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水彩タッチの絵が美しい、大判フルカラーコミック。大人のための短編漫画集。 9編の短編が収録されています。「やさしい塔」惑星改造の途中の事故でただひとり生き残った女性。その後、改造後の労働力となるはずだった生物が繁栄していた。その生物たちが造った巨大建造物は・・・「おてつだい」ある女性が引越した先に住んでいた女の子は・・・「巨人の塔」少女が住んでいた村に突如現れた巨人。成長した少女はその巨人が建てた塔に登る。「マジョ」「ぼく」の大祖母は魔女と呼ばれ、千年は生きている。「げいのかみさま」才能の限界を感じていたイラストレータが出会った神様は・・・「マボロシの中野区」突然、世界にただ1人になってしまった少女。だが、彼女にメールなどが届き始める。「鬼ごっこ」異星人の植民地になった地球。異星人は独立の条件に鬼ごっこを行うことを出し、双方から無作為に選ばれた1人づつで鬼ごっこが行われることになる。「おとしもの」「たからもの」宇宙の行商人が出会う、不思議なものたち。 あらすじの説明がなんだかうまくいっていませんが・・・全体的にストーリー云々よりも雰囲気を楽しむ漫画です。この雰囲気がとてもいいです。「やさしい塔」は設定自体はヘビーなんですが、どこかほっとするような感じがあります。 「マジョ」のばあちゃんがなんかとてもいい。体が若い大祖母に照れる少年とか。「げいのかみさま」・・・「げい」ね。「鬼ごっこ」・・・元ネタはやっぱりアレの第1話でしょう。巻末にはイラスト、絵コンテ、ピンナップなどが収録されています。短編アニメとかが大好きなので、とても楽しめる1冊でした。
Feb 27, 2011
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百合星人ナオコサン(3)、デイドリームネイション(2)に続く、kashmir単行本3ヶ月連続刊行の第3弾。相変わらずのkashmir節です。 オタクな奇本作家の兄と暮らす小学4年生、のりこ。クラスメイトのちー、みか、ひさ、担任教師のさなえ、兄の編集者のようこ、・・・が展開する日常。 第3巻から続く、相変わらずのノリです。兄の散財とオタクグッズに埋もれた部屋、独特なノリの同級生たち。不思議空間をつくる、担任教師のさなえちゃん。いじられキャラになっている、のりこ。この巻では模型屋のおねーさんが目立ってきています。変な賞品を出してイベントを開いたり、妙なノリで活躍。 不用品を売りにバザーに行ったら、模型屋が出展していてさらに物が増えたり。新しいテーマパークの変なノリの店とか。本人の知らないうちに展開している「のりこのなつやすみえにっき」。カラー口絵ではだんだんとんでもない展開になっている様子も。ネコミミ機能つきデジカメとか、なんかわけのわからないものまで。相変わらず妙なノリで作者の魅力全開?な漫画です。
Feb 26, 2011
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最終決戦、ア・バオア・クーの戦いもクライマックス。ついにジオングも登場。そして、セイラが新展開を見せます。 ララァを失ったシャアはガンダムを討つことを誓い、ギレンと対面してモビルアーマー・ジオングを得る。その頃、セイラはシャアを追っ手ア・バオア・クー要塞内に入り込むが、ジオン兵に見つかり捕虜になってしまう。混沌とした戦況の中、連邦軍の背後からキシリアの艦隊が現れる。そして圧倒的な火力で連邦軍残存艦隊に壊滅的な打撃を与え、ワッケインの連邦軍旗艦は沈んでしまった。その様子を見たブライトは要塞に上陸した部隊との分断を避けるためホワイトベースを要塞に強制揚陸させる。そこにシャアのジオングが現れ、ついにガンダムとの一騎打ちが始まった。一方、進退窮まったセイラは自分がアルテイシア・ソム・ダイクンであることをジオン兵に告げ、ギレンとの面会を求めるのだが、事態は意外な方向に展開してゆく。 読む前はこの巻で完結か?と思っていたのですが、まだ続きます。TVアニメでは最終話くらいをたっぷりページを使って展開しています。アムロとシャア、ギレンとキシリアなど、ほとんどの展開はTVアニメ版に準じた展開になっています。