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「別れてしまおうとは思われなかった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。女の家は家族があちこちの部屋に住んでいるので、宮さまは妹の所へ来た人の車を見て、車があるから他の男が来ていると思われる。宮さまは不愉快に思うが、それでもさすがに、別れてしまおうとは思われなかったので、お手紙を遣わす。昨夜あなたをお訪ねしたことをお聞きになりましたか。わたしがお訪ねしたことさえもご存じなかったと思うと、ひどく悲しいとある。
2022.03.31
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「あなたがいらっしゃらないから」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。いつもより心惹かれるうえに、宮さまのお屋敷にいたあの夜も月が明るかったので、誰かに見られただろうかと思い出されるときだった。ひと夜見し 月ぞと思へば ながむれど 心もゆかず 目は空にしてあの夜あなたと一緒に見た月だと思って眺めていますが心は晴れず 目もうつろです あなたがいらっしゃらないからと申し上げた。宮さまの訪れもなく、なおも一人でぼんやり月を眺めているうちに虚しく夜が明けた。次の日の夜、宮さまは女のところへ行かれたが女はわからなかった。
2022.03.30
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「ごじぶんもそっと車にお乗りになり」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。ごじぶんもそっと車にお乗りになり送ってこられた。帰る途中、こんなふうにお連れするときは、必ず来てくださいとおっしゃるので、そういつもはと申し上げる。宮さまは家まで送ってこられ、お帰りになった。しばらくしてお手紙がある。今朝は鳥の鳴き声で起こされて、憎らしかったので殺してやりましたとお書きになって、鳥の羽根に手紙をつけてよこした。殺しても なほあかぬかな にはとりの 折ふし知らぬ今朝の一声殺してもまだ気が晴れない にわとり二羽鳥なのに二人の気持ちも察しないで鳴いた今朝の一声は という内容。感想)今の時代なら虐待になり書いていても大丈夫かと思った。
2022.03.29
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「宮さまは車でいらっしゃった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。今夜はあなたの家が方塞がり(忌む方角)になっているから泊まれない。お迎えに行きますとお返事がある。ああ、みっともない、毎晩の外出はと思うけれど、宮さまは昨夜のように車でいらっしゃった。車を寄せて、早く、早くというので、女は、本当にみっともないことをと思いながらも、部屋からにじり出て車に乗ると、宮さまは昨夜の所へ行ってお話をされ、宮の北の方(藤原済時の次女)は、宮さまが父君の冷泉院のお邸に行かれたものと思っていらっしゃる。 夜が明けると恋ひ恋ひて まれに逢ふ夜の あかつきは 鳥の音つらき ものにざりけりどうしようもなく恋しくて ようやくあなたと一緒になれた夜の夜明けに鳥がお別れの 時を知らせて鳴く声は がまんできないものだ古今六帖・閑院大臣 とおっしゃる。
2022.03.28
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「むなしく夜を明かしたとき」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。 お返事はいかにとは われこそ思へ 朝な朝な 鳴き聞かせつる 鳥のつらさはどんなに辛いかはわたしこそ知っています 毎朝毎朝 あなたのお越しがなく むなしく夜を明かしたときに鳴いて知らせる鳥の声を聞く辛さはと思うにつけても、憎くないことがあるでしょうかと書いた。 二、三日ほどして、月のひときわ明るい夜、女が端近くに座って月を見ていると、宮さまから、どうしています。月はごらんになっていますか とお手紙があった。わがごとく 思ひは出づや 山の端の 月にかけつつ 嘆く心をわたしと同じように先夜のことを思い出していらっしゃいますか わたしは山の端に沈んでゆく月になぞらえて あなたにお逢いできないのを嘆いています。
2022.03.27
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「絶対にそんな話は聞きません」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。 女は、帰る道すがら、不思議な外出で、人はどう思うのだろうと思う。明け方の薄明かりの宮さまの姿が、ひと際美しく見えたのも、思い出された。宵ごとに 帰しはすとも いかでなほ あかつき起きを 君にせさせじ毎晩 夜遅くお帰しすることはあっても これからはやはり辛い早起きだけはあなたにさせたくありませんと書いたので、宮さまから朝露の おくる思ひに くらぶれば ただに帰らむ 宵はまされり朝露降りた早朝にあなたをお送りするよりも何もせずに帰らされる晩の方がつらさはまさっておりましたよ、絶対にそんな話は聞きませんからね
2022.03.26
