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2006年06月07日
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テーマ: ニュース(96858)
カテゴリ: ニュース
ジョンズ・ホプキンズ大学ライシャワー東アジア研究所所長ケント・ガルダー氏は、朝日新聞のインタビューの続きで次のように述べています;




 「現在のところ積極的な反発を呼ぶようなことはありませんが、日本のイメージを傷つけたり、信頼性を低下させたりする可能性があります。90年代の終わりから、日米安保の協力関係が進み、特に同時多発テロ以後は、日本のインド洋への護衛艦派遣などが高く評価され、米国では日本は本当の同盟国になったという見方が出ています。私も、小泉政権の下での日米同盟の深化を高く評価しています。ところが、そこにこの靖国神社の問題が出てくると、米国民の間に、日本は理解できない国だという印象を生むのです」

--理解できないとは。

 「靖国神社の歴史解釈は、第二次世界大戦における日本の立場を正当化し、美化しているものではないでしょうか。米国内でこれがはっきりとした問題になれば、かつて日本と戦った米国人には、この歴史観は受け入れにくい。異なった歴史解釈の上に、安定した同盟関係を築くのはむつかしいでしょう。この問題が顕在化して、多くの米国人が靖国神社を知るようになると、日米関係の障害となりかねません」

--日本とアジア諸国との関係がぎくしゃくしても、日本には日米同盟があるから大丈夫という声がありますが。

 「それはどうでしょうか。もちろん日米同盟はそれ自体で価値のあるものです。しかし、歴史問題のために、日本が米国としか話ができないということになると、米国にとって日本の意義はかなり小さくなります。大事なのは、韓国や東南アジアを含め、アジア全体できちんとした日本が果たすことです。中国の力が大きくなると、そういったアジアの国々が重要になってくる。彼らもまた歴史問題に影響されます」

--歴史問題は日中関係にとどまらず、日本外交全体に影響を与えるというわけですね。

 「日本は中国に対する影響力を失っているため、ロシアや東南アジア、他の地域に対する日本の影響力も低下しています。外交とはそういうものです。日本が米国にしか頼れないとなると、日本の米国に対する発言力すら低下します。ひとつの選択肢しか持たない国は、意見を尊重されなくなる可能性がある。現実主義者ならだれでもわかることでしょう」

--歴史問題は微妙です。かつて戦った国民同士が、歴史観を共有できますか。

 「それは確かに難しい。 だが、歴史問題で相手をわざわざ挑発することはないでしょう。 日米はかつて敵国同士でした。両国民は自分の国を信じて戦いました。そのことは国民として当然だと思います。私の父といとこは、真珠湾で戦死しました。しかし、私たちは今日、過去を過去として乗り越えねばならないのです。かつて、95年ですが、当時のモンデール駐日大使が東京大空襲の記念式典に出たことがありました」

--当時の新聞にも出ていましたね。大使はどんな考えで何をされたのですか。

 「大使は後ろのほうで黙って座っていました。出席は、大使の判断による個人的な非公式行動です。でも、犠牲者の遺族には気持ちが通じたのではないでしょうか。政府の公式的立場をそこなわない範囲で、できることはあるのです。そういうやり方で、彼は空襲の犠牲者に配慮を示しました」

--今後は、歴史問題にはどのような取り組みが必要だと思いますか。

 「米国が公式に直接、この問題に介入するべきではありません。むしろ、政府ではない民間レベルで協議することが望ましい。それも多国間の枠組みでやるべきです。日米中の3カ国だけでなく、多くの国、たとえば、カナダやスゥエーデン、ドイツなどの善意の第三国、さらには歴史問題に直接かかわりのないアジアの他の国などが加わることが望ましいと思います」


2006年5月4日 朝日新聞朝刊 12版 9ページ「歴史と向き合う-『靖国』米国はどう見ますか」から引用

歴史問題でわざわざ相手を挑発することはないだろう、という指摘はごく当たり前の常識です。この常識を欠いた人物を首相に選んだのが間違いの始まりだったと思います。






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最終更新日  2006年06月07日 19時28分39秒


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