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フルート製作メーカのSANKYOのWeb頁がリニューアルされました.昨年末くらいから発売代理店のプリマ楽器のWeb頁で紹介されていた10Kゴールドフルートのカタログが,本家のSANKYOの頁にやっと掲載されました.ホームからカタログの頁に飛ぶと,右側に縦にゴールドフルートのラインナップの写真が載っています.金の純度が高くなるほどいわゆる金色になり,10Kのものは赤っぽい色をしているのも興味深いですね.こんな写真を見ると,思い出すのは,私が愛用しているフルートを買ったときです.ちょうど10年くらい前に,そのプリマ楽器でSANKYOのフルートを求めました.私の購入した楽器にお金を払った後,そのときショップでお相手をしてくださった営業の方が,奥のほうからフルートケースを出してきて,「面白いものがあるんですよ...24Kのフルート.」その当時,24KのフルートはSANKYOが粉末冶金という方法で世界で初めて実用化したころでした.営業の方がその楽器をやおら組み立てて,「どうぞ」.試奏させていただ時の音色は今でも忘れられませんが,高嶺の花,です...「ちなみにお値段のほうは?」とお聴きしたら,ベンツの高級車が買えるくらいの金額でした.
May 28, 2006

丁度先週の日曜日(5月21日)は,と~ってもいいお天気でした.この週末の梅雨のはしりのようなお天気とは正反対の行楽日和の日でした.その行楽日和,鎌倉にお寺めぐりをしました.神奈川県には大学に入るまで10年近く暮らしていて,初詣は家族で鎌倉の鶴岡八幡宮に行くのが恒例となっていましたから,しばらくぶりで鎌倉めぐりは楽しみでもありました.先週の日記にも書きましたように,その昔ミュンヘンで大変お世話になった先生がもうすでにお仕事を退職され,その奥様と日本に観光に見えたのですが,その先生の研究室に滞在したことのある日本在住のメンバーが,先生と旧交を温めようと企画されたワークショップと遠足だったのでした.ワークショップの20日土曜日は夕立後に虹も出るくらい不安定なお天気でしたが,この遠足の日は本当にいいお天気でした.遠足に参加したメンバーは口々に,「今日は本当にお天気がいいですね,これもギュンター先生の御人徳ですよね...」などお話しておりました.そう,どんな若い人にでも真剣に耳を傾けて下さり,また好奇心もとても旺盛でいらして,本当に会話が弾んでしまうのです.話の聴き上手という意味でも,またこれまであげてこられた業績についても,また,工学的なお仕事をされながらも芸術にも深い関心とご造詣が深いという意味でも,私のとても尊敬する先生なのです.さて,小さなバスをしたててお台場のホテルを出発したのが朝の8時,ところが日曜の朝とあって,首都高湾岸線からつるみ翼橋とベイブリッジをわたり,横横道路をちょっと走って,なんと1時間で北鎌倉に着きました.ここからは徒歩で6つのお寺と神社を参りました.北鎌倉といえば,まず駅前に参道がある円覚寺.遠足参加メンバーがちらと写っています.ここから遠足開始!さっそく,参道脇の石組みの壁から壁を出した,ユキノシタの花の可憐さに目を奪われました.そして梅の木緑も深くて,印象的.それにしても,この円覚寺に限らず,鎌倉ってこんなにも緑が深くしっとりしたところだったんだ,と改めて思いいりました.紅葉のきれいそうな木々も多かったので,紅葉シーズンは人出も多いでしょうが,それはそれは楽しみなところですね.円覚寺の次は駆け込み寺として知られる東慶寺.ここでは,カルミヤ(アメリカシャクナゲ?)の花が見事でした.この花は丁度この季節に咲く花らしくラッキー.次は明月院.