「足なんて飾りです」「圧倒的ではないか、わが軍は」「沈んだよ。先行しすぎてな」「まだメインカメラをやられただけだ」有名なセリフも次々登場。一方、セイラはオリジナルの展開です。 対面したジオンの士官がランバ・ラルの元部下でアルテイシアを知っていたことから、本物のアルテイシアと認められます。そして、キシリアのギレン殺害の混乱の中、新たな展開に。そしてアムロとシャアの対決は超有名なシーンで終わり、次巻に続きます。最後の最後にじっくりと話が展開され、なかなか読み応えがあります。この先、どのように完結するかが楽しみです。
Feb 25, 2011
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出演者の平均年齢が異常に高いアクション映画です。主人公側の男の登場人物がジジイだけ・・・ CIAの凄腕エージェントだったフランク・モーゼスは今は引退し、田舎町でひっそりと暮らしていた。楽しみは役所の年金担当のサラ・ロスと電話で他愛ない会話を交わすことであった。 しかしある日突然、フランクの自宅を特殊部隊が襲撃した。フランクは敵を撃退し、サラの住むカンサス・シティへと向かう。そしてサラに危険が及ぶと判断してサラを連れ出して逃避行を始める。 フランクは何故命を狙われるのかを探るため、かつての同僚だったジョー、マーヴィンたちを訪ねまわっていた。一方、フランクを追うCIAエージェント、ウイリアム・クーパーはフランクが経歴から「RED(引退した超危険人物)」と呼ばれていることを知る。 フランクたちは自分たちが狙われる裏に潜む陰謀を暴いてゆく。 年寄りパワー炸裂の映画です。引退したスパイたちが大活躍。フランクは現役は引退しているものの、毎日のトレーニングは欠かさない。で、いきなり襲撃されても難なく撃退します。 老人ホーム暮らしで癌を患っているジョー。殺された・・・生きていたという展開はありましたが・・・意外と活躍は少ない感じでした。隠れ家に住んでいるマーヴィン。被害妄想気味かと思ったら、ことごとく当てています。しかも、けっこう活躍します。マルコビッチ怪演。パワフルな老人たちに囲まれて、ヒロインはちょっと影が薄いかな。 特殊技能もないし。後半には女狙撃手のヴィクトリアが登場するので、なおさら。まあ、そういうものだと思えば。ヴィクトリアもパワフルな老女。M2機関銃をぶっ放したりするし。あと、チョイ役かと思ったら後半でけっこう活躍するロシアのスパイ・イワン。ヴィクトリアとのエピソードとか、けっこういいです。 フランクたちを追う現役のCIAエージェント、クーパー。凄腕らしいけど堅物という感じが、引退して自由な老人たちと対照的で良かったです。年寄り大活躍で派手でユーモアもあり、なかなか楽しめる映画でした。
Feb 23, 2011
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学徒出陣の兵士だけで拠点を防衛したという、朝鮮戦争時の実話を元にした映画です。 1950年6月25日、北朝鮮軍の奇襲によって始まった朝鮮戦争。凄まじい勢いで進撃する北朝鮮軍に対して韓国軍はどんどん南へと追いやられていた。韓国軍は兵員不足を補うために学徒動員をかけ、高校生のジャンボムも最前線に送られていた。 朝鮮半島南部の町、浦項(ポハン)。韓国軍は洛東江に集結した北朝鮮軍に対抗するため浦項に駐屯する部隊にも召集をかける。洛東江を抜かれると釜山まであとわずか、国連軍の到着まではなんとしても戦線を維持しなければならない。しかし最前線になる可能性が低いとはいえ、戦略上の要衝である浦項をカラにするわけにはいかず、司令部がおかれた浦項女子中学校の守備はほとんどが召集されたばかりの71人の学徒兵に任されることになる。浦項の部隊の隊長、カン大尉は戦闘を経験しているジャンボムに部隊の指揮を任せて洛東江へと向かった。 しかしその頃、北朝鮮上層部の「洛東江に集結せよ」の命令を無視して独自の行動をといっていたムラン少佐の部隊が浦項に近づきつつあった。 かなりハードで悲惨な戦争映画です。登場する女性は、最初のほうの看護婦と回想シーンの母親だけ。場所は女子校ですが、司令部に徴用されているので学生も教師もいません。