GOlaW(裏口)

2006/03/07
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カテゴリ: 西遊記



 小芝居で少しは時間を稼いだ。

──あなたが命懸けで自分を守ろうとするなら。
──その意志に答え、我は全てを捧げよう。


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 『そのニ』は私が印象に残ったところを上げていこうと思います。
 まぁ、『その三』は恒例のツッコミになりますが(←今回は大きな部分は無いんですが)、良かったと思うところも上げられるのは嬉しいです。
 第九話は個人的なツボ要素が一杯詰まっていたんですよね。

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◆1.悟空の棒術

 この管理人、ここ数年ほど『香取君には棒術が一番似合う!』と力説していたんですよ。
 そんな自分にとっては、今回の戦闘シーンは念願の代物といえます(歓喜)。
 棒術の優位性については、 『第壱話 そのニ-優れた武術は演舞と魔術に通ず-』 でも触れさせていただきましたね。

 冷静に見ても、第一話の雑魚掃討シーンに比べて、今回は香取君が使いこなせる格闘オプションが増えています(足で引っ掛けて棒を取り上げるところまでいったのは、本当にすごい)。

 棒の回し方にしても、格好付けで回しているのではなく、フェイント(牽制や引っかけ)の為に行っているのが伝わってきます。

 また、“相手の武器によじ登り、頭にキック”なんて、“スーツアクターさん以外の人が行なう”のは初めて見ました。側転までしていましたし。

 また、今回は引き画(カメラを少し離し、全体像を取る)がふんだんに使われているのも嬉しかったです。以前に指摘したかもしれませんが、これまではバストアップ(胸から上)が多く、動きを見ることがなかなかできなかったんですよね。
 今回は『悟浄の啖呵』と並んで猿リピートしています。

 ただ、坤での攻撃を篭手で受け止めた時には、
「腕の骨にひびが入りそうだな…」
と思いました。切る武器や突くものならともかく、打撃武器は衝撃がきついですから。
 でも篭手などの防具を、有効に使う姿が入ったのも嬉しかったですね。


 確かに妖術も組み入れた戦闘も見たかった気もします。
 虫の群れに変わる妖術は、防御補助としても使えた気がするんですよ。欲を言うならば、それで苦しめるシーンが欲しかったかな。


 後、ちょっと話はずれますが、混世魔王と戦う前の悟空の表情もすっごく良かったです。

 何より、“自分の中にある(ドラマで悟空が感じていた)言葉で説教していた”のが良かったです(これまでは、ピントずれの時が多かったですからね…。遠い目)。

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◆2.『悟浄の啖呵』

 はっきり言って、悟浄が混世魔王に言った言葉全部がツボです(キッパリ)。
 “普段は冷静なのに、いざという時は熱い”(←これ、某『特捜戦隊』の緑にはまった時の理由と同じだ)、“絶対的な恐怖を抱えながら、前に進む”…etc. 私のツボが凝集されてます。
 こういう啖呵が聞けるから、ファンタジーは大好きなんです!


2.「あなたに仕えていた時には、一度として感じた事の無い想いです」
 この二つ、自分の小説で使いたいと狙っていたフレーズなんですよね(をひっ)。この大好きなフレーズが、ぴったりの状況で叫ばれただけで、この管理人は撃沈しました(惚)。

3.「今一度、氷の心を呼び起こす事をお許しください」
4.「捲簾大将、沙悟浄! 最期の闘いを観よ!」
 覚悟が一言一言に乗せられていて、すごく重いんですよ。

5.「…通さねぇ」
 この一言に、全ての覚悟が乗っていましたね。

6.「俺が守っているんじゃねぇ。俺達が守られてるんだ!」
7・「俺達を守る為に、命懸けで飲んだんだ!」
 この一言で、“ドラマの中盤の、震えるだけの状況からの変化”を完全に納得させられました。
 この直前、“震える手で種を受け取る”シーンがすごく良かったので、より説得力が大きくなりました。
 悟浄による三蔵への深い理解と信頼を感じさせました。

8.「例えお前が百人いようと、千人いようと敵わねぇ!」
 悟浄が『人を惹き付け、人を動かす、上に立つ者の資格では、誰にも負けねぇ!』という意味を込めて叫ぶシーンが良かった。
 それは“恐怖によって五万の兵を従えた”混世魔王にとっては、強烈な皮肉であったと思います。

