Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年09月16日
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カテゴリ: 霊魂論



「精神科学と医学」第五講 本文・解説 1920年 3月25日 ドルナハ
第五講●解説 テーマ7 あらゆる植物成長の生命の根底
 あらゆる植物成長の生命の根底には、統一的な地球有機体組織というものがある。幹は地球の瘤であり、草のような植物においては地球それ自体が幹である。寄生植物であるヤドリギ(寄生木)は、花や種子を担う器官が、外的な分泌のように幹についているヤドリギの形成にあっては、植物のなかの地球的でないものが解放される。トクサが茎の形成において上昇しようとしているように、植物の主要な器官である根、茎、葉、花、実のどれもが何らかの植物形式から自由になろうとしている。植物を観察するならば、個々の植物を観察するというよりも、それが地球の生体組織の一部であるということを考慮する必要があります。個々の植物を観察するというのは、人間の髪の毛の一本一本を観察するようなものなのです。比較的最近になって、地球環境の問題から、太陽系惑星地球を地球生命体としてとらえ、ガイアということが言われるようになっていますが、その観点は地球上に存在するさまざまな存在についても深く考慮されなければならない問題になるといえます。
参考画:ガイア(Gaia)



 さて、樹の幹に注目してみましょう。この幹は、地面に直接生えている植物にとっては地球全体にあたるといいます。シュタイナーは、幹はすべて地球の瘤であるというのです。ですから、草のような植物にとっては、地球そのものが幹であるのだといえます。こういう観点からすれば、草のような植物から花を摘むのと、樹から花を摘むのとでは違いがあるのだということは容易に理解できます。皆さんが地球の植物存在を観察されるときは、何よりもまして、通常そうされているようなやりかたでこの植物存在を見る必要はありません。つまり、地球面上を通行しつつ、次から次へと植物を観察して、それらを詳細に調べ、これらの植物を一つの図式のなかに組み込むべく、二分化、あるいは三分化された名称を考え出すというふうに観察するのではなく、皆さんは、地球全体がひとつの存在であり、ちょうど皆さんの髪の毛が皆さんの生体組織の一部であるように、なるほど髪の毛はどれも似たようなもので、植物の方は互いに異なっているので、少なくともある意味では当て嵌まらないのですが、植物界全体も、やはり地球の生体組織の一部であるということを考慮に入れておかなくてはならないのです。皆さんは、髪の毛一本一本をそれ自体ひとつの生体組織として観察できないように、個々の植物をそれ自体独立してあるものとしては観察できません。植物がさまざまに異なっているのは、地球が他の宇宙と相互作用しつつ、さまざまな方向へ力を展開させ、それによって植物がさまざまに組織化されることに基づいています。けれども、あらゆる植物成長の生命の根底には、統一的な地球有機体組織というものがあるのです。したがってある種の事柄に注意を向けるのは特別重要なことです。皆さんが、そうですね、キノコを観察なさって、最初におわかりになることは、このキノコにとって、地球そのものが一種の生息地、一種の母体であるということでしょう。さらにそれより高度な、草のような植物に移ると、皆さんは、ここでもやはり地球は一種の母体であるけれども、地球外的なものがすでにこの草のような植物にある種の影響を与えているということ、つまり、光やその他のものが、花や葉などの形成においても影響を与えていることがおわかりになるでしょう。けれどもとりわけ興味深いことは、皆さんが、樹というものに注意を向けてごらんになればおわかりになることです。つまり、樹幹の形成が樹を樹齢何十年もの植物にしているわけですが、この幹の形成のなかに、地面の上に直接生えている植物にとってはふつう地球全体であるものが継続して存在しているということです。なぜなら、よろしいでしょうか、これは次のように思い浮かべていただかなくてはなりません。つまり、ここに地球があると考えてください。この地球から植物が生え出ています。そして私たちはこの地球そのもののなかに、この植物の成長の根底にあって、宇宙から流れ込んでくるものと相互作用しつ現れてくる力を探究することができます。けれども樹が成長するとき、地球はこういうふうに、これから申しますことにあまりショックを受けないようお願いいたします、これは本当のことなのですから、以前は地球から直接植物のなかに流れ込んでいたものの上にある意味でかぶさっていくのです。