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前の晩は雪が降り、この秋一番の冷え込みとなった文化の日、
私にとって、2009年、最初で最後(たぶん。。)のコンサートに行ってまいりました。
チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:レオシュ・スワロフスキー
ピアノ:ベン・キム
演目:スメタナ 交響詩「モルダウ」
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調op.18
ドヴォルザーク 交響曲第8番ト長調
この日のお目当ては、2006年、ミュンヘン国際音楽コンクール
ピアノ部門で優勝した ベン・キムさん のラフマの2番!
彼は、1983年生まれの韓国系アメリカ人で、
あのエレーヌ・グリモーも師事した、レオン・フライシャー氏の
愛弟子でもあります。
チェコの熱い魂の響きが会場を満たした「モルダウ」に続き、
ステージに登場し、拍手で迎えられたベンさん。
すらっとした高い背、長い手と脚は、2階席からもとても際立って見えました。
彼は、その長身によく似合う、身体の線に沿ったグレーのシャツブラウス、
黒のパンツというカジュアルシックな装い。
第1楽章は、スマートに始まりました。
ベンさんは緊張している様子もなく、分厚いオーケストラの音に
うまく乗って、あたたかで芯のある音色を2階までダイレクトに飛ばしてきます。
私の席は、鍵盤がまっすぐに見通せる位置。
彼の長く美しい指が、ひとつひとつの音を綾織りするかのように
自在に優雅に動くのを、持参したオペラグラスで堪能しました。
第2楽章は、ゆったりした中にも彼の持ち味の健康的な明るさがあふれ、
個性が感じられる音楽です。
「しっとりと」とも「静々と」とも違う、彼独特の世界でした。
第3楽章の冒頭、スワロフスキー氏もオーケストラも
「いくぞ!」という意気込みが漲っていました。
ppから一気にffに駆け上がるスコア。
そこに華やかに入る、大迫力のピアノのスケール!
すごい!キマった!巧い!
もう、会場も興奮の坩堝です。
ベンさんも、左右、前後に身体を大きく揺らして、
ノリノリでラフマニノフの音楽の海を泳ぎます。
なんて気持ちのよい音色!
まさに、アメリカンナイズされた音色と、スラヴの音色が混じり合い、融け合った、
素晴らしいフィナーレとなりました。
大きな拍手とブラヴォーの声に、何度もステージに現れる、
ベンさんとスワロフスキー氏。
ついにベンさんはピアノの前に座り、
ラフマニノフで火照った聴衆の耳と心をクールダウンさせるがごとく、
静かにスカルラッティのソナタを弾きはじめました。
これがまた、しんしんと心に響く名演奏。
「難関ミュンヘン・コン」を制覇した彼の真価が伝わってきて、
緩急自在の腕の持ち主である逸材なのだと実感させてくれました。
やっと彼のピアノをライヴで聴けて、本当に幸せな時間でした。
さて、こちらはおまけ。
この日も私は、ランチに BAKERY'S STREET&CAFE へ出向きました。
そしてこの日もまた、BLTサンドを注文。
芳しい香りに誘われて、体調管理のためにずっと断っていたコーヒーも一緒に。
何度いただいても美味なBLTサンド。
コーヒーも私好みの深い味わいでした。
話し声にふと振り向くと、窓際の席に年配の外国人のご夫妻が。
長野オリンピック開催時の名残りを留めているセントラル・スクエアが
正面に見える席を選ばれたのでしょうか。
軽く会釈をすると、奥さまが笑顔で「Hello!」とご挨拶を返してくださいました。
こんなさりげないふれあいが好きだなあ・・。
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