2007/01/10
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テーマ: 社交ダンス(8604)
カテゴリ: TVのはなし
ラスベガスの最終予選は一週間に渡って行われました。

全米から選抜された116名のダンサーは、皆それぞれ自分の得意のジャンルを持っています。

しかし選考会はそれとは関係なく、4種類のダンスの振り付けをその場で覚えていきなりテストされます。

ヒップホップやバレエなどの一人で踊るダンサーも、慣れない社交ダンスに即席カップルでチャレンジ、逆にいつもペアで踊っている社交ダンサーもソロの実力が試されるんです。



自分に置き換えて考えると、それがどんなに大変か分ります。

社交ダンス初心者のころの自分が、『ワルツとスローとパソとルンバの振り付け、今すぐ覚えろ。』って言われて、すぐに競技会出場みたいなもんです。普通できませんよ。でも、出来ちゃう人もいるんですね。

肉体と精神の極限状態に耐えきれず病院おくりになるもの、『もうこんなのは嫌だ!』といって自ら脱落して行くもの、慣れないダンスについて行けずふるい落とされるもの。

1週間後、過酷なレースに勝ち残った43名が最終審査に臨みます。

一人ずつ舞台に呼び出されて、男女それぞれのトップ10に入っているか否かを告げられるんです。控え室は緊張感で息がつまりそう。






あまりに上手すぎて私にはどうこう言えないんですが、二人の大きな違いはアリソンはプロでデジャネーはアマだということ。

その意識の違いが多分踊りにも現れるのだと思います。同じ年齢ですが、ワンチャンスに全力を出し切る術を知っていたアリソンには一日の長があったのかもしれません。デジャネーは落選、アリソンは合格です。

ベンとヘザーはいっつも一緒(always together)なカップル。

ギリシャ彫刻のような端正な顔立ちに金髪ストレートヘアーのヘザーは典型的な美少女なのに対し、ベンはギョロ目のネズミ男といった感じでどう見ても釣り合ってないんですが二人は幼なじみでダンスの腕前も確かなもの。17才の高校生カップルです。

一方、ロシアから渡って来たラテンダンスカップル、スタニスラフとジュリア。二人が踊るチャチャチャは、ほんの数秒しか映りませんでしたがしっかりとした足下に確かな技術を感じました。

この二組、両方とも男性だけがトップ10に勝ち残り女性が落選します。

ヘザーは悔しがって泣き、ベンはその評価に不満たらたらでした。

一方、スタニスラフとジュリアはさすがプロの競技ダンサー。負けた悔しさも勝った喜びも知っています。




この辺まで勝ち残ってくるダンサーは大抵小さいころから基礎を勉強して来た人たちばかりですが、中には驚異的な身体能力を持ったストリートダンサーもいます。

ムーサはアメフトかバスケの選手みたいな屈強な黒人、ホークは小柄なアジア系留学生。どちらも2年目の挑戦です。

「みんな小さいころから正統派のダンスレッスンを受けてる人たちばかりだから、ちゃんとスピン出来ないのは俺くらいだ。」



しかし彼にはビザの問題がありました。学生ビザではNo.1ダンサーになっても働くことが出来ないという理由で彼は落選します。ムーサは勝ち進み、トップ10に入ったアジア系のダンサーはいなくなりました。




最後に大将のお気に入りのダンサーをご紹介しましょう。彼の名はベンジー。

とっても明るいキャラクターで、清潔感あふれる真面目な青年なんですが、優しくて泣き虫なので審判の格好の餌食になってしまいます。

「あなたのことは子供のころ、まだダンスを始めたころから知ってるわ。その時から比べたら、本当によくここまで成長したと思うの。」



「だからあなたに私の口からこんなことを伝えるのは本当に辛いの。」

ベンジーの表情がどんどん暗くなって行きます。

「社交ダンスだけなら、あなたはチャンピオンになれたかも知れない。でもここでは総合的な能力が要求されるのよ。」

やっぱりこれで終わりなんだ。誰だってそう思いますよ。




「あなたにはこの後も踊ってもらうわ。」

うわ~~。意地悪だなあ。

ベンジーはその場に崩れ落ち大泣きします。このシーンはもう何度も見てるんですが、大将いつももらい泣き。私も時々もらい泣き。

彼は2年間の教会の奉仕活動を終えて帰って来た時、待っているはずの彼女が別の男性と婚約していたんだそうです。

「彼女は素晴らしい人だから責めるつもりはないけど、ボクは深く傷ついていました。そんな時、友達がこの番組の去年の決勝戦のビデオを見せてくれたんです。これだ!と思いました。ここに勝ちのこることがボクの夢になり、立ち直ることが出来たんです。」

ミスコンで優勝した気分だと言って控え室に戻るベンジーをカメラが追います。彼は踊りながら細い廊下を通り、『誰だか知りませんがホクはうれしいんです。ハグさせて下さい。』っていいながら行き会う人みんなと抱き合っていきます。

その喜びが何度見ても画面を通して伝染して来て、見ている私達まで幸せな気持ちになります。

最近大将からのメールには、ベンジーのイニシャル「B」がくっ付くようになりました。




<今日のポイント>

1 フロアに立ったらアマチュアだという甘えを捨て、その一瞬に全ての実力を出し切ろう。

2 審判を責めても意味がない。結果を真摯に受け止め次のチャンスにつなげよう。

3 まわりの人のダンス歴や実力を気にして萎縮するのはやめよう。自分は自分。ライバルは昨日の自分。






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Last updated  2007/01/11 05:17:51 PM
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