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August 2, 2018
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カテゴリ: 子どもの貧困
社会活動家・法政大学教授 湯浅 誠

食事をきっかけに集まるが、食事だけでなく、食卓を囲んでだんらんを提供する。話を聞いてあげる時間や、読み聞かせなどの体験も提供する————それがこども食堂だといいました。

以前、このような役割は「自治会の子ども会」が担っていました。保育園のママ友でも、学校やPTAのつながりでもない、地域のおじいちゃん、おばあちゃんが、地域の子どもたちと知り合う場です。

今でもそのような地域はたくさんあると思います。が、「かつてほど活発じゃない」という話もよく聞きます。先日、私は新潟市の北部に伺いました。周囲に見渡す限りの田んぼが広がる場所で、「都会」とはとても言えない所でした。しかしそこでも「子ども会は年に数回のイベントを開くのが精いっぱい」だということでした。「今は両親共働きが普通だから、お父さんお母さんも忙しい。子ども会の感じもなかなか、なり手がいなくてね」とその地区の方は話していました。地域の人たち同士が知り合う機会が減っています。

加えて、今は子どもの安心・安全にとても敏感にならざるを得ない雰囲気があります。子どもたちは学校で「知らない人から声を掛けられたら逃げましょう」と教わっています。うかつに声も掛けられません。

でも、そうした状況が進みすぎると、逆に「周りに人はいっぱいいるのに、誰もがその子のことを知らない。その子に何があっても、誰も気付けない」という状況が生まれてしまいます。

どこかで知り合っておく必要があります。知り合っておけば、声を掛けられます。そうした場所を多くの人が求めています。そこに「はまった」のがこども食堂です。ですから、こども食堂は、地域の多様な人たちの交流の場所として育っています。自治会の子ども会の現代版————そう考えたほうが、こども食堂が担っている役割を理解しやすい。私は全国のこども食堂を見ていてそう思います。


【世代を超えて考えたい「子どもの貧困」<11>】公明新聞2018.3.27





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Last updated  August 2, 2018 04:40:02 AM
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