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久々に新しい少女漫画を読みました!椎名軽穂先生の『君に届け』の前後作です。もともと『君に届け』の恋敵役・くるみ(胡桃沢 梅)ちゃんが好きだったので彼女が主役の『運命の人』が気になっていて読んでみたかったのですが、ヒーローが『CRAZY FOR YOU』の人気キャラ(赤星栄治くん)だと聞き、ちゃんと続けて鑑賞したいな! と思いました。以下、簡単感想です。『CRAZY FOR YOU』(椎名軽穂先生・別冊マーガレット・全6巻・2003-2005年)美人でもなく、昔から「ひきたて役」と言われ続けて来た、明るくお人好しな幸(さち)。彼女は、合コンで出逢った男の子・ユキちゃんのことを大好きになるが、ユキちゃんは女癖が悪く、「嘘ばっかつくよ」と突き放しにかかってくる。また、ユキちゃんには「本気で好きな人」が居るようで…。椎名先生の「君に届け」以前の作品が、五角関係のドロドロものだというのはなんとなく知っていました。今回初めて読んでみましたが、すごく面白かったというか…興味深かったです。私はもちろん、「君に届け」は名作だと思っていますし、この作品がとても売れたのもすごく納得しているのですが…なんだろう…ちょっと違和感を感じる作品というか。すごく純情な青春ラブストーリー…なんだろうと思うんですが、嫉妬、妬み、自己否定、(自己を守るための)他者否定…と、そこかしこに『黒い感性』が出て来る。こういった感情は人としてある方が自然なので、違和感というわけではないですが、ヒロインの爽子ちゃんは、それらから遠い存在過ぎて、読者としては思考回路に今いちついていけなかったり…。風早くんは、爽子ちゃんの心のキレイなところが大好きなんだろうな、というのももちろん分かるんですが、風早くん自体、個人的には「爽やかな子」だと素直に認識できないというか…。なんかこう綺麗なんだけど、裏を返せば「器が小さい」とも言えるというか。あくまで私の受け取り方なのですが、なんて言うかな…当たり前みたいに「黒い感性」が存在する世界線なのに、そこからヒーロー・ヒロインを遠ざけた「美しい」存在として描写しようとすると、どうにも「周囲の人の気持ち/空気感に鈍い子たち・分かってない子たち」な感じになっちゃうというか…。※実は「君に届け」は20巻くらいまでしか読んだことがないので、 その後の展開できちんと突っ込んだ描き方がされていたらすみません…。『君に届け』に上記のような印象を抱いていた私にとっては、今回『CRAZY FOR YOU』を読んで、こっちが作家様の元の気質爆発の作品だったんだな…!とすごく納得感があり、非常に素直に読み進めることが出来ました。五角関係ということで、「迷い」だらけの非常にめんどくさい恋愛模様が展開されます。ここに来て、「黒い感性」で目いっぱい話を回すのですが、「人を傷つけたい・悪い人」が居るわけではない「爽やかさ」を非常に感じて、椎名先生のお人柄が非常に活きているなぁ、と感じました。主人公の幸ちゃんも「黒い感性」から遠いわけではなくて、全部分かってるんですよ。全部分かって許容・自分の中で全部咀嚼した上で、何があっても「みんな大好き」だし、いつでも自分の気持ちに素直に行動できる強さがある娘で、「この子はすごいなぁ!」とリスペクトしながら読むことができました。この目線が、作品の恋愛面では報われることのなかった赤星栄治くんの目線なんだろうな、と思いますし、幸ちゃんと赤星くんが「良かった」と思えるラストだったので、爽やかに読み切ることが出来ました。ただやはり、五角関係のドロドロでかなり椎名先生も神経を使ったんだろうな…特にラストのラストのあたりは、相当悩んで描かれているのがひしひしと伝わって来て、この反動で、次に『君に届け』が出て来たのはすごく納得!と思いました。(「君に届け」1巻の欄外で、作者様のこういった説明がされてましたね。)『君に届け 番外編~運命の人~』(椎名軽穂先生・別冊マーガレット・全3巻・2018-2022年)爽子ちゃんと同じ大学に進学したくるみ(本名:胡桃沢 梅)は、爽子ちゃん宅に通い詰める、ガッツリ依存した生活を送っていた。合コンに参加してみるも怪しげな男に絡まれてしまうが、爽子ちゃんの従兄の大学生「えーじお兄ちゃん(赤星栄治)」が助けてくれて…。『君に届け』のくるみちゃんと、『CRAZY FOR YOU』に登場した赤星くんのラブストーリーです。両作の良いとこ取りをしたような作品というか、とにかくめっちゃ良かったです!!くるみちゃんは幼少期より美少女で僻まれやすく、また自分でも自覚している通り我が儘で疑り深い&黒い感情も内包している「敵を作りやすい性質の女の子」。『君に届け』本編では、恋敵の爽子ちゃんの悪い噂を流す等 嫌がらせもしてしまい…(爽子ちゃんのような「毒気の無い&性格の良い女の子」には、絶対敵わない、自分の黒い&面倒くさい部分を見られたら、絶対愛して貰えない)と思ってます。距離を縮めてくる赤星くんに対して、くるみちゃんは(内心ときめいたり期待しつつも)「私、こんなに黒くて酷いことやっちゃう女だよ!めんどくさい女だよ!」ってアピールしまくって、そんな人を試すようなことばかりしか出来ない自分に落ち込んだりするんですが…そもそも『CRAZY FOR YOU』の世界線を生きて来て、超めんどくさい(人を試したがる)気質のユキちゃんのことが、友人として大好きで、そんなユキちゃんを全身全霊で許容してくれる幸ちゃんのことを尊敬していた赤星くんにしてみれば、くるみちゃんのやることなすこと、全部ただただ可愛いだけ、自分に「甘えたい」と思ってくれてるのが、ただただ嬉しいだけ、という奇跡のマッチング。くるみちゃんがもうとにかく可愛くて可愛くて…!『君に届け』本編を読んでいる時から大好きなキャラクターでしたが、本作を読んで、もっともっと大好きになりました。くるみちゃんに相応しいのは、絶対に風早くんじゃないよ!…包容力のある『年上』だよ!全3巻ながら画面やモノローグ、キャラクター同士のやり取りがとにかくキレてるし、2人の相性の良さが本当に立っていて『運命の人』というタイトルが、大げさではなくぴったりだな!純な少女漫画、最高だな!と感じることが出来る作品でした。繋がりのある2作品、読み応えがありました!いや~、良かったです!!椎名軽穂先生の新作が連載開始しているみたいですね。そちらも気になりますが…『CRAZY FOR YOU』以前の初期作も是非読んでみたいな、と思っています。by姉
2024.03.18
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セリアさんで『怪盗セイント・テール』原作絵グッズが買えるという、にわかには信じがたい情報を入手しまして、隣町の大型セリアに駆け込んでみましたーなんっじゃコリャあああああ!!!!この企画は…どう見ても私達と同年代、古き良き「なかよし」でトキメキ&ロマンを育まれたファンの方の所行ですねありがとうございますありがとうございます!!コレが、一つ100円(税抜き)!!!??爆買いしました…!◆アクリルスタンド(トレーディング/全7種)単行本表紙絵!可愛い台座&本体以外の部分もわざわざデザインを合わせてあって素敵…!◆ホログラム缶バッジ(トレーディング/全6種)キラキラでもうめっちゃ可愛いぃい~特に飛鳥Jr.とツーショット!芽美ちゃんが超嬉しそうで可愛い…♡ちなみに缶バッジ用額縁もセリアさんのものです。◆クリアファイル(A4/全2種)きゃわわわわわモノクロ原画の方は裏表並べると見開きになる仕様で…天才すぎました…!<姉談↓>立川恵先生の描かれる漫画画面の素晴らしさが、凝縮された見開きページのセレクト!見開きページは、右上から左下に向けた視線の流れを時間軸の大きな基本としつつ、飛鳥Jrのアップ~ベタで引き締まる夜の空気感と教会へのシーン転換~からの、シルクハットに視線を持って来て、全身シルエットで緩急のタメを作りつつ、ハットからマジックが飛び出してくる流れが、見開き画面右下から左上に向けて描写され、左ページ画面は、セイントテールが読者側に弾け飛び出してくるような華やかな魅せページ。漫画表現の宝庫!最高です!◆アクリルキーホルダー(全2種)/ラバーキーホルダー(全2種)♥Aと♠Jを持ってくるトランプモチーフとかね、やっぱり完全にファンの所行ですよね!そしてまさか令和の時代に、セイント・テールのラバー系グッズをお目にかかれるとは…!ちなみにこちらは私が勝手にアレンジ※手持ちパーツ(星型ナスカン&十字架チャーム)プラスしたものです~^^ より可愛くなったのでは!!◆シール(全2種)/ジッパーバック(全2種)古き良き なかよし11大付録のアイテムの類かな!? 懐かしくて可愛い◆ビニールポーチ/ミラー/ハンドクリーム/折りたたむコーム/前髪クリップ何この充実のラインナップ古き良き少女漫画雑誌の応募者全員大サービスセットじゃん!!!イヤもう…セリアさん 凄いです。一本獲られました…。元・少女の夢とロマンを呼び覚ます商品企画をありがとうございました…そしてこれらの収納のために、セリアさんのマイコレ(缶バッジなどグッズをファイル収納出来る)シリーズも購入。最近グッズ収納の類いは本当にセリアさんにお世話になってます。これを100均にやられてしまっては、他のグッズ業者さんも大変なのでは…と要らん心配までしたり。セリアさん、本当に凄いです。。by妹
2024.01.21
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「御手洗家、炎上する」みたらいけ、えんじょうする(藤沢もやし先生・講談社・KISS・全8巻完結)今でも覚えている 燃えさかる炎の前で土下座する 母の姿を3巻発売時より追いかけていた本作。じっくりと丁寧に描かれ続け、つい先日最終刊(8巻)が発売されました。愛憎入り乱れるホームサスペンス・放火事件(!?)にまつわる心理ミステリーとして完成度が高い華麗な着地を見せてくれて、感泣しながらスタンディングオベーションしています。2転3転・・・どころか4回転半ひねりジャンプをさらっとキメられたような爽快感!しかも女性向け恋愛モノとしても楽しめるという素晴らしさ!本当に面白い漫画でした!!絵画好きな私にとって、本作の魅力は何と言っても「漫画としての画面構成」「絵力」なんですが、ここは以前の記事(→コチラ)で大いに語ったので今回は割愛しまして・・・「良い人or悪い人 では語りきれないキャラクターの立体感」の魅力について、つらつらと感想をば。自他共に認める強欲の化身のような人間だって、守りたいものがあって。どんなに聖人で居たい人間にだって、黒い感情は確かにあって。欲・恨み・ねたみ・怠慢・無関心・鈍感・弱さ・狡さ・・・ 誰しも持ち合わせている駄目な部分をピックアップしつつ、ーでも皆頑張って生きてるんだよ可愛いよね!!と押し切る力強さが本作にはありました。ーまぁ 許容範囲を超えたら、絶縁上等で闘わないとこっちが殺られちゃうけどね!!という一文も付け加える必要があるのですが^^;以下キャラクター語りです。*ミステリーのオチまで含めたネタバレ感想となります。未読の方は気をつけてください・・・というか読まないで下さい! とりあえず本編読んでください!!*・村田 杏子(むらた あんず) / 山内 しずか(偽名) 25歳・本作の主人公 ハウスキーパーミッションを仕掛けて遂行するキャラクターなので、終始積極的で魅力的な主人公でした。頭の回転が速く勝ち気ながら冷静沈着&真面目で家族想いで料理上手・・・出来過ぎなくらいの優等生です!ただ(妹にも指摘されてましたが)人を小馬鹿にしちゃう所・誰にも頼れなくて抱えこんじゃう所が玉にキズ、可愛気はないよね・・・って感じでしたが・・・読者としては、ずっと安心&期待しながら追いかけることが出来ました。妖怪と化した御手洗真希子を出し抜けるのは貴方だけ! 格好良い!ーなんですが、こと恋愛に関しては 理性知らずの超情熱的な娘でした。しかも恋愛ベタ・・・。いや分かるんですよ 初恋の人だしね!今の状況も奴が優しいから故だし守りたくなるよね!そしてやっぱり出来る奴だから頼りたくなるよね!杏子ちゃんの気持ちは凄く分かるのですが!!乙女モードの杏子ちゃんが本当に可愛らしかったので、クライマックスの怒濤の展開でハラハラさせられました。ー頼む!杏子ちゃんのピュアな恋心だけは美しいままであってくれ!! と・・・w今後は好きな人に甘えつつ、持ち前のガッツで未来を切り開きつつ・・・幸せになって欲しいです^^・村田 柚子(むらた ゆず) 21歳 杏子の妹・大学生作中では一番純朴で、本当に可愛い良い娘でした。姉との年齢差設定が絶妙です。ラストまで読んでから読み返すと「物語を展開させる&要素を出す役割を持ったキャラクター」だった事が分かるのですが・・・この娘はこの娘でずっと生き生きと動いていたのが本当にスゴイです。こんな良い娘が、真希子さん率いる御手洗家の毒気に敵うわけもなく・・・作中では裏切られ傷つく場面もあって、可哀想だったなぁ~ と感じてしまいましたが;まだまだ大学を卒業したばかり。新しい出逢いが沢山待っています。持ち前の可愛さと無邪気さを保ちながらも、たくましくなっていって欲しいな、と思いました。・村田 皐月(むらた さつき)/御手洗 治(みたらい おさむ) 杏子&柚子の両親13年前、この夫妻の手元には「真実に辿り着ける手がかり」がいくつも提示されていました。妻がもっと心を強く持って、火事の要因を探ることが出来ていれば・・・夫が自身の保身よりも、妻を守る事を優先出来ていれば・・・正直、放火犯にはすぐに辿り着けたと思います。でもそれが出来なかった。ーというオチになっていましたね。お父さんに関しては、設定上フォローのしようがなかったのもあって「自分が一番大事な人」「最終的に誰からも信頼されない八方美人」になっていましたが、まぁこれはこれで。仕事人間ではあるし、居るよねこーゆー人・・・距離を置けば無害だよね、と。お母さんは、最後に自分の中の黒い感情と向き合えて良かったと思います。ちゃんと殴り返すことが出来ました。「嫌い」「許さない」と言葉にする事が出来ました。前夫と決別する事ができました。「御手洗家の嫁として一生夫を支える」という誓いは果たせませんでしたが、2人の娘達は本当に良い娘たちに育ちました。それが何よりの救いだと思います。・御手洗 真希子(みたらい まきこ) 46歳 治の後妻・希一&真二の母自他共に認める強欲の化身。虚言癖持ちの妖怪総本山のラスボス。本作は基本サスペンス&ミステリーだと思うのですが、真希子さんの怪奇演出を堪能するホラー作品でもありました。この人の妖怪バリエーションが面白く感じてきたら危険信号・・・そしてこの必死さが可愛く見えてきちゃったらもう手遅れ。。私は2巻で(真希子も可愛いとこあるじゃん努力家じゃんv)と思っちゃったので負けですwラストに「13年前からの異常な行動力や長男への過干渉は、息子を守りたかったが故だ」・・・という事が分かるのですが・・・ まぁそれが一人の(手癖の悪い)シングルマザーの妖怪化がブーストする引き金を引いちゃったのは理解出来るのですが、それだけだったら芸能活動をする必要はなかった訳で(最終的にそれで足元すくわれてるし)。やっぱり元来 嫉妬心が強く、人一倍承認欲求が強かったのだと思います。繊細な長男ばかり気にしていたら、最終巻で別方面からぶん殴られる様がなんともリアルで;真希子さんは妖怪ではありますが、自らの非を認める事が出来るのが良い所だと思います。最後に息子達の意志を尊重し、手を離してあげた姿が印象的でした。いやまぁ散々振り回しまくった後ではあるんですが;ーそしてVoutubeで成功していて笑いましたw 現代人は皆、真希子さんのような鋼のメンタルが羨ましいのですよ・・・。・御手洗 希一(みたらい きいち) 28歳 真紀子の長男10年来の対人恐怖症・内弁慶引きこもりニート(アラサー男性)・・・にして手段を選ばない系女達に溺愛される星のもとに産まれたお兄さん。なんてったって優しいからね!ーいや本当にスゴイです なんでこんなキャラクターが成立するんだろう・・・!?ネットで名指しで責められて心が折れた・・・という言い方も間違ってないとは思うのですが、多分 家庭環境の歪みと後ろめたさを背負ったままではどうしても胸を張って頑張れなかったんだろうな、と。「家族の事なんて知るか!狡して何が悪い!」と自分の人生を謳歌出来る奴ではなかった。ひたすら内にこもって自分を責め続ける事しか出来なかった。だからこそ、杏子ちゃんは絶対的な信頼を寄せたのだと思います。作品全体の「炎上」というモチーフに対し、「星空」のエピソードを多々背負っていました。(この作品、視覚的な小道具の使い方色づけ方がホントに本当に上手なんですよ!)読者にとっても アイドル性抜群の圧倒的ヒロインヒーローでした。未来に幸あれ!・御手洗 真二(みたらい しんじ) 25歳 真希子の次男「超優秀で社交的だった長男が引きこもってしまった理由」ばかりが気になって「愚鈍で卑屈だった次男がめちゃくちゃ頑張りはじめた理由」にまで目が行きませんでした。くぁ~一本とられた~!! と思いましたよ・・・!そうだよね・・・あの母親&兄ちゃん&自分の家族構成じゃ・・・色々思うところがあったよね・・・。御手洗真希子・希一・真二の3人が各々「隠し通すと決めた想い」を抱えていて、7巻以降、追い詰められてからガンガン動き出す展開が本当に面白かったです!!(希一兄ちゃんは「ここで真実を見定めよう」としていましたね・・・最終巻を読まないと分からなかった!)放火事件に関しては「悪意はなかった」「直接的な被害者が居なかった」からこその落とし所だったと思います。36話の、体を張って火種を沈下させる描写が素晴らしすぎました・・・!希一兄ちゃんは「あいつは強くない」と心配していましたが、ー大丈夫!真二君にはしっかりと真希子イズムのDNAが受け継がれていますから!!(真希子メンタルへの圧倒的信頼度がここで生きるとは!)ーふぅ。好き勝手語りました。本当に各々の人物描写が面白かったのです!あと毎巻サブタイトルに規則性があって、センスの塊だと思ってました。作者の藤沢もやし先生の前作「17歳の塔」も拝読したのですが、どうも「女の子同士の憧れ・投影 転じて 嫉妬・バトル」に一番興味がある作家さんなのかな、と思っています。本作「御手洗家、炎上する」も根本は「御手洗真希子」というキャラクターの、皐月さんへの嫉妬心それに対抗する存在としての皐月の娘「村田杏子」・・・という構図、そして嘘と見栄で塗り固められた城を崩す「ネットでの炎上」が基軸になっていると思います。ーただ、そこから派生したのであろうキャラクター達のバリエーションが凄かった・・・!「2人の息子」や「13年前の放火事件」「皐月・修夫妻の確執」などの丹念な造り込みがあったからこそ、本作は「女の園のドロドロが好きな人向け」に留まらない群像劇・良質なエンターテイメント作品として成功しているんじゃないかな、と感じました。本当に完成度の高い作品なのでもっともっと沢山の人に読んで欲しい・・・!!藤沢もやし先生の次回作も楽しみにしています!by妹
2021.06.22