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「誰もいない渡り廊下に車を寄せ」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。人に知られたらと心配しながら行くが、夜もすっかり更けていたので気づく人もいない。宮さまは誰もいない渡り廊下に車をそっと寄せてお降りになった。女は、月がとても明るいので車から出たくなかったが宮さまが強引に降りなさいといわれるので、みっともないと思いながら降りた。どうです。誰もいない所でしょう。これからはこのようにお逢いしましょう。あなたの家だと、誰か来ているかもしれないと思うと、気がひけてとお話をされ、夜が明けると、車を寄せてわたしをお乗せになった。家までお送りしたいけれど、明るくなったら、外泊したと誰かに思われるのもいやだからとおっしゃり、その邸にお残りになった。宮さまが連れだしたのは、宮さまの邸のどこかであることがわかる。
2022.03.25
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「やっと女のところへお越しになって」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。身分が低くそっけない女だが、でも、いいところもあった。ここへ呼んでそばに置こうかと思われるけれど、そんなことをしたら今より世間の評判が悪くなるだろうと思い乱れるうちに女から遠のいた。 宮さまは女のところへお越しになり、あきれるほど思いがけなくご無沙汰した事を冷たいとは思わないで下さい。これもあなたのせいだと思います。このようにお訪ねすることはよくないと思っている男たちが大勢いると聞いたので、わたしも辛くて。それに世間体もあるので遠慮している間に、日数が経ってしまったと真剣にさあ、行きましょうと話され、今夜だけは誰にも知られないところがあります。そこでお話でもしましょうと言い車を寄せて無理矢理乗せるので、女は、何が何だかとにかく車に乗った。
2022.03.24
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「ちょっと気晴らしに出かける」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。夜、夜中までお出かけなさるのでは、よいことがある筈がありません。こんなお供をするような者は、大殿(道長)にも申し上げましょう。世の中は、今日明日にもどう変わるかわかりませんし、大殿が東宮にと心に決めておられることもありますのに、世の中の情勢を見届けになるまでは、このような忍び歩きはしないでくださいと。宮さまに申し上げるので、宮さまは、どこにも行かないよ。退屈だからちょっと気晴らしに出かけるだけだ。そんなおおげさに他人からとやかく言われることではないとだけおっしゃった。
2022.03.23
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「不都合なことも起きてくるでしょう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。軽々しいお出かけは、とても見苦しいものです。通い所の中でもあの女のところは、男たちが大勢通っています。不都合なことも起きてくるでしょう。すべてよくないことは、右近の尉の某(ぼう)が始めるのです。亡き兄宮さまも、この男が連れまわったということです。為尊親王は疫病の流行も顧みず、和泉式部のところへ通って亡くなったと平安時代の歴史物語である栄花物語の鳥辺野の巻に書いてある。このときの案内をしたのも右近の尉ということである。
2022.03.22
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「お忍びでお出かけのことを」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。そのお返事を今はよも きしもせじかし 大水の 深き心は 川と見せつつ今はまさか私のところへはいらっしゃらないだろう 深い想いを大水にたとえておっしゃったのに お言葉だけではなにもならないと申し上げた。 宮さまは、女のところに出かけようと思われて、衣服に薫(たき)物などを炊いているときに、侍従の乳母がやって来て、お出かけになるのはどちらです。お忍びでお出かけのことをみなが噂しています。あの女は特に身分が高いわけではありません。お使いになりたいと思われるのでしたら、お呼びになって召人(愛人)としてお使いになるのがよろしいでしょうと申し上げた。
2022.03.21
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「あなたのことを思っていた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。われもさぞ 思ひやりつる 雨の音を させるつまなき宿はいかにとわたしも同じように雨の音を聞きながら あなたのことを思っていた しっかりした夫もいない宿で どうしていらっしゃるのかと昼頃、大雨で賀茂川が増水したというので、人々は見に行く。宮もごらんになって、今、どうしていますか。わたしは大水を見に行きましたと。大水の 岸つきたるに くらぶれど 深き心は われぞまされる大雨で川の水が岸まであふれていますが その深さに比べても 私のあなたへの想いのほうが勝っていますそれをわかっていますかとある。
2022.03.20