近くの席に韓流スター目当て?な感じの女性の2人組がいましたが、彼女らの落ち着かないこと・・・(まぁ、気にしなきゃ気にならない程度でしたが)たぶん、朝鮮戦争がどんな経緯を辿ったかは知らないんだろうな・・・ファンタジーな話だった『トンマッコルへようこそ』でも戦争の描写は容赦なかったですが、この映画はさらに容赦ない描写です。 主人公のジャンボムは物静かでおとなしい、かなり真面目な高校生です。 クラスにいても、勉強はできるが目立たないタイプです。まあ、このタイプは覚悟を決めると強かったりするものですが。71人の中には少年院に送られるはずだった少年が3人。リーダー格のガプチョはジャンボムの言うことを聞かず、和を乱します。しかも敵を呼び込んだりするし。北朝鮮軍のムラン少佐はロマンチストで、どこか自分に酔っている感じ。ロレックスとかつけてるし。上層部の命令を無視するので、政治士官との折り合いは悪いです。そして、学徒兵とムラン少佐の部隊の戦いへ。学徒兵たちはろくに訓練を受けていない上、たいした装備を持っていませんが、戦います。北朝鮮側は戦車とかもあるので、かなり悲惨な戦いになります。しかし、最大の驚きはこの話が事実を元にしていることでしょう。エンドロール中には学徒兵の生き残りのインタビューが入ります。かなり見ごたえのある映画でした。
Feb 19, 2011
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人気コミックの映画化です。原作は以前から気にはなってたのですが、読んでないです。メジャーな漫画はすぐ巻数が増えるので、機を逸するとなかなか読み始められない・・・ 就職活動中の大学生・玄野は地下鉄のホームで小学校時代の同級生・加藤を見かける。加藤は線路に落下した酔っ払いを助けるが、ホームに上がろうとしたときに手を差し伸べた玄野とともに列車に轢かれてしまう。次の瞬間、玄野と加藤はマンションの一室にいた。その部屋の中央には黒い玉、そのまわりに数人の人がいたが、状況はわからない。そしてさらに玉から裸の女が現れる。どうやら玄野と加藤もこうしてあらわれたらしい。 その黒い玉は部屋にいる人たちにふざけたメッセージでミッションを与える。それは「星人」を倒すこと。そして玉が開いてスーツと武器があらわれる。戸惑う彼らは人気のない住宅地に転送され、「星人」との戦いが始まった。星人を倒すと、生き残った者たちは再び部屋に転送され、黒い玉「ガンツ」に採点される。そして元の世界に戻される。 元の世界に戻された「死んだはずの人々」。彼らはその後もたびたび呼び出され、戦わされる。それから逃れるためには、星人を倒して100点を貯めるしかない。玄野はその世界に酔いしれ、加藤はたった一人の肉親である弟のために元の世界に戻ることを誓い、戦い続ける。 雰囲気が自分好みで、結構楽しめる映画でした。 前後編の前編、ということでこの映画では戦いに取り込まれる主人公たちが描かれます。就職活動中でなんとなく生きている雰囲気の玄野、弟と2人暮らしで正義感が強い加藤。いろいろ対照的な2人です。 他にも「ガンツ」に呼び出されてた者たちには、実は以前から呼び出されていたが詳細を話さず、他人を囮として使う高校生・西、大胆な行動に出ることもある女性・岸本、いるだけだけど生き残るオッサン・鈴木など。あとは呼び出されて1回目で死んでしまいますが・・・中には老婆と子供という、どう考えても生き残れない人たちも。呼び出されるのはみな、死んだはずの人々です。「ガンツ」の名前の元ネタは、『がんばれロボコン』のガンツ先生?100点とか言ってるし・・・ターゲットの「星人」。親子の「ネギ星人」。ロボットの「田中星人」・・・ラジカセで田中星児の曲をかけています。そして、国立博物館の仏像の中にいる「おこりんぼ星人」。多彩ですが、星人とはどういう存在なのか?後編に続きます。戦う場所は日常の場所です。戦いは異世界で行われているようですが、その影響は現実世界に影響を与えます。テンポのいい戦いと、次々現れる謎。後編でどのように解決するのか楽しみです。主人公2人が列車に轢かれた場所がりんかい線の大井町駅だったり、多摩川の丸子橋が出てきたり、上野の国立博物館とか、知っている場所が登場したのも自分的には楽しめた一因でしょう。本編終了後に後編の予告があります。これは楽しみです。