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最近暁のヨナ記事ばかり上げていますが、他の漫画も読んでます。感想をしっかり書きたい…と思うあまり、そのままになっている作品が多数でして…;ーこれではいけない!と。 一言メモ感想ですが、ちょいちょい記事にしていけたら良いな~と思います。今年の春~GWにかけて読んでいた作品はこの辺り↓どれも面白かったですよ!『きみは面倒な婚約者』既刊3巻~ 椎野翠先生 原作:兎山もなか白泉社ウェブ・マガジン:Love Jossie 掲載あらすじ:社長令嬢の紫乃は、婚約者である橘のことが大好き。しかし、誰もが羨むこの婚約には裏があった…。それは、この婚約が“政略結婚”だということ。以前から1話無料の際に気になってまして…姉に紹介したら気に入ってくれましたv小説家がシナリオ・漫画家が作画というのは、よく見かけますがここまでしっくり噛み合ってる作品珍しいのでは…! と感じました。元々漫画家さんが描いたキャラクターデザインを元に、小説家さんが話を膨らませていった…というような事を仰っていて、すごく納得しました。様々な視点が投入されながら描かれる、すごく小説的な構成でお話が進みます。そして出てくるキャラクターが皆可愛い。特に一見クールなハイスペックヒーローが、根明のアホで面白いwとても読みやすくて良質なレディースコミックです。2020年度 白泉社電子書籍大賞の優秀賞にも選ばれています。おそらく紙版では全4巻になる…のかな?最終刊も楽しみです!『魔法にかかった新学期』既刊4巻~ひかわきょうこ先生 白泉社MELODY掲載あらすじ:高校3年の春、三葉高校に転校してきた琴美。始業式で、日本史の教師になっていた幼なじみの「まーくん」と再会する。放課後、「こっくりさん」が原因とみられる事件に巻き込まれ、琴美たち生徒4人とまーくんが異空間に飛ばされてしまう。そこで起こる出来事とは…!?2巻までは読んでましたが、3巻・4巻を購入して読みました。ひかわきょうこ先生の作品というのは…何というかもう「漫画という媒体の良心」というか。「漫画とはこうあってほしい」の規範なんです。私にとっては。はぁ… 癒やされる…。本作は基本的に「設定・話構成メイン」の造りをしていて、1・2巻で一区切りしています。3巻以降は従来のひかわ先生作品のように、キャラクターメインの話になっているようです。ひかわ先生のお話の作り方が見えて、とても興味深い作品です!『87CLOCKERS』(エイティセブンクロッカーズ)全9巻二ノ宮知子先生 集英社ジャンプ改・ヤングジャンプ掲載あらすじ:一目惚れした美女が虐げられていると思い込んだ音大生の奏(かなで)は、彼女を助けるため “パソコンのF1レース”と呼ばれるオーバークロックのディープな世界へ足を踏み入れる…二ノ宮先生の大ファンなのですが、1巻しか読んだ事の無い作品でして…G/W中に全9巻まで一気読みしました。「パソコンの処理速度を競う変人達」という、あまりにマニアックすぎる世界を描いた本作…やはり人気も…あまり…ない作品みたい…というか そりゃそうだ というか。とにかく「世界一」を競っているのに、微塵も羨ましくない!!極めるほどに変人&駄目人間!! …いや、めちゃくちゃ面白かったです…とにかく突き抜けた!!って感じで。恋愛模様も…「それでいいのか」感満載で全然可愛くないんですけど、すごく納得。何かに夢中になりたい大人の方は是非ご一読を!『宇宙兄弟』1~18巻 (既刊39巻~)小山宙哉先生 講談社モーニング掲載あらすじ:兄は、優秀だが自分の能力を信じられず、ネガティブ思考に陥りがちな青年・ムッタ。ムッタは失業という挫折のさなか、幼い頃に弟と誓い合った夢を取り戻し、「宇宙飛行士になる」という夢をすでに叶えていた弟・ヒビトの後を追い始める…「最近クライマックスに向かっている」と聞いて、読み返したくなりました。アニメ化&実写映画化までされた有名作です。面白くない訳がない。家に揃ってる18巻まで爆読。…続き 読みたいっ…(買え)宇宙への大冒険浪漫に黄金兄弟、仲間達との友情・努力そして大出世&大成功!こんなのさ…面白いに決まってますよね…ユーモアもあって本当に読みやすいんです。絶対成功が約束されてる天才主人公が「俺なんて…」って卑屈になってるとイラっとはしますけどね…ムッタ憎めないんですよ。応援しちゃうんですよ。…続き 読みたいナァ…(買え)by妹
2021.05.07
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漫画簡単感想。「自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。」(原作:しき 漫画:蓮見ナツメ、星雲社、1~5巻以下続刊)超優秀で、幼くして物事を達観しているアルファスタ国第一王子・セシルは、婚約者の少女・バーティアに、「私は悪役令嬢ですの!」と宣言される。前世の記憶を持っているというバーティア曰く、この世界は彼女が前世でプレイしていた『乙女ゲーム』の世界で、自分は、さんざんヒロインをいびったあげく、セシル王子に捨てられる婚約者だという。退屈な日々の中に居たセシルは、「悪役令嬢」という役割を全うしようと奮闘するバーティアの謎の行動に振り回され始める…。交通事故などで亡くなった現代人が、乙女ゲームやファンタジー世界で生まれ変わる「異世界転生モノ」が、大きな一ジャンルとして確立して、それを少しひねった形で、転生するのが主役ではなく「悪役令嬢」という「悪役令嬢転生モノ」が、また大きな一ジャンルとして確立して、それをさらにひねった形で、「悪役令嬢転生モノを別視点(ヒーロー視点)で描く」という本作品が登場した、…という認識でいいのかな?こちらの作品、妹が試し読みかなにかで見つけて、「面白そうだったから」と購入していました。私は、「異世界転生モノ」どころか、複数人の登場キャラクター相手に「ルート」というものが設定されているギャルゲー・乙女ゲーム的なものすら、まともにやったことがありません。(というか、そもそも、基本的に「ゲーム」と呼ばれるものを、まともにやったことがありません。)いきなり、ひねってひねってひねった先にあるコンテンツに手を出しちゃったな、という状態。本作品に関してですが、脚本の練り込みという観点で、それほど特筆したひねりや、天才的なものは感じません。漫画画面にしても、貴族服・フリル・縦ロールまで異常なほどにしっかりと描写されており、それが本作品の魅力の一つだとも思うのですが、主観を大事に魅せていくような、画面のメリハリがなく…少女漫画的な「心情構成」を、なぜ画面づくりでやらないのか…??と、物足りなく思う部分もあったりします。キャラクターも、特に女性キャラはみんなトーンの長髪なので、見分けがつかなくてですね…。というわけで、基本的に、「漫画作品」として、「漫画ファン」の方に声高に「おススメ!」というわけではないんですが、…いや、オモシロかったです。とても。最初の方は、やはり「少女漫画脳」の考え方で作られた作品ではないですし、「ルート」だ、「攻略」だ…と、耳なじみのない規定事項の話をされても、正直「とっつきにくいなぁ」「情報が入りにくいなぁ」と思いながら読み進めていたのですが、2巻、3巻…とお話が進むうちに、主役・セシル王子のフラストレーションがどんどんクレッシェンドしていきまして、ぐいぐいと彼の感情に引っ張られました。この作品の主役は、「異世界転生者」ではなく、「乙女ゲーム内の登場人物」である、ヒーロー・セシル王子です。「こうなるはずだ」と予言めいたことを言われても、「自分は、感情を持った、いち人格なんですが?」と、グイグイと自分の方にお話しを引き寄せて来ます。3巻ラストのモノローグが、本作品の本質をグッと凝縮しており、素晴らしかったです。キャラクターにパワーを感じる作品は、やはりオモシロい。なかなか、普段手を出さない分野の作品が読めて、楽しかったです。喰わず嫌いせずに、いろいろ読んでみたいですね。by姉
2021.04.11
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アニメ「フルーツバスケット The Final」が明日から放送されますね~。私は相変わらず放送されない地域在住なのですが;新生フルバ、第一期25話+第二期25話 そしてThe Finalおそらく25話ほど…と、今のアニメ市場ではなかなか継続が難しいであろう話数を確保し原作23巻分のラストまで駆け抜けるようで、イヤ本当にスゴイな!と思って見ています。*追記:↑finalは1クールの13話ほどだったようです・・・誤情報失礼しました*原作者の高屋奈月先生も、Twitterや描きおろしなど全面協力されていますし、大量のグッズにコラボカフェに…すごいな フルバファンの方達羨ましいな!…と感じる反面、応援するの(金銭的に)めちゃくちゃ大変そうだな!!…という気持ちもあったり。イヤ暁のヨナファンも人のこと言ってられないですけどね;原画展に…今後はガチャやカフェも絶対来そうですから;;アニメ1期が始まる直前に描いたフルバ落書きが発掘されたので、ここに供養いたします。たしかコレ描いた時に、姉に「なんか体つきが変」とか言われて心が折れて封印してたモノだと思います(どんだけガラスメンタルなんだよ)。う~ん今見ると、キサヒロは可愛く描けてるんじゃないかな~。私はこの2人のほのぼの感が大好きでした。by妹
2021.04.04
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少女漫画感想『執事と主は結ばれません 1巻』(角野ユウ先生・白泉社・LaLa)1890年、英国。伯爵令嬢・アメリアの夢は、執事・ノアと結婚し、生涯を添い遂げること。アメリアを「主」として扱うことに徹しているノアに対し、なんとか自分を「恋愛対象の女性」として見て欲しいアメリア。ある日、アメリアの前に婚約者候補の子爵家・ギルバートが現れる。焦りを覚えたアメリアは、ある行動に出て…。電子書籍の試し読み(第1話分)を読み、速攻で「さてと。本屋行って単行本買ってくるかな。」となりました。第1巻には、LaLa掲載のまとまりの良い短期連載3話分と、おまけ漫画が収録されていました。3話連載と言っても、各話40~50P超というボリューム感での掲載だったようなので、かなり読み応えがあります。作品の「ウリ」は、すべて表紙(及びタイトル)に凝縮されており、「見たままの内容」という少女漫画作品です。テーマや設定されているハードルに関して、目新しさは全くないのですが、もう、とにかく『漫画が上手』です。絵柄、コマ割りは、白泉社読者が食いつきやすく構成されており、情報がたいへん頭に収まりやすい。読みやすい。1話毎の展開も、魅せるシーンのメリハリも、少女漫画的に非常に満足度が高く、落ちなく完璧です。モチーフも、少女漫画的に上手く入れ込んであって、「ありきたり」の中に、ちゃんと独自性があります。1巻収録分に関しては、「傷」というモチーフが印象的でした!また、キャラクター(ヒーロー・ヒロイン)の細やかな設定が、価値観・感情づくりという点で、「自然」と感じられるよう、ひねって詰めてあることがよく分かります。↑ココ!!定期購読している花ゆめ本誌に掲載されるルーキー作家様たちの新連載、全然ココを丁寧に詰めようとしてくれないんですもん!!妹に、「このコミック、新しく買ったんだ!」と伝えたところ、「小学館のベツコミに前居た人だよね?」「とにかく『女の子』が可愛く描ける作家さん」と返ってきました。チェック済みだったんかい!!なるほど…小学館のネーム(企画?)千本ノックあがり…しかも、生活感や人物像描写に重点を置くベツコミとな…どおりで、白泉社輩出のルーキー作家様たちにはない、スマートにウケ狙いを織り込める、企画・構成力…と、いろいろと腑に落ちました。この方の、作品の変遷が見てみたいな…!他のコミックスも見てみたいな…!、とネットで検索したところ、驚いたことに、ベツコミの後に、一度ジャンプのWebアプリ版誌?で、少年(青年?)向けラブコメの連載もされていたとのことで…。こちらも、チラ見する限り、雑誌の方向性をよく意識した、非常に妥当な企画で、更に、画面取りやキャラクターの描き分け・強調どころが、少女漫画のそれと、全然変えてありました。…あぁもう全然、作者様の経歴が違ったわ!そりゃ、他の白泉社採用ルーキー作家様たちの、本格連載を遠回しに狙ってるんだか狙ってないんだか分からないような、甘い短期連載や読切企画と、品質や精度が違うはずだわ!非常に納得です。*すみません 花ゆめ漫画をめちゃくちゃディスっちゃってますが…いや、勿論大好きですよ。白泉社少女漫画!私など、花ゆめを15年以上は買い続けてる、生粋の愛読者ですので。型に当てはめない、作家お任せのスタンスだからこその「他にないサラダボウル感」というか。唯一無二の歴代名作たちや暁のヨナだと思ってます。大好きですよ。ただやはり小学館作品と比べると、「何がやりたいのか分かりづらい」というか、商業用企画として、疑問を感じることが多いのは確かなので…。*もちろんこういった、雑誌毎に作風や作り方を変えることが出来る、器用な作家様というのは、他にも数多く居らっしゃるのだと思いますが、一度、本作の画面を見ていただくとよく分かると思うのですが、本当に「白泉社の少女漫画作品」に構成されてるんです。最初、他紙…しかも少年漫画画面を経た作家様だなんて、みじんも思い至らなかったくらい…完璧に「白泉社少女漫画画面」が再現されてます。…凄いな!!!、と思って。そういう目線で読んでみると、なるほど。現在の、複数のLaLa売れっ子作家様たちを、ものすごく研究・分析して、それぞれの要素を器用に取り入れていることが見て取れます。私は、本作を読んで、1話毎の読み応えのある筋立て・プロットづくりは、田中メカ先生、負ベクトルの感情や情報を、可愛くマイルドに画面に収める「つぶれたミニキャラ」は、可歌まと先生、光をもった魅せるトーンワークは、天乃忍先生…っぽいな、と思って読みました。…で、大切なのは、「それだけじゃないとこ」です!妹も言っていたのですが、これ↓がすごい。これほど、「掲載誌」というものの特性に向き合い、それに合わせて企画・作風&画面を構築する中で、きちんと、「自分の描きたいもの」を、作品の根本に据えて来れているところ。妹も真っ先に言っていましたが、本作を読んでひしひしと感じたのは、作者の角野ユウ先生は、おそらくとにかく「カワイイ女の子」が描きたい作家様であるということです。ちゃんとこれが、この作品の魅力になってます。ヒロインのアメリアちゃんが、とにかくカワイイです。というわけで、なんかだらだら語りましたが、単純に、この作品がすごく気に入りました!ってことでした。まだ発表はされていないようですが、今回発売のコミックスに①巻と明記されていますので、おそらく、近いうちにLaLa本誌で、本格連載がスタートする予定なのではないかな…と勝手に思っています。そうだといいなぁ!質の高い、精度の良い、「白泉社少女漫画」、読みたいなぁ!ぶっちゃけ、この先の展開がどうなるか、主役2人の行く末が気になる!とかは全くないですが、お約束な展開が、ものすごく上手に、ヒロインが可愛く描写されていれば、それだけでお腹いっぱいのはずです!続きが読めるのを、楽しみにしてます。by姉
2021.01.25
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少女漫画簡単感想『愛が死ぬのは君のせい』(桃森ミヨシ×鉄骨サロ先生、集英社、マーガレット、全6巻)小学生の頃、2人の秘密基地で、幼馴染の一墨(いすみ)に告白した愛生(あおい)。しかし、その後の記憶がぷっつりと途切れたまま、一墨とは口をきかない高校生活を送っていた。気持ちに区切りをつけるつもりで、もう一度一墨に告白しようと秘密基地へ一墨を呼んだ愛生。彼女の前に、突然、宙に光り浮かぶ物体が現れる。触れようとした瞬間、駆け付けた一墨が、愛生の代わりにその生物に取り付かれて…?妹が、「電子書籍で試し読みしたら、なんかすごい変な作品だった」と言っていて、興味を持って、買いそろえてみました。もろめっちゃ変な作品でした。そして、ものすごく面白かった。作中のハラハラや読後感が、少女漫画のそれではなく、70年代や80年代の、毒々しいSFモノに近い印象を受けました。読者の既存概念にはない、実体を伴わない地球外生命体「ワルツ」が、鮮やかに描かれるのが見事だと思います。結局、彼が何だったのかは上手く説明できないんですけど、全6巻を読み切った後、なんか分かった気になる。人に憑りついた彼が、愛の感情を実体感することで「生の実感」を得ていく様は、幼馴染LOVEという、テンプレの「少女漫画恋愛」を元にしている関わらず、全く違ったものとして料理されていました。オモシロかったです…!本当に変な作品なので、〇〇っぽいという形容もうまく出来ないのですが、少なくとも、とても良い意味で、私の思い描いていたマーガレット作品っぽくはなかったです。もともと、何作もヒット作を出している、非常に人気のある作家様だからというのももちろんあると思いますが、「マーガレットって、こんな作品も載せることが出来る雑誌だったんだ…!」と、雑誌自体への印象が大きく変わりました。興味深い作品です。「漫画」好きの方は、是非!by姉
2020.12.29
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少女漫画感想。『青春ヘビーローテーション』(水瀬藍先生、Sho-Comi)高校入試当日。緊張で震えていたところに話しかけてくれた男の子・榛名くんと、入学後に再開した奈緒。頭ヨシ・顔ヨシ・スポーツ万能のパーフェクト神男子と噂される榛名くんと、同じクラス、隣の席…期待に胸膨らませる奈緒だが、榛名くんは「自分に告白してくる女子が嫌い」と言っていて…。水瀬藍先生の新作!妹が、「今度の水瀬藍先生の新作が面白そう…。」と電話ごしにつぶやいた(珍しい)ので、「なんだと?よし!OK!買ってくる!」と速攻で本屋に走り、1・2巻同時発売のコミックを購入して来ました。読んでみましたが…いいよ!!これ、すごくいいよ!!!とにかく徹底的に、「嫌な感情は使わない」が念頭に置かれており、特に主人公の奈緒ちゃんの一つ一つの物事への反応は、老若男女の誰しもに「超イイ子」と言わせるよう、ものすごく気を使って描写されていると思います。パッケージの印象から、徹底的な「明るさ・楽しさ」を感じ取ることができますが、作中の描写も本当に徹底的で、素晴らしいです。2巻まで読んで、とにかくもう、これ↓ですよ。「こんなイケメン男子高生になって、勉強とか超余裕でこなす、クールな神男子とか言われながら、『女子めんどくさい』とかぼやきながら、お気に入りの女の子と話してテンション上がったり、お気に入りの女の子につられてうっかり興味のない部活に入ったり、クールぶってるけど、実は脳内♪ヘビーローテーションbyAKB48みたいな高校生活送りたい!!」…あれ?私の読み方間違ってますか?…あれ?でも、そういう漫画だと思ったんですが・・・。基本的に私は、少女漫画は男の子目線から入ることが多いので、本作のヒーローの榛名くん、なかなかお気に入りです。自分は別に全然優しいイイやつだと思ってない感じが入っていきやすいです。お気に入りの女の子に、ものすごく簡単にホイホイされてる感じとか、人生経験の薄い、裏のない底の浅さが、男子高生というキャラクターとして魅力的だと思います。(馬鹿にしているわけではない)いやぁ…イイよ!この漫画すごくイイよ!コロナで滅入った気持ちと五臓六腑にイイ具合に染み渡る、「嫌な感情の全くない」ザ・少女漫画!!まさに漢方薬!(少女漫画で生まれ育った人間限定)大変気に入りました。展開とか、先が気になる!とか全くありませんが、別にいいです。ずっとキラキラしてくれてればいいです。3巻発売も楽しみにしております。by姉
2020.08.02
