ブルー・グラス（その４）

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2005/12/14

(16)

テーマ：社交ダンス(8695)

カテゴリ：競技会関連

ベッドの隅に腰掛けて、じっと窓から遠くを眺めている。ここは沖縄...。

「早く支度しないと、遅刻するよー！」

目覚ましに反応はしたものの、ベッドに腰掛けたまま動かないリーダー。今日は今年最後のA級存続をかけた大切な試合です。しかし、なんとなく二人とも動きがノロノロになってます。リーダー、思いっきり酒臭いし。泡盛飲み過ぎだってば。

予定より大幅に出発時間が遅れ、糸満市にある西崎総合体育館を目指しました。受付終了まであと35分。

「ナビって凄いねー。こんな細い道、地図見ながらだと大変だもんね。」

いつも遠征の時に人間ナビをやっている私にとって、夢のような近代的ツールです。ところが、しばらく進むうちに、リーダーが変なことを言い出しました。

「ぼくが地図で調べた道と違う。本当にこれでいいの？もう一回確認して！」

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そんなこと言われたって、地図はトランクの鞄の中だし、ナビだって再設定するなら車止めないと出来ませんよ。

「それじゃ、車止めてよ。」

「なんか、だんだん海から離れて行ってるよ。本当にいいの？」

いいの？って言われたって、私だって初めて来る場所なんだからさ、ナビ信じるしかないじゃないの。不安がつのります。車の中に緊張した空気が充満して、息がつまりそうです。このままどこまで行くつもり？道路にはひめゆりの塔なんて看板が出てます。

「ひで。さんに電話して、受付してもらおうか？」

すると、「西崎総合体育館」の案内板が目に入りました。二人して安堵のため息です。こんなとこで迷ってたら、本当に受付時間に間に合わなくなって、宴会しにきただけになるところです。黄門様の大笑いが頭に浮かびました。

体育館に着くと、もう近くの駐車場はいっぱいで、遠くの駐車場に行くように案内されました。受付終了５分前。車を置きに行ってからでは絶対間に合いません。前にもこんなのあったなー。

体育館横付けで車を止めて、彼だけダッシュで受付に走りました。ほかにも走ってる人がいましたが、まさか水戸黄門チームの方々じゃないですよね。

受付を済ませた彼が、やけにたくさんの荷物を持って車に戻ってきました。県外からの参加選手には琉球ガラスのコップがプレゼントされ、その他にもたくさんの観光案内パンフレットを二人分もらってきたんです。

遠く離れた駐車場に車を置いて、ゴロゴロ鞄を引きずり体育館に戻ると、すでに開会式が始まっていました。

（つづく）

＜琉球ガラス＞