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2011年02月09日
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カテゴリ: 仕事
さて、知的障害児施設での住み込みのその後である。
その施設は、キリスト教系の施設であり、私以外の職員ほぼ全員が信者であった。
なぜ私が受け入れられたかというと、
まず厨房の職員補充ができていなかったことと、
成人施設を開設するにあたり、信者限定ということでは職員が集まらないだろうということで、
信者以外でも受け入れようということになっていたようだ。
施設側の事情はよくわかるが、
私自身はそれほど宗教色の強い施設と想定していなかったこともあり、
最初の日から強い違和感を感じたのである。

最初はあまり深刻にそのことを考えずに飛び込んだというのが正直なところである。
とにかく、福祉施設で働けるということの前には、
どんな条件だって呑むような気持だった。

しかし、日が経つにつれて、色々な思いが私の胸に次々に湧きあがり、
まだ精神的に不安定だった時期でもあり、
数か月でどうにもならない息苦しさが私を覆い始めた。
職員の人たちが親切でキリスト教の事や自分が信者となった経緯などを話してくれても、
それ自体が強いプレッシャーとなっていった。
仕事自体も、子ども達との関わりも嫌ではなかったし、
職員の人たちにいやな人がいたわけでもない。
ただ、自分だけが信者ではない、

色々な疑問を持ちながら、朝夕のミサに参加することに、とても罪悪感を抱くのだった。
やがて、半年近くが過ぎる頃、「私はここにいてはいけない」という気持ちになってきた。
私が存在することで、みんなの輪を壊してしまう。
心から信じてもいないのに朝に夕に向き合うキリスト像が、とても怖くなってきた。
「裁かれる、今に罰が当たる」という思いが、心の底に常にあった。


ある日、色々と話をするようになった職員の一人がこう言った。
私が迷い悩んでいることは、はっきりと口には出さなくても見え見えだったのだろう。
「きっとみらいさんは、いつかベールを被ることになると思うよ」
その言葉は励ましだったのかもしれないが、私にとっては最後通告であった。
「このままでは、絡めとられて身動きが出来なくなる。
まだ正職員ではないのだから、辞めるなら今しかない」

どのような理由づけで、どのように辞めると言ったのか全く覚えていない。
私の記憶は、「逃げ出した」ということだけである。
多分、父が迎えに来てくれて身の回りの荷物と一緒に施設を後にしたのだろうが、
その時の記憶もない。

施設やキリスト教から解放されたという解放感も当然なかったはずだ。
私に残ったのは、強い挫折感と「これからどうしよう」という思いだったはずだ。
ただ、幸いなことに逃げ帰った私を家族は非難はしなかった。
もともと、代々門徒(浄土真宗)の家庭だったので、
特に祖母はホッとしたのではないかと思う。

ともあれ私は家に戻り、また少しの間引きこもることになった。
たった半年間の施設での仕事だったが、私には長い長い半年間であった。
季節は夏になっていた。





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最終更新日  2011年02月09日 11時28分07秒
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