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仕事が立て込んでまして、なかなか記事が書けませんでしたが…やっと連休がとれたので、気になっていた漫画をたくさん購入&鑑賞しました!どの作品も本当に面白くて、読んでよかった!と思える作品ばかりでした。簡単にいくつかの作品の感想です。『シャンピニオンの魔女』(樋口橘先生、白泉社、まんがPark)彼女が触れた場所・歩いた跡には、毒キノコが生えて来る。「黒魔女」・ルーナは、人から避けられ、彼女自身も人を避けて森の中で暮らしているが、そんな孤独な彼女に、夢のような出逢いが訪れ…。『学園アリス』の樋口橘先生の最新作。本編自体は、まんがParkという白泉社の漫画アプリでの連載作ですが、度々花とゆめ本誌や、ザ花とゆめへ出張掲載されており、その度に、「これはっ…!凄いぞ!!!」と思っていました。第1巻を読んでの感想です。話が云々というより、とにかくもう「画面」です。観たことがないです。こんな「漫画画面」。あまりにファンタジックで緻密な背景たちが、きちんと「漫画画面」に落とし込まれているんです。月夜の空気感の繊細さは、筆舌しがたい美しさです。魔女の心情が、すぐにキノコ・花・胞子として画面に映し出される設定が、作品の魅力として本当に適格だし、「流石」の一言です。この描き込み、繊細なトーンワーク、ぼかした線を多用する自由自在な表現方法については、デジタル原稿でしか不可能なものだと思います。私は、実際に漫画や絵を仕上げる手間というのは分からないのですが、漫画好きのいち受け手として好き勝手に心象を言いますと、正直なところ、デジタル作画はこれまであまり好きではありませんでした。アナログ作画での画面処理・情報処理を突き詰めた方が、頭の中でキチンと計画的に画面を構成して、デジタル作画をするなら、全然いいんです。アナログだろうが、デジタルだろうが、手間の少ない方法でどんどん作品を生み出していただきたいですし、もちろん作家様自身も、身体に気を付けた生活していただきたいですし…。ただ、きちんと伝えなきゃいけない情報を、画面で構築できない状態で、デジタル作画はやらないで欲しいんです。なまじ画面を埋められるツールがあると、画面処理の観点がなくてもやたらめったらきれいな、「漫画っぽい」画面が作れてしまうのだと思うのですが、どこを観ていいか分からない画面は、読み手的にすごく困るんです。受け手的には、別に「キレイな」ものが観たいわけでも、「漫画っぽい」ものを眺めたいわけでもなくて、読みモノとして、情報が意図したバランスで伝わって来るかどうか、ちゃんと仕掛けてある通りの感動を受け取れるかどうか、なので。キレイに全ページトーンワークやり過ぎて、逆にどこが強調どころか分からなくなるくらいなら、だったら、「描き込めるツール・時間」が限られた状態で、必要な情報を取捨選択して、きちんとそれを画面に納めることを悩んでやって欲しい。そしてやはりどうしても「線」が…デジタルで描く線だと、すごくキレイで、無難で、面白くなくなって、「で、キレイだけど、これは何を印象付けたい絵なの?」ってなる。デジタル作画…昔のように漫画が売れなくなっているこのご時世で、漫画製作側のツールとして、労力・経費カットという重要な観点を否定をするつもりは一切ありませんが、いち受け手として、「デジタル作画になったから面白くなった」作家様というのはこれまで観たことがありませんでしたし、デジタルになったことで、その作家様に感じていた魅力が薄まってしまった…という、残念な思いを抱いたことの方が多かった、というのが正直なところでした。※もちろん、オモシロさに何の遜色も抱かせず、スムーズに移行される作家様も大勢居ますよ!話が若干それましたが・・・この「シャンピニオンの魔女」は、そんな私の中の「デジタル作画」の印象を一気に吹き飛ばしてくれる漫画作品でした。デジタル作画でしか不可能な表現だと、素人目にも分かる表現が、きちんと「効果的に」使われているんです。この感動は、デジタル作画でないと表現できないものだとちゃんと分かるので、「ひと昔前ではありえない感動の詰まった漫画!いいもん読んだ!!」ととても嬉しくなります。描かれているものは、学園アリス同様、まるで絵本のような…ファンタジックな内容なのですが、ちゃんと「漫画作品」なんですよねぇ・・・。樋口橘先生の、媒体(メディア)を自由に取り入れる力と言いますか、まさか漫画に取り入れられると思っていないものが、ちゃんとかみ砕かれて「漫画」になるという、咀嚼力が、この上なく発揮されている作品だと思います!漫画っていいな…まだまだ未来と可能性のある媒体じゃないか…!!と、一縷の希望が感じられるので、漫画好きの方は是非。超おススメです!!!コミックス1巻と花とゆめ本誌(&ザ花とゆめ)の連動企画で、グッズのプレゼント企画があったのですが・・・そちらで、『シャンピニオンの魔女』のキノコがまぐち(20名様)をいただきました!オリジナルプリントで布から作られてます。がまぐちの中もキノコイメージで作り込んである、本当に丁寧な作りのがまぐち財布でした。ありがとうございました。大切にします!!文・by姉 イラスト・by妹
2020.07.25
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少女漫画感想。『百年浪漫ねむり姫』(十鳥さる先生、白泉社、花とゆめ)大正8年。神楽木村。時期村長の青年・悠一郎と、許嫁の村娘・柚月(ゆづき)は、村を襲う流行病から身を守るため、目覚めた後の結婚を誓い、1年間の眠りにつく毒・「常花(トコハナ)」を飲むことに…。時は巡り、目覚めた柚月の目の前には、悠一郎とよく似た別の少年・悠(はるか)が居た。そこで明かされる衝撃の事実とは…!?花とゆめ本誌に、2020年1号から3回連載された作品です。3/18付で、単行本が発売されました。本誌購読時より、「オモシロい!!!」とメロメロになり、コミックス発売を心待ちにしておりました。内容については、ネタバレになってしまうのであまり詳しくは書けませんが、なかなかにぶっ飛んだ、「こんなん絶対に幸せになれないじゃん!」と読者がびっくりするような第一話の展開(掴み)から、各所に散りばめてあった違和感をきれ~いに拾い集めて、3回目の最終話でキュッと「少女漫画」にまとまる気持ちよさ!これほど練った、素晴らしい構成の3回連載作品というのは、そんなに多くの頻度で出逢えるものではありません。嬉しいですね…!!こういう作品が掲載されると、「漫画雑誌を購入し続けて来て良かったな!」と心底思います。ちゃんと狙って、仕掛けて欲しいんだ…!その仕掛けにわくわくしたくて、私は漫画を読んでるんだ…!!今回コミックスには、メインの「百年浪漫ねむり姫」のほか、2編の短編作品が収録されていました。◆科学者と幸せな薬◆待宵の月という作品でしたが、どちらも以前読んだことがありました。「科学者と幸せな薬」は、ザ花とゆめの掲載でしたが、ちょうど「暁のヨナ」の番外編掲載の特集号だったので、購入していました。十鳥さる先生のお話の作り方がよくよく見て取れる短編作品だと思います。「待宵の月」は、14ページという短い作品ですが、花とゆめ本誌に掲載された際は、アパートのベランダという限定されたシチュエーション・空気感の設定の上手さもあり、「おぉ!こんなコンパクトにきっちりまとめられる作家様がいるのか」と印象に残っていた短編でした。十鳥さる先生は、本当に「お話」に特化した作家様だと思っています。1作品毎、構成ありきで、感情を核に据えたミステリー作品のような…要素を散りばめてくる描き方が私のようなお話フェチの読者には大好物です。ただ、その中でちゃんと登場キャラクターたちも可愛く、愛着を持って読むことが出来ており、最後にはちゃんと「読み心地の良いところに導いてくれる」という安心感もあります。花とゆめの…隔週ペース雑誌で、連載…という形式に合っている作家様なのかは、正直分からないな、と思うのですが、是非頑張って欲しいなぁ…!応援したいなぁ、と思っている作家様です。今回、こうやってきちっと紙でコミックスになって、発売されて、ちゃんと発売日に購入することができて、とても嬉しいです。十鳥さる先生、今後も花とゆめ本誌の定期購読が楽しくなるような、読み応え、付加価値が大きく向上するような、質の高い構成作品を是非是非、生み出して行っていただきたいです!by姉
2020.03.21
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『ラストゲーム』・天乃忍先生の新作!購入しました!簡単感想です。『リバース×リバース 1巻』(天乃忍先生、白泉社、LaLa)幼い日のトラウマにより、大の男性恐怖症となった七瀬雛は、念願叶って全寮制の名門女子高へ入学した。そこで、同室となった雪野楓は、まさに雛が憧れてきた理想の「お姉さま」だった…!新しい毎日に心躍る雛だが、実は楓は重大な秘密を抱えていた。彼女は、実は男で、そして雛のトラウマの元凶だったのだ。一見、「百合モノ!?」と思わせておいて、絵面では完全に百合モノやりつつの、ラブコメです。正直なところ、そんっっなに衝撃的に面白いか、というと今のところ、「別にそれほど」…という感じなのですが;ただ、とにかく上手い企画だと思います!天乃忍先生の絵柄にとても合っている題材ですし、あとは、光の描写がすごく効果的でいいです!ラストゲームでも、ときめく瞬間の画面の輝きは「なんじゃこりゃ~!」と思っていましたが、この光の描写が、「お嬢様学校」の描写にすごく合ってると思います。こうやって、きちんと自身の強味を活かし、他作品とも被らない企画を立てられる、そして確かな脚本力・構成力でまとめ上げられる作家様を、花とゆめやLaLaには、ちゃんと大事にして欲しいです。雑誌の「質」を保ってくれるのは、こういう作家様です。本当に。というわけで、新作自体もとても気に入ったのですが、…まぁ、コミックスを読み終えて、最終的に言及したいのは、同時収録されていた『ラストゲーム特別編』ですよね。付き合って2カ月の柳くん&美琴ちゃんカップルの、でぇら可愛いやり取りが描かれています。やっぱり柳くんというキャラクターの持つパワーと言うのでしょうか。…段違いですね。このキャラクターは、基本的に天乃先生の中には居なかった人格というか。こういう、「どっから生まれてきちゃったんだ?!」という不思議なキャラクターには、とにかく作中の登場人物たちないし読者の目線を独り占めする、ブラックホール的な魅力が生まれます。日渡早紀先生の、小林輪くんみたいなイメージ。「ラストゲーム」好きの方も、是非手に取っていただきたい1冊です!by姉
2020.02.16
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おはようございます。そういえば、この漫画について記事を書いていなかったことを思い出しました。倫理観念上、「おススメ!☆」などとは、とても言えない作品です。あまりに登場して来る要素がエグく、グロい。また、2019年現在においては、(1972年においても同じだったかもですが)タブー視されているような事象をことごとく踏み抜いていく作品のため、読んで気持ち悪くなる方もいらっしゃるんじゃないかと思います。「お薦め」は…しません。…が、めっちゃくちゃ面白い!!『地獄でメスがひかる』(高階良子先生・1972年・講談社・なかよし)父親の妾の子であること、そして何より、生まれながらに容姿があまりに醜いことで、親兄弟に人間扱いされて来なかった ひろみ。自身の存在に絶望したひろみは、ある日家から姿をくらまし、独り、自殺を試みる。そこを、偶然通りかかった巌俊明(いわお としあき)に助けられるが、彼は、自身を締め出した現行医学界へ復讐するため、危険な研究に没頭する、闇の天才医師だった…。元々、文庫版で購入して、「なんじゃこれは!」と衝撃を受けていた作品でした。上の写真は、約4年前になかよし60周年記念で、投票で上位作品の単行本を復刻販売するよ!という企画があり、その際に再販されたものになります。※ちなみにこの投票は、あまりに反響が大きかったそうで、対象だったラインナップ作が全作復刻発売されてました。やっぱり…すごく人気のある作品だったんですね。えっと…本当に、内容について語ることも憚られるような作品なんですが、とにかく、すごいです。最初から最後まで、ずっと狂ってます。高階良子先生の他作品をご存知の方には、特に驚きはないかもしれませんが、慣れてない人間には、もの凄い衝撃でした。「いい人」、「優しい人」がほとんど出てきません。…だいたい皆、狂ってます。でも、ついて行けちゃうのが怖い!!生まれてこの方、自分の存在を認めてもらえたことのない主人公のひろみちゃんの、あまりに悲しい思考回路に飲み込まれます。いや、壮絶過ぎて、共感っていうのとも違う気がするんですが、その思考の渦に心が持って行かれます。そして、完全にブラックジャックモドキな巌(いわお)先生がね…こんなひっでぇ少女漫画ヒーロー見たことないわ!ってぐらい酷い…酷いというか、「やることなすことただの犯罪」っていうレベルの酷さで、弁護の余地のない人なんですけどね…どうしようもなく、付いて行けちゃうんですよ…なんでこんなヒーローで少女漫画が成立するんだ、恐ろしい…。1シーン1シーンのインパクトも凄くって。特に、ひろみちゃんが作中後半で、あるモノをメスで滅多切りにして、焼却炉で燃やし、そこから発狂してしまうシーンがあるのですが、こんなシーン、子供のころから漫画を読んで来て、初めて観ました。本当に、よくこんなものを『なかよし』に載せたな…!という感想しか出てきません。でも、冷静に要素や描写を観ると、「たぶんこれは小学生にも伝わるな」と思っちゃうんですよ。使ってる感情は、小学生でも理解できるものばかりです。小学生の私が読んでも、たぶん内容は理解できました。…だからこそ、恐ろしい!!70年代のエンタメコンテンツのパワーと毒気、凄まじい…!えっと、繰り返しになりますが、誰にもおススメはしません!!だけど、こんなに面白くまとまってて、ひたすら狂ってる少女漫画は、そうそうありません!!漫画媒体が好きで好きでしょうがない方に向けて、「衝撃作だよ☆」の一言だけ、お伝えしたいと思います。by姉
2019.11.18
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簡単感想!『ワンダーハニー 1~2巻』(絵夢羅先生・別冊花とゆめ&マンガPark)女児向けTVアニメの脚本執筆と、モデル業の2足のわらじで、男手一つ、愛娘・あかり(4)を育てる、有坂祐二(29)。しかし、あかりには奇妙な超能力が宿っており…!?絵夢羅先生が、安定・安心のクオリティで描かれる子育てコメディ(超能力パニック付)!絵夢羅先生の作品は、個人的にツボにハマる作品と、そうでない作品の差がすごく大きくて…;マンガ作品として、お話し回しや画面の魅せ方の面白さについては、文句のないクオリティで作品を描かれる、とにかく安心感のある作家様なのですが、キャラクターと設定が、どうも私的にえり好みがあるようで…。キャラクターがどうでもいいと感じちゃった作品は、本当に読めないんです。苦手過ぎちゃって。大好きな作品は、大好きなんですけど…。ただ、この『ワンダーハニー』は、以前より、これはキャラクターが好きな方の作品だな、このパッケージなら読んでみたいな!…と気になっていた作品でした。今回、既刊2巻を読みましたが、案の定…案の定というか、想像以上にすごく面白かったです!!アイドル性抜群の父親主人公と、お父さん大好きなツンデレこけし娘のあかりちゃんの掛け合いがいちいちカワイイ!また、ぺージを開いたところで、読者をびっくりさせたり、くすっと笑わせたりする、漫画表現での仕掛けが作りやすい・・・むしろそこが見所、というこの漫画の設定は、絵夢羅先生の作風や強味に非常にマッチしていると思います。1話1話の展開やまとまりも練られていていちいち満足感が高かったです。これはイイ!是非続きが読みたい!と思い、今の連載状況がどうなっているのか確認してみたのですが・・・うぅ~~~~ん・・・。2018年7月号で別冊花とゆめが休刊になって以降、一部を除き、連載作は「まんがPark」という白泉社の漫画配信アプリでの連載へ移行していると認識しておりましたが・・・こちらの「ワンダーハニー」は、2巻に最後に収録されている回の1回分の配信をもって、連載がストップしてしまっていますね・・・。別冊花とゆめの休刊と、連載作のまんがParkへの移行と、またそれに連動してのザ花とゆめの形態変更・・・ページ数減に関しては、かなりのレベルの作家様たちが、花とゆめというフィールドへ見切りをつけ、他紙移行を進めてしまっていることは承知していました。別冊花とゆめ連載作も、まんがParkへ移行後、数話の掲載を経て打ち切りのような形でストップしてしまっているのもなんとなく知っていましたが・・・そうか、この「ワンダーハニー」も、その中のひとつだったのか・・・。仕方ないこととは言え、この休刊に関しては、もうちょっといろんな準備を整えてから出来なかったのか、とか・・・まんがParkももうちょっとなんかこう上手く出来なかったのか、とか・・・いち読者の無責任な目線からすると、流出する作家陣があまりに勿体なく、いろいろと思うところはあります。いや、雑誌買ってなかった身で、何も言えない!それは分かってるんですが。花とゆめのような隔週連載の描き飛ばしペースではなかなか出来ない、上質な一話完結の連載を載せれていたのがこの別冊花とゆめであり、当然、花ゆめ本誌の連載作家陣の、次のフィールドとして機能していましたので、それがなくなったことは、花とゆめブランドを愛する読者や、何より作家陣にとって安心感の喪失であり、大きな大きな痛手であると思っています。まぁ・・・書籍・出版自体が斜陽産業ですから、今の漫画業界に安心感もなにもないんですけど。絵夢羅先生は、現在LINEマンガで「Wジュリエット」の続編を執筆中だそうですが、可能ならば!あと1冊だけでいいので、「ワンダーハニー」も是非!親子3人で幸せに暮らせるところまで、是非読みたいです。by姉
2019.10.23