Feb 18, 2011
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かつてブルース・リーが出演していたTVドラマで知られるヒーローものの映画化です。3D版の上映しかなかったので、3D版を観賞。 新聞社創業者の御曹司、ブリット・リードは絵に描いたような放蕩息子であった。しかし、ブリットの父は蜂に刺されて急死し、ブリットは莫大な遺産と社長の座を手に入れる。 父の葬儀のあと、いったん解雇したものの呼び戻した使用人・カトーの発明の才能を知ったブリットは、あることを思いつく。それは、悪人のふりをしつつ悪人をやっつけ、正義を行おうとするものであった。ブリットは「グリーン・ホーネット」と名乗り、カトーを助手として活動を始める。新聞の報道もあり、グリーン・ホーネットは一躍有名になる。 ロサンゼルスの裏世界を仕切るチェドノフスキーはグリーン・ホーネットの活躍を快く思わず、排除しようと企む。 とりあえず、普通に観ればそれなりに面白い映画でした。ただ、こういうアクションは3Dに向かないと思う。ステレオカメラで撮ればいい、といものではないんですよね。そういう点で、3D版のみの上映というのはものすごく印象を悪くしています。主人公のブリット、新聞社社長のおぼっちゃま。しかも、バカで尊大で救いようのない性格。おまけに腕っぷしもダメ。正義の味方というより小者の悪の首領のような性格です。人によっては、こういう人物は受け付けないかもしれません。もう1人の主人公、カトー。日本人じゃなくて上海出身の中国人。技術者で発明家で格闘の達人。ブリットとカトーの関係は『バットマン』のブルース・ウエインとアルフレッドのような関係ですが・・・最大の違いはブリットがカトーがいないと何もできないことを自覚していないこと。なんでカトーがついてゆけるのか不思議なくらいです。主人公がこういうコンビなので、基本はコメディーです。ブリットがバカやってカトーがフォロー。ヒロインはブリットの秘書・レノアですが、本人の知らないうちにグリーン・ホーネットの参謀役にされています。が、あまり活躍はしていません・・・ロスの裏を仕切るチェドノフスキー。冒頭の爆破とかは、かなり闇のボスですが・・・後半でかぶるマスクがまたバカバカしくていいです。アクションは主にカトー役のジェイ・チョウによる格闘。ブリットは倒れている敵に蹴りを入れるだけ。最後に少しだけアクションがありますが。結局、アクションに3D効果があらわれていないので、何のための3Dかわからないのが観た後の感想に悪影響を与えています。もうちょっと考えて3Dにしてもらいたいです。追加料金取られるんだし。
Feb 12, 2011
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女子高生カラテアクション。久しぶりに横浜・桜木町の横浜ブルク13で観てきました。 沖縄の伝説の空手家、紅宗次郎。彼の子孫は代々無敵といわれる技を伝えてきた。ある時、宗次郎の黒帯を狙う謎の集団に襲われた。次女・菜月を人質に取られた当主の紅達也は倒され、菜月はその集団にさらわれてしまう。達也は倒れていた長女・彩夏の蘇生を行ったあと、後を託して絶命した。時は経ち、彩夏は紅空手の後継者であることを隠し、横浜で暮らしていた。ある日、彼女はアルバイト先の映画館でひったくりを取り押さえて話題になってしまった。一方、かつて紅空手を襲った集団は空手の技を使った暗殺集団として勢力を広げていた。宗次郎の黒帯の権威は絶大であった。組織のトップ・田川は1つだけ気がかりがあった。それは、手に入れた黒帯がニセモノだったことであった。彼は話題になった少女が紅空手の関係者ではないかと疑い、手下を彩夏のもとに送る。 彩夏の前に暗殺者の少女・サクラが現れた。サクラと対戦した彩夏は、サクラが妹の菜月であることを確信する。 B級というか、Vシネという雰囲気の映画です。低予算ですが、ヒロイン姉妹をはじめとする役者は空手の有段者で、アクションは特殊効果なしで本格的です。その分、演技という点ではちょっと・・・という点がありますが。 舞台は横浜です。