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「ただあなたのことばかり」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。夜もすがら なにごとをかは 思ひつる 窓うつ雨の 音を聞きつつ一晩中 なにを思っていたのでしょう ただあなたのことばかり 窓を激しく打つ雨の音を聞きながら白氏文集・上陽白髪人もの寂しく暗夜に降る雨が窓を激しく打つ音の引用降る雨に 出ででも濡れぬ わが袖の かげにゐながら ひちまさるかな雨の中に出ても濡れないわたしの袖が 部屋の中いるのにどんどん濡れていく 拾遺集・紀貫之この歌のように、家の中にいたのに不思議なほど袖が濡れてと申し上げると宮さまは、やはり相手として悪くはない女だなと思われて返事がきた
2022.03.19
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「あなただけが辛いのではありません」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。わたしを救ってくれる彼岸はあるのでしょうかと申し上げたのを宮さまはごらんになって、すぐに文を送ってくださるなにせむに 身をさへ捨てむと 思ふらむ あめの下には 君のみやふるどうして身を捨てようなんて思うのですか この世の中であなただけが辛いのではありません 誰もが辛いのですとお返事がある 五月五日になったが、雨はまだやまない。宮は先日の女からのお返事がいつもよりも物思いに沈んでいる様子なのを、可哀そうにと思い出された。ひどく雨が降った翌朝、昨夜の雨の音は、恐ろしかったねと。
2022.03.18
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「恋い慕ってくださる涙の雨」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。五月雨の季節を見過ごさない宮さまの思いやりを嬉しく思った。物思いしている時にくださったと思って、女が文を書く。慕ぶらむ ものとも知らで おのがただ 身を知る雨と 思ひけるかなわたしを恋い慕ってくださる涙の雨とも知らないで わたしの悲しい身の上を思い知らされる雨とばかり思っていましたとその紙の一枚を裏返してふれば世の いとど憂さのみ 知らるるに 今日のながめに 水まさらなむ生きていると 辛いことばかりを思い知らされますので 今日の長雨で水かさが増して わたしを流してほしいと。
2022.03.17
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「変な想像をなされていますね」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。いかでかは まきの戸ぐちを さしながら つらき心の ありなしを見む槇(まき)の戸口は閉ざしたままで どうして外から わたしの心が薄情かどうかおわかりになるのでしょう 変な想像をなされていますね人知れぬ 心のうちを 見せたらば 今までつらき 人はあらじな人知れないあなたにわたしの気持ちを見せたのなら 今まで辛くあたる人はいなかったでしょうに 拾遺集・読人しらず人知れないわたしの気持ちをお見せできたら、わかっていただけるのにとある。宮は、今夜もお出かけになりたかったけれど、こういう忍び歩き人々も止めている。
2022.03.16
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「冷たい仕打ちをされ辛い思い」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。いづかたに 行き隠れなん 世の中に 身のあればこそ 人もつらけれどこに行って身を隠そうか この俗世に住んでいる そのためにあの人も冷たい仕打ちをされ辛い思いをする 拾遺集・読人しらずわたしがここにいてはと思って過ごしている。宮さまから雨ですることもない日々をどうしていますかと文があったおほかたに さみだるるとや 思ふらむ 君恋ひわたる 今日のながめを例年のように五月雨が降っていると思っていらっしゃるのでしょうか この雨はあなたを恋し続けるわたしの涙なのですと書いてある。
2022.03.15
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「あの人との仲はどうなってゆく」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。そのうえに、帝(一条天皇)や大殿(左大臣藤原道長)や東宮さま(居貞親王・いやさだしんのう、後の三条天皇)などがお聞きになったら軽薄に思われるだろうと外出を控えてるうちに、長い日数が経ってゆく。 雨が降り続いて退屈なこの数日、女は晴れ間のない長雨の鬱陶しさに、あの人との仲はどうなってゆくのだろうとずっと思い続けていた。言い寄ってくる男たちはたくさんいるけれど、そんな男たちのことは今はなんとも思わないのに、世間の人はいろいろ噂しているらしい。
2022.03.14
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「変な想像をなされていますね」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。いかでかは まきの戸ぐちを さしながら つらき心の ありなしを見む槇(まき)の戸口は閉ざしたままで どうして外から わたしの心が薄情かどうかおわかりになるのでしょう 変な想像をなされていますね人知れぬ 心のうちを 見せたらば 今までつらき 人はあらじな人知れないあなたにわたしの気持ちを見せたのなら 今まで辛くあたる人はいなかったでしょうに 拾遺集・読人しらず人知れないわたしの気持ちをお見せできたら、わかっていただけるのにとある。宮は、今夜もお出かけになりたかったけれど、こういう忍び歩き人々も止めている。