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おはようございます。ずっと気になってた作品です。7月に3巻が発売されたようだったので、手を出してみました。『金色のマビノギオン-アーサー王の妹姫- 1~3巻』(山田南平先生・白泉社・マンガPark)金色の髪・瞳を持つハーフの少女・高校1年生の若宮たまき。彼女と、幼なじみの真・広則の3人は、修学旅行で訪れたイギリスで、突如不思議な世界に導かれてしまう。そこでは、たまきにそっくりな金髪の少年が重傷を負い、死にかけていた。周りを取り囲む男性たちは、彼を「アーサー」と呼んでいた…。山田南平先生が、満を持して描くブリティッシュ・ファンタジー!渾身の「アーサー王伝説」!これは…っ!オモシロいです…!!こんな山田南平先生の作品は、今まで読んだことがないです。「満を持して」というか、とにかくご本人が描きたくて描きたくて、マンガParkというアプリでの連載で、おそらくとても自由に描かれている作品のようです。商業用としては、編集部の意向を汲んだ別作品を、別冊花とゆめの後続的な電子コミック誌「花ゆめAi」で走らせ、軌道に乗せているようで、本当に器用な作家様だな…と思います。山田南平先生は、個人的には本当に商業誌の作家様として完璧というか、誰もが振り向く、いつまでも古くならないオシャレさのある画力・画面・色彩を持って、それでいてきちんと編集部の意向を汲み、中高生から大人読者まで、幅広い年代の方に合わせた設定を、狙って持ってこれる方というか。読者的にも、そしておそらく編集部側としても、この方の作品が載っていれば、まず間違いがない。雑誌としての付加価値も高まるし、それでいて固定ファンの付いている作家様ですので、コミックス単体の売上もきちんと取れるし…(たぶん)。ただ、やはりだからこそ、と言いますか…私個人的には、もう一歩、エゴイスティックでもいいんだよ!…というか。キャラクターが、あともう一歩、読者の心をえぐって来てもいいんだよ!…というか。そんな印象を持って、今までの作品を読んで来ていました。それがこのマビノギオンは、山田南平先生ご自身が、商業誌用のリミッターを完全に意図的に外している印象で。まず、アーサー王という題材自体が分かりづらい…あまり、少女漫画では好まれて来なかった題材だと思います。ゲーム文化や洋画作品に精通されている方は、単語やあらすじ等、もっと土壌があるんだと思うのですが…。私自身は、「アーサー王」と言われても、ディズニー映画の「『王様の剣』…?」くらいしか出て来ず、ほぼ知識0(ゼロ)の状態で読み始めました。この状態では、本当によく分かりません。登場人物も全然ついて行けないし、魔法やら妖精やらしきたりやらも何が何やら、って感じです。その上で、どうも山田南平先生はいろんな語り方・複数の寓話集の筋立て・キャラクター設定をご自身の解釈で縦横無尽に行き来し、さらに現代からタイムスリップした3人の高校生たちを主要キャラクターと同化させる妄想をダイナミックに入れ込んで来ているようです。私は、あまりに分からな過ぎて、Wikipediaでアーサー王伝説の登場人物の名前を検索しながら読みました。「ほうっ…なるほど、このキャラクターはコイツとオーバーラップさせるんだな、ふむ、このキャラが今後こうなるってことは、この描写はその示唆・前振りなのか…」みたいな。反則的な読み方なのかもしれませんが;ただこれはっ…商業誌…しかも少女漫画としては、難し過ぎる!!ハイカルチャー過ぎる;もともと「アーサー王」の土壌がない読者には、キツ過ぎる…!!登場人物の設定に、ウケ狙いの萌え要素は感じません。むしろ、グロイ!エグイ!誰がいつ死ぬか分からん不安感と、悲劇的な末路が作品を支配しています。読み進めるの、ツライんですよ…。ただもう、作者さまのエゴイスティックなパワーというか。「ここがこうだったら、面白くない!!?」というウキウキワクワクな暴走妄想がノリノリキレキレの描写で、誌面いっぱいに繰り広げられているのを見ていると、ついつい…「アーサー王伝説、面白そうだな…」とうっかり押し切られて来る。そんな作品です。「エゴイスティックで、毒オンリーな、未だかつて観たことない山田南平先生!」と聴いて、興味を惹かれるマンガ好きの方は、是非ご一読を!おススメです。by姉
2019.08.13
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『親愛なるA譲へのミステリー』に次ぐ、モリエサトシ先生の新作!購入しました!『私の正しいお兄ちゃん 1巻』(モリエサトシ先生・講談社・BE LOVE)スーパーのアルバイトを限界まで詰め、生活を送る勤労大学生の木崎理世(りぜ)。彼女の心の拠り所は、幼いころに両親の離婚で生き別れたお兄ちゃんといつの日か再会することだった。ある日彼女は、バイト先の同僚男性・内田海利に、「眠るときに肩を貸してほしい」と頼まれる。どこか謎めいた彼の物腰や言動に、兄の面影を重ねる理世だが、親しくなるうちに、海利に人殺しの過去があることが判明し・・・。とんでもなく重い!出て来る要素すべてが暗い!毒い!とにかく毒い!!コミックスの作者コメントで「少し攻めた内容」との記載がありましたが、はっきり言って、「少し」どころじゃない!!まさかこの設定で、ラブストーリーをやるつもりなのか…!?読者的には、ラブストーリーのつもりで読んでいいのか?コレ・・・!?「花とゆめ」のたがが外れ、「毒いの求む!」と言われたモリエサトシ先生は、こうなるのか・・・。BE LOVEは、本当に毒い・・・いや、かなり独特な雰囲気の作品を掲載している「大人女性向け」コミック誌だな~、と思って眺めているのですが、最近はその傾向に拍車がかかっているような・・・いないような・・・。あとは個人的に、「他誌で大きな弾け方はしなかったけど、この作家さまには報われてほしい!」と思っている作家様たちをちゃんと受け入れて、きちんと連載→一定のヒットへ繋げてくれる、という印象があり、好印象を抱いている雑誌でもあります。まだ当ブログでは感想記事等書いてなかったのですが、元なかよし作家の安藤なつみ先生が、『私たちはどうかしている』というオンドロ和菓子屋モノを好評連載中なのも、すごくうれしく思って観ていたりします。私たち双子の漫画好きの基礎とも言うべき「90年代なかよし」の、ほんの一握りとなったメジャー誌生き残り作家様なんですよ・・・。(いや、別名義等で、別のネットコミック媒体・同人媒体等で活躍されている方は他にも大勢いらっしゃるとは思うんですけどね・・・;)頑張ってくれ・・・!話がそれましたが。えっと・・・あまり内容について触れると、完全にネタばれを起こすので、なかなか語れないのですが・・・「私の正しいお兄ちゃん」ですが、別に、他の方にお薦めはしません!毒過ぎるから!!ただ、他にない挑戦的な設定が、私は大好物です!!生の毒をかっ食らいたい、漫画好きの方は、是非是非!「たがの外れたモリエサトシ先生」を堪能したいと思います。by姉
2019.05.06
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ええっと…発表から時間経っちゃってますが、この話題は無視できないのでちょっとだけ。フルーツバスケット再アニメ化! についてです。本作は1998年・花とゆめ本誌にて連載が開始。第一話から反響がすごかったそうです。その後作者様の病気による休載を挟みつつ、2001年にアニメ化され大ヒット。主に2000年代前半…花とゆめの発行部数が今(2019年現在)の3~4倍もあった時代、間違いなく雑誌を引率した作品でした。ちなみにこの頃は、本誌の値段も280~300円位でしたね^^;私達が読み始めたのはちょっと遅めでしたが、めちゃくちゃ世代でした。大好きでした。15巻位かな?以降は、毎号毎号、雑誌の発売を心待ちにしていました。インパクトのあるキャラクター達が繰り広げる、愛すべき日常が楽しくて。そしてどんどんヘビーな愛憎劇が見えてきて…とにかく先が気になって気になって。そんな中で、ふっと心が軽くなる言葉に救われる…ものすごく繊細な描写が光っていて。作者様曰く「スルメのような漫画を目指した」とのことですが、まさしくそんな感じ!読めば読むほど、噛めば噛むほど味わい深い作品だと思っています。…しかし今から考えると、十二支の呪いとか、かなり突拍子もない設定ですし…主役の天涯孤独設定も、高校生が抱えるには重すぎますし…絵も台詞もコマ運びもかなり独特で、決して万人向けの読みやすい作品ではないんですよね。しかしこれを漫画マニアだけでなく、クラスの子たちで休み時間に読み回していたのですから…当時は皆スマホなんて持ってないし、本当に漫画を一生懸命読む人が多かったんだなぁ・・・時代だなぁ・・・。とも思います。前にもどこかで語った気がするのですが、私達ふたごの間では(美内すずえ先生の「ガラスの仮面」は当然として、その他に)日渡早紀先生の「ぼくの地球を守って」高屋奈月先生の「フルーツバスケット」草凪みずほ先生の「暁のヨナ」この辺りが花とゆめイズム作品の本流!というかザ・花とゆめ作品!という認識なんです。舞台やテイストは三者三様ですが、とにかく「人の心」を描くことに特化していてどこまでも描写が繊細なんです。暁のヨナも国だの伝説だの出てきますが、基本的には「誰かのために動くパワー」という非常にシンシアリーな部分を描こうとしている作品だったりします。だから今回のフルバ再アニメ化、私達が何を期待してるかってヨナ読者の若い方も、昔の花とゆめの名作を読んでくれないかな! だったりフルバ読者だった大人の方達が、また花とゆめに興味を持って・・・あわよくば暁のヨナも読んでくれないかな! だったりしますw・・・さて上記のように、基本肯定的に捕らえているフルバの再アニメ化なのですが・・・やはりどうしても悲観的にならざるを得ない部分があります。主題歌に関してです。・・・岡崎律子さんが、もう居ないのです。2001年の旧アニメが大ヒットした要因として、必ずシンガーソングライター・岡崎律子さんの楽曲の存在が挙げられると思います。お洒落で美しい和音・ゆっくりと刻んでいくリズムそして岡崎律子さんのウェスパーボイス・・・これが高屋奈月先生の描く、優しく繊細な世界観にぴっったりだったんです!♪For フルーツバスケット ←もちろんこのOPが一番有名ですが・・・♪小さな祈り ←EDも上品&可愛らしくて良いよ!♪セレナーデ ←多分コアなフルバファンの中には、この曲を一押しする方も多いはず。何を隠そう私達双子は・・・岡崎律子さんの大大大っっファンでした。・・・というか現在進行中で大ファンです。何度聴いても惚れ直します。実はフルバからではなく、岡崎さんは90年代に林原めぐみさん等声優さん達に楽曲提供をされていて、その辺りの曲があまりにも素敵だったので作曲者の名前をチェックしてて・・・そこからのファンでした。だから本人名義の楽曲をはじめ、他の歌手への提供曲までくまなくチェックしていました。もうもうどれだけ聴いたか分かりません。岡崎律子さんのワークスは、優しい声や心に響く歌詞が褒められていることが多いです。もちろんそれも岡崎さんの唯一無二の魅力なのですが・・・双子的にはそれに加え音楽性の高さ!多様さ!! を声高に叫びたいのです。和音がめちゃくちゃ綺麗!メロディーや曲の構成が多彩!引き出しが半端ないんですよ。最近になって60年代・70年代の洋楽や80年代の日本の歌謡曲・アイドル曲なんかを聴くと岡崎律子さんがいかにこの辺りの楽曲から影響を受け、勉強されていたかが分かってきました。決して「岡崎律子節」だけに頼らずすごく貪欲に色んなものを取り入れながら活動されてたんだなぁ・・・と。岡崎さんはフルバ以降も主にアニソン楽曲に重宝され、次々と名楽曲が産み出されました。「ラブひな」「メロキュア」では作品のノリに合わせイケイケでアップテンポな曲にも果敢に挑戦されていました。それがまた良いんですよ。新しい楽曲が出てくる度に驚かされ(次は!?次はどんな曲が出てくるの!?)とワクワクしながら待っていました。2004年5月、他界されたと知った時は、本当にしばらく呆然としてしまいした。人気絶頂の中、とても精力的に活動されていたので、まさか闘病されていたなんて・・・。遺作となるアルバム「for RITZ」には旅立つシンガーとしてファンに向けた言葉なんだろうな・・・という♪I'm always close to you という曲が収録されています。未だにこれ聴くと泣けます。泣くでしょこんなの。岡崎律子さんは春の悦び・秋の切なさ・・・様々な情景を歌い最期の時を迎える、病室の静寂さ までも楽曲にされていました。本当に生粋のシンガーソングライターだと思います。(あと10年・・・5年あれば、アニソンの枠を超えて音楽界で評価されていたはず・・・!)と嘆く人の声をきいたこともあります。私達もそう思っています。未だにコアなファンは多いと思いますし、音楽に携わる人・クリエイターを目指す人には学ぶべき所がすごくある楽曲群だと思います。林原めぐみさんなんかは、未だに自身のCDアルバムをリリースする度に岡崎さんの楽曲を、なんらかの形で必ず入れてきています。「この名楽曲が忘れられないように!ひとりでも多くの人に届けたい!」生前の彼女に多数の楽曲を提供して貰った者として・・・というプライドさえ感じます。岡崎さんの楽曲は、人にここまで思わせる魅力と価値があるのだと思います。高屋奈月先生の要望で、新生フルーツバスケット(アニメ)は声優さんも一新!全く新しいスタッフで創りあげる!という形になるそうです。15年以上経ってますから。確かにそっちの方が良いものが出来るだろうなぁ、と思います。主題歌も新しい曲が作られるのでしょう。それはそれで楽しみです。・・・ただこれだけは言いたいんです。新たにフルバに興味を持った皆様・・・岡崎律子さんの楽曲も是非是非是非聴いて下さいね!!! こ・・・こんなに語るつもりはなかったのに;;岡崎律子さん、まだまだ語りたい楽曲が多すぎる;;それはまた別記事で・・・。by妹
2019.01.18
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3巻発売を機に、全巻一気買いしました!『ミステリと言う勿れ 1~3巻』(田村由美先生・小学館)友達も彼女も居ない、天然パーマ頭でっかちの大学生・久能 整(ととのう)。ある日、彼は殺人事件の容疑者として警察の取り調べを受けることになる。被害者は、整の同級生だった・・・。次々と話しかけてくる警察官に、無実を訴えながら、日ごろ自分が疑問に思っていることを問いかけていく整。その対話の中で、何故か警察官たちの偏見に満ちた価値観があぶり出されて行き・・・。『7SEEDS』という大作を見事完結させた田村由美先生が、息抜きとして描いたのかな?という作品。田村由美先生が日ごろ疑問に思っていること、日本社会に対して感じているフラストレーションを、頭でっかちな大学生主観で、ズバッと指摘していくという内容です。先生的には、『BASARA』や『7SEEDS』のように、すごく頑張ってエンタメをやっているわけではない、ウケ狙い要素の少ない息抜き作だったんじゃないかと思いますが、とにかく、本音がすごく純粋に読み物としてまとまっているのが分かるので、他にない。超面白い。特に、仕事至上主義男性の価値観への、「は?なんで?」というスタンスの問いかけは辛辣でキレ味抜群です。一言二言で、相手の「当たり前」を粉々に打ち砕く威力があります。爽快です。これは・・・田村由美先生世代の女性読者はもちろん、若い世代の心も鷲掴みだわ・・・と思って読みました。おそらく、1巻前半の読み切り作品で終わるはずだったんじゃないかという今作ですが、人気があったんでしょう・・・新刊2・3巻では、かなり本格的な「ミステリー作品」の様相を呈して来ています。褒めどころが明確で、誰にでも訴求力がある作品なので、早々にメディア展開が来るんじゃないかな。レジェンド作家の息抜きの、この恐るべき面白さ!(もはや息抜きで済まなそうだけど)興味のある方は、是非体感してみてください。by姉
2018.10.20
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久々にヨナ以外の少女漫画感想です!ヨナがあれば良いんだ! ・・・と言いつつ、なんやかんや新しい作品を探しては読んでいます。最近は元々好きな作家様の新作をチェックするか、知らない作家様でも電子書籍サイトの無料版で興味を持つ→単行本購入の流れが多いですね。最終的に気に入った作品は紙で読みたくなるので、購入するときは単行本です。断固紙派です。↑この辺りの感想が書きたいのですよ~。どれもこれも「ここが良いんだ!」と力説できる面白さがあります!オススメです!!でも、とりあえず今回はこちらの作品↓の感想をば。近場の本屋には入荷されておらず(今月新刊がでてるのに;)ネットで取り寄せました。めっちゃ面白かったのにめちゃくちゃマイナー作品みたいなので微力ながら全力でお薦めします。 今でも覚えている 燃えさかる炎の前で土下座する 母の姿を「御手洗家、炎上する」みたらいけ、えんじょうする(藤沢もやし先生・講談社・KISS・既刊3巻以下続刊~)全く知らない作家様だったのですが、3話無料とタイトルに惹かれて覗きました。1P目の絵面インパクトが強烈で(あ、もうコレは買いだ)と悟りました。とにかく女性向け漫画離れした、絵力のある画面が素晴らしいです。代々病院を経営する名家・御手洗家(みたらいけ)。この家の長女・杏子(あんず)は、12歳の時に両親の離婚により御手洗家を離れた。彼女の母親による火の不始末が原因で、家が全焼するという不幸な出来事があったからだ。しかし彼女は、外部の人間による放火の可能性を疑っていた。火事から13年後、杏子は偽名を名乗り、再建された御手洗家の門をたたいた。家事代行アルバイトとして。出迎えた御手洗家の後妻・御手洗真希子(まきこ)は、杏子の母のかつてのママ友だった。杏子の目的はひとつ。この女によって奪われた母の人生を、全て取り戻すため-・・・!嫉妬・羨望・野心・憎悪・・・・・・全てが絡まり、もつれ合う、本格ホームサスペンス!前妻の娘VS後妻!女の園の大バトル!! THE・昼ドラ!!!というあらすじですねw 正直、よくあるドロドロ設定というか。しかし本作、面白いのが 実は群像劇な所 だったりします。火事によって運命がねじ曲がってしまった子供は、杏子だけではなかった。杏子には4歳年下の可愛い妹が居るんです。そして後妻の真希子にも、2人の息子が居るんです。各々が各々の気持ちを抱え、ガンガン参戦してくるんです。このカルテットが本当に面白い!最終的に気になるのが、火事の真相云々ではなく登場人物たちが、いかに家族と現実に向き合い、未来に向かっていくか・・・なんですよね。以下↓個人的お薦めポイント箇条書きです。・キャラクタードロドロしい設定なのに、キャラが陰気一辺倒かというと・・・そうでもない。杏子ちゃんはじめ、皆基本的に真面目で頑張ってる。だから応援したくなります。そして恐ろしいことに、妖怪化している後妻・真希子さんでさえ応援したくなるんです。ねじ曲がってるけど、ものすごく頑張ってるから。怖い人間なのに可愛い部分もある。可愛い子なのにフッと怖い顔を覗かせる。賢くて優秀で繊細だからこそ、身動きがとれなくなる事がある。鈍感で知らないからこそ、出来る事だって山ほどある。キャラクターの多面性と立体感が魅力的です。3巻まで読んで、目下一番不気味なキャラは・・・お父さんですね;;・呼吸まで表現する描写力御手洗家という閉鎖空間で、お互いの腹を探り合う場面が多いのでとにかくキャラの焦りや緊張感・・・繊細な描写が際立っています。ドラマのようであり、ドラマよりも絵画的でオーバーであり・・・。あと小道具が印象に残ります。あんなにおどろおどろしいコーヒー&うな重は初めて見ましたよ・・・;・ベタ&カケアミ&万線オンリーの重厚な画面マンガの技法の話になってしまうのですが、このマンガの色づけがほとんどベタ・カケアミ・万線なんですよね。かなり意図的にやってると思います。どれもトーンが開発される以前からの伝統的な表現方法なので、古風で重厚な画面になってます。これがこの作品にぴったりなんですよ!カケアミの表現力に改めて惚れ直します。あと画面に関して特筆すべきは・・・構図。凄く読みやすい画面なんですがここぞという場面の構図取りが、かなり挑戦的でアーティスティック!作者様、美術系の勉強された方なんじゃないかな・・・勝手な想像ですが。人物に関しては、最初は(ちょっと線が太くてぎこちないかな)と思って読んでいました。・・・が、巻数が進むにつれてどんどん安定してきてガンガン動き出してます。特にヒーローポジ(多分)の男キャラ、本性現わしてからの華やぎっぷりがスゴイ。・・・なんか長文になってしまいました;自分で思ってる以上に気に入っていたらしいです^^;まだまだこれからの展開が楽しみな作品です。気になった方は是非~!by妹
2018.09.28