主人公・彩夏のバイト先の映画館は、横浜ブルク13。上映された劇場(シアター4)の入り口付近が捕り物の舞台です。他にも、劇場のすぐ外の道路とか、象の鼻防波堤とか、みなとみらいや横浜港付近が登場。悪の組織の建物もあの辺の古い建物っぽいし。ストーリーはシンプル。悪の組織に襲われて生き別れになった姉妹が再会し、悪を倒すというものです。細部については、あまり気にしないほうがいいでしょう。 サクラが姉を思い出すところなどは、いまいちです。あと、道着で練習していた彩夏が菜月を救うために敵の本拠に乗り込むのに制服に着替えていたり・・・(サービス?) アクションは空手の有段者やアクションの訓練を積んだ若手によるもので、結構いいと思います。菜月役の娘の動きが結構よかった。まあ、香港のカンフー映画やジージャーと比較するのはさすがに酷ですが。割り切って見ればまぁいいかも。
Feb 11, 2011
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司法制度の矛盾をつくクライム・サスペンス。 クライド・シェルトンの生活は彼の家に押し入った2人組の凶悪な強盗によって一変した。クライドに重傷を負い、妻と娘が惨殺されてしまった。犯人は逮捕され裁判にかけられるが、検事のニック・ライスはクライドに驚くべき提案をする。それは、犯人の1人ダービーと司法取引をするというのだ。裁判は証拠不十分で不利な状況で、ダービーの証言により有罪を勝ち取ろうというものであった。ダービーが妻と娘を殺すのを目撃していたクライドは司法取引をしないよう訴えるが、クライドの目撃証言は重傷を負って気絶する前のもので証拠として採用されなかった。こうしてダービーは禁固数年の軽い刑で済み、共犯のエイムスが殺人罪で服役することになった。10年後、エイムスの死刑執行時に事件が発生する。死刑のときに使用される薬品が別のものとすり替えられ、エイムスは苦しみぬいた挙句死亡する。またダービーも拉致され、残忍な方法で殺害された。 事件の容疑者としてクライドが逮捕され、刑務所に収監された。クライドはニックに取引をもちかけ、それが叶わないとダービーの弁護士、裁判を行った判事、検察官たちを獄中にいながら次々と殺害していく。クライドの経歴を調査したニックは、クライドがかつて国防総省から遠隔地の暗殺を請け負っていた危険人物であることを知る。 凶悪犯を有罪にするために司法取引で刑を軽減、全く反省していない犯人を被害者が殺害。ここまでは良くある題材ですが、主人公の矛先はここからさらに司法関係者に向かいます。成果主義の検事というのは、なんか嫌だな・・・ ダービーの殺害シーン、最中の描写はありませんが、あれは凄まじい。意識を失わせないようにして体をバラバラに。それを撮影したDVDをニックの家に送りつけます。 クライドはかなり頭が切れる人物で、10年かけた計画を次々と実行してゆきます。ダービーの弁護士は逮捕前に仕込んでありましたが、その後は独房に移らせる状況を作り出し、独房から犯行を行います。どうやって犯行を行っているのか?がこの映画のカギになります。裁判の関係者にとどまらず、ニックの仲間の検察官、はては検察官たちを任命した市長までもが標的になり、どんどんエスカレートしてゆきます。この辺はもはや狂気でしょう。最後に、10年かけた周到なからくりが明らかにされます。もう自分でも止められなくなったクライドが、誰かに止めてもらいたかったとも解釈はできますが。頭の回る人間が狂気に取り付かれると怖いです。最期を迎えるクライドの表情がなんとなく明るかったのは、彼自身も狂気から解放されたから?なかなか面白い映画でした。
Feb 10, 2011
