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「*ふみまよう*(文迷:源氏物語の音読) 」で公開されている「すみこ」さんの朗読を聞いて、参加者全員で読む、というスタイルを考えているそうです。そのテキストには、私のサイト源氏物語の世界 再編集版で公開しているXML形式の再編集版の縦書きWord文書作成機能を使って印刷したものを採用するとのことです。大変うれしく、誇り高く感じました。第1回が2012/4/10(火)で、以後、第2・4火曜開催で3年程度の予定とのこと。https://www.library.city.edogawa.tokyo.jp/toshow/event_guide/html/chuo.html#genjiできれば私も参加したいと思いましたが、平日昼間ですと仕事の関係で参加できないのが残念です。 ====IPAのプロジェクトが終わって以来、なかなか意気が上がらず、サイト更新の手が遠のいていたのですが、実際に、このような形で利用される旨の連絡を受けると、張り合いが出てきますね。更新したい項目は沢山あるので、時間を見つけて、少しずつ更新していこうと考えています。
2012年03月17日
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インストールレスで簡単にApache+PHP+MySQLのサーバを立ち上げて実験できるソフトが見つかりました。InstantMantisというソフトで、そもそもは、MantisというWebアプリケーションの評価版です。Mantisというのはオープンソースのバグトラッキングシステムで、大企業でソフトウェア開発する時に良く使用されるバグ情報の入力と管理・解析を支援するソフトです。わたしは、このMantisには特に興味はないのですが、Mantisが前提にする環境がApache+PHP+MySQLのサーバ環境で、InstantMantisはMantisの評価のために、このサーバ環境を簡単に作ってくれるという点に興味を覚えました。使うには、zipファイルを解凍して、トップディレクトリにあるバッチ手続きをダブルクリックして実行するだけです。それだけで、Apache+PHPのWebサーバとDBサーバMySQLが立ち上がります。サーバのポート番号はセキュリティを考慮してデフォルトでは非標準ポート(Apache:8008、MySQL:3360)になっているというのもいいですね。もっとも、ちょっと設定変更するだけで標準ポート(Apache:8080、MySQL:3306)にすることもできます。現在、その日本語版がInstantMantis-Jとして公開されています。http://bacons.ddo.jp/wiki/mantis/instantmantis-j私は、このInstantMantis-Jを以下のようにカスタマイズして使っています。Mantisをドキュメントルート(/)から/mantis/に移動phpMyAdminを追加jpgraphを追加phpMyAdminはMySQLデータベースをGUIで操作するツールです。MySQLを使いこなす上では、ほぼ必須のツールだと私は考えています。jpgraphはサーバ側でグラフを描画するためのPHPの拡張モジュールです。描画結果はイメージファイルとしてクライアントに送られます。このjpgraphはmantisでもグラフを描画するのに使っていますが、なぜか、InstantMantisには入っていません。グラフ描画機能はMantisの重要なセールスポイントの一つなのに、その評価版であるInstantMantisに入っていないのは非常に不思議ですね。もっとも、Mantisのインストール手順の説明どおりだとjpgraphをInstantMantisに入れることはできないように見えるので、ひょっとするとInstantMantisにjpgraphを入れる方法が分からなかったのかもしれません。私も、jpgraphを入れるのにはだいぶ試行錯誤しました。近日、このカスタマイズ版を私のサイトにアップして提供することを考えています。
2007年02月10日