ここはアジサイ寺と呼ばれるくらい,アジサイがたくさん植えられていることで有名ですね.もっともアジサイを見るには一ヶ月早かった.このショットから,階段の両脇にたわわなアジサイの花が見られるはずなわけです.ここでのお気に入りショットはこれ.浄智寺では,サルスベリの木や,今でも赤いもみじのコンビの庭園が印象的でした.それから,建長寺.ここはさすがに立派なお寺ですし,境内も広いですね~.ここの方丈も立派でしたが,ここではちょうど法事のお経があがっていました.じっくり耳を澄まして聴いてみると,これも厳かな音楽に聴こえてきました.木魚のリズムに,ときどきカ~ンとはいる鐘の音,それにお経,しばしの安らぎ...建長寺を見学したあと,ちょっと遅めのお昼は,建長寺の山門近くにある「鉢の木」という精進料理のお店.北鎌倉駅近くにも支店があります.ここで食べたのが,精進料理のお昼のセット.これはおいしかった.味付けが自然だし,濃くないので素材の味が存分に楽しめました.そうして最後は鶴岡八幡宮.ここはやはり鎌倉の表玄関といえましょうか.本殿は大修復が終わった直後で,柱や梁がとてもきれいな朱色をしていました.そして,先生が,「は~,これはモネのスイレンの絵だね,ヤァ~!」とおっしゃったのが,源平池.ここまでたどり着いた時点で午後3時半過ぎ,さすがに歩き疲れましたが,この遠足の前日にアメリカ出張から帰ってきた身にとっては,陽の光を十分に浴びて一発で時差ぼけ解消,の遠足でもありました.先生も奥様も,残念ながら日本語は簡単な単語しかご存じないのですが,英語は十分にご堪能です.しかし,私も独語がしゃべれたら,もっともっといろいろお話できるのに...独語を話せる方がうらやましい!,という思いも切にいたしました...この時期,とても深い深い緑が本当にたっぷりとしています.ちょっと鎌倉に足を伸ばしてのお散歩,本当に是非おすすめです!
May 27, 2006

5月20日は夕方お天気が不安定でしたが,東京や横浜など各地で大きな虹が見えたようですね.私は,その日の夕方,海外出張から帰ってきて成田に着いたその足で,別の仕事でお台場のホテルに宿泊しました.成田においておいた自家用車で一路お台場へ.参加予定のワークショップの最終セッションにたどり着き,発表.そしてそのホテルにチェックインして午後6時過ぎ部屋にたどり着きました.ワークショップは地下1階の小さな宴会場であったので,夕立が通り過ぎたらしいのがわかりませんでした.それで,21階の部屋にたどり着き,窓のカーテンを開けたら,「虹」が!ちょっと感動的.そのときの光景が,↑この写真です.この虹の右側には羽田空港があり,お~,飛行機があがってきて左のほうに旋回してくるではありませんか!これは虹をくぐる!,と思ってシャッターを切ったのが,次の写真です.飛行機が虹をくぐるのを目撃するなんて,ちょっと夢みたい?その日の夜は,ホテルの上階のレストランで参加者を交えてお食事でした.夜景もきれいて,お台場といえばレインボーブリッジですが...小さなデジカメの割には夜景もよく撮れました.実はこの日は,ドイツのミュンヘンにある大学の教授でおられたギュンター・S先生が奥様をお連れで日本に観光にお見えになる,というので,その先生の研究室に滞在したことのある日本の先生方が集まった,そういう小さなワークショップだったのでした.私もずいぶん昔に1ヶ月だけお世話になったのですが,末席に加えていただきました.先生はもうずいぶんご高齢なのですが,日本にいらっしゃるならご無沙汰している私もお会いしなければと,成田からおまけの一泊の強行軍になったのでした.翌21日はみんなで鎌倉見物.いいお天気に恵まれ絶好のお寺めぐりになりました...その話はまた別日記に.