これが幹のなかに入り込みます。つまるところ幹というものはすべて地球の瘤なのです。こういうふうに考察されないのは、ひとえに今日の実に忌まわしい唯物主義的な想定に起因しています、人々は地球を単に鉱物の複合体だと考えていて、こういう鉱物的地球などというのは不可能な想定なのだという方向に前進する気配もないのです。この地球は、鉱物的なものを分離することのほかに、植物的なもののなかへ突き進んでいく力を、自らのうちに有しています。これがまくりあげられて幹となるのです。幹においてさらに成長するもの、これは、幹というものに関して、草のような下等な植物において地面に直接生えているものと、比較されねばなりません。私が申し上げたいのは、草のような下等な植物にとっては地球それ自体が幹であり、花や種子の器官が幹に付いている植物は自ら特別の幹を作り出しているということです。このことから、私が、樹から花を摘むか、草のような植物から花を摘むかでは、ある種の違いがあるということがおわかりになるでしょう。こうした観点から、寄生植物、とくにヤドリギの形成を見ていきますと、花や種子を担う器官が、外的な分泌のように幹についているのだということが見て取れます。ここでは、植物のなかの地球的でないものが、ヤドリギの形成において解放されるのだといえます。さらにこの観点から、植物における寄生植物形成、とくにヤドリギの形成にご注目ください。これは、ふつうはまだ植物と組織的に結びついたままのものですが、花や種子を担う器官が、外的な分泌のように、ひとつの経過そのもののように、幹に付いているのです。したがって皆さんは、通常は花や種子の形成のなかにあるものが、地球の力のある種の分離と結びついて上昇していくようすを、ヤドリギのなかに見なければならないのです。いわば植物のなかの地球的でないものが、まさにヤドリギの形成において解放されるわけです。ですから私たちは、地球から上昇しようとしているもの、地球外的なものと相互作用しているものが、花と種子の形成において、徐々に地球から自らを分離していくのを見、ヤドリギの形成において、とりわけ強力に自らを個性化する解放に至るのを見るのです。地球的なものから自らを解放しているヤドリギのような寄生植物は、種子形成、花形成へと上昇する植物であるということができますが、根の形成に向かう植物は、より地球的なものに向かう傾向があります。このように、植物を、根、茎、葉、花、実などの主要な器官のいずれかを突出させようとしているだという観点から、観察することができます。たとえば、トクサは、茎の形成において上昇しようとしているのがわかりますし、筆に似たツクシの形態、スギナをイメージされるとよくわかると思います。ある植物は、葉の形成において上昇しようとし、またある植物は、茎の形成と葉の形成を萎縮させて花の形成において上昇しようとしているのが観察できます。さてこれを、植物における形成として皆さんに知覚されているものと結びつけておくならば、皆さんはおそらく次のようにおっしゃるでしょう。つまり植物界に関しては、植物がいっそう根の形成に向かう傾向に応じて、すなわち、根の形成のなかに優先的にその植物の成長関係が現れていて、小さいか、未発達な花形成を示している、その度合いに応じて、かなりの違いがあるにちがいない。そういう植物は、より地球的なものに向かう傾向があります。さらに、この地球的なものから自らを解放している植物は、まさに種子形成、花形成へと上昇する植物であり、とりわけ、植物界において寄生植物として通用しているような植物です。けれども植物には、そのいずれの器官をも、たとえば、パイナップルやその他の植物が幹をもっとも突出したものにしようとするのを観察してごらんになれば、もっとも突出したものにしようとする傾向があり、植物の主要な器官のどれもが、つまり、根、茎、葉、花、実のどれもが、何らかの植物の形式から主要な器官になろうと努力している、と言うことができるのです。そうですね、トクサ(Equisetum)のような植物を考えてみてください。トクサは茎の形成において上昇しようとしているのがおわかりになるでしょう。別の植物は、葉の形成において上昇しようとし、また別の植物は、茎の形成と葉の形成を萎縮させて花の形成において上昇しようとするのです。
   (第五講●解説 テーマ■7.燐的なもの、塩的なもの、水銀的なもの -了)

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最終更新日  2024年09月16日 09時18分13秒
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