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昨日、猛暑の中死にかけながら行った鑑賞で
12回目
・・・になりましたか。
私の通っている小さな地方シネコンが、
まぁ・・・来週の土日には・・・どうかな?
やってるかな・・・って感じなので;
正直、前回あたりから「これが最後の劇場鑑賞になるかも」と思いながら観ています。
『銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』ー感想その8
*以下、シーンの詳細を書いていく感想記事です。
内容を知らない方が、絶対に楽しめる映画だと思いますので
ご注意ください!*
5年後パートについて!
「完結篇」のタイトルが出てからの5年後パートについてぐだぐだ書き連ねようと思います。
今回の映画、全編通して銀さん主観が貫かれていますが、
「主観」という部分に注目して鑑賞するなら、
とにっかく・・・この5年後の出だし!
共通アバン~新八くん・神楽ちゃんの登場シーンまで。
ここが一番重要だと思います。
鑑賞者を、銀さんの視点のままに5年後に誘う仕掛け・・・です。
今回の映画、とにかく・・・これが凄い!!!
出だし・・・新八くん解説の共通アバンに、
銀さんの声が重なります。
単純に、
「今鑑賞者が観ている映像」が、銀さんが観ている映像・・・という作りで、
これも・・・完全に意図した仕掛けだと思います。
しかしまぁ・・・難しい。
初見で、ここで「むっっず!!!」と思った覚えがあります。
前の、映画館シーン~攘夷シーンからの切り替えが・・・というのもありますが。
銀さんの方のセリフ聴いてね、って音量にはなっていますが、
そもそも共通アバンが頭に入っていないと、
「ラスト侍・坂田銀時」までの繋がり分かりませんし。
新八くんのナレーションはナレーションで、いつもと違う・・・物憂げな言い方してますし。
ちょっと話がそれますが、
ここで、銀さんが「打倒けいおんの夢」と言ってて・・・
調べたら・・・映画のけいおんは・・・19億とのことで。
数値には詳しくないのですが、
そもそも銀魂紅桜が、10億突破が取り立たされるくらいだったので、
まぁ・・・無茶なこと言ってるな、って思われてもいい言い方してます。
・・・が、私はこれ、本気なんだろうなと思ってて。
正直、「20億」
って、
製作側は心の奥底で思ってるんじゃないかなぁ・・・って。
いや、実際、夏の大作映画商戦の中で、
やっぱり紅桜の頃に比べたら・・・ファンの銀魂熱っていうのも落ちてて、
そういう中で繰り出す映画ですから、
空知英秋書き下ろしエピソード、
公開劇場数が増えてるって言っても・・・前作越えたら・・・上々の出来じゃない?
って、目線で会社なんかにも見られていたんじゃないかなぁ・・・と思うんです。
ただ、製作本隊が、出してきているモノ的に。
単純に、前作の10倍以上の意欲作
だと思うんです。
「中身」と収入が完全に連動するなら、
今回の映画、100億円稼いだとて、製作側的にはモノ足りないくらいだと。
いや、これはもちろん言い過ぎですけど・・・
「20億」・・・紅桜の2倍・・・多分、これ本気だな、って。
あ、実際はもちろん無理だと思いますよ;「打倒けいおん」。「冗談冗談」で済ましていいセリフです。
ですが、それくらいの製作テンションが観てとれるセリフだな、・・・と思っています。
さてさて。
「坂田銀時の墓」
という衝撃のカットから、
蝉の音が一気に入ってきて、真夏の墓地に放りこまれます。
ここの墓地のシーンは・・・衝撃的でした。
とにかく・・・立体感!臨場感!!
