2012/03/10
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テーマ: 社交ダンス(8731)
カテゴリ: アートのはなし
魂のエネルギーチャージのために上野の国立西洋美術館に行ってきました。

去年 ゴヤ展 を見に行った時にパンフレットが置いてあって、これは絶対見に来なければと思っていた企画展です。

  • ユベール・ロベール_チケット.jpg


1733年にパリで生まれたユベール・ロベールは、21歳から11年間をイタリアで過ごし、そこで古代ローマの遺跡に魅せられるんですね。

彼は別名『廃墟のロベール』と呼ばれていたそうです。

130点ほど展示されていた絵画のほとんどはサンギーヌ(赤チョーク)で描かれた素描で、遺跡や荒れた庭園、宮殿の廃墟、なぎ倒された木などがテーマになっていました。

チケットにもなっている『古代遺物の発見者たち』(1765)はイタリアからフランスへ帰国した彼がすぐに描いた作品です。

  • ユベール・ロベール発見者.jpg


こちらが並んで展示されていた素描。

  • ユベール・ロベール_素描.jpg


今回展示されていた作品のほとんどは、世界有数のロベールコレクションを有するヴァランス美術館所蔵です。



ルーブル宮内にアトリエと住居を構えました。

彼の絵には遺跡などの古い建造物と共に、その時代を生きている人々が描かれているのが特徴です。

こちらは『凱旋橋』(1782-1783)
  • ユベール・ロベール_凱旋橋.jpg


かつて威光を放ち時間の経過と共に朽ちつつある遺跡を、彼の時代に時間軸越しに切り取った風景。

当時愛されていた華やかなロココ絵画とはちょっと違う、もっと深みのあるアカデミックな味わいが王侯貴族にウケたんでしょうね。

間の悪いことにフランス革命が起って、王室べったりだった彼も投獄されてしまいます。

ギロチン台へと名前が呼ばれ、絶体絶命。

ところがこの方、運のいい人なんでしょうね。別のロベールさんが間違えて出て行ってしまって、助かったそうです。

今回の展示会は日本で初めてのユベール・ロベール展なんだそうですが、先の述べました通りほとんどが素描で色付きの絵画はそれほど多くないんです。

でも彼の作品の他に私が愛してやまない クロード・ロラン の作品もイタリア繋がりで展示されていて、そちらも期待に違わぬ素晴らしさでした。


  • クロード・ロラン_笛吹き.jpg


この時代は芸術の都と言えばイタリアで、お金と時間の余裕のある画家はみんなイタリア留学するんですね。

画家じゃないけどゲーテも仕事ほっぽらかしてイタリアで絵描いたりしてました。



全ての道はローマへと続くそうですから、私もいつか行ってみたいものです。


この展示会で私が気に入った絵をあと2つご紹介します。

ピエール・パテル『廃墟と羊飼いを伴う風景』(1640)
  • ピエール・パテル廃墟と羊飼い.jpg





  • ジョゼフ・ヴェルネ夏のイタリア.jpg



マリー・アントワネットと共に断頭台に消えたルイ16世のために、ユベール・ロベールはかつて絵のように美しい庭園をデザインしたことで『国王の庭園デザイナー』とも呼ばれていました。




この展示会は2012年3月6日から5月20日まで上野の国立西洋美術館で開催されています。(公式サイトは こちら

その後、福岡市美術館(2012年6月19日から7月29日)、静岡県立美術館(8月9日から9月30日)と巡回しますので、ご興味ある方はお近くでどうぞ。







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Last updated  2012/03/11 11:15:05 AM
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