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始まってから20年経って、ついに7巻目。作中では数年しか経っていませんが・・・掲載誌がWeb雑誌になったそうです。 数千年前に人間がいなくなり、猫が主人となった世界。その世界に過去から帰還したヘンリヒ、オスカ、マデリンの3人の宇宙飛行士と、猫たちに怪しい魔法で呼び出される百合子。相変らずのんびりのほほんとした日常が展開します。 6巻で3人目の宇宙飛行士、マデリンが登場しましたが、特に物語が展開することはありません。全く展開していません。面白いですが。 帰還したばかりで猫の世界に(ちょっとした一言で猫が行動を起こすことに)慣れていないマデリンがきっかけになって歌がはやったり、ピラミッドが建設されたり。ヘンリヒが歌う、猫が嫌がる歌の歌詞が有名な歌のパロディ(だんだんむちゃくちゃになっていきますが)なんか面白い。「山の礼拝所の司祭様は~サッカーをしたいが球がない~」なんだかんだいって、百合子が来るのを心待ちにしているヘンリヒ。そのわりに百合子の年齢を知らなかったり。(最初に出会った高校生の百合子の感覚をずっと持っている?)肩こりの話とか呼び方の話とかも、なんでもない話なんですが、好きです。巻末には17年前に出たドラマCDのシナリオを収録。そうそう、ヘンリヒの声を故塩沢兼人がやっていました。持っているな・・・部屋のどこかに埋もれているけど。作者お得意のなんでもない話が繰り広げられる、「いつもの」1冊です。
Feb 6, 2011
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イップ・マンというタイトルを初めて見たとき、主人公の人となりを表す言葉?と思ったのですが、主人公の名前、葉問(イップ・マン)でした。 この人はブルース・リーの師匠だそうです。この映画、実はPart2(原題は『葉問2』)で、Part1は日本未公開。映画の冒頭にPart1のあらすじが入ります。(Part1の敵は日本軍らしい) 1950年。イップ・マンは家族を連れて佛山から英国統治下の香港に移住してきた。イップは新聞の編集長、リャンの好意で場所を借りて詠春拳の武館を開く。やがてウォンをはじめとする若者たちが入門し順調に見えたものの、香港のさまざまな門派の武館を束ねる洪拳の師範・ホンから香港で武館を開くための掟を告げらる。イップはその試練でさまざまな武館の師範を倒しその試練に合格するが、ホンから多額の会費を求められたイップはそれを拒否する。やがて詠春拳の武館で洪拳の門下生が乱闘騒ぎを起こし、イップは武館閉鎖に追い込まれる。ホンの武館を訪ねたイップは、ホンが家族や部下たちを大切にする人物であることを知る。実は、集めた金は英国人の警察署長への賄賂に使い、香港の武術界を安泰に導いているのであった。やがて公園で門下生たちを指導するイップをホンが訪ね、ボクシング大会のチケットを渡す。イップとホンは互いに認め合う関係になっていた。 しかし、そのボクシング大会で事件は起こった。中国人を蔑視するチャンピオンが武術家たちを侮辱し、ホンとチャンピオン・ツイスターが対戦することになるが、年老いたホンは壮絶な最期をとげる。さらに武術家たちを侮辱するツイスターに対して、イップが対戦を申し出る。 ストーリーはイップが香港で武館を開き、ホンとの信頼関係になるまでと、イップとツイスターの対戦が描かれます。あまりひねったところはなく、素直なストーリーです。ところどころに前作につながるところがありますが、あまり気にしないほうがいいでしょう。ストーリーの本筋ではないし。 魚市場の乱闘、イップとさまざまな門派の師範とのテーブル上の戦い、イップとツイスターとの対戦まで、アクションは盛りだくさんで、とても楽しめます。格闘好きならおすすめです。高潔な心の持ち主、イップ。一見、あまり強そうに見えませんが、強いです。イップを演じたドニー・イェンの雰囲気が結構いいです。香港の武術界を束ねる洪拳の師範、ホン。演じるのはサモ・ハン・キンポー。登場は守銭奴の嫌な人物という感じですが、本当に嫌な連中は西洋人たち。誇りを守るためにボクシングのチャンピオン、ツイスターと対戦しますが・・・中国人を蔑視する西洋人との対戦、という点では2006年のジェット・リー主演の『SPIRIT』と同じですが、『SPIRIT』の西洋人・日本人格闘家が主人公と対戦するとその高潔と強さに敬意を示すのに対して、この映画の西洋人ボクサー、ツイスターは全くそういうことはありません。ストーリー上はこの憎々しさが結構いい。ツイスターが負けそうになってルールを変更する審判団もまた姑息。これは負けフラグ・・・戦いの後、イップが「人種に貴賎はない」と話をしているときも退席する西洋人観客が。 そしてラストに少年時代のブルース・リーが登場。素直なストーリーと豊富なアクションで楽しめる映画でした。