May 20, 2006

(ちょっと書き足しました)フルートを始めたのは中学2年のとき.もうずいぶんと昔.そのときのレッスンは,NHK教育テレビで放送されていた「フルートとともに」.最初に見た「フルートとともに」は講師の先生(宮本明恭先生)がバロック時代の曲を中心に取り上げていた.そのときに気に入ってしまったのがヘンデルの「通奏低音とフルートのための11のソナタ」のなかにあるト長調のソナタ.これは緩急緩急緩の順で5楽章が連なっている,いわゆる教会ソナタの構成をとり,非常に親しみやすい曲である.このソナタ集は,それぞれに「縦笛リコーダーのための」と「横笛フルートのための」という区別があり,縦笛のための曲はアルトリコーダーで演奏する.このト長調のソナタは横笛用.当時はトラベルソーで吹いたのでしょうが,いまは現代ベーム式のフルートで演奏する.もちろん私も.(もっとも最近トラベルソーにもちょっと食指が...)講師の先生のアナリーゼがとても興味深かったし,なるほど演奏上の解釈としてちゃんとした作法があるんだ,楽譜も読めるんだ...ということが,早い時期に勉強できたのは,とてもよかったです.それにしても,後で考えてみると,テレビ放送のレッスンにしてはかなり高度なことを教えていたような気がするし,それでずいぶんと勉強になったことは確かです.この曲が好きになったきっかけは第2楽章.この曲で初めて,2声部進行というのがあるのを知ってへぇと思ったから.この2楽章の冒頭は,そのときのテキストからもってくると,となっていて,この3,4小節目を聴いてビビンと来てしまったのだった.専門家の方がご覧になったら,何でこんなところで?と笑われてしまうかもしれないが,音楽はまだ駆け出しの中学2年のときである.これがピアノだと,小学生になるかならないかぐらいからはじめていれば,とっくに経験するようなパッセージだとは思いますが,一本の楽器であたかも2人いるように聴こえるように曲が作られていることに,いたく感心したのでありました.この曲は,通奏低音との掛け合いも面白く,この譜面だけでも,フルートが先行するシグナルテーマが5小節目からDdurで通奏低音が追いかけてくるのがわかりますね.随所に仕掛けがあって面白い曲であることも好きになった理由です.そんな仕掛けの面白さを,先生はずいぶんいろいろ説明してくださっていました.その後1年おいて,新しい講師の先生が登場しました.吉田雅夫先生です.このときのテキストはモダンなフランス系の,トゥルーの練習曲を中心にしたものになりました.このテキストは後に大いなる加筆を経てシンフォニア社から刊行され,今でも買うことができます.そのテキストの後ろのほうに,曲全体が最初から最後まで2声部で進行する曲が載っていた...本当に洒脱な曲だし,音の花束とはいいネーミング.でも本当にかぐわしい「花束」に聴こえるには,これは相当のテクが要ります.現在の私は降参気味.練習するなら,かなり基礎錬をやって1年がかりにしないと...しかし練習時間が.吉田先生のレッスンは,宮本先生のレッスンに輪をかけて,アナリーゼが豊富で,楽譜をどう読むかについて,しっかりとしたものがありました.トゥルーの練習曲も,そのアナリーゼが順をおって積み重ねることができるようになっていて,それまでなんとなく感覚でわかっていたメロディの吹き方が,ちゃんと理論的に説明された気がしてとても勉強になった,そういう記憶があります.