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源氏物語絵巻の方は、公開期間外だったので、一部のコピーが展示されていただけでした。今年の絵巻の公開は11月10日~12月9日に「よみがえる源氏物語絵巻」展と同時に展示されるようです。(パンフより)代わりに尾張徳川家の雛まつり展をやっていました。核家族生活が長いと、つい忘れがちなことですが、由緒ある家柄だと歴代のお嫁さんが嫁入り道具で雛祭りセットを持ってくるので、古いものが倉庫に何セットも眠っていたりするのでしょうね。徳川家のような日本有数の名家だと、その中からめぼしいものを選んで陳列するだけでも、美術館の特別展示ができてしまうということに気付かされました。正面には、先代以前の3代(内2代は故人)のお嫁さんの雛祭りセットが並べられていました。1つだけなら近所の成金さんのお家にもピカピカの新品が飾ってあったりしそうな気もしますが、何十年もの年季が入ってなお鑑賞に堪えるものを3セットも並べられると、やはり、へぇーという感じになりますね。しかし、個人的には、手前の側面に飾られていた、今ではあまり見かけない一風変わった雛道具の方が、当時の様子が偲ばれて面白かったです。常設展示のほうでは、第3展示室の床の間や違い棚の飾り方の展示が印象に残っています。我が家にも小さな床の間と違い棚を作ってあるので、ここまで立派にはできなくても真似できないだろうかと思って見ていました。順路の途中で隣の蓬左文庫に立ち寄るようになっていたのですが、そこでは日本の印刷史の展示が印象に残っています。印刷は江戸時代からと思っていたのですが、そこには平安時代や奈良時代の印刷物まで展示されていて、そんなに古くから印刷技術があったのかとびっくりさせられました。また、活字もずいぶん昔からあったようです。意外だったのは、活字は出版部数の少ない印刷物用とされていて、江戸時代になって出版部数が増えてくると、再び木版印刷に戻ってしまうという解説。活字を安価に量産できるようになるまでは、活字は単に木版の廉価版でしかなかったのですね。今回は、2/5(月)~2/6(火)に久々の出張があり、用事が早めに済んだために余った時間で行くことができたものでした。このため、一人での見学になってしまいましたが、いつか、女房と一緒にもう一度生きたいですね。11月10日頃(今年の絵巻の公開+よみがえる源氏物語絵巻展)だと、その後で京都まで足を伸ばせが紅葉が楽しめるかもしれないし、そのあたりでもう一度いけるといいななどと考えています。
2007年02月06日
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SPAM投稿が増えてきて、見つけるごとにいちいち削除していたのですが、最近は休眠状態でトラヒックがほとんど無かったので閉鎖することにしました。もし、御用のある方、いらっしゃいましたら、メールでどうぞ。しかし、掲示板を閉鎖すると、日記コメントも読めなくなってしまうのですね。こまったな。日記コメントには残しておきたいものがあるんですよネ。ドメインで制限する機能もあるらしいので、それが使えるか、ちょっと考えてみよう。
2007年02月01日
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『「どこまでOK?」迷ったときのネット著作権ハンドブック』を読んでみました。私にとって一番知りたかったことは、江戸時代以前にかかれた源氏絵を本などからスキャンして私のサイトで挿絵として使ってよいのだろうかということでした。しかし、この点については、あまりにあっさりと問題ないと書かれていて、拍子抜けしてしまいました。それは、2006/1/6発行の初版第1刷のp104にあります。----ここから----【質問】浮世絵画像を利用または加工したものを、自作の芸術作品として発表したいのですが、著作権問題はどのようになるのでしょう。【回答】 浮世絵そのものは、一般的には保護期間が過ぎており、日本の文化として誰でも利用することができます。(中略) しかし「元の絵」をどこから仕入れるか、使う場合には注意が必要です。 たとえば、本などの出版物からスキャンする場合、(中略)「絵」単体なら問題ありませんが、ページをまるごと、そっくりそのままスキャンしたり、解説を掲載したりするとアウトです。(以下略)----ここまで----これは、以下のようなことをするだけなら、問題ないといっているのだと私は理解しました。(1)本から源氏物語絵巻の絵だけをスキャンして、私のWebページの挿絵に使う。