2022.03.13
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「ほかの男が来ているかもしれないと」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。門を叩いてもその音に気づく人もいない。宮さまは女(和泉式部)の噂をいろいろ聞いてこられたから、ほかの男が来ているかもしれないと思われて、そっとお帰りになり、翌朝にあけざりし まきの戸ぐちに 立ちながら つらき心の ためしとぞ見し叩いても開けてくれない槇(まき)の戸口に立ちながら これがあなたの薄情な証拠だと思った 恋の辛さとはこういうことなのかと思うと、悲しくてならないとある。女は、昨夜いらっしゃったようだわ。思いやりもなく寝てしまったと思う宮さまへのお返事は
2022.03.12
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「あまりの恋しさにお訪ねしましょう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。何となく億劫で気遅れがして、とても疎遠になったが この頃は、過ぐすをも 忘れやすると ほどふれば いと恋しさに 今日はまけなむあなたのことが忘れられるかもしれないと日を過ごしたのですが あまりの恋しさに今日は負けてお訪ねしましょうわたしの深い思いを、いくらあなたでもわかってくださるでしょうとある。そのお返事をまくるとも 見えぬものから 玉かづら 問ふひとすぢも たえまがちにて恋しさに負けてお越しになるとは思えません 安否を気づかうお便りさえ途絶えがちなのにと申し上げた。 宮さまは、いつものように忍んでいらっしゃった。女は、まさか今夜はいらっしゃらないだろうと思っているうちに、このところのお寺でのお勤めに疲れて、うとうと眠っていたときだった
2022.03.11
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「待ち遠しいなどと心乱れて」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。 次の日、今日お寺に参詣なさるのですか。いつお帰りになるのでしょう。いつにもましてどんなに待ち遠しいことでしょうとあるので折すぎて さてもこそやめ さみだれて 今宵あやめの 根をやかけまし今夜参詣しないとせっかくの精進がむだになってしまいます でも 待ち遠しいなどとおっしゃると心乱れて 今夜お逢いしようかとまで思われて、行くのがためらわれますと申し上げて、お寺に参詣して三日ほど経ち帰ってくると、宮さまから、気になって仕方がないからお訪ねしようと思うのですが、ひどく辛い思いをした先夜のことを思うと。
2022.03.10
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「ひとつ床に入りもしないで」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。特にお話などもしないで、仏さまの精進を口実にしてなにもしないで夜を明かした。翌朝、宮さまは、変な風に夜を明かしたとお書きになりいさやまだ かかるみちをば 知らぬかな あひてもあはで 明かすものとはいやもう まだこんな恋の道があるとは知りませんでした せっかくお会いしてもひとつ床に入りもしないで夜を明かすことがあろうとはきっとあきれてしまわれただろうと気の毒になって世とともに もの思ふ人は 夜とても うちとけて目の あふときもなし今までずっと物思いをしているわたしは 夜だからと 言いくつろいで眠ることもできません 私には変だとは思われませんと申し上げた。
2022.03.09
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「人目を忍んでお越しになった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。宮さまの所には多くの人たちが参上している時なので、童はお見せできない翌朝、その歌を持って伺うと、宮さまはごらんになって忍び音は 苦しきものを ほととぎす 木高き声を 今日よりは聞け思い切り声を出したいにもかかわらず、忍び声でいるのは辛いものです。新しい月になった今日からは、ほととぎすも木立に高らかにさえずり私もまた隠れ忍ぶこともなくゆきましょう。お返事なさり、二、三日たってから、相変わらず人目を忍んでお越しになった 女は、お寺に参詣しようと精進しているところで、お越しになるのがひどく遠のいているのも愛情がないからだろうと思った。
2022.03.08
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「私は露のように消えてしまいそう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。わたしの方はかかれども おぼつかなくも 思ほえず これも昔の 縁こそあるらめお越しがなくても不安ではありません これも亡くなった兄宮さまとの宿縁で結ばれているからでしょうと思ってはみるものの慰めてくださらないと わたしは露のように消えてしまいそうと申し上げた。宮さまは、出かけようと思われるが、恋に不慣れのため、ためらってばかりいらっしゃって、何日か過ぎてしまった。 四月の三十日に、女(和泉式部)は、ほととぎす 世にかくれたる 忍び音を いつかは聞かむ 今日もすぎなば五月に鳴くほととぎす 四月に鳴くのを忍び音といいますが その忍び音をいつ聞くことができるでしょう 四月も終わってしまいます 今日はぜひお越しくださいと申し上げた。