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少女漫画感想『ならしかたなし 1巻』(雪野下ろせ先生・白泉社・花とゆめ)奈良。自分に自信がなくて、控えめなJK・しゃな子(大仏顔)と、彼女の笑顔が大好きな、ツッコミ気質の牡鹿・鹿男。2人(?)のハートフル会話劇コメディ。花とゆめの愛読者である私&妹の間では、「オアシス」と呼ばれている、ショート漫画です。毎回、基本は6P掲載(前後することあり)という本当に短い作品なのですが、花とゆめ発売日には、妹との電話越しに、「暁のヨナ」感想とともに、必ず話題に上がります。それくらい、毎話毎話、キレキレのネタと、キレキレの少女漫画描写の宝庫なんですよ!!とにかく、「大仏顔」の表情を崩さず、その上で少女漫画描写表現を駆使し、あの手この手でその表情を「素敵な笑顔」と読者に押し切ろうとして来るんです。マジで、大仏顔のJKがすごく可愛いですからね。ぶっちゃけ、今の花とゆめ本誌で、他のどの連載作品より、よっぽど「少女漫画」な作品だと思います。少女漫画技法って、すげぇな!ってなります。また、作者さまの地元が奈良県とのことで、地元への愛着とリスペクトもひしひしと感じます。「少女漫画」が大好きな方は、騙されたと思って、是非!by姉
2018.07.24
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少女漫画感想。『親愛なるA譲へのミステリー』(モリエサトシ先生・講談社・ITAN・全3巻)彼の小説に魅せられ、何故か事件が起こってしまう。人を狂わす数奇な魅力を持つ、元小説家の青年・能見啓千(のうみたかゆき)。彼の遠縁で、本が大好きな女子高生・綾乃は、身の回りの世話をするという名目で、彼の家に通い始めるが…。現実と虚構の間に「人間」をあぶり出す、愚かで美麗な心情ミステリー。花とゆめ作家のモリエサトシ先生が、講談社の雑誌で描かれていた作品のようです。本屋で3巻発売時に見かけて、「おぉ!」と思い、手を出しました。モリエサトシ先生の作品は、もう10年以上前から大好きで…コミックスも全部ではないですが、たくさん購入してます。昔から大好きだったんです。短編作品が!モリエサトシ先生の連載作品は、何作もあります。花とゆめ本誌では、「星空のカラス」という囲碁漫画全8巻も出てました。ただ・・・!!正直、連載作品でいいと思ったものは今までありませんでした。短編作品の、独特のモチーフで、感覚的で感情的で、とにかく他にない詩的な世界が、なんで…連載作になるとこんなに全く入って来ないんだろう…??と。ここに関しては正直なところ、いち読者・いち雑誌ファンとして、花とゆめ編集部へ疑心を抱かざるを得ません。だって!!!今回他社(講談社)から出てきた連載作品の、モリエサトシ先生節を磨き上げた見事なまでの詩的で毒々しい世界観と踏み込んで欲しい概念にきちんと踏み込んで消化してくれる満足感といったら!なんじゃこれ、馬鹿みたいに面白いじゃないですか!!なんでっ…なんでこれを花とゆめブランドの中で掲載できなかったんですか!?私は10年近くずっと、こんなモリエサトシ先生の連載作品が読みたかったんですよ!!今回の『親愛なるA譲へのミステリー』と、出だしが同時進行・・・だったのかな?くらいのタイミングで、花とゆめ本誌では『しかない生徒会』という連載作品が掲載されていました。ぶっちゃけ、どう読んでいいか全く分からない作品でした。編集さんが一つ覚えに「キャラ萌え」しか言わなかったんだな、ってことしか伝わって来なかった。確かに『A譲』の方は、グロくて少女漫画では無理かな?と思う描写は多い作品でしたが、同時期の作品とは思えない、作家様のノリ具合と練り込んだ内容。これを…今の花とゆめ本誌に載せてくれてたら…っ!いや…花とゆめじゃ、こんなオシャレな装丁で単行本出せなかっただろうし、毎話の練り込みは無理だっただろうし…「大人漫画好き向け」として、きちんと講談社から出せて、この作品は本当に良かったんだろうな、と思います。思うんですが…っ『花とゆめ』ファンとして、本当に悲しい。花とゆめ本誌…「暁のヨナ」の為に毎号購入していますが、正直なところ、最近は他に読める作品が本当に少なくて、困ってるんです。読みたくても、意味が分からなくて、読めない。これほど毒々しい感性で作品を描き切れる、自社の育てた作家様がちゃんと居るにも関わらず、生き生き伸び伸びと描かせてあげられないなんて…!はぁ…。あ、なんか「花とゆめ」の悪口みたいになっちゃいました。素直に書き過ぎちゃいました…。でも、本当に感じてることです。さてさて、『親愛なるA譲へのミステリー』本編について。断筆中の天才小説家・能見啓千(PN.都築応居(つづきおうい))は、知人の女性に効き手である右手を刺され、その後執筆活動を断っていますが、彼の生み出した作品に感化されたり、あるいは彼自身に魅了された人々が、作者の意とは全く異なる受け取り方をした末、次々と事件を起こしてしまいます。「作者の意とは異なる」と言っても、受け手にとっては、受け取ったものが真実ですから。「物語」の解釈が「現実」に返ってくる時の、摩訶不思議なノーコンブーメランっぷりが、ありとあらゆる角度の主観によって「事件」になって顕在化する、もはや哲学じみた作品でした。登場するキャラクターが、それぞれに主体的なパワーを持って、「物語」をなんとか自分の思った方向に推し進めようとする…その行為自体が、本当に現実の「人間」だと感じますし、こんな概念が、ちゃんと読み物として形にまとまっていることがまず感動です。モリエサトシ先生の「書き手」としての定義や葛藤、また他者作品の「受け手」としての期待や不安、葛藤も遠慮なく、遺憾なく詰め込まれていたんじゃないかな、と思います。上手く感想が書けませんが、とにかく!私が10年間ほど、モリエサトシ先生に期待して待っていたのはこれだ!という作品でした。モリエサトシ先生節爆発の、最高傑作(現時点)だと思います。お気に入りキャラクターは、2巻登場の月堂さんも毒くて好きだったんですが、綴(つづり)さんが恐ろしくパワーのあるキャラクターで、すごく気に入りました。3巻最終話の、「解釈の違い」論争は、漫画の感想をぐちゃぐちゃ語りたくなる私自身、身に迫るものがあって、ゾッとしましたよ。面白かったです!!「語りたい」漫画好きの方は、是非是非!モリエサトシ先生…次回作はどこでの掲載になるのか分かりませんが、期待して待っております!おまけで、モリエサトシ先生の花とゆめ作品で、個人的にお気に入りのものを紹介。(たぶん、今までにちらっと感想を書いたものもありますが。)ほぼほぼ短編。『保健室の奇妙な住人』(2006年)※単行本「学校ホテル2巻」収録血のつながらない兄妹の、愛憎入り乱れる短編作品です。他になくて、大好きな作品。感情と衝動が鮮やかに焼き付きます。『せつげつか』(2006年)※単行本「せつげつか」収録怪盗と、彼が口説く病弱な女の子の物語。月夜のキレイな絵面と、怪盗が話しかける「レイディ」という言葉が印象的な作品です。『不埒なシスター』(2006年)※単行本「不埒なシスター」収録常にジャケットを着込んでいる同級生の女の子と、彼女の体温の高さをもう一度確かめたい男の子(チャラ男)の話。現代の高校が舞台なのに、「黒衣のシスター」というモチーフが凄い!キレてます。『戦場にて、言葉無くして』(2005年)※単行本「白磁2巻」収録空港と航空自衛隊基地の近くにある高校で、「飛行機」に常に心を奪われている女の子と、彼女に恋した男の子の物語。「不埒なシスター」同様、他にないモチーフで描かれた「現代学園モノ」です。導入部分の2ページが印象的。興味のある方は、こちらも是非。by
2018.07.14
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最近読んだ漫画感想ーその2『ぼくは地球と歌う 1~3巻』(日渡早紀先生・別冊花とゆめ)「生死の境」を巡るドタバタから4年。小6になった小林蓮は、「地球の歌が聞こえる」ようになるなど、 日々キチェスとしての能力が高まっていた。ある日、月基地組の前に、謎の少女・ヘンルーカが現れる。蓮の前世である、モクレンの父親・ロジオンの犯した『大罪』とは?*以下、ネタバレ含む感想です。お気を付けください* 「ぼくの地球を守って」(単行本21冊)の次世代編と名付けられた、「ボクを包む月の光」が15冊刊行され、更に改題しての新シリーズです。今回のこの改題に関しては、中身を読んですごく納得!「書きたいものがあったから」だ!すごくうれしいです!出てくるモチーフが、とにかくキレてるんです!「三角の物質」モチーフ=東京タワー=富士山のトライアングル。また、3巻くらいになってから、富士山の麓に、おそらくサージャリム絡みの何者かが居ることが描写されたのですが、すごくしっくり来たんです。そっか、なんかまだよく分からないけど、だからモクレンさんは、地球を観て 「懐かしい、懐かしい」って言ってたのか!って。また、『GLOBAL GARDEN』でさんざん出てきたユグドラシル(世界樹)イメージもここに来て一気に華やいで来ました!あの作品は「記憶鮮明シリーズ」でもないはずなのですが、日渡先生の中で、なんかぐるぐるとつながってるんでしょうね。そう思うと、作品単体としてはいまいち頭に入ってきていなかった、「未来のうてな」や「宇宙(コスモ)なボクら!」といったぼく地球以降の他作品も、なにかしらで全部この「次世代編」に活きている気がします。前作の最後のあたりになって、蓮くんがモクレンの父親・ロジオンの生まれ変わりだとういうことが分かったのですが、このロジオンというキャラクターに関しては、確かに「ぼく地球」本編ではかなり謎な描かれ方をしているキャラクターでした。希少な男性体のキチェスであった上、モクレンの母(この方もキチェス)と駆け落ちで「楽園」を去り、そのうえ相当な若死に。本編が彼の謎に突っ込んでくれることで、ようやく「蓮くんが主役の物語」が始まったな~、という印象です。蓮くんの存在についてが華やいで来て、同時に日路子(カチコ)ちゃんの存在感も一気に増して来ました。3巻のラストの、感情がガツーんと前に出てくるところは、過去(前世?)と今がオーバーラップして、良くわからないけどグッと来ましたね~!ぼく地球本編みたいに、キレてる~~~!!!『ぼくは地球と歌う』!『ボクを包む月の光』は、結構だらだら~っとした印象の次世代編で、何がやりたいんだろう・・・?という空気もあったのですが、地球が歌うための準備期間だったのか、地球にキチェスやらサージャリムやらの概念が、本当の意味で回帰するための期間だったのか ・・・って感じてます。「ぼくの地球を守って」本編のファンの方で、未読の方は・・・本当に是非是非!20年以上かけて作者様の中で熟成された、極上の「輪廻転生」物語が、見れるんじゃないかと、わくわくしてます!!!by姉
2018.03.23
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新しく読み始めた漫画感想!『執事たちの沈黙』(桜田雛先生・小学館・Cheese!)箱入りのわがままお嬢様・椿を世話する頭脳明晰・品行方正な執事・和巳。しかしプライベートの彼は、ギャンブルと女遊びが好きなクズいおっさんだった。ある日、パチンコに出かけた和巳は、椿がひったくりに逢う場面に遭遇し、思わず彼女を助けてしまう。そして何故か、おっさん姿の和巳が自分の執事だと気づかない椿に、一目惚れされてしまう・・・!執事・和巳 × お嬢様・椿 × クズ男・歳三(偽名。和巳の素)奇妙な三角関係は始まった。 秀逸なタイトルと、秀逸な1巻の表紙に釣られて、レンタルコミックで借りて読んでみたのですが・・・妙~~~に面白い。艶っぽい、とにかく華やかな絵柄で、「なんとなくな漫画」に絶対なるだろ、って雰囲気のくせに、意外な設定が作りこんであって、感情がしっかりある・・・!大変気に入ったので、最新5巻まで一気に購入して来ました。「ビジネス執事」というキャラクターが、妙な立体感を持って、地に足を付けて動き回っているのが、とにかく面白いです。「執事」というファンタジーな存在が、プライベートではパチンコと女遊びが大好きで、また中古不動産投資やFXやったり、 せこせこふるさと納税やったりしてるとか、もうそれだけで面白いじゃないですか。あ、「クズ」とか書いたのは、作品紹介や、キャラクター自身がこの形容をよく使っていたからなだけで、実際にはこの和巳というキャラクター、全然クズじゃないです。超仕事人間ですし、自分というものと息の抜き方をよく知っている、出来た社会人です。そして、ごちゃごちゃ言いながら、なんやかんやで誰よりもお嬢様至上主義な人です。これだけのビジネス人間で、こんな仕事してれば当然の感覚だと思いますが、お嬢さまが大事で大事で、仕方のない人です。↑この感情ありきの作品だから、面白いんだと思います。作者・桜田先生の作品は今まで読んだことなかったのですが、この前の作品が「源氏物語」が題材の作品だと知って、 ものすごく納得しました。紫の上か・・・!前作で育てた萌えを、今回の作品で爆発させてるんだな・・・!この作品の設定、普通に「執事」を書こうとしても、 なかなか出てこないと思います。かなりひねくれてるんで。感情ありきで、この感情を描くための現代的ツールとして「執事」というモチーフが出てきて、その上でキャラクターを立体的に魅せていこうとするうちに、組みあがった設定だと思います。掴んた感情を描くために、何段回も設定を組み直していかないと、この面白さはないよな~、と思います。Cheese!という雑誌は、「少女漫画」と言いながら・・・ほぼほぼ大人女性向けコミック誌だと思います。この作品も、やっぱりビジネス感性のある大人が一番楽しめる作品なんじゃかな、と思います。和巳という主役キャラクターの、ビジネスとプライベートの使い分けを楽しみ、そしてそこの使い分けがどんどん出来なくなる様子を楽しむ、そういう漫画かな、と思います。うん。やっぱりいろいろぐるぐる考えても、この漫画は面白いな。うん。月刊誌掲載ですが、毎月のページ数も多く、年間3冊くらい(それ以上?)なペースでコミックが発売されているようです。続きも楽しみです!by姉
2018.02.03
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連載が長いことストップしちゃってるけど、今でも大好きなんです!続きが読みたい花とゆめ作品花とゆめを読み始めて十数年経ちますが、あの雑誌はよく、連載が途中で止まったままになることがあります。隔週で30Pという、週刊少年漫画と同等ペースということもあり、作家さまが体調を崩されて描けなくなってしまったり、また、走り始めた連載が思うような人気・コミック売り上げを得られなかったり。こうした未完作品の中で、すごく気に入ってる作品が何作かあります。基本的には、既にネームバリューのある作家様が、力を入れて、ストーリー重視で始められた連載が多いかな。初っ端から謎を入れ込み、風呂敷を広げ、情報を小出しにして来ていて、すごく気になる。また、作家様自身が楽しく描かれているのが伝わってきて、今からでも・・・今からでもいいいから、是非是非、続きが読みたい! 『道端の天使 既刊・4巻』(2003~2004年・絵夢羅先生)中国雑技を守り伝える田舎村・虎術郷(こじゅつきょう)。ある日、村の少年・テキーラ・アークは、雪の中で行き倒れている謎の少女を見つける。彼女の名はキャトル・コリンズ。何者かに追われ、この地に逃げ付いたようだが。それには、彼女の持つ不思議な力をもった絵本が関係しているようで・・・。2004年に第一部完結、という名目で連載が終了。続きはいつか別冊花とゆめで、という情報が載っていましたが、そのまま再開されず、今に至っています。・・・もうあきらめてはいるのですが、これ大好きだったんですよ。すがすがしい、思い切ったファンタジー作品です。わけの分からぬまま、命を狙われ、両親を殺され、ひたすら逃亡の日々というとんでもない過酷な運命を背負ってしまった女の子が、幾人もの捨て子を拾い、愛を持って育てているアーク家に拾われ、そこで過ごす喜びが、しっかりストーリーに落とし込まれています。キャラクターもみんな可愛いし、アーク家の家族感も素敵です。キャトルを守らなきゃ!とどんどんたくましくなる成長ヒーロー・テキーラも好きだったんですよね。10年以上経っちゃってるのでもう難しいとは思うのですが、まだまだ謎も示唆したままになっているので・・・是非! 『ベリーベリー 既刊3巻』(2008~2010年・日高万里先生)仲良し双子のくるみと紗々姫(高校一年生)は、昔住んでいた町へ戻って来たのを機に、「女の子の為のお役立ち活動」を始めることに。彼女たちの行動の根本には、かつて自身が巻き込まれた誘拐事件が影を潜めており・・・。双子が本当にそっくりで、 絵だけでは見分けがつかない不思議な漫画です。ただ、読んでいるとだんだんと双子の見分け・・・それぞれの行動の癖、思考回路が見えてくる。そこに誘拐事件が影を落としていることも見えてくる。結構難しいことをやろうとした作品だと思っています。確かに、万人ウケは無理な、漫画玄人向け作品だったなとは思っています。ヒーローたちも結構癖がありましたし。大勢の方にお勧めするような作品ではありませんが、個人的に大好きだったんですよね・・・これ・・・。3巻収録分の話が掲載されたときに、この連載の休止報告が掲載され、そして「天使1/2方程式」という別連載がスタート。現在は、日高先生の手の調子が芳しくなく、こちらの「天使1/2方程式」の方も休載状態となってしまっていまして、ベリーベリーの連載再開は・・・期待薄かな・・・と思っております。だけど、どうにも好きで、結構な頻度で読み返す作品です。毒々しい。 『リーゼロッテと魔女の森 既刊5巻』(2011~2013年・高屋奈月先生)東の東の東の果ての、辺境の地。魔女が住まうと言われるこの地で、双子のお世話係・アルト&アンナと暮らし始めた世間知らずのお嬢様・リーゼロッテ。彼女に襲い掛かる、不可思議な「魔女」、そして「淵月(エンゲツ)」と名乗る青年が現れる。ぶっちゃけ前の2作品は、もうあきらめの気持ちはありますが、このリーゼロッテだけは・・・!リーゼロッテだけは、あきらめられません!!高屋奈月先生節爆発の、分けわからん出だし!難しいし、読みづらい!ですが、読み進めるうちに見えてくる、淵月とリーゼの過去!そして謎!精神が引っ張られて行く感覚がします。もう、高屋先生・・・キレッキレなんですよ!描写の一個一個、漫画を超越した緩急が、もう凄いんですよ。私の中では、間違いなく高屋奈月先生の最高傑作になることが 確定している作品です。高屋先生の体調悪化&長期療養の為、休載となり、現在は「フルーツバスケットanother」が、様子を見ながら、web掲載されている・・・感じでしょうか。リーゼロッテは、作画等、かなりパワーの要る作品だと思うので難しい状態なんだと思います。・・・が、本当に、これだけは!是非是非完結まで読みたいです!!・・・好き勝手な叫びでした。by姉
2017.09.16
