一 夢 庵 風 流 日 記

PR

×

カレンダー

バックナンバー

2026年10月
2026年09月
2026年08月
2026年07月
2026年06月
2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月
2008年03月12日
XML
カテゴリ: その他
3





文也が指差す先には真っ白くてかわいい花が並んでいた。

「ん? シロツメクサの花?」
「違うよ! 啓太、よく見ろよ」

文也は小さな葉っぱを指して、啓太の目の前で四本の指を
大きく広げた。

「ああ、葉っぱのほう? クローバーだ、四葉?」
「うん、四葉のクローバーを探すんだ」

文也はしゃがんでクローバーを摘みはじめた。
一枚千切っては、これじゃない、さらに一枚千切っては、
あれじゃないと、ぶつぶつ言いながら探している。

どれくらい時間が経ったのだろうか、陽は少し傾き、
大きな桜の木の影は、背がのびてスリムになっていた。

「文ちゃん、どう? 見つかった?」

夢中で探している文也のまわりには、たくさんの三つ葉の
クローバーが千切り捨てられていた。

啓太は、少しさびしくなり、そっとそれらを集め、袋に入れ始めた。

「おい、啓太、それ、三つ葉だぞ」
「あ、うん、知ってるよ」
「四葉じゃないと、幸運は来ないんだぞ」
「でも・・・三つ葉も葉っぱだから」
「おまえなあ、三つ葉じゃ幸運は来ない・・・」

啓太は文也の言葉をさえぎるように少し声を荒げて言った。

「四葉も三つ葉も、同じ葉っぱだから!」

文也は最初はきょとんとしていたが、啓太の言いたいことが
わかったのだろう、バツが悪そうに、口笛を吹きながら
お地蔵さんのほうへ走っていった。



第一話「宿題」はこちら
第二話「レンゲ」はこちら


人気ブログ ブログランキング・にほんブログ村へ くつろぐ


一 夢 庵 風 流 日 記




花粉が・・・舞っています・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年03月15日 09時22分50秒
コメント(4) | コメントを書く
[その他] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: