン・ロックの好盤


 マロ(Malo)は、カルロス・サンタナの実弟であるホルヘ・サンタナ(Jorge Santana,2020年に68歳で没)を中心とするバンドであった。前身のバンドであるマリブスのメンバーと別のバンドのメンバーを混合する形で、1970年代初頭にマロは誕生した。ホルヘ・サンタナ(ギター)のほか、アルセリオ・ガルシア(ヴォーカル、パーカッション)、パブロ・テジェス(ベース)、アベル・サラテ(ギター)ら計8人から成り、通常のロック・バンドの編成に含まれる楽器以外に、管楽器(フルート、トランペットなど)や打楽器(コンガ、ティンバルなど)がフィーチャーされているのが特徴である。

1972年、このバンドの最初のアルバムとして発表されたセルフ・タイトル作が、本盤『マロ(Malo)』であった。ジャケットのデザインには、メキシコ人画家ヘスス・エルゲーラによる、アステカの擬人化された神話の作品が使われている。

 メキシコ生まれのホルヘは、サンフランシスコのラテン系の多い地区(ミッション地区)で育ったという。同じく中心人物の一人アルセリオはプエルトリコ系、パブロはニカラグア生まれでティーンエージャーの時の移住者であった。まさしくそうした西海岸のラテンのストリートの雰囲気に、実兄のカルロス率いるサンタナが切り拓きつつあったジャズやラテンを含みインプロヴィゼーショナルな新たなロックのスタイルがうまく融合した成功例だったと言えるのではないだろうか。どの楽曲も短くキャッチーにというよりは、個性が強く長い尺(収録曲はいずれも6~7分を超える)で、しっかりと聴かせるナンバーが並ぶ。

 本盤の収録曲のうち、最も知られているのは、5.「スアベシート」であろう。哀愁漂うメロディに軽いラテンのリズム、そして英語の詞を聴かせるというスタイルがチカーノやラテン系の人々に受け入れられたのだろう。これと同じく、ラテンの若者たちに人気を博した曲として、4.「いとしのネナ」も収められている。詞が英語とスペイン語の両方であること、音楽的には、サルサのようでもあり、ソウルのようでもあり、でもやっぱりロックであるというのが印象的なナンバーとなっている。

 ほかに、個人的好みに基づいた本盤の聴きどころとしては、まず、1.「パナ」が挙げられる。ラテンの雰囲気が緊張感ある演奏とともに展開されるというのがいい。2.「さよならを言うだけ(ジャスト・セイ・グッドバイ)」は、シリアスなギター演奏が聴きどころ。6.「平和(ピース)」は、プログレッシヴな雰囲気の楽曲で、ヴォーカル、トランペット、ギターそれぞれの鬼気迫る演奏が9分を超える長尺の中でじっくりと堪能できる。


[収録曲]

1. Pana
2. Just Say Goodbye

4. Nena
5. Suavecito
6. Peace

1972年リリース。



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Last updated  2025年08月20日 23時56分12秒
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