(2)美術館で買った色紙や「トランプ源氏物語」(どちらも、江戸時代の画家の絵が使われている)から、絵だけをスキャンして、私のWebページの挿絵に使う。この場合、出典の明記も必要なさそうですね。質問が「自作の芸術作品として発表」になっているためです。しかし、実際には絵だけではなく、絵の名称、画家名、年代などのデータは掲載すると思うので、これらには引用が成立するよう、出典は明記するつもりです。もっとも、現在でも絵入源氏物語の挿絵は使っています。これは、渋谷教授が江戸時代に出版された絵入源氏物語を所蔵しており、それをスキャンしたものをWebで公開されていたため、転載の許可をいただいたときに一緒に包括的に許可をいただいたものと理解していたためでした。実際には、この理解に若干のすれ違いがあり、それが問題にならないか気になっていたのですが、上のQAからまったく問題にならないことが判明し、安堵しました。さあ、これからは ドンドン コピーするぞ~。でも、まだ一抹の不安が・・・。似たような問題に悩んでいる(いた)方、是非、コメントください。この本には、もう一箇所、同じ問題に触れたところがp167~168にあります。そこも引用しておきます。----ここから----10 著作権保護期間切れについて【質問】(前略)50年経過していても、スキャンして、サイトに掲載するというのは不可なのでしょうか。(中略)もし、掲載したい場合は、著作権が切れていても、きれていなくても、許可を取る必要があるということなのでしょうか。【回答】 ご質問の使い方であれば、まず大丈夫だと推察します。保護期間が切れたものであれば、許可を取る必要もありません。 有名な「幕末の江戸城の写真」で説明しましょう。「幕末の江戸城の写真」は著作権保護期間が切れた写真です。これらの写真は、本や写真集からスキャンしてご自分のサイトで公表することができます。 あれ??、写真集の著作権は?、という疑問ですが、著作権保護期間が切れた著作物をたんにコピーしただけのものは著作物とは言いません。したがって、本のページをまるごと公表すると本の著作権を侵害することになりますが、写真の部分だけを公表する分には構わないわけです。(以下略)----ここまで----同じ本の中で、もう一箇所、関連の記述を見つけました。p266にある以下の記述です。----ここから---- では、江戸時代に撮影された写真を出版物からそのままスキャンし、アップした場合はどうでしょうか? 写真の解説部分、本のページのレイアウト方法は出版社の著作物ですが、写真そのものは(中略)著作権法の保護対象外です。さらに、出版社は元の写真を複製して本に掲載していますが、元の写真を忠実に複製するだけなら著作物の創作とはいえないので、写真だけならアップしても問題ありません(ただし、元の写真の管理権の問題が生じる可能性はあります)。----ここまで---- ここで「元の写真の管理権の問題が生じる可能性はあります」とはどういうことなのでしょう。気になります。そこで、先ほど著者のWebサイトに行き、掲示板で質問してきました。回答が得られたら、この日記で紹介します。2006/6/9 追記著者のWebサイトの掲示板で回答をいただきました。近日、それを紹介する日記を書きます。
2006年06月04日
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「文迷(源氏物語 婆の部屋)」というサイトです。25年前に家庭用ラジカセで録音したという源氏物語全54帖の朗読を、その息子の丈(たけ)さんがmp3に変換してアップしているのだそうです。朗読は約84.5時間あり、64kbpsで圧縮しても合計2.3GBに達するとのこと。その数値だけでも凄さがわかりますが、それだけではありません。淡々とした口調で、はっきりと聞きやすく発声された朗読は、とても、素人が趣味で録音したとは思えない、プロ顔負けのできばえです。それを無償公開した上、二次加工も許可してくれています。凄い、すばらしい、といった言葉だけでは言い尽くせない凄さがそこにあります。私は、このサイトを立ち上げた丈さんからメールをいただいて知ることができました。私のサイト「源氏物語の世界 再編集版」では、本文の朗読を今後の課題にも挙げていたですが、分量の多さになかなか手が出せず、半分、あきらめかけていただけに、渡りに船の感があり、このサイトを知ったときの感激はひとしおでした。私のサイトの次の最大の課題は、これを再編集版にうまく統合することになりそうです。この朗読を録音し、それを無償公開することを決意してくださった「婆」さんと、それをmp3に変換して公開する労を執ってくれた丈さんに、この場を借りて、深く感謝の意を表したいと思います。本当に、どうもありがとうございました。