2022.03.07
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「わたしの気持ちをいい加減に思って」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。宮さまは歌をごらんになって、ほんとうにかわいそうだと思われるがこのような外出はまったくなさらない。北の方の大納言左大将藤原済時も普通の睦まじい夫婦のようではないとはいえ宮が毎晩お出かけになればおかしいと思われるだろう。兄宮が最後まで非難されたのも、この女のせいだと身を慎まれるのも女をそれほど大切には思っていらっしゃらないからだろう。暗くなってからお返事がある。ひたぶるに 待つとも言はば やすらはで 行くべきものを 君が家路にひたすら待っていると言ってくださったら あなたの家へためらうことなく行くのに わたしの気持ちをいい加減に思っていらっしゃるのが辛いですと書いてあるので、いいえ、いい加減だなんて。
2022.03.06
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「お越しを待つとしたら辛い思い」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。文のやり取りは妙な事になってしまい、亡くなった宮さまがあれほど誓って下さったのにと悲しくなって、思い乱れていると、例の童がやってきた。宮さまからの手紙だろうかと思って見ると、そうではなく、それを情けないと思ってしまうわたしは、あまりにも好色ではないかと思う。 童が宮さまのところへ帰るときに歌を託す。待たましも かばかりこそは あらましか 思ひもかけぬ けふの夕暮れもしお越しを待つとしたら このように辛い思いなのでしょうか 翌朝の今日なのに 夕暮れの訪問を思いもよらなかった今日の夕暮れです
2022.03.05
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「別れても不思議なほど恋しくて」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。とても無理なことを色々約束なさって、夜が明けると宮さまは帰られた。そしてすぐに、今どうしていますか。別れてきたばかりなのに不思議なほど恋しくてと文があって 帥宮の恋の歌恋と言へば 世のつねのとや 思ふらむ 今朝の心は たぐひだになし恋というと、あなたは世間並みのものと思うでしょうが 今朝の恋しさは比べようがないくらい熱いのですと受け取る。女(和泉式部)の、返事は世のつねの ことともさらに 思ほえず はじめてものを 思ふ朝は世間並みの恋だなんて少しも思えません はじめて恋のせつなさを知った今朝は と返歌申し上げた。
2022.03.04
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「これから何を思い出話にしたらいい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。はかもなき 夢をだに見で 明かしては なにをかのちの 世語りにせむはかない夢さえ見ることができないで 夜を明かしてしまったら これから何を思い出話にしたらいいのでしょうとおっしゃるので世とともに ぬるとは袖を 思ふ身も のどかに夢を 見る宵ぞなき夜になるとずっと涙で袖を濡らすばかり のどかに夢を見る夜なんてありません まして今夜ご一緒などと申し上げた。宮さまは、わたしのように身軽には外出できない。思いやりがないように思われてもじぶんでも恐ろしいほどあなたが恋しくてならないのですとおっしゃり、そっと御簾の中へすべりこまれた。
2022.03.03
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「ひどく落ち着かない気がする」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。(3/6日曜日辺りには満開になるだろうか)明るすぎる。わたしは古風で引きこもりがちなのでこんな明るい所にいるのは慣れていない。ひどく落ち着かない気がするのであなたのいらっしゃる御簾の中に座らせてください。けっして、あなたが今までお逢いになった方のようなことはしませんからとおっしゃるので、女は、変なことを。今晩だけのお話相手と思っています今までとはいつのことでしょうなどと、話をはぐらかしているうちに夜もしだいに更けてきた。宮さまは、話をするだけで夜を明かしてしまうのかと思われたようで歌を詠む
2022.03.02
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「普通の容姿ではなく優雅で美しい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。 (2/27撮影 4分咲きの梅 鈴鹿菅原神社)宮さまは粗末な車でお越しになり、右近の尉を介してやって来ましたと話されるので、女(和泉式部)はひどく困った気がするが居ませんと申し上げるわけにもいかない。昼も返事をさし上げたのに、家にいながらお帰しするのもあまりにも思い遣りがなく話だけでもと思い西の妻戸に円座をさし出しお入れした。だが、世間の人がそう言うせいか、普通の容姿ではなく優雅で美しい。それに気をとられて、お話など申し上げているうちに月がさし出てきた。
2022.03.01
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