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決定した一念の行動
古代インドの仏教説話を一つ。強大な群を擁し、王自身も像のように強いカ—リンガという国があった。ある日、カ—リンガ王は策謀を巡らせてアッサカ国に戦争をしかけた
▼開戦前、天帝が勝敗を占い、「カーリンガ国が勝つ」と予想した。それを聞いた王は大喜び。この話は広く伝わり、すでに勝った気でいる王に率いられたカーリンガ軍は“我らの勝ちだそうだ”と、戦いの手を緩めた
▼一方のアッサカ王は、決死の覚悟で自ら馬に乗り、千人の精鋭とともに突撃。油断したカーリンガ軍を打ち破った。それを見た天帝は語る。「心の揺るぎなく集中と、統一乱さず、時にのぞみて出陣」。そして「確固たる勇気」。このゆえに「アッサカ王に勝利あり」と(松村恒・松田慎也訳『ジャータカ全集』春秋社)
▼「大丈夫だろう」という慢心、「自分ぐらいは」という人任せ——どんな強者でも、世評や風聞に惑わされて歩みを止めてしまえば、足をすくわれる。勝負の厳しさである。
▼池田先生は「自分らしく精いっぱい戦っていくことだ。その真剣な一念によってこそ、自分ならではの、最高に力が発揮される」と教える。自分が活路を開いて見せる——その決定した一念の行動から勝利の回転は始まる。
【名字の言】聖教新聞 2021.10.18
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