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少女漫画感想 『明治緋色奇譚 全13巻』『明治メランコリア 1~5巻』(リカチ先生・講談社・BE・LOVE)明治、東京。没落華族に生まれ、遊郭に売られていた幼い少女・鈴子は、大きな呉服店の跡取りである青年・津軽に身請けされる。自分を大金を出して救い出してくれた、どこか掴みどころのない青年の真意を知りたい・・・。少女の探求心は、恋心へと変化してゆく。絶対私好きだな、コレ。・・・と本屋で見かける度に、ずっと思ってました。女の子が大きくなった新シリーズの第1巻の表紙を見たときも、あぁ、これもうドツボだな。何このくりっくりの瞳の女学生、超可愛い。・・・と。『明治メランコリア5巻』発売に合わせて?『明治緋色奇譚 1~3巻』と、『明治メランコリア 1巻』が電子書籍の方で無料で読むことが出来まして・・・読みましたよね・・・その次の次の日には、全巻手元に揃ってましたよね・・・。妹に言われました。「お前は本当に、好きだよね。少女×青年の少女漫画。(っていうか、ロリコンもの)」・・・うん、そうですね。好きですね。少なくとも私は、ヒーローは年上じゃなきゃ、ヒロインの女の子に感情移入しながら、なかなか読めません。全部が全部ってわけじゃ、もちろんないですが。(ヒーローの)社会的な位置づけ・スペック・経済力の描写なくして、全面的に頼れるかどうかの判断材料なくして、どうやって未来像を描けっていうんですか。あとは・・・なんと行っても、とにかく「病的な感情」についていきやすい。大抵、ヒロインの女の子にとっては「世界にこの人しか居ない」という状況・感情が設定されてますし、そうなれば自然と、ヒーローにとっては、とにかく「この子には自分しか居ない」って疑いようがなくなるので。はい・・・『明治緋色奇譚』・『明治メランコリア』、スーパードツボ作品でした。ただ、もうちょっとふんわりした事件解決ものを想像してましたが、まさかのスーパードシリアス・スリルサスペンス長編でした。ここまで鈴ちゃん自身がいろいろ大変なことを抱えてるとは知らなかった;紫の上育成計画って・・・大変。っていうか、紫の上育成計画っていうか、どっちかっていうと最強紫の上による、ロリコン育成計画っていうか・・・あ、いや、言い方が・・・。えっと・・・とにかく、期待した萌えはきちーんと、想像通り描き切ってくれるだろう安心感があり、それでいて、それを盛り上げるべくの話回しがまさかこれほどスリリングだとは、という意外性がある作品です。画面・絵が、「隔週連載ってなんだっけ??」って感じの驚くべきクオリティです。繊細な表情からアクションまで、なんでも出てきます。なんでも描けるからこそ、お話回しも自由自在。キャラクターも、それぞれきちんと愛せますし。一気買いしといてなんですが、正直、これほど面白い作品だとは思っていませんでした。 新シリーズ・『明治メランコリア』が、これまた超面白くって。黒髪美少女の上目遣い、半端ねぇ。この威力だけで、なんでもかんでも突破する・・・説得力。失踪した津軽青年を追いかけ、鈴ちゃんは渡仏。舞台は日露戦争直前のフランスへ。前シリーズ以上に、厄介そうな、規模のでかい話になってきてます。15歳になった鈴ちゃんの見ている「世界」が子どもの頃よりグッと広がったな、と思った矢先のまさかの「フランスへGO!」なので、もう読者目線で、完全に先を行かれます。どう転ぶか分からない話展開が続く、もはや朝ドラヒロインのような、清廉潔白美少女の冒険譚、たまらねぇ!要約すると、大きくなった鈴ちゃんが超可愛い、と。まだまだ、時代やキャラクター配置、不安要素だらけ過ぎて、どこで何が爆発するのか全然わかりません。ただ、キャラクター全員のハッピーエンドと、自身の運命の恋に向かって、鈴ちゃんが全力で頑張ってくれるんだろうな、と思ってます。大河ドラマちっくな朝ドラ観てる感覚で、今後も追いかけたいと思います!by姉
2015.11.23
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おはようございます。最近読んだ漫画の簡単感想ーその8『虹色デイズ』(水野美波先生・別冊マーガレット)乙女チックな優しい男の子・なっちゃん、チャラいナルシスト・まっつん、爽やかそうな外見のドS・恵ちゃん、彼女持ちのオタク男子・つよぽん。仲良し男子4人グループの、それぞれの恋愛模様は・・・。こちらの作品は、1月からアニメがやるそうで。少し前から気になっていたので、手を出してみました。まだ、巻とばしとばしで一気読みした段階ですが。想像していたより、ずっとずっと面白かったです!うんと・・・印象としては、もっと「男子高生!ゆるいハイスクールデイズ!」っていうのを想像してましたが、全然、もっと繊細な、青春ラブコメな感じです。「ラブコン」と「君に届け」のいいところを足して、3で割って、若干薄味にして、イケメンの並んだ「アイドル」感と、キレイ&オシャレで繊細な線・トーンワークを足したような作品・・・かな。すごくトレンドというか、若い世代にも支持をされそうな、おしゃれな絵柄で、いろんな場面といろんなキャラクターをしっかり描いてくださって、上手・・・というか、本当に器用な作家様だなぁ、と。それでいて、男の子がカワイイ&かっこいい&どうしようもない&優しいし、女の子はひたすらカワイイし。「主観」での変化を、きちーんと1話1話に織り込んで、それを画面でもきちーんと、「わっ」っとくる感情を喚起させるように描いてくださるので、読み応えもあるし、読んでて、とにかく嫌な気分にならないんですよ。まぁ、でも・・・器用な分だけ、全体的には、若干「薄味」な気がします。キャラクター像にしても、感情描写にしても。読みやすいんですけどね。もうちょっと・・・ぐぃっっと、心にえぐり込んで来て欲しいかな、と。そんな中において・・・ひと際輝く「濃いくち」キャラクター。ぶっちゃけ、まっつんとまりちゃんしか見えねぇ!!いや、なっちゃんと安奈ちゃんも、もちろんカワイイんですけど・・・どう考えても、まっつんが主役でしょ、この漫画。男嫌い・超寂しがりやの黒髪美少女まりちゃん、超可愛い。最新10巻になって、(主にこの2人を中心に、)どんどんキャラクターの表情が良くなってきてて、おぉ!っと思いました。周囲もつられて、どんどん良くなるんですよ。・・・まりちゃん目線の安奈ちゃんが、「一番魅力的」であるという、どうしようもない説得力;おもしろい。いや~・・・やっぱり別マは、いい作品が載ってるなぁ///いいもん読みました。続きも・・・っていうか、まっつんとまりちゃんが、楽しみです!残りの男子二人(恵ちゃんとつよぽん)も、もうちょっと動いてほしいかな・・・。読みます!by姉
2015.11.15
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おはようございます。最近読んだ漫画の簡単感想ーその7『君とレモンの星 1巻』(かねもりあやみ先生・プリンセスGOLD・秋田書店)地球が滅んでより1000年。惑星キトで、優しい家族とレモン畑に囲まれて暮らす少女・ミラは、ある日、惑星ノアの王子・レグルスと出会う。結婚の約束をし、別れた二人だが、直後、ミラの家族に悲劇が訪れ・・・。以前、一度記事を書いたことがあったのですが、集英社・金のティアラ大賞の受賞作で、『ネペンテスの恋』という作品がありまして、とにかく心に残る作品だったんです。今回、本屋でこのコミックを見つけまして、「あ、あの作家さまだ!」とうれしくなったので、思わず購入してしまいました。今は、プリンセスで描いてたんですね。プリンセスという雑誌は、「王家の紋章」をちょろっと読んだくらいしか本当に知識がなかったのですが・・・今回この作品を読んで、なんて自由に作家様に描かせてあげられる雑誌なんだろうな・・・とすごく思いました。この作品、絶対に集英社の雑誌には載らない。このとっつきにくい設定じゃ・・・コミックたくさんは絶対売れないんですよ。レモンモチーフとか、主役の着ているセーラー服の設定とか、読者的には意味不明ですもん。作家様に、なんでこのモチーフなんだ、と問えば、その答えは、「だって好きなんだもん!」以外におそらくありません。読者・売上を向いてる作品じゃないんです。・・・だけど、面白いんですよ!なんでこんな設定の、よくわからない漫画が面白いんだろ、って自分でも不思議になるんですが、感情がちゃんと入ってくるし、モチーフにも押し切られるし。絵力が・・・あるのと、そして何より楽しそうに描かれてるのが分かるからなのか、・・・魅せられるんです。かねもりあやみ先生のような、「描きたい!パッショーーーン!!」という作家様は、こうじゃなきゃだめだ、これはだめだ、という縛りのない、こういった雑誌で描かれるのが、一番筆が走るんじゃないかな、と思います。漫画って・・・面白いなぁ。かねもりあやみ先生・・・応援してます!プリンセスの他の作品にも、興味がわいてきました。by姉
2015.11.12
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おはようございます。最近読んだ漫画の簡単感想ーその6『黒猫怪奇クラブ』(松本夏実先生・りぼん)霊感体質の超怖がり少女・優月は、霊感0の憑依体質少年・陽向と、彼の親友の真夜にオカルト研究会『黒猫怪奇クラブ』に誘われて・・・。『夢色パティシエール』の松本先生の新作。王道ストレートな、1話完結のホラー少女漫画なんですが・・・これが・・・とにかく、1話1話、超面白い!面白過ぎて、本当にびっくりしました。2話目の「保健室の小さいおじさん」の話も他になくてすごく面白かったんですが、個人的には3話目の「近づく幽霊」のパニック感が大好きでした。各話の出だしの掴みも、王道なんですが・・・毎回全然違うとっかかりで。そのうえで、だんだんと幽霊たちの「思念・感情」に近づいていくんですが、いちばん接近したその時に、必ず「来るぞ来るぞ・・・きゃ~~!!」と、分かっててもびくっとしちゃう「怖い」シーンが来て。ホラー漫画というのは本当に間違いのないお話構成力と、描きたいものを必要な、それ以上のインパクトで描く画力・表現力が絶対に必要になってくるものだと思います。「怖い」を織り込んで、1話としてまとまった漫画を作るって、勘頼りじゃ絶対にできないと思います。明確に、ここでぞっとさせる、そのために布石をおいて、その手前のシーンのテンポをゆっくりにさせて・・・って構築していかなきゃいけないので。ちゃおなんかがすごくわかりやすいのですが、定期的に増刊等で「ホラー」特集組んで、とにかくホラーを描かせて、作家様の育成をしてる・・・それくらい、ホラーが描けると、「漫画」が上手くなると思っています。流石・・・流石・・・な、松本先生。お話の密度・展開、しっかりと描かれた画面も、とにかく満足感が高い漫画作品でした。これは・・・新人作家様じゃ絶対に出せない作品です。漫画好きの方は、是非是非!by姉
2015.11.10
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おはようございます。最近読んだ漫画の簡単感想ーその3『QQスイーパー 全3巻』(最富キョウスケ先生・ベツコミ・2014年)実質の掃除、そしてさらに人の心の「ウチガワ」の掃除を家業とする堀北家に、一人の女の子が転がり込んできた。西岡文(ふみ)と名乗る、家を持たない少女は、堀北家で住み込み家政婦兼掃除屋見習いとして働き始めるが・・・。「電撃デイジー」の、最富キョウスケ先生新作。・・・っていうか、読んでなかったのかよおめーは!と、自分自身に突っ込みを入れてしまいますが・・・はい。読んでませんでした。なんか・・・タイトルとパッケージ見て・・・とっつきにくそうだったんで、「うん・・・面白かったら、教えて★」って思って。今回、3巻完結との情報を耳にし、「そっかぁ、やっぱり終わっちゃったか・・・読んでみよ。」と手を出したのですが・・・なんかもう陳謝するよりほかに・・・ない。・・・コレ、面白いじゃん!変な話だけど・・・デイジーとも違う、意欲的なファンタジー作品じゃん!現実の「掃除シーン」と、ウチガワの「掃除シーン」が、全然画面もやってることも違うのに、心根が一緒なのが分かるのが面白い!あと、ヒロインの文ちゃんと、ヒーローの玖太郎くんが、なんか変なキャラクターなんですよ。いや、デイジーでも主役二人にすごく感じてたんですが、・・・とにかくぶれるんです。キャラクター像が。最富先生の作品は、まずヒーローとヒロインが一緒に居なきゃ始まらないというか、お互いの存在に反応することですべてが進んでいくというか・・・今回の作品もです。ヒロインとヒーローが・・・とにかくずっと一緒にいるんですけど、常に相手の「こんな顔すんのか」「こんな反応するのか」を延々と・・・イタチごっこのように追いかけ続けている感じで。それをずっと見てると、読んでる方のテンションがもおかしくなってきます。この、「相手を追っかける」が、作品の根幹・「謎」としてきちんと織り込まれてます。うーんと・・・うまく説明できないんですけど、「ああ、すごく面白かったんだな」ってことが伝わると嬉しい・・・。ちなみに、こちらの作品。『QQスイーパー』は3巻までで終わり、『クイーンズ・クオリティ』というタイトルに改題して、現在ベツコミ本誌で連載中だそうです。たぶん・・・中身はそのまま、続きです。売れなかったんだろうな・・・いや、詳しくは知りませんけど。もろ、私みたいな人たちが手を出さなかったために・・・コミック売れなかったんだろうな・・・。コミック売れなかったけど、内容は全然いいし、画面も表情も俄然ノッてきてるし・・・もったいなくて、タイトル改題なんてことになったんだろうな。いや、『QQスイーパー』・・・内容に対して、全然間違ったタイトルじゃないんですよ。ただ・・・うん。タイトルって大切。私のように、『電撃デイジー』をラストまで追っかけてたのに、『QQスイーパー』・・・「面白かったら教えて★」って思ってた方・・・教えます!面白かったです!!タイトル改題してまで、続き載せたい、もっといろんな人に読んで欲しいって、雑誌の出し手が思う作品です。たぶん。ちゃんと・・・これからはちゃんと・・・応援せねば。by姉
2015.10.28
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おはようございます。最近読んだ漫画の簡単感想ーその2『恋降るカラフル~全部キミとはじめて~ 1巻』(水瀬藍先生・少コミ・2015年)4年前、夏。瀬戸内の小さな島で出会った男の子のことが忘れられない真白は、東京に引っ越しをし、初登校日に彼と再会する。しかし、その場で「誰?」と言われてしまい・・・。なみだうさぎ、ハチミツにはつこい・・・と、ヒット作を連発している水瀬先生の新作。実は、このタイトルとコミック1巻の表紙を見たとき・・・若干「引きが弱いな」って気がしてました。ハチミツにはつこいが、その前作との違いもすぐ分かり、狙いも萌えも本当に一発で入ってくるパッケージで、なんて上手に出してくるんだ、と思っていたので、それに比べると・・・今回のは、少し倦厭されるかな、と。なみだうさぎのパッケージと似てるのもあって。恐る恐る中身を読んでみたのですが・・・なるほど。コレ、すごい。1ページ目から・・・ハチミツにはつこいと、全然画面が違う。これ、どれだけ漫画画面で「カラフル」が出来るかって作品だ。第一話で、「瀬戸内の小島の夏」がもうキラッキラのカラフルカラフルに描かれ、東京に出てきて・・・画面がいったん収まります。後はもう、この段階から、主人公の女の子が、どれだけ画面を「瀬戸内のカラフル」に出来るか・・・です。ヒーローとのときめきシーンに、どれだけ「光」を持ってこれるか、です。何への挑戦なんだ・・・これは;この作品は、正直「エンタメ」性はハチミツに~に比べて、非常に薄いと思います。ただなんかもう・・・ここまでくると、漫画媒体の、芸術作品です。めちゃめちゃアート。一言でいうなら・・・「白黒の漫画画面で、何やろうとしてんだ、おかしい。」トーンの神が、誰も到達したことのない未知の領域で新しい挑戦してます。こういう作品は、エンタメに徹している作品より、やっぱりどうしても売り上げ落ちるんじゃないかな、と思うのですが、こういう作家様自身のエゴイスティックな挑戦があるから、その闘いの経緯をまるまる観戦できるから、だから漫画は面白いんです。すごい作家様だ・・・。観たことのない、カラフルな画面をもっと体感してみたいです。漫画ってここまで色づくのか!って、もっと驚いてみたいです。水瀬先生、頑張ってください!by姉
2015.10.26
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おはようございます。昨夜、久しぶりに読み返しました。アドベンチャーにわくわくしました。ヒューマノイドのグロテスクさにぞくぞくしました。憧れや嫉妬や・・・なんかいろいろひっくるめた愛に泣きました。『OZ』(樹なつみ先生・1989~1992年・lala増刊・完全版全5巻)1990年・第三次世界大戦が勃発。核ミサイルの使用及び、それにより訪れた「核の冬」により、世界は荒廃した。30年後・2021年・・・未だ国の分裂・混乱が続く中でまことしやかに囁かれる、ひとつの伝説があった。大戦前、秘密裏に作られた科学都市・『OZ』ーそこは闘いも飢えもない、理想郷である・・・と。時代の寵児ー東洋系の童顔をしたエリート傭兵・武藤佯(22)(サージェント)。強大国・サンレイトの超天才名門家系・エプスタイン家のお嬢様ーフィリシア・エプスタイン博士(15)。「OZ」より派遣されたという案内人ーずば抜けた科学力により生み出された戦闘ヒューマノイド・1019(テン・ナインティーン)。3人は『OZ』を目指し、旅を始める。2004年に、加筆修正・新緑番外編を加えた『完全収録版』が発売され、その時に気になって手を出した作品です。よくよく考えると、本当にそれまでlala作品というものを読んだことがなかった・・・かも。このたび、文庫版が発売されるとの広告を見て、・・・めっちゃ読みたくなって、引っ張り出してきました。完全版5冊というコンパクトさですが、SF全盛?(より少し後かな?)を感じさせる思い切ったワールド設定の中で、アドベンチャー出来るし、アクション&スリルいっぱいだし、キャラクターがそれぞれ本当に生きてて、心底恋出来るし、絵ヅラのいい、ドラマチック且つ感情が高ぶって泣きそうになるシーン満載だし。この、現代日本人にはほぼ全くとっかかりのない感情になんでここまで翻弄されるのか分からないんですけど・・・ラストがもう・・・ラストがラストでラストなんですよ・・・・もうね、ぐわっと来るラストが・・・いやでももちろん、ラストだけじゃない。どこを読んでも好きです。溺愛してます。・・・っていうか、これほど溺愛している作品なのに、私ブログで「この作品について」語ってなかった!!そういえば。これはいかん!*以下、本編のネタバレあり感想です。未読の方は・・・なるべく避けて、本編をご覧ください。* なんだろう・・・うまく言えないんですが、よくわからんぶっ飛び設定に、なんでそうなった??みたいなキャラクターたちが大勢出てきて、必ず群像劇になって・・・・で、最終的に、よく分からんまま「しっくり来るところ」に各々のキャラクターが向かう。この樹なつみ先生のサラダボール感というか・・・短編はそういう雰囲気ではないのですが、基本長編は、みんなこんな印象です。ただ私が、この『OZ』が他作品より取り立てて好きなのは、主役への集約力が高いから・・・だと思います。誰でも主役に出来ちゃうので、他の・・・『朱鷺色シリーズ』や『花咲ける青少年』なんかは、途中で誰が主役か分からなくなったりするんですが・・・;『OZ』は違う。これは、あらすじの説明だけじゃ伝わらないので是非本編を読んでいただきたいのですが・・・この作品、読者のほぼ99.9%の感想はこれに尽きると思います。「サージェントぉぉおおおおおおお!!!」主役がすごいんです。・・・樹なつみ先生の男性キャラクターたちの魅力は、どの作品においても、その中核であり、今更説明する必要もないと思うのですが、それにしても、その中でもずば抜けた支配力のあるキャラクターだと思っています。作中、登場する他キャラクターたちが男女問わず、みるみるコイツの虜になっていくんですが・・・なんていうか、あ、「骨抜き」の虜じゃないですよ。サージェントが、この荒廃した世界に愛されてて、またサージェント自身も愛してるから・・・なんだと思うんですが、サージェントといると、他のキャラが自分と世界を見つめなおして、ちょっと好きになれたりするんですよ。その最たるものが19(ナインティーン)であり、クライマックスに繋がっていくのですが・・・ラストのしっくり感・説得力は、作品全体で作っているものだと思います。どこまで計算して描かれてるのか、全くわかりませんが。今回、1巻から丁寧にひとつひとつの感情を拾おうと読み進めてみました。いちばん印象が変わったのが、主役のサージェントです。今まで、「サージェントを見る周りの目線」で読んでたのかな。読み直してみて、サージェントの主観が、割と入ってきたような気がします。あ・・・サージェントってこんなに最初っからフィリシアちゃんのこと大好きだったのか・・・。分かってたつもりだったんですが・・・追い付けてなかった。フィリシアちゃんの「サージェント大好き!」っていうのと、19(ナインティーン)にはすごくついていきやすいんですが。(ファンタジー作品では、世間情勢に疎い主観の方が読者にはとっつきやすい。)契約違反を犯しての軍からの脱走や、幻の科学都市への執着・・・周囲の人々から、「らしくない行動」とさんざん言われることをするサージェントの、動機は全部フィリシアちゃんが持ってます。サージェント・・・フィリシアちゃんと居る時だけ目が違う。荒廃した世界の醜さ・やるせなさを底辺の底辺まで知り尽くしているこのキャラクター・・・「美しいもの・純粋無垢なもの・正しいもの・夢心地なまでの理想」が大好きなんですよ・・・。フィリシアちゃんの存在自体が、サージェントにとっては『OZ』そのものなんだなぁ・・・と。あ~・・・そうなんだ~・・・と今回すごく落ちてきました。サージェント・フィリシアちゃん・19(ナインティーン)・・・この中核3人のお互いの存在を立て合うバランスは、この漫画作品にしかない、奇跡だと思います。やろうと思ってできることじゃない・・・。個々のシーンについていろいろ語りたいこともありますが、時間がないので・・・とりあえず今回読み直しで感じた、この衝撃だけメモしておこうかと。文庫版1・2巻、昨日本屋で見かけました。文庫でももちろん面白いとは思いますが・・・できたら、もう少し大判での鑑賞がおすすめです!世界に入りきりたい、のめり込みたい漫画好きの方は是非是非!by姉・(イラスト・妹)