2006年03月28日
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採択時に要求されたことは昨日の日記で述べた2点ですが、私は、さらに以下のことにも対応したいと考えています。(3)注釈の一般化現在の再編集版には、注釈、出典、校訂という3種類の似通ったデータがあります。元々、古典の世界では、このような整理の仕方が一般的であり、渋谷教授も、それに倣って整理したため、このようになっているものと思いますが、再編集プログラムで扱う上では、この3者は一般化して同様に扱うことができそうです。すなわち、注釈はフリーフォーマットで、どのようなことでも書けますが、出典と校訂は記述フォーマットと意味が決まっているという点が違うだけです。どちらも、本文中の一部のテキストと、注釈・出典・校訂などを記述したテキストとの対応表であるという点で同じものとして扱えます。また、今、私は再編集版の今後の課題として「本文中で使用される「女」「宮」などの呼称が具体的に誰を指すのかを調べてポップアップ表示する」を挙げていますが、これも、本文中の一部のテキスト(呼称)と登場人物情報を記述したテキストとの対応表であるという点で同じものとして扱えそうです。他に違いがあるとすると、注釈・出典・校訂は1:1対応になることが多いのですが、これは基本的に多:1対応になるという点です。しかし、これも本質的な違いではありません。注釈・出典・校訂を1:1対応に限定しているのは再編集版の制限事項です。意味的には1:1対応でも、2行以上にまたがる注釈・出典・校訂は2:1対応~多:1対応で扱う必要がありますが、再編集版ではこれを端折っています。たとえば、和歌に対する注釈は上の句と下の句の2行にまたがって注釈が付いていますが、現在はどちらか1行だけからしか注釈へのリンクを張っていません。この結果、リンク元の文字列と注釈の見出し文字列が一致しなくなるなどの弊害が生じています。これは、多:1対応を許可するように制限を解除すれば、解決できます。そこで、私は、コメントという概念を定義して、この本文中の一部のテキストと何かの情報を記述したテキストとの対応表を一般化しようと考えています。(英語のcommentには、やや批判的なニュアンスも込められているそうですが、類語のnoteやannotationより私にはシックリくる感じがするので、「コメント」にします)そして、誰かが新しい注釈をつけた場合(上記(2)関連)、その注釈が渋谷教授の注釈と渾然一体となって扱われるのではなく、まったく別物として扱うようにします。すなわち、現在の(渋谷教授による)現代語訳と与謝野晶子訳がまったく別物として扱われているのと同じように、「誰それによる注釈」として、(渋谷教授による)注釈とは区別して扱います。現在も注釈と出典は区別して扱われていますが、その差はあまり顕著ではありません。しかし、(渋谷教授による)注釈と「誰それによる注釈」の差はもっと顕著に現れるように工夫するつもりです。(これらの実現方法は、他の実現方法の説明と合わせて、別の機会に説明します)(4)挿絵の拡充とマルチメディアデータへの対応現在の再編集版にも江戸時代の絵入源氏物語からとった挿絵が入っています。http://genji.nce.buttobi.net/?target=combined01.1.2.html#line1.2.1元々は渋谷教授のサイト「源氏物語の世界」のローマ字版で使われていた挿絵です。http://www.sainet.or.jp/~eshibuya/roman01.html#in12同じ挿絵は、ユネスコの源氏物語の紹介サイトでも使われています。http://webworld.unesco.org/genji/jp/part_1/1-1.shtmlこちらは挿絵がメインで、それに簡単な解説を付ける事で源氏物語のあらすじを紹介しています。挿絵が全部で238枚もあると、これだけでも、相当に読みでのある、分かりやすい読み物になっています。私は、この挿絵についても、以下のような改善ができたらいいなと考えています。