まずは、音。劇場の立体音響・・・っていうんですか?四方からの音響を駆使して、全体を一気に夏に持っていってしまいます。
蝉・・・そしてあの・・・独特な鳥の鳴き声とかなんかいろいろ。
今回の映画、夏公開だから・・・5年後の季節が夏なのかな?あれ?でも・・・公開時期遅れてから決定したことでもないだろうし・・・
と最初思いましたが、
多分・・・単純に。
空気感・臨場感を一番出しやすいのが、夏という季節だったのかな、
と思いいたりました。
後々語りますが、ターミナルでの闘いでの、
あの・・・ムア~~~っとする夕陽の暑さの中で、心が凍りつく・・・あの・・・暑いのに寒い・・・あのシーンは、
「夏」最高!!だと思います。
銀さんが「ここどこだ?」・・・と辺りを見渡すシーンでは、
お墓の立体感を立てる為だと思いますが、カメラがぐるぐるします。
このシーン、初見で 「えっ??この次元で銀魂やるの?」 と思いました。
まぁ・・・「この次元で」というより、
このシーンで印象付けたかったのが、 この「立体感」
だったんだな、と。
出だしの劇場シーンから前ふりしてあった「3D」という単語を強調し、
その上で「実際に団子を食べる」行為で3D説を打ち消し、
「これは、現実だ」と印象付けます。
↑これを鑑賞者に徹底的に刷りこむ為に、どれだけの労力を費やしているか。
団子も・・・ネトっとした質感がたまらないんですよね・・・。
今回の映画、5年後を「現実」だと認識してもらえなければ、
感動もなにもないんです。
銀さんの行動・言動・感情も、全部「現実だから」出てくるものなので。
むしろ、映画だからこそできる臨場感の表現が、この凝縮超展開ストーリーを可能にしたんだろうな・・・と思います。
だからっっ・・・なんでマンガ家が・・・
映画館の空間表現ツールのことまで考慮した話作りをするのかと・・・;
しかし、3Dと団子を結び付ける 「Three Dango」
とか・・・
あれギャグ風に仕立ててますけど、笑えますけど、
やってること全然「ギャグ」の次元のモノじゃないですよ・・・。
そっから、団子とお墓で、銀さんとお登勢さんの出逢いシーンに繋げるとか・・・
そこでお登勢さんがお墓の銀さんに語りかける口調で世界概要を説明する・・・
と見せかけて、実はお登勢さん、「狐」で銀さんが来たこと知ってて説明してたんだな・・・とか、
・・・・どんだけ洗練してんですか;
本当に、どっから考えたんだろう・・・この繋がりだらけの要素たち;;
お話って・・・こうやって、
要素をごちゃごちゃ並べいじって
作るものなんだなぁ・・・と思う繋ぎです。
銀さんの視点が、崩壊したターミナルに向いたところで
カメラが悲惨な江戸の状況を映し出します。
そこに被って来る、お登勢さんのセリフ。 「アンタのいる世界が地獄なのか、私らのいる世界が地獄なのか
今じゃ分かりゃしないよ・・・」
この問い・・・というほどのものではないですが、
この単語概念には、本編クライマックス・・・銀さんとお妙さんの会話内で
答えが提示されます。
繋げなくても全然普通に鑑賞できますが、
・・・明らかに繋がってる
この映画の「噛んで染み出るおもしろさ」の一つ
だと思います。
廃墟ビル街をふらふらと歩く銀さん・・・と、ノーモア映画泥棒。
ここで、ここまでやってきたことの総括提示があります。
凄く好きなのが、銀さんが眼をやった先で、 子供・・・かな?が路地裏に逃げて行って、
その路地裏にも倒れこんでる人が居て・・・・ってところ。
映画は創作ストーリーですから、「必要なものしか描かれない」。それを逆手にとった表現だと思うのですが、
ここで銀さんが
「3Dでも、映画でもねぇ。」
(だったかな?)
こんなことを・・・言い切ります。
↑大ウソです。
確かに3Dではないですが、それより次元の落ちる2次元媒体のはずです。
そして・・・「映画」です。
この大ウソをつくために、
わざわざ「観客の居る映画館」から始まり、
丁寧に丁寧に観客を
「ここ」・・・5年後の現実へと連れて来た
・・・ってことなんでしょう。
こうやって感想を書いてきて・・・しみじみと思います。
「表現ツールの次元」が・・・全然違う;
いや・・・私は映画通ではないので、何と比べているわけではないのですが、
・・・これだけは言えます。
こんなに、 客層とその時の心情まで空間次元で考えて、
その概念を思いっきり、そのまま実践している映画・・・
私は、初めて観ました。
テレビアニメから・・・テレビの前の観客を、
正座鑑賞させる作品でした。
流し観の出来る作品じゃありません。
それがどれほど凄いことか・・・何年も体感し続けて来ていましたが・・・
そのテレビシリーズで「やってきたこと」が
今回、洗練されている分だけ
鋭い牙をギラギラーーーっっとむき出しにしてきていて・・・
カルチャーショックのレベルです。
びびりました。
どこまで続くか・・・劇場版銀魂感想。
最初の感想を書いてから1カ月以上経過しましたが、まだまだ続きます・・・;
by姉
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