パートナー

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2005/07/19

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テーマ：社交ダンス(8747)

カテゴリ：その他

競技ダンスのパートナーは、苦楽を共にする同士であり、練習では最大のライバルでもあります。そして、フロアに立てば、たった一人の味方です。

練習会を終えて、教室に通う競技選手たちでおしゃべりしていると、私達のラテンのメインコーチであるT先生が、なにやらかしこまって、きっちりと封をした封書を配り始めました。

「な～に？お金？」

冗談を言いながら、封筒を開けると、中にはワープロで打った一枚の手紙。リーダーが先に読んで、それを無言で手渡されました。

「拝啓、暑い日が続き…（なに、いきなり季節の挨拶？）… ２４日のパーティと、８月７日のデモンストレーションを最後に、５年間に渡る競技生活を終え、カップルを解消することになりました。…」

T先生は，私がその文字に到達するのをじっと待っていたようで、顔を上げた瞬間、目が合いました。

「カップル解消？！」

「残念だけど，話し合ってそういうことになったんだ。」

「新しいパートナー募集ってこと？」

「彼女は、もう、社交ダンスやめちゃうの？」

５年前、私達がこの教室を見学に来た時、彼女は高校生でした。更衣室に制服がかけてあって、T先生は、彼女に、ルンバの「いろは」を教えていました。とてもかわいらしい，スタイル抜群の女の子で、みるみる上達して、私達も彼女に教わっていました。

二人は急速に仲良くなって、このまま結婚するんじゃないかなんて思っていた時期もあったほどです。

しかし、去年の１２月で彼女は、教室を辞め、もっと、いろいろなダンスを勉強したいと言って、ジャズダンスやヒップホップの教室に通うようになりました。教室は辞めても、競技には出場していて、練習会にも参加していましたし、キャロル先生のレッスンも受けていました。

先月，九州の大会にエントリーしていたにもかかわらず、ドタキャンしたのはこのせいだったんだ。なんだか，寂しいけど、手紙には、「それぞれの夢・希望に向かってこれからもがんばっていきたい。」とかいてありました。いつのまにか、ふたりのベクトルが違う方向をさすようになっていたんですね。

T先生に、また、すばらしいパートナーが見つかりますように。そして、彼女にも、大きなチャンスが訪れますように。