2015.10.13
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おはようございます。久々に、漫画をいろいろ読みましたので、感想を。少女マンガ漫画感想『ユキは地獄に堕ちるのか 1~3巻』(藤原ヒロ先生・白泉社・Lala)京都の山奥にある六辻村。この村には、100年に一度、六つの業をつかさどる「宿命の子」が生まれる。高校1年生の鳴滝ユキと幼馴染の5人は、その宿命を言い渡され、人間界で暴れる「外道」を還す任を負うが・・・。 アニメ化もされたヒット作、『会長はメイド様!』の藤原ヒロ先生の新作。『会長~』に収録されていた短編を読むだに、特に『会長~』のノリが、この作家様本来の気質じゃないんだろうな、とは感じていましたが、それにしても思い切った舵取りの次作だと思います。中二病全開の、バトルファンタジー!挑戦的で、とても素敵。そして、感想はこれに尽きます。とにかくっ・・・とにかくっ・・・!!タイトルがいい!!!1にタイトル、2にタイトル、3にタイトル、4にキャラクター設定・・・くらい、とにかく、タイトルがいい!!!『会長はメイド様!』も、本当にいいタイトルだな~と思っていたんです。この作品の見所が、非常に端的に凝縮されてるんですよ。このタイトルと、出だしの数ページだけ読めば、どこに注目すべきか分かります。『会長』で『メイド様』をやってる主人公、責任感の強い、超頑張りやなんです。 『ユキは地獄に堕ちるのか』・・・すばらしい引きのタイトルだ。数ページ読みます。すばらしいです。主人公の「ユキ」ちゃん・・・めちゃくちゃ気遣いやで、博愛主義の超いい子です。メインヒーローらしき「天哉」くん・・・発言が度を越してる、スーパーオレ様です。ヒロインのこと、超軽薄に扱います。『ユキは地獄に堕ちるのか』・・・何がやりたいのか、一気に入ってきます。この作品の本題は、このタイトル以外にありえません。この娘が・・・『地獄に堕ちる』だと・・・!? 藤原ヒロ先生のキャラクターは、う~ん・・・なんというか、すごく「一義的」だな、と思っています。今回ですと、主役のユキちゃんは、「超いい子」!ヒーローの天哉くんは、「俺様」!もうひとりのヒーローの秋羅くんは、ユキちゃんにだけ心を開く、基本「他人嫌いの引きこもり」!キャラクターで回す漫画なら、もう少しいろいろやりたくならないかな・・・?と『会長~』を読んでいて、少し感じていました。キャラクターを立体的にしようとすればするほど、一言じゃ説明できなくなるはずなんですよ。『銀魂』キャラクターなんかがすごくいい例なんですけど、たとえば主役の銀さん。キャラクター説明や、作中での表現では、「ずぼら」「いい加減」という言葉が出てきますが、実際には、非常に器用になんでもこなすし、細かい部分に関して几帳面さ・まじめさを感じる描写がとても多いキャラクターです。「人間」って、実際はこうだと思うんです。他人や自分の定義とは、全く矛盾する行動言動なんていくらでもするわけで、その人と成りを一言で言い表せる方がおかしい。だから、知れば知るほど、存在が無視できなくなるんです。私自身の好みは・・・というと、やっぱり、↑どこまでも立体感があり、キャラクター同士の掛け合いで、そこに愛情が生まれていくのを感じられる作品です。なんですが・・・うまく言えるかな・・・えっと・・・藤原ヒロ先生の作品は、逆にこの「一義的」な部分の掘り下げが、想像以上なんです。だから、個人的に好みな詰め方ではないのですが、・・・おもしろい。『会長~』のときも、読みながら、「あ、そこまで辿り着いちゃった???」・・・みたいな、わりとびっくりするような発言が飛び出してきたりして。「人格」のデフォルメというか、これが、想像以上に迷いなく、しっかりしてる。今作に関しては更また、この「一義的」な部分が、各キャラクター、それぞれの背負う「六道」にいろいろ対応しているのが、おもしろいんですよ。「天道」が「高飛車な俺様」とか、「修羅道」が「引きこもり」とか、「人間道」が「嫉妬深い?」とか。この中で、一際異彩を放つのが、やっぱり「地獄道」が「博愛主義のいい子」なんですよね。一義的だからこそ、設定が立っているところもあるのかな、と感じました。これは是非是非、仕掛けた、読者を釣った部分で、間違いなく壮大に盛り上がって欲しい作品です。『会長~』も、想像以上にヒロインの会長職や、ヒーローの生い立ち設定を使って満足感のある盛り上げをしてまとめてくださったので、期待してます!個人的には・・・あともう一歩!折角のファンタジーですし、「京都」という雰囲気ある舞台設定がされていますので、心に焼きつくような、ロマン溢れる絵ヅラ・シーンでお話を回してくれるとうれしいかな・・・///(あ、でもでも。3巻の水族館のシーンは、綺麗で素敵でした・・・!)私ももういい歳ですが・・・人間の好きなものなんて、そうそう変わりません。性懲りもなく、中二病漫画が大好きですw。追いかけますよ~。by姉
2015.08.17
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…そういえばブログで触れてなかったかも! ということで。 『ごくせん』『デカワンコ』等…レディース漫画界随一のヒットメーカー・森本梢子先生最新作『高台家の人々』(YOU連載中・既刊3巻~)一巻発売時より愛読しています。! 平野木絵は妄想が趣味の地味めOL。そんな彼女に社内屈指のイケメン社員・高台光正が積極的にアプローチを開始。木絵はとまどいながらも彼に惹かれ、2人は晴れて付き合うことに。 …実は光正と彼の妹弟には、ある特殊な能力が秘められていた!平凡無害なOL木絵と、曲者ぞろいの名門華族・高台家の人々が織り成す群像不可思議ハートフルラブ・コメディ! ・・・面白いんです!! この作家さんの漫画は本当にハズレがないです!「地味系アラサーOLの前に、突然白馬の王子様が現れた!」という、なんとも結婚を意識する年齢の女性に優しい設定と展開。本当にそれだけなんですが…面白い!! この作家様の描くキャラクターには立体感があって、各々が魅力的な部分と、しょうもない部分を持っている。その表裏一体を、社会的な立ち位置含めてエピソードでするっと描写していて…新作が出るたびに あー天才作家様だなぁ…と思っています。 ひと癖のふた癖もあるキャラクター同士が出会い、一番ダメダメな部分が、相手にとってまさかのプラスに転じる意外性と気持ちよさ!今作は「人の心が読める」という設定が、森本先生のユーモア溢れる人間観と卓越した脚本・演出力の魅力を引き立てていると思います^^。 高飛車・完璧な高台家の人々が、次々と木絵ちゃんのまったりペースに陥落していくのが面白いです。 木絵・光正カップルには是非ゴールインまで行って欲しい! あ、あと妹・弟の恋の続きも読みたいです! ……特に弟w。森本先生の描く年下ひねくれ片想い男子は、ラブコメの至宝だと思いますv。by妹
2015.07.27
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そういえば購入して、ときめいて、落書きして…満足して完全放置していました。lala連載中・天野忍先生『ラストゲーム』第8巻読みました! パッケージがあまりにあざとく、うっかりドラマCD付特装版にも手を出しかけましたが「ダメだドラマCDだぞ絶対聴かないだろ!」と自分に言い聞かせ堪えました…。 姉曰く「そろそろ主役ふたりがウザくなってきたイイネ」うんうん、このモダモダがラブコメの醍醐味です。両片想い万歳!それにしても美琴ちゃんは恋するとあんな感じでハジけるのかw。 今巻のMVPは相馬くんのナイスふられっぷりです^^。次巻も楽しみです♪。by妹
2015.06.26
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白泉社漫画つながりで、対にして描いてみたかった2組のカップリング落書きです^^。( …内一組は超・絶・古きよき時代の漫画です。分かる方いらっしゃるかな;;?) 暁のヨナ(草凪みずほ 花とゆめ09年~より連載中)ハク&ヨナ 時間をとめて待っていて(ひかわきょうこ LaLa おてんばウェスタンシリーズ83~89年)ダグラス&ミリアム私達が生まれる以前からの作品です;。名作あさりをしている時期にハマりました。双子的には「白泉社少女漫画四天王は!?」と問われたら暁のヨナ! ぼくの地球を守って!時間をとめて待っていて! ガラスの仮面!…と答えると思います。それくらい大好きな少女漫画です。 ひかわきょうこ先生についてはこちら。 何故この二組を並べたかったかというと、じゃじゃ馬特攻ヒロイン&年上完全無欠ハイスペックヒーローの構図がちょっと似てるかなー…と思ったんです。そう思って描いてみた…んですが……描いた結果… あ、全然似てないわ。。ミリアムちゃんは常にダグラス命!大好き!!オーラ全開だしダグラスはそんなミリアムちゃんの気持ちをしっかり受け止めてるし。お互いの気持ち思いやりすぎて身動き取れなくなってるハク&ヨナとは全然違うわ。ハク&ヨナはダメだ。ホントダメだ。ひねくれすぎててホントどうしようもないわ。。…という結論に達しました~w。 …毎度の事ながら知らない方(おそらく大半)にはさっぱり分からない話で申し訳ありません^^;。 学園恋愛少女漫画より、愛とロマンのファンタジー少女漫画が読みたいんだ!…という方には、ひかわきょうこ先生の作品、とてもオススメです^^。草凪みずほ先生同様、乙女と乙女を取り巻く世界を描ける作家様といいますか…筋の通った学園恋愛漫画を描ける作家様…が描く異世界なんです。少女の恋心を入り口に、読者を異世界ファンタジーへと誘ってくれる漫画なんです!大好きです!!by妹
2015.06.17
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半年くらい前に描いていた落書き。暁のヨナフィーバーに浮かされてて、完全に出すタイミングを逃していました…^^;。 「花とゆめ」イラストシリーズ第3弾です。86年連載開始の不朽の名作日渡早紀先生「ぼくの地球を守って」です。ハマりすぎてコミックス版・文庫版・愛蔵版をすべて揃えましたよ…アホですよ。。 この作品はもう何というか…言葉では言い表せない激情とロマンの宝庫です。未読の方は是非是非…本当に重厚な物語と描写力ですよ。右脳も左脳も爆発しますよ。是非。。 高校生の頃、この作品を何気なく手にとって「なんっじゃこりゃぁああ!!世の中にはこんな面白い漫画があるのかぁあ嗚呼ああ!!!」となりまして、過去の名作あさりとか始めちゃいまして、ふたご今(漫画バカ)に至ります。 「ぼく地球」「フルーツバスケット」「暁のヨナ」この辺りの作品は、個人的には「THE 花とゆめ」作品だと思ってます。パッと見、設定やテイストが全然異なっているのですが、最終的に描かれているのが全部「″今の世界″に向かう心の在り方」だったりします。どう心を保っていくのか・救っていくのか・未来に向かっていくのか…これが描かれていると、「あ~…花とゆめイズムだなぁ…」と ^^。 ヒーローが曲者(ブラックホール)すぎるという特徴も共通しているような…。大好きです。。 by妹
2015.05.16
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おはようございます。姉の方です。私的連勤記録を大幅に更新中です。気晴らしに、久っっ々に新しい漫画を買いました。(ここ半年、ホントに『暁のヨナ』の世界に入り浸っていたので新しい漫画がほとんど読めてなかったんですが・・・;)超簡単に感想を。 『死にたがりと雲雀 1・2巻』(山中ヒコ先生・講談社・ARIA)母が病死して以降、なかなか家に居つかない父親と二人で長屋に暮らす少女・雲雀。近くの廃寺に謎の浪人が住み着いたと聞き、様子を窺いに行くと、そこでは新たに「寺子屋」を開くつもりらしく・・・。浪人と少女を核に描かれる、江戸の町の人情交錯物語。 電子書籍で、この山中先生の前作が1巻無料配信されていまして、ちらっと観て・・・「この方の漫画は是非読んでみたい!」と思い、タイトルリストの中でまず間違いなく一番好みなこの作品を購入しました。現在連載中の最新作だと思います。 とにかく、買って良かった!面白かったです~!///登場人物それぞれが、ひと癖ふた癖ありまして、他人事に対して、出来ることに限りがあって、だからこそ、気を使うという労力が立って・・・この繊細な部分を、雲雀ちゃんがちゃんと拾えるとにかくイイ子なんですよ・・・。 そしてそして、とにかくびっくりしたのが・・・画面!そこまで、わりと生々しい感情交錯があって、・・・それがいきなり、浮世絵の中の出来事になるんです。画面が突如として、橋・雨・傾斜角度の大きい建物・坂道・梅の花・雲・ススキ野原・・・明らかに浮世絵モチーフだと分かるようなもので締まって、「・・・あ、これ今までの、浮世絵の中の出来事だったのか」ってなるというか。ディズニー映画とか、「絵本」を開くところから始まり、「絵本」を閉じて終わるようなものがよくありますが、なんかそんな感じ。「絵」で脳が構成されている方の作品でしかなかなか味わえない感動だと思います。 少し前に、広重美術館に行ってきまして、浮世絵っておもしろいな~・・・と思ったばかりだったので、尚のこと、この仕掛けを楽しめたんだと思います。これは妹にもおススメしたい作品です。「絵」が好きな方、感情交錯の物語が好きな方は、是非。by姉
2015.04.22
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最近、ちまたでは一番くじやらキャラグッズやら新装版コミックスやら…我が幼き日のアイドル「カードキャプターさくら」ちゃんの商品が溢れています。 なかよし創刊60周年企画らしいのですが、もう完全に私達、メインターゲット(当時小学生・現在独身社会人)のど真ん中世代なんですが… 堪えろ自分!手出し始めたらキリないぞ!! …との戒めをこめ、さくらちゃん落書きを投下致します(なんでだ)。 危なかった…良かった…企画が「セーラームーン」や「さくらちゃん」押しで…「怪盗セイント・テール」でこれやられてたら、暁のヨナとのダブルパンチで間違いなく破産してた・・・(^ ^;)。 by妹
2015.04.02
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だいぶ前に、「花とゆめ」漫画作品のイラストを4点立て続けに描いていました。その勢いで、忘れていたカラーの塗り方…フォトショップ(色塗りソフト)の使い方を思い出した気がありますw。 シリーズ第一弾 椎名燈先生「それでも世界は美しい」です。 現在本誌連載中作品で、アニメにもなっていまして知名度も高いはず。このアニメが本当に素晴らしかったんです。そうだそこにこだわって欲しかったんだ! …って感じで^^。姉とも話していたのですが、キャラクターが立体的でちゃんと動くんです。肉付きの良い少女漫画アニメーションって、結構珍しいんじゃないかなぁ… まぁその、「暁のヨナ」ファンとしてはそりゃあ嫉妬しました。「こ…このクオリティで…よ…ヨナを…ヨナちゃんをplease(泣)!!」 って。 でも「暁のヨナ」が素敵過ぎるアニメーションになった今、この作品をまっさらな瞳で見つめることができるようになりました^▽^。(あ、この辺に関しては姉がめちゃくちゃ過去記事でぼやいてましたね。) ・・・あれ?なんの話してたんでしたっけ・・・? この作品、音楽と挿入歌が素敵だったので、姉が早速サントラ購入…したものを聴かせてもらいながら描きました。「アメフラシの歌」場面は本当に映像化万歳!でした。 by妹
2015.02.05
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私にゆるふわタッチの絵を真似するのは無理だw。 lala連載中 天野忍先生「ラストゲーム」7巻 購入しました♪ 何故この世界のイケメンたちは、こんなにも負け癖がついているのか。 ぐずぐずウジウジであれですね。最高ですね。 そんな中で、相馬くんが頑張りました・・・! 柳くんは何をやっているのか・・・ 美琴ちゃんも漸く、自分が恋愛渦中に居ることにぐるぐるし始めました。見かねてお母さんが出てくるほどに、ぐるぐるのパニックです・・・。でも結論を出せるのは本人だけですからね、自分の気持ちと向き合って、相馬君にちゃんと返事をしてほしいものです。柳くんは一体何をやっているのか・・・ 桃花ちゃんが美琴ちゃんに渇をいれました。やっとのやっとで、美琴ちゃんが閉じ込めてきた気持ちが引き出されました。一緒に泣いちゃう2人・・・可愛い!しおりちゃんのフォローの仕方も優しいです。頼りになる! 柳くんは一体全体何をやっているのか・・・!! 次巻も楽しみです♪ by妹
2015.01.14
