今日のまとめ
貿易統計
中国の12月の輸出は前年同月比+14.1%の1,992億3千万ドルでした。市場予想は+5.0%ですからそれを大幅に上回った事になります。因みに11月は+2.9%、10月は+11.6%、9月は+9.9%、8月は+2.7%でした。
一方、中国の12月の輸入は前年同期比+6.0%の1,676億1,100万ドルでした。市場予想は+3.5%ですからそれを上回った事になります。因みに11月は±0%、10月は+2.4%、9月は+2.4%、8月は-2.6%でした。

上のグラフからもわかる通り、今回は輸出も輸入も過去最高値を更新し、ふっきれたチャートになっています。このところ中国の貿易統計の不振が投資家の心配の種になっていたので、12月の統計はホッと胸を撫で下ろす内容だったと言えます。
2012年通年でのパフォーマンス
さて、2012年を通してみると輸出額は+7.9%の2兆489億ドル、輸入は+4.3%の1兆8,178億ドルとなりました。下の前年同期比のグラフでもわかる通り、2011年は輸出も輸入も+20%以上成長していたわけですから、減速感は否めません。

因みに中国政府の去年の目標は、輸出と輸入を合わせた貿易総額の伸びで+10%というものですから、2012年の実績である+6.2%は、おおいに不満の残るパフォーマンスだったと言えるでしょう。中国関税当局は今年の見通しとして、去年よりやや良い状況になるだろうとコメントしています。
経済の構造転換への努力は続く
中国経済はこれまで
の二つのエンジンに牽引されて急成長を遂げてきました。しかし貿易の成長率が上で見たように鈍化しているので、固定資産投資をテコ入れしなければ算術的に従来のGDP成長率(+9%程度)を維持することは極めて困難になります。
幸い米国の消費もそれなりに堅調であり、中国の輸出を巡る環境は安定を取り戻しつつあります。折から中国の国内経済は景気循環的(シクリカル)な上昇トレンドに入っていますので、中国株に関しては良い投資環境になっていると言えます。ただ中国経済の内需主導型経済へのシフトという構造転換は一朝一夕には実現しない、難しい課題だと思います。その意味では、引き続き注意を要すると思います。
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