May 7, 2006

これもCD店の店頭で見つけ,あっと思って購入したCDです.フルート演奏家有田正広さんのCD "Trance Centuries" (AVCL-25004).有田さんは,古楽のフルート演奏家として有名ですが,このCDは,17世紀から20世紀直前までの作曲家の曲を世紀にまたがり10曲収録したものです.さらに面白いのは,『「作曲家本来の意図とその時代の〔正しい〕演奏法」(同CDの佐伯文子氏によるライナーノートより)を追求して』,演奏に5種類のフルート,伴奏もチェンバロと2台のピアノを使い分けて収録している点です.ひとつのCDで同一演奏者による楽器の音色の違いを楽しめる,という趣向です.ライナーノートには使用楽器のリストも載っており,次のとおりです.Eyck (ca. 1590-1657)作曲の「笛の楽園」からの3曲は,1600年代のルネッサンスフルート(キーなし)を模した現在のフルート作者が作った楽器で無伴奏演奏.Blavet (1700-1768)作曲のフルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調作品3-3と Corelli (1653-1713)作曲のフルートと通奏低音のためのソナタ第11番ト長調作品5-11には,1720年に作られたバロックフルート(1キー付)を模して現代のフルート作者が作った楽器で,1700年頃製作されたといわれるチェンバロの伴奏.Schumann (1810-1856)作曲のフルートとピアノのためのロマンス作品94とAndersen (1847-1909)作曲のフルートのための即興曲作品7は,初期のベーム式フルートでLouis Esprit Lotの1879年作のフルート,Ignaz Boesendorfer (Wien) の1851年作のピアノで伴奏,同じ,Loius Esprit Lot のフルート,Sebastian Erard (Paris)の1895年作のピアノで,Faure (1845-1924) 作曲のコンクール用小品ヘ長調を演奏.Sebastian Erard のピアノで伴奏,ベーム式のLouis Lot作1910年作のフルートで,Enesco (1881-1955) 作曲のフルートとピアノのためのカンタービレとプレスト を演奏.そうして,C.P.E. Bach (1714-1788) 作曲の無伴奏フルートソナタ イ短調を,現代ベーム式のMuramatsu 1999年作のフルートで演奏.というような具合です.ルネッサンスフルートとバロックフルートは木管でしょう.それ以外は,おそらく銀製かと思われますが初期ベーム式のフルートは木管なのかもしれません.楽器が新しいほど発音が鋭く,C.P.E バッハの演奏は,耳によくなじんだフルートの音です.ところでいま私がちょっと気にかけているのは,管体の銀の純度が必ずしも高くなく,微量金属が入った楽器の音色です.19世紀後半から20世紀前半の銀製フルートは,金属の精製技術がやや未熟だったのか,あるいは音色作りのために積極的に微量金属をいれていたのからしく,Louis Lot の楽器もオールド楽器として高い評価を得ているようですね.どうもその手の楽器は中低音域に独特のふくよかな音色を持つのではないか,という気がしています.そういう思いにいたったのは,Altus Fulute にLouis Lot のオールド楽器を模したフルートを特注したEmily Bynon氏 の演奏CDと,Helmute Hammig 作のオールド楽器で演奏している高木綾子氏の演奏CDの中低音域の音色の感じに共通点がある印象を持っているからです.どちらも他の演奏者にはない音色を感じています.今回有田さんのこのCDを聴くと,もし,Louis Esprit Lot や Louis Lot が銀製楽器ならば,ますますこの音色の仮説は,確信に変わるという感じがしました.つまり,Muramatsu の楽器にも,バロックやルネッサンスのフルートにもない,オールドな銀製楽器にありそうな,中低音域のふくよかな感じの音色が,このCDのLoius Esprit Lot や Louis Lot を使った演奏にも感じられるのです.まあもしかするとそう思い込むからそう聴こえるのかもしれません.でもやっぱり違いを感じるんだなぁ.特に,Louis Lot の音にはその感じが強いです.ただEsprit の方は,低音域の発音がタンギングからやや遅れて発音される感じもあり,これはバロックやルネサンスフルートのほうにも共通する感じなので,こちらのほうは本当は木管かもしれませんね.このあたりのオールド楽器の作者や管材に関することは,もっともっと勉強してみたい気もします.いろいろ検索をかけると出てくるでしょうね.伴奏のピアノの音色が違うのも興味深いですが,フランス系代表のFauleの曲の演奏では,フランス製のフルートにフランス製のピアノを使うなんて,心憎いですよね.一枚のCDで,さまざまな楽器の音色を楽しみながら,その時代の音楽も楽しむことができる,実にユニークな企画のCDだと思いました!
May 1, 2006
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