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こっちゃん19770826

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January 29, 2008
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カテゴリ: MBA留学

マイケル・ポーター教授 Microeconomics of Competitiveness 」がはじまりました。


生ぽた(生のポーターのこと)は、 思ったより白かった です。
肌も真っ白いし、髪の毛も白い。

でも、生ぽたを見て高まった僕の ミーハー心も、授業開始とともに瞬間冷却

最初の コールドコールは地獄 のようでした。
コールドコールにあたったのは、インド人のS。
ケースは、 フィンランドがいかにして世界最強のテレコム・クラスターを築いたか 、というものだったのですが、
なんでフィンランドが成功したかを問いかけ、
インド人Sが一言答えるたびに、 「なんで君はそう思うのか?その現象を生み出した要因はなにか?」 と更問いをがんがん投げてきます。
まるで トヨタ生産方式で出てくる「5 Whys」 (なぜある現象が起こったのかを徹底的に詰めることで、本質的な要因に迫る)のようです。


これは、 相当入念に予習をしていかないと死ぬ。。。 と思いましたぶつ。



*         *        *



授業前に、ポーター教授の 教典(「On Competition」) 100ページ以上 読まされたのですが、
今後頻出するであろうフレームワークが書いてあったので、備忘録的に整理しておくことにします。

(※ 本当はフィンランドのケースと絡めて書きたいのですが、 あまり授業の内容をそのまま書くと、学校側から強烈な焼きを食らう 、という噂を聞きつけたため、今回はやめておきます。)


まず、 国のゴールは、国民が豊かに暮らしていけるようにすること 、すなわち”Standard of living”を上げること、とします。

国民が豊かに暮らしていくわけには、富を生み出さなければいけないわけで、そのためには、 その国にある産業の生産性(Productivity)を上げることが鍵 だとのことです。
効率的に豊かになっていくには、限られたリソース(人、モノ、金)を、生産性の高い分野に投入しないといけない。
そして、産業が高い生産性をもつようになれば、 人々に支払われる給与の水準も上がるし、資本に対するリターンも上がるし、その他の国の中にある資源1単位当たりで生み出される富も上がっていく
そうすると、みんなが豊かになれる。


では、どうやったら、産業の生産性が上がっていくのか?

ある国の中で、なんらかの 産業が起こり、生産性をあげていくには、以下の4つのファクターが大事 だ、としています。
(まとめて「 ダイヤモンド・フレームワーク 」という大層な呼び名がついています。)

1: Factor (input) conditions
2: Demand conditions
3: Context for firm strategy and rivalry
4: Related and supporting industries




“Factor (input) conditions” とは、企業活動に必要なインプット(人的・物的資源)がちゃんとしているか、ということです。
例えば、 教育水準 は高いか、ビジネスが十分にできるくらいの インフラ (電力や道路など)があるか、 銀行 がちゃんとあって起業家がお金にアクセスできるか、ビジネス 契約を履行 させるシステム(裁判所など)があるか、天然資源はあるか、あるいは マクロ環境 は安定しているか(例えば強烈なインフレ下じゃビジネスはやりづらい)、などなど。
まあ、当たり前の話ですな。


“Demand conditions” とは、国の中に、産業が生み出す製品に対する需要があるか、ということです。
輸出主導の産業とはいえ、その産業が起こる過程では、地元にちゃんとしたお客さんがいないと、その産業は発展しない、とのことです。
やはり、お客さんのニーズをきめ細かく聞いて、 いい製品を作るには、お客さんが近くにいないと ってことですか。
そういわれると、「国内に需要が必要なんだったら、人口の少ない国はどうするんだよ!」と反論したくなりますが、
大事なのは、 需要の規模ではなく、需要のクオリティー とのことです。

例えば、 フィンランド は、小さな国ですが、そこで テレコム産業(特にノキア) が強くなったのは、
北欧は携帯電話の普及が早いし、ローミング(国境を越えた通話)へのニーズもあったので、 お客さんの要求レベルが高かった
だから、テレコム企業はお客を満足させるには、技術革新に力を入れるしかなく、技術の差別化によって、テレコム産業の競争力が上がったそうです。


“Context for firm strategy and rivalry”
これは、平たくいっちゃうと、 いかに地元で激しい競争が起こるか
地元で激しい競争なんかが起こっちゃうと、つぶしあいで産業がしぼんでいきそうですが、
いろんな国の事例を見ると、決してそんなことはなくて、
むしろ、 競争があることで、企業は、イノベーションやコスト削減に向けての努力をして、結果的に生産性を上げ、競争力を持つようになる とのこと。

ポーター教授にいわせると、 発展途上の産業を、政府が補助金や関税を使って保護すべき、みたいな古典的な産業政策は、まったく意味がない とのことです。ふむう。。。

まあ、競争が産業を強くする、というのは、わからなくはない話です。
例えば、九州で空手が盛んなのは、いろんな強い学校が集積していて” Peer pressure ”があるし、各学校の生徒や監督さんたちが強くなるための最新のトレーニング方法や作戦について 情報交換 できるからなのかもしれません。

いずれにせよ、 プレッシャーをかけられたときの、人間の適応力やイノベーションを起こす力をなめたらいかんぜよ 、ってことすか。


最後が、 ”Related and supporting industries”
産業が勃興してくると、 その産業のサプライヤーや関連産業も同時に形成 されてくることが多い。
たしかに、 トヨタの回りには、自動車部品メーカーが集積 して、 企業城下町 みたいになってるもんね。
で、企業城下町ができてくると、周りの大学も関連の研究に力を入れるようになるし(なぜなら卒業生を地元の強い会社に送り込みたいから)、地元商品を輸出したり他の地域に売り込むための産業団体(商工会議所みたいな)ができてきます。
こうやってできてくる企業、研究機関、産業団体などの集積を 「クラスター」 と呼びます。

産業や企業の生産性と競争力が上がるには、企業が単独でいるよりも、いろんな企業が集まっていたほうがいい。
たしかに自分の近くにサプライヤーがいたほうが、 just in time で原材料を仕入れることができて、楽ですよね。
あるいは、サプライヤーと一緒に共同で研究をして、もっといい原材料を作ることもできるかもしれない。

また、産業が集積していると、 ブランド形成 にもいいかもしれません。
「米どころ福井!」と言われるのは、福井にはたくさん米農家があるからかもしれませんよ(ちょっと違うか。。。)



*         *        *



おそらく、この「ダイヤモンド・フレームワーク」を使いまくって、これからいろんな国のケースを見つつ、クラスターの競争力向上のために、政府や民間は何をすべきか、ということを考えていくことになるのでしょう。

次のエントリーで、 「ダイヤモンド・フレームワーク」を使った経済発展事例として、 福井の織物クラスター について 書いてみたいと思います。






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Last updated  January 29, 2008 01:02:32 PM


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