GOlaW(裏口)

2006/02/15
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カテゴリ: 西遊記
 踏み込みし者、時の流れより切り離されん。

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 それでは『森』という舞台、そして“展開をマンネリに感じさせない手法”について語らせていただきます。

 『風水』の術の伝承には、“空間を歪ませ、森や建物から出られなくする”『鬼門遁甲』という術もあったようです(兵隊をそれで消してしまったとか)(←3月7日、加筆)。
 その術が森全体に掛けられていたのでしょう(術を使ったのは、かなり高位の道士だったのでしょう)。

 今回は館の入り口に『妖怪避けの封印』と、『空間を歪める術』の両方の中核も込められていたと考えるべきでしょうか。
 おそらく弱い妖怪である修周には『空間を歪める術』の影響を受けずにすんでも、『妖怪避けの封印』は開けられなかったのでしょう。

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 基本的にこういった物語の舞台は、『ダンジョン』、『フィールド』、『シティ・アドベンチャー』の三本に分かれます。
 このうち、“ドラマ”として描きやすいのは『シティ・アドベンチャー』ですね。今回のドラマでは、一話の中に適度に織り交ぜているようです。
 今回は一見『フィールド』に近いですが、厳密には『変則的なダンジョンもの』と言えると思われます。

 通常の『ダンジョン』では、『開錠・罠の感知・罠解除』の三点セットは盗賊の役目です。

 ですがこのような森の『自然の罠』に関しては、狩人や遊撃手のキャラクターが発見する役目を負います。
 このような場合、“野外活動”の知識を持たないキャラクターは足手まといです。今回はそれを逆手に取り、“修周がリーダーシップを取り、それに反発する”構図を作ることができました。
 この辺り、脚本家さんの頑張りを感じましたね。

 また、中華ファンタジーなら“妖術”・“仙術”的な罠を込めたダンジョンも存在します(第三話もそのパターンになります)。
 “陣に仙術を封じ、その上を歩く人間に発動”、“陣により空間を歪め、転移させたりする”などもありえますね(今回は後者の罠も発動していました)。

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 今回の『自然の罠』や『誘導用の小道具』も凝っていましたね。致傷的なものだけでは無く、いろんなパターンを作っていた点には好感を持ちました。
 また『赤い布で矢を縛る』というのも、ヴィジュアル的にすごく良かったです。
 “地図の誘導”には、悟空に「都合が良すぎる」と言わせて見たり(←この一言で、「今回は単なるご都合主義と違う」と視聴者に認識させた)。

 これらのギミックはすごく良かったです。

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 今回のように舞台を変則的にするのも、ワンパターン化を防ぐための“手法”の一つです。
 また今回は“『敵を倒すのではなく、仲間に誘う』という手法”も加えていますね。


『テーブルトークRPGがよくわかる本』 (絶版)のP250-252『もっとプレイヤーに自由を!』の章にも、近い事が載っています。
 物語に自由さを見出すために、“シチュエーションに新しいものを見つけ出す”(P251 8行目)というものです。

 ですが、シチュエーションもいつか出尽くしてしまうでしょう。全11話の『西遊記』なら、それを気にしなくてもいいのかもしれませんが。

 でもそれよりも大切なのは、“見せ方を考える”(P251 最後の行)ことだと思われます。

という言葉(P252 1-2行目)は、そのままドラマにも当てはまるんじゃないでしょうか。

 つまり“後者の手法”は、これに当てはまります。
 悟空が“修周を仲間に誘う”のを、必然と感じさせる展開に気を配ることなんです。
 私は“基本的なプロットが単純でも、パターン化してもいい”と思っています。単純なパターンほど描くのが難しいので、それがきちんと描かれていると尊敬します。
 なぜなら“そのパターンの中で、如何にキャラクターや設定の魅力を引き出すか”という、脚本家の技量の見せ所でもあるからです。

 これは『悟空の視点』のみならば、かなり良かったと思います。
 後は三蔵や八戒、悟浄の視点の問題です。今回はこの三人が、本筋にほとんど絡まなかったのが残念です。
 後半の回では、三人がちゃんと物語に絡んでいければいいですが(この辺り、 第五話(その三) -力を掛け合わす、本当の意味- にも同じことを書いています)。

 このあたり、坂元さんの更なる精進を願います!

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 追記1:
 TV誌に香取君のインタビューが載っていました。

 やっぱり時間が押しまくっているんですね(汗)。
『本格的なアクションシーンは2・3日掛かるため、止む無くカットしている』
 とのこと。
 分かりますよ。最近の展開を見ると、時間が無いことが滲みでてますもんね(頭痛)。…なんとかならなかったのかな、ほんとに。

 とはいえ、今お願いできることは唯一つ。
 スタッフ皆様、どうか倒れることなく頑張ってください。

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 追記2:
 今度の土曜日、『めちゃめちゃイケてる!』(フジテレビ系)で『西遊記』の番組宣伝があります。
 TV誌で概要をみました。
 以下はネタバレです。



 でも折角『猿の妖怪』と言ってくださっているんですよね。
 “狒狒”っていう、ぴったりの猿妖怪があります。これの妖術は“猿真似”。偽悟空になって暴れちゃってください。

 ただし、ただでさえ押している現場を引っ掻き回さないでくださいよ(微笑)。

 ちなみに“狒狒”は 『GURPS 百鬼夜翔リプレイ 黎明に眠れる鬼よ』 の第一話にも出てきます。木村君そっくりに化けた“狒狒(人間としての名は門木拓也)”が活躍してたり。





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Last updated  2006/02/16 09:15:38 PM


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