つきあたりの陳列室

つきあたりの陳列室

2009.10.30
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カテゴリ: Other topics



ルオーについては,去年か一昨年,お隣の道立三岸好太郎美術館でも少し見ました。そしてそのときと同じく今回も,第一の感想は,とにかく額装がおもしろい!というものでした。彼は家具職人の生まれだそうですが(ウィキペディアには指物職人とある),どのくらい自分で作ったのかが気になります。バリエーション豊富で,独創的で,ちょっとグロテスクものもあるけど,必ずどこか可愛らしい部分もあって素敵なのです。



解説で驚いたのは,ニジンスキーで有名な,ディアギレフ主催の「バレエ・リュス」公演の舞台美術にルオーがかかわったとのこと。ウィキペディアで調べたら,ルオー以外にもピカソ,ブラック,キリコ,ローランサン,そして人づきあいの多くなさそうなユトリロまでが関わっていたことを知り,驚きました。単なる公演ではなく,一種の文化運動だったのだなあと実感した次第です。

バレエ・リュスについては,山岸凉子さんの漫画「牧神の午後」で詳しく描かれましたし,また小川彌生さんの漫画「キス&ネバークライ」でも「春の祭典」の紹介があったので,頭の隅に興味の欠片が残っていたのです。

「テレプシコーラ」で興味をもったとはいえ,さほど熱心にバレエの映像を観ているわけではありません。でも,これまでなら完全にスルーしていたはずの単語(バレエ・リュス)に反応して,自分の知っている人物同士が思いがけない関係をもっていたことに,ささやかな感慨を持ちました。こういうささいな体験の積み重ねが,さらなる知的好奇心の呼び水になっていくという気がします。

話はバレエの方に脱線します。最近,LaLaLa Human Steps というモダンバレエのカンパニーが作った「Amelia」というムービーをYouTubeで観たのですが,あれはすさまじく面白かったです。

年末には教育チャンネルで有名バレエ団の公演とかやってくれるかもしれないので,近づいてきたら調べてみようかとも思っています。





ところでその後,雑誌「一個人」の西洋絵画特集を見つけて立ち読みしてみたら,これがえらく面白かったので,買いました。キリスト教の宗教画についての概説は,今日観た展覧会の復習にもなるような内容で,たいへんタイムリーでした。

今年出た「pen」という雑誌のレオナルド・ダ・ヴィンチ特集がわりと売れたようですが,内容はそれ以上に幅広く,聖書やギリシア神話にまつわるモチーフまでも取り上げている包括的なものでした。これはお買い得でしょう。最近話題になることの多い,ブルータスやカーサの芸術関連特集よりも内容は濃いと思います。






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Last updated  2009.10.31 00:40:15 コメントを書く


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inalennon @ Re[1]:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子(09/19) フィンちさん >この世は なんてままなら…
フィンち@ Re:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子 「人生のままならなさ」への強烈な疑問と,…
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ハオ@ 4年はあっという間 バーチュー&モイヤー組見ました。 優雅…

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