 また、悟浄が実力差を人数に例えるシーンは、第一話にも登場しました。
 そのときは八戒に『だったら普段の○倍の力を出せばいいじゃないですか!』と切り捨てられていたんですよね。実力差にびびりやすいのは、実は悟浄の方なのかもしれませんね。
 こうやって、こっそり複線回収しているのにも感心しました。


 今回の啖呵を聞いて、『悟浄と三蔵の出逢い』が知りたくなりました。SPドラマで『過去編』を是非やって欲しいです。

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◆3.青龍刀

 今回の脚本で一番舌を撒いたのが、この『青龍刀』の使い方です。
 脚本家さん、小道具を使うのは上手いんですよね。

 言葉では一切触れられないんですけど(←だからこそ良い)、悟浄の
『死ぬのは俺だけでいい! だから、悟空、八戒、師匠、絶対に来るな!』
『この扉は開けさせない。この奥には絶対、クソ野郎を行かせねぇっ!』
という二重の想いを象徴していました。

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◆4.八戒のサポート

 これまで『役立たず』と言われてもしょうがないポジションにいた八戒(特に三話~七話)。
 私の感想でも、『こことここで、ちゃんと活躍して』とか『ここで自発的に動かずして、いつ動く!』と叫びまくっていましたよね(過去の記事を参照。 『第四話 その四』 『第五話 その四』 参照)。
 私の『これまでの不満因子の中』でも、かなりの位置を占めている問題でもありました。

 確かに今回も『何もしなかった』と言われればそうかもしれません(苦笑)。
 でも、明らかに改善された部分もあります。

 今回のメインは悟空と悟浄、三蔵ですが、三人のエピソードを喰う事は全く無く。
 でも、自分のキャラを立てる部分(異端児であったこと、それを庇う母親を大切に思う気持ち)に絡む部分では、ちゃんと自己主張していました。
 また“人質の縄を率先して解いた”り、“悟浄をすぐさま抱き上げた”り、ちゃんと自分の役割を見定めて動いていましたしね。
 目立った動きが無くても、ちゃんと“キャラクターが確立し、存在感を主張している”のを感じました。

 そんなサポートに対しては、悟空も信頼の眼差しを向けていました(これはさり気なくも重要な部分。これまでの回では、この部分をあまり描けていませんでした…。血涙)。

 この点に関しては、これまでの脚本からは信じられないほどの進歩です。
 坂元さん、やればできるんじゃないですか(褒め言葉)!

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◆5.三蔵の母親話と、種

 第三話と繋げる事で、一気に物語の深みを増しましたね。そして今回の話は、“母親のための天竺行き”という動機にも影響を与えていきそうです。

 三蔵が“彼なりの方法で命を賭ける”という展開も、今回の高ポイントです。


 私の好きな『ファンタジー世界の理論』として、錬金術における『等価交換』があります。
 これは某アニメの為に“何かを得るためには、同じ価値のものを犠牲にしなければならない”という意味だけが有名になっています。
 でももう一つ、“何かを持っている者といない者では、実は平等である”という意味もあります。

 つまり、三蔵には“妖怪のような力を持っていない。だからこそ、妖怪にはできないことができる”という強みがあるんです。
 その強みの一つが、“人間でありながら、妖怪を強く信じ、命を張る”という形で現れたんです。

 これこそが、仲間の心を動かす“三蔵なりの力”なんですね。

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 これらの他、『説明シーンにCGや過去映像を挟む』という点も改善してくれましたし(これについては、 『第四話 その一』 で思いっきり指摘しました)。
 確かに台詞は相変わらず多かったんですが、それもあまり気にならないほど。

 “悟空から観た悟浄や八戒への信頼”、“悟空や八戒への、悟浄の仲間意識”をさり気なく、山場に挿入してあったのもすごくホッとしました。
 これまでは、『仲間』がテーマであるのにそういった描写が下手でしたから。それもちゃんと克服してありましたね。

 願わくば、この完成度で残り二話を突っ走ってもらいたいと思っています。





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Last updated  2006/03/09 04:24:04 PM


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