Feb 5, 2011
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世界最大のSNS、Facebook創設者の、実話をもとにしたお話。 ハーバード大学の学生、マーク・ザッカーバーグはある晩、彼女に振られた腹いせにブログに彼女の悪口を書いていたが、その後学内の寮のコンピュータをハッキングして女子学生の写真を並べてランキングするサイト作りに没頭する。このサイト「フェイスマッシュ」はわずか2時間で22000アクセスを記録するが、全女子学生から反感を買い、また大学のセキュリティシステムを侵したとして観察処分を受ける。 そんなマークの技術に注目したウインクルボス兄弟はマークに自分たちが考えているサービス「ハーバード・コネクション」のプログラミングを依頼する。マークはそれを了承する・・・が、いつまでもその作業には入らなかった。 マークは親友のエドゥアルド・サベリンから資金を借りて「フェイスブック」を立ち上げる。「フェイスブック」1日でハーバードの学生650人が登録したのをはじめ、どんどん他大学にも広がっていた。 フェイスブックを見てウインクルボス兄弟は憤慨する。兄弟はアイディアを盗用されたとして、弁護士を通じてサイトの停止を求めるが、マークは意に介さなかった。 一方、マークとエドゥアルドの関係も次第にギクシャクしてゆく。それは、マークがナップスターの創設者ショーン・パーカーと出会ったことにより加速してゆく。こうしてマークはウインクルボス兄弟とエドゥアルドからの2件の訴訟に巻き込まれることになる。 主人公のマークをはじめ、なんか嫌な奴ばっかり出てきます。マークの親友・エドゥアルドが一番まともですが、ひどい目にあっています。あと、ウインクルボス兄もエリートが鼻につきますが、血気に逸る弟や仲間を抑えて穏便に済ませようとする感覚は持っています。 普通のサクセス・ストーリーの話であれば、人付き合いが下手だが天才的なプログラマー、マークを親友のエドゥアルドが影から支え、時には反発しながらも突き進み、マークが危険人物ショーン・パーカー口車に乗って生じた危機をエドゥアルドの機転で乗り越え、最後はマークとエドゥアルドの2人でハッピーエンド・・・というものでしょうが、この映画は違います。 冒頭のマークとガールフレンドのエリカの会話がまるで成り立っていません。エリカがなんとか合わせようとしていますが、マークはおかまいなし。そりゃ、振られます。でも、マークはなぜ振られたかがわかりません。その後の行動は常軌を逸しています。頭がいいことはわかりますが・・・しかも、大学のセキュリティ担当者に放った言葉も言い逃れでなく、本気のようです。その後は、ウインクルボス兄弟の案を聞いた後にフェイスブックを開設。開設の際にエドゥアルドに資金提供を依頼する際も、相手のことはお構いなし。パーティーの最中で薄着のエドゥアルドを零下の屋外に連れ出して話します。そして、アイディア盗用といって文書で通告してくるウインクルボス兄弟を無視。 一応、共同経営者でCFOになったエドゥアルドですが、形だけ。独断でことを進め、拡大してゆきます。エドゥアルドが運営資金のためにスポンサー探しを始めても、全く協力せず。エドゥアルド、よく我慢しているな。 そして、マークとショーン・パーカーが組んだことでフェイスブックは急拡大しますが、エドゥアルドもウインクルボス兄弟もついに堪忍袋の緒を切らします。そりゃ当然、といった状況です。この期に及んでも何が悪かったのかわからないマークがなんというか・・・賢いかもしれませんが、中身は躾のなっていない子供です。有能だけど常軌を逸した人物の顛末といった話です。普通の話と違うのは、主人公と親友の仲が修復不可能だけど、別に主人公が転落していないことでしょうか。まぁ、事実に基づいた話だからこういうことになったのでしょうか。いろいろ書きましたが、結構面白く興味深く観れる映画ではありました。どんどん事態は進展してゆくし。なんとも、感想の難しい映画です。
Feb 4, 2011
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