2013/03/19
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テーマ: 社交ダンス(8697)
カテゴリ: TVのはなし
超人的な生命力と身体能力を持つ『昭和の脱獄王』。

4回もの脱獄を繰り返した犯罪史上に残る実在の囚人・白鳥由栄をモデルにしたドラマを見ました。

先日ご紹介した 白洲次郎 と生きている時代がかぶってるんですが、この対極的な人生は何なんでしょうね。

名前も『白』がついて似ているのに、本当に天と地ほどの違いです。

貧しさ故の強盗、犯すつもりのなかった殺人。

昭和8年の青森、全てはここから始まります。





青森刑務所の扱いはひどいものでした。

佐久間清太郎(緒形拳)は看守たちに腹を立て、脱獄を決意します。







しかし家族の様子を見に家に帰るに違いないと先回りしていた警察に再び捕らえられます。

そしてもっと警戒厳重な秋田刑務所へ。

ここでの脱獄はまるでスパイダーマンみたいでしたね。壁のわずかな継ぎ目に手足を突っ張り、天窓から。





この時代はまだ走って逃げるしか手がなかったんでしょうね。車もないし電車も走ってないし、服だって通りすがりの農家から拝借です。

次に捕まって送られた網走刑務所はまさに地獄でした。

極寒の独房で鍵のない特製の手錠と足枷を嵌められさらに鎖でしばられて放置。

いくら犯罪者とはいえ、人間としての扱いじゃないです。





そんな絶望的な境遇にあっても、佐久間の自由に向けた執念は萎えることはありませんでした。

みそ汁を少しずつ鉄格子にかけて腐食させ、肉に食い込んだ手錠を床に打ち付けることで少しずつ緩めて行きます。

普通の人ならこの辺で死ぬんじゃないかと思うんですけど、彼は難攻不落の網走刑務所から脱獄に成功するんです。





そうこうしているうちに太平洋戦争が終わります。



食べ物の乏しい次期、畑に泥棒に入ってまた捕まるんですが、さらにもう一度脱獄して、唯一人間らしい扱いをしてくれた鈴江の自宅を訪ねるんですね。

『きちんと勤め上げて模範囚になれ。』

鈴江に諭されて、それから13年間、府中刑務所で真面目に過ごしました。





人は生まれながらに平等といいますけど、それは違いますよね。

持って生まれる資質も違うし、生まれた境遇によってその資質を活かす方法も変わって来ます。



もし平和な時代に生まれていたら、オリンピック選手になっていたかも。

社交ダンスやってたらきっといい選手になってたと思いますよ。





原作は吉村昭の小説で、1985年に読売文学賞および芸術選奨文部大臣賞を受賞しています。

このドラマも昭和60年度の文化庁芸術作品賞を受賞した作品です。

緒形拳の鬼気迫る演技がすばらしい。

重い内容ですが、お勧めです。







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Last updated  2013/03/19 12:07:01 PM
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