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2022年06月27日
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カテゴリ: 思い出
(この物語は、私が知っていることや聞いたことに、想像を加えたフィクションですが、大筋は事実です)

てっちゃんと友達のI君F君は、サバ缶で芽吹いている苗に目を凝らした。
「先生、これは何の花なんだい?」
「当ててみろ。当たったら一缶やるから育ててみろ」
三人はサバ缶で育っている苗を手に取って見たけれど、今まで見たことがない苗だった。
「うーん、外国の花かい?」
「まあ、そうだな。でも、今では日本でも鉢植えの花として栽培されている。
北海道では露地では冬を越せないけれど、夏場は涼しい方が長持ちするから、
これからはきっと北海道でも広がると思う。だから、今は試験栽培の途中だ」

仮にも農業高校卒業生である。
シクラメンの名前は聞いたことがあるし、どんな花なのかも知ってはいた。
しかし、苗を見るのは初めてだった三人は、興味津々でその本とサバ缶の苗を見比べた。
「先生、温室があればシクラメンは育つのかい?」
てっちゃんは勢い込んで聞いた。
冬の間温室で育てるなら、出稼ぎに行かなくてもいい。
そしてシクラメンの赤い灯のような花を見た時に、一人の女性の顔が浮かんだのだ。

高校時代の後輩で、今は青年団活動で時々会うことのある、Tさんの明るい笑顔だった。
密かに気になる女性で、もし結婚するならあんな人がいいなと思っていた。
彼女も農家で育ち、農家の暮らしはよく知っている。
その当時は、農家の長男の結婚は農業を継ぐために必要なことであり、

だから、農家の家同士の結婚がほとんどで、恋愛というより親同士のつながりや、見合い結婚が殆どだった。
青年団活動はそのような状況の中で男女が出会い、自分で伴侶を見つける機会にもなっていた。
実際、青年団活動でお互いにひかれあって結婚する先輩たちも何人もいた。
てっちゃんたちも当然そのような結婚を望んでいたし、お互いに気になる相手もいたのである。

他の二人のことはわからないが、てっちゃんの頭の中でピカッと何かが光った。

そして、「一緒にシクラメンを育ててほしい」と言ってみよう!

「先生、俺、やってみたい! このサバ缶二個ほど分けてほしい!」
「おまえなあ、これから秋になって冬になるんだぞ。おまえの家では育てられんよ」
「でも先生、さっき名前当てたらやるって言ったでないかい?」
「言ったけどさ、家に持って帰ろとは言ってないぞ。一緒にここで育てるの手伝うんならという意味だ」
「えーっ、それって俺たちにここでタダ働きしろってことかい?!」
「まあ、そういうことになる。
でもな、一緒に栽培研究して成功したら、タダで勉強できたってことにもなるぞ」

てっちゃんの頭の中は、また違う光が走った。
そうだ、まだ先生だって試行錯誤の途中なんだ。
一緒に勉強できて技術や知識を身につけて、その証しのシクラメンの花をTさんに贈るんだ!





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最終更新日  2022年06月27日 09時31分10秒
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