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5連続・ひとこと漫画感想4『31☆アイドリーム 1巻』(種村有菜先生・白泉社メロディ)種村先生の新境地ですね。31歳の真面目な女性会社員が、15歳の頃の体に戻って、アイドルに!・・・これが、おもしろいんですよ。現在マーガレットで連載中の「猫と私の金曜日」をちらっと観た時に、妹とも「絵のパワーが、戻って来てるね」って話になっていたのですが、なるほど、こっちの作品は、「お話の作り方も戻ってるな」という印象でした。確かに種村先生のりぼん後期の作品は・・・正直意味が分からなくって;なかなか読めなかったのですが。初期から読んでいる読者的には、決してお話が作れない作家様だという認識ではないんです。特に、デビュー作・「二番目の恋のかたち」や、2作目・「雨の午後はロマンスのヒロイン」なんかは、かなり要素をいじって、並べ替えている印象もあって。・・・もちろん今回の作品は、そこまでの危機感をもって作ったお話だとは思っていませんが、でも、要素は練ってあります。・・・いいじゃん!!ヒロインも、今までの勝ち気ヒロインとは一風変わった子でイイですね。今後の展開も楽しみです。by姉
2014.09.23
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5連続・ひとこと漫画感想2『それでも世界は美しい 8巻』(椎名橙先生・花とゆめ)アニメの美術設定資料を手に入れたから・・・でしょうね、完全に漫画画面が覚性しています;なんだこの楽しそうな神画面は。小道具・背景・・・自由自在に配置して、立体感で遊んでるぞ・・・;;新展開も、きっちり作品の本筋を裏切らない盛り上がり方をしてくれそうです。楽しみ!どんどんイイ作品になっていくなぁ・・・。そして、アニメ2期・・・!是非・・・!砂の皇国編を、盛った映像&演技で観たいんですよぉ。by姉
2014.09.21
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こんにちは。何故か突然ベッタベタの少女漫画が読みたくなりました。青木琴美先生の「僕の初恋をキミに捧ぐ」です。・・・うん。あのですね。たぶん私この話大好きなんです。こんな幼なじみ甘々ベターなの、大好物なんです。繭(まゆ)ちゃんも逞(たくま)くんも、好みすぎるキャラなんです。漫画としての描写力も、ずば抜けていると思うんです。青木琴美先生は天才だと思うんです。・・・好みすぎて、今まで反発心を抱いていたけど(←何それ)、読み返してみて観念しました。すみません、大好きです。泣きました。そういえば以前、繭ちゃんと逞くんのこんな落書き↓ 描いてたなーと思い出しました。逞くんの左胸に手を当てているこの構図だけは気に入っていたので、描き直してみました。↓原作絵に近づけたかったんですが・・・どうでしょうか?by妹
2014.09.20
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おてんとうさま 好きな人がいるんです公園でアイスクリームを売っている人なんですお話がしてみたいんです わたしを人間にしてください 真夏日になってまいりました・・・。ということで、丁度二年前に「製作中です!」と下書きをアップしてから放置していた『あさがおのポートレート』イラストを、やっと完成させました。 この作品は「怪盗セイント・テール」などで知られる少女マンガ家・立川恵先生の初期傑作短編作品です。 もう20年も前の作品なので、 絶対誰も分からないネタです。 ・・・でも大好きだから描く!! 公園のちいさなちいさな空色のあさがおは、人間の男の子に恋をしました。ある日とうとうおてんとうさまにおねがいして、人間にしてもらったのです。 一週間の間に恋が実らなければ、空にとけてしまうという条件付きで・・・ 人魚姫の童話をベースに、朝顔の少女・沙綾 のひたむきな恋心が描かれています。ラストが本当に凄いんだ・・・ラストが・・・!! 朝顔・夏の公園・アイス・突然の雷雨・木陰・蝉時雨、そしてお天道様・・・立川恵先生は、季節感・ムードなどを取り入れる演出で抜きん出ていると思うのですが、個人的には特に 『夜』と『真夏』 、この二つを描かせたら右に出るものなし!だと思っています。 ああ・・・好きすぎてこの読みきりだけで一晩は語り明かせちゃうよ・・・!! by妹
2014.07.27
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先日 天野忍先生 『ラストゲーム』 (LaLa連載中)6巻 購入しました! 最近の「いやコレは買わなきゃ私じゃないでしょ!」的少女マンガは「暁のヨナ」と、この「ラストゲーム」です。 前々から「なんて引き出しの多い、上手な作家さんなんだ・・・」とか「ラブコメの神じゃないのかこの人・・・」と思っていたのですが・・・ ここ最近・・・更にその才能が覚醒している気がする!!☆毎回毎回萌えキュンシーンをちりばめられ・・・一巻にまとまると満足度が半端ありません。☆優しい・爽やかな画面も更に磨きがかかり、初夏の大自然のきらめきが美しいこと美しいこと・・・。 ☆カワイイ・ニヤニヤ・ラブラブ・萌えキュン・王道ラブコメ・真面目で何が悪い!☆ この辺りの単語に惹かれる方、是非一度ご一読を^v^。 by妹
2014.07.08
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新巻(2巻)が発売されました~!楽しみにしてました。『ママレード・ボーイ little』(吉住渉先生・ココハナ)パートナーの交換結婚をした、両親ズの子供:光希・遊の妹と弟の、立夏ちゃんと朔くん(中学1年生)が主役。ちょっと幼い、ママレード・ボーイ次世代版。 きゃ~~カワイイ///吉住先生のキャラクターは、個人的に・・・中学生かそれ以下の子たちが好きなんです。『君しかいらない』の萌ちゃん(主役の妹・小学生)とか、『ミントな僕ら』(主役が中学生)とか。吉住先生の高校生以上の主役たちって、大人っぽすぎて;割り切りがきっかりすっきりしている印象があって、なかなかついていけないんですよ;ちょっと幼い設定のくらいの方が、ちょっとませたカワイイ子たちだな~、って思えるので。まさにまさしく、こんな↑私の好みドストライクな本作品です。立夏ちゃんは、「普通の女の子」を目いっぱい突き詰めたような少女漫画ヒロインで、朔くんは、無表情の超高スペックな弟という、ガツガツしていない現代的なヒーローで、・・・並んでいるだけで、とにかくカワイイ///しかし・・・吉住先生の女の子というのは、本当に凄い。約20年前の全盛期とさほど印象が変わらない絵柄なのに、全然古さを感じない・・・それどころか、本屋さんで、オシャレなコミックの表紙が並んでいる中でも一際眼を引く可憐さですから。 ファンサービスが念頭にある作品だそうなのですが、「正直、『ママレード・ボーイ』本編はあまり・・・」という私でも、凄く楽しめる作品です。光希ちゃん&遊くんの2人も、なんか本編より入って来ますし。じわじわじっくり続いてくれないかなぁ~・・・と思っております。3巻発売も楽しみです。 あ、ちなみに。蛇足ですが。吉住先生の作品の中で、私が一番好きなキャラクターは『ミントな僕ら』の、主役の一人・双子の姉のまりあちゃんです。この子は、りぼん漫画の中でも、好きなキャラクターとしてかなり上位に来ちゃいます。本編中、言い寄られる度に、彼氏をとっかえひっかえしちゃうお嬢様気質の美少女なので、好き嫌いが分かれるかもしれないのですが・・・いや~・・・心底カワイイと思うんですよ。「女の子」のカワイさ・どうしようもなさを詰め込んだ子です。・・・この魅力は、女性作家様しか掴めないんですよね。なんでだろ。当時、りぼん本誌を購読していましたから、この子の周りをうおさおする、男どもの一人になりたいな~・・・と思いながら、読んでいました。翻弄されるのが、楽しそう。しかし、誰目線で読んでんだ、小学生の私は・・・;by姉
2014.06.14
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あまり読んだことのないタイプの漫画が読みたくなって、手を出してみました。 『亜未!ノンストップ』(北川みゆき先生・少女コミック・1993~・全12巻)超カワイイ女の子がアイドルになって、速攻で超人気が出て、超カッコイイ男性アイドルと恋人になって、ひたすらラブラブを繰り広げる・・・漫画です。面白かった・・・。いや、少女漫画って・・・これでいいと思うんですよ。ページを開く度に、いろんな構図で観たい絵が描いてあって、画面の右上から左下までの視線の流れが流暢で、パラパラめくるだけで面白い。北川みゆき先生の作品を読むのは初めてだったのですが、第一線で何十年も活躍されている作家様はなんかもうホント、画面の格が違いますね。絵がめっちゃくちゃ華やかで上手で・・・。「ザ・90年代少女コミック画面」の典型がこれなんだろうな~・・・とすごく思いました。 ただ・・・まぁ、すっげ~・・・おもしれ~!!と思いながらコミック一冊、パラパラとめくり終わった後、床にたたきつけたくなる衝動に駆られますが;「都合が良すぎる」とか、「何故そこでそうなる」とか、突っ込むのもめんどくさくなりますから;というよりも、そんなつまんない自制心なんていらんわーー!ひたすら観たいものが描いてある、それが少女漫画じゃーーー!!っていうパワーをひしひしと感じました。タイトルも、そういうタイトルですし。流石小学館・・・パッケージがなんとも妥当だなぁ・・・。なんかもう・・・アレですね。20代も後半になって・・・初めて読むティーンズ向け漫画(しかも90年代初頭バブル感覚)というのは、自分の感覚と違い過ぎて・・・逆にすっごく面白かったです。ここまで徹した作品ですし、「はぁ・・・すげぇなぁ・・・」ってなります。 少女コミックという雑誌は、正直あまり詳しくないので・・・個々に、篠原千絵先生、青木琴美先生、渡瀬悠宇先生、最近だと・・・水瀬藍先生、水波 風南先生の作品は読んでいるのですが。やっぱりもうちょっとしっかり、古い作品から、漁っていきたいなぁ・・・と思います。今だからこそ、楽しんで読める作品が多いのかな~と。by姉
2014.06.13
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漫画って、ホントにいいなぁ・・・。 『灯色の童話(あかりいろのどうわ)』(大谷博子先生・別冊マーガレット・文庫上下巻)母が園長を勤める「ともしび保育園」の手伝いをしている瑠衣。様々な子供たち、そして彼らの様々な家庭事情に触れる中で、見えてくるそれぞれの愛の形。 1982年~84年?頃の作品のようです。大谷博子先生は・・・お名前も知らなかったのですが、ある日、電子書籍の一覧をふわ~っと眺めている中で、『由似(ゆに)へ・・・』という超気になるタイトルの作品を発見し、更に絵柄を観て一目ぼれしてしまいまして・・・この方の作品を漁らねば!!となりました。とりあえず、アマゾンで安く手に入りそうだったこちらの作品、『灯色の童話』を購入してみたのですが・・・・・・なんかもう!!何コレ!超面白い!!!一話一話、いちいち泣かされてしまうんですが。人様の家庭事情に、とやかく言ってはいけない・・・とは思っても、まだ正規職員ではない瑠衣ちゃんは、歯止めが効かずに、突っ込んで行ってしまいます。その度に、それぞれの事情と、それぞれの愛し方を目の当たりにしていきます。大谷博子先生は、この後にレディースの第一線でず~っと作品を発表されているようで、確かにこの『灯色の童話』に関しては、もう、題材自体が少女漫画の域をはみ出していると思います。ただ、「少女漫画画面」を用いて明確に描かれる深くて繊細な心情・感情というのがもう・・・凄いんですよ!「足をすくわれる感覚」が、絵で表現されているところとか・・・こんな表現、観たことない!!っていうのが次々と出て来ました。そうだよ・・・少女漫画画面は、こういうことが出来るんだよ・・・!!私は漫画の・・・「ここ」が好きなんだ!!漫画って凄いな!!と、小さい頃に認識した時と同じような感覚で、更に漫画の凄さを再認識できるような、そういう作品でした。大谷先生の他の作品も集めていくぞ~~!とりあえず、一番有名な?『星くずシリーズ』というのからいくかな。よし。 by姉
2014.05.22
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先日、何を思い立ったか突如懸賞ブームが 到来しました。すごい久しぶりにジャンプや花ゆめの懸賞送りました。計七枚。 中でも花ゆめの「ぼくの地球を守って」関連の懸賞には輪君とありすちゃんのイラスト入りという頑張りよう。ほんとにどうしたんだ突然。 はい、これだけ頑張っといてなんですが、ありすちゃんの制服間違えました。ありすちゃんはネクタイだよネクタイ!! あああ・・・。by妹
2014.05.16
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大分溶けましたが・・・関東甲信の大雪の時、けっこう大変なところに住んでいましたので、家に引きこもる時間が長かった・・・この頃でした。というわけで、漫画をたくさん読みました。 『それでも世界は美しい』(椎名橙先生・花とゆめ・1~6巻)世界を掌握する、「晴れの大国」ー太陽王。その彼が物珍しさ目当てで嫁にと所望したのは、アメフラシの能力を持つ小国・「雨の公国」の姫だった。姉たちとのじゃんけんに負け、喧嘩腰で大国に乗り込んだ、雨の公国の末姫・ニケは、太陽王・リヴィウス一世と対面するが、彼はまだ年下の少年で・・・。 ・・・こちらの作品、4月からアニメ化するそうで。けっっ!!私は『暁のヨナ』のが大好きなんだよ!!!というテンションで;読み始めました。花ゆめは、現在連載中の作品だけを見ても、お姫さま何人居るんだよ・・・お嬢様まで入れたら、ほぼ8割方そんな感じなんじゃ・・・;ってくらいファンタジーっぽさ全開の雑誌ですが、やっぱり中でも、ヨナとこの「それでも世界は~」は、オールファンタジーですし、諸外国が出て来たり、アクションシーンが多かったりして雰囲気が似てるな~って感じでした。だからこそ・・・いや、ここはヨナでいいじゃんって・・・いや、アニメ化しにくいのは分かりますがいろいろと・・・エピソードの区切りも悪いし・・・いや、しかしちくしょう・・・;;いや、ちゃんと読まないと!!それでも~の方は、しっかり読んだこともなかったので、文句も言っちゃいけないよな、と思いまして。 読みました。・・・返り討ちに合いました。・・・ちくしょう!!面白いじゃねぇかぁ!!椎名先生は、花ゆめ本誌や増刊誌で度々眼にしていたので、特に、1話としてのまとまりや読み応えがしっかりしている作家様というのは知っていました。ただ・・・いかんせん・・・「絵」が;;人物は動きがあって、観ていて楽しいのですが、「リアルさ・触覚・そして画面の奥深さ」・・・でしょうか。到底、ない世界を「ある」と言い切り、そこに鑑賞者を連れていけるパワーがあるとは思えず、また、折角の設定・・・「晴れの大国」の空気感や、「アメフラシ」の儀式の美しさ・・・これを、感情をひっくり返せるほどの説得力を持って描けるとも思えず・・・この作家様がオールファンタジー・・・;勝手に「題材ミス」認定をして、放置していました;いや、白泉社の少女漫画って、基本↑こういう印象の作品・作家様がゴロッゴロしてるんですよ。お話本当によく回せて、1話としての読み応え・主観での切り取り方もしっかりしてて、概念もきっちりしてる・・・モノローグじゃなくて、ちゃんと描いてくれ、頼む・・・!!って感じの作品ですね;「美しい」って文字で書いてあっても、ごめん!分からない!!って。ファンタジーも、もっと「遠く」がある奥深い画面が見たいんだ・・・っていうか、そうじゃなきゃ異世界なんて、入って行けないじゃないか・・・って。なんか悪口みたいになっちゃってますが;いや、大好きなんですよ白泉社の漫画。ただ、ちゃんと絵で描いてないといちいち脳内補完しないと、読めないってことです。「これは、漫画好きしか読めない。こんなに面白いのに勿体ない」って思っちゃうんですよ。 えっと・・・話がそれまくってますが、「それでも世界は美しい」についてです。出だし・・・1巻の辺りは、間違いなく↑上述の印象です。概念はすごく上手ですし、キャラクターは活き活きしてますが、肝心の「アメフラシ」のシーンが・・・う~ん;もっと「来て」欲しい::ヒロインの最大の見せ場ですし・・・;しょうがないんですけど。基本読み切り形式で、こんなオールファンタジーなんて、説明が多くなって、コマが小さくなるのは必然ですし。それがですね・・・2巻・本格的に連載がスタートしたところから一気に「奥」が深くなります。あれ?・・・おもしろいぞ???元々、感情筋の漫画表現・・・少女漫画~!って部分ですが、そこがすごく上手な作家様ですので、そこでコマが大きくなって、アシスタントさんが入って・・・ちゃんとファンタジーの要素が活きて来たというか。きれいな星空がきらきらしてて、王様の部屋の椅子がふかふかで上質感があって、何より、「晴れている空が、急に曇って雨が降る」というアメフラシの凄さがきちんと入って来る。↑本当に、こういうところなんですよ。ファンタジー面白いなぁ・・・って思うのは。 正直なところ、本当はもっと描いて欲しいです。晴れの大国だけじゃなく、今のところ、雨の公国、砂の皇国、湖の王国・・・と、様々な国が登場します。どの国も、風土と主要キャラの思考筋をとてもしっかり詰めてあって、出し方がとても上手なので、入ってきますが・・・本当はもっと「観たい」。実は、一番まだ分からないのは「晴れの大国」だったり;これは・・・アニメ、映えるだろうな、と。ガッツリリアルに、背景&空気感詰めてくれるんだよね?そこが、アニメにした時に映えそうだからこその・・・この作品のチョイスですよね?素敵なサントラ乗せてくれちゃいますかね?ゴージャスっぽいやつ。いろんな国が出てくるし、ワールドミュージック基調で遊んでくれますよね?うわ・・・盛りがいありますよ、コレ。・・・あんまり期待するのはよそう、と思う反面、「ここが楽しみ!」って思う作品のアニメ化は、今まで花ゆめでは観たことがなかったので・・・楽しみです。 アニメは全何話になるのか分かりませんが、「砂の皇国編」までガッツリやってくれないかな?今のところ、「砂の皇国編」が一番のお気に入りです。ラストシーンが素敵でした・・・!ヒロインのアメフラシの設定も、主役二人の夫婦設定もすごく活きてるし、出てくるキャラクターは全員が活躍できていました。なにより、おいおいと突っ込みたくなる砂の太子様の行動・思考回路も、エピソードでしっかり詰めて下さってて・・・素晴らしかった!キャラクターに関してですが、どんどん可愛く&落ちて来ます。ヒロインのニケちゃんは、おてんば!って感じで登場しましたが、エピソードを重ねる毎にどんどん大人しくなってますね。基本的に、奥さん気質なのが可愛いです。ヒーロー・・・少年王・リヴィウス一世(通称リビ)は、まぁ、かなりむちゃくちゃな設定を背負ったキャラクターです。いくつなんでしょうかこの子は・・・個人的には、設定・言動行動からいっても15~6歳ではあってほしいんですが;もっと若いんだろうな;もっとツンデレキャラなのかと思ったら、人前でもフツーに感情を出す子で、これじゃラブコメやりようもねぇよ、ってくらいなんかニケちゃんともフツーにラブラブなのが・・・新鮮でした。 はぁ・・・繰り返しになりますが、返り討ちに合いました;;ちくしょう・・・幸せ!!!エンタメに逆襲されるほど嬉しいことはない・・・! あ、「ヨナのが好き」。これは脅かしがたい事実ですが。っていうか、「暁のヨナ」は個人的に漫画革命ってくらいな「毒」作品なので;あんな作品・・・他にない;ただ、アニメ化がこっちの「それでも世界は~」だったのは、うん、仕方ないよね、納得!!・・・って感じでした;アニメ楽しみだな~♪♪by姉
2014.03.09
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