新たな挿絵の追加現在の挿絵のカラー化(塗り絵)挿絵の解説の追加さらに、挿絵だけでなく、以下のようなマルチメディアデータにも対応できたらいいなと考えています。動画・音声データ何か楽器を演奏するシーンでは その楽器の音が、演奏曲目が分かっている場合には その曲が聞きたくなります。また、舞を踊っているシーンでは その舞が見たくなりますし、蛍が袋から一斉に放たれたシーンでは、その群舞する蛍を見たくなります。これらは一例ですが、このようなものを収録した動画・音声データが適切なところにあれば、源氏物語の鑑賞効果は飛躍的に高まるのではないでしょうか。映画やドラマに収録されるような高品位なものは望みません。特定の1シーンに対応しただけのような断片的なものであっても、あるいは、高校・大学等のサークルで素人が収録したようなものであっても、それが適切なところに挿入されていれば、源氏物語の鑑賞には大いに役立つだろうと思います。本文の朗読瀬戸内寂長さんの現代語訳が出版されてから、その現代語訳の朗読やオーディオドラマなどは意外に多く出回っているようです。しかし、本文の朗読はきわめて少ないようです。いまどき、古典の本文の朗読を聞くだけで内容が分かる人は、専門に研究している人を除くとほとんどいないだろうとは思いますが、私のような素人でも、活字化された本文を目で追いながら朗読を聴くと、以外に得るところがあります。私が渋谷教授主催の輪読会「むらさきの会」に初めて出席したとき、渋谷教授による朗読を聞かせていただくことができたのですが、私にとっては古典の朗読を聞くのは初めてだったため、意外に大きなカルチャーショックを受けました。そのときの感想は2004年9月16日の日記に書きましたので、参考にしてください。この頃から、再編集版に朗読を持ち込んだらどうだろうという思いが出てきました。古写本を写真に撮った画像データ京都大学電子図書館では源氏物語54帖中の52帖について源氏物語の古写本を写真に撮った画像データを一般公開してくれています。http://ddb.libnet.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/genji/gmfrcont.htmまた、jooxさんが楽天広場のホームページで江戸時代初期(1650年)に刊行された源氏物語を写真に撮った画像データを一般公開してくれています。私には、これらは、まだ、ほとんど読めないのですが、それだけに、これらが読めるようになったらいいなと思うことがあります。幸い、源氏物語は鎌倉時代の藤原定家の写本をベースにしたものが多いので、底本が違っても、比較的良く一致することが多いそうです。実際、jooxさんのホームページの解説を渋谷教授が校訂した本文と付き合わせてみると、底本は違うのに非常によく一致しています。そこで、これらの画像データが、渋谷教授が校訂した本文ではどの部分に当たるのか、その対応がとられていると、私のような、これから勉強して読めるようになりたいと思う人には大変役立つと思います。現状では、京都大学のページより、jooxさんのページの方が、この目的には役立ちます。古写本から1ページずつ取り出して、その中の一節を読み下してくれるので、それを頼りに、そのページが渋谷教授の本文のどこに対応しているのかを割り出すことができるからです。しかし、京都大学には、せっかく、54帖中52帖分もの古写本のデータが揃っているので、以下のいずれかの対応が取れていると便利だろうなと思います。・古写本の画像一枚分(見開き2ページ)が、渋谷教授の本文のどの部分に対応するか、または、・渋谷教授が整理した目次の各章・段が、古写本のどの部分に対応するか。もちろん、以上のようなコンテンツ(挿絵、動画、音声、朗読、古写本)を私が一人で整備することは、能力的にも体力的にもきわめて困難です。しかし、(1)(2)と同じで、このようなコンテンツの整備はボランティアによる協力者を募って行い、私は、これらを可能にする仕掛けを整備するというのであれば可能性があります。私は、このうちの挿絵、動画、音声については、(3)で述べたコメントの考え方をさらに拡張することで対応できそうだと考えています。古写本の画像一枚ごとに本文に対応させる場合も、古写本の画像を挿絵に準じて扱うことで、同様に対応できそうです。反面、本文の朗読と、目次の各章・段ごとに古写本に対応させる場合は、少々難しい問題を含んでおり、まだ実現方法の見通しが立っていません。今回は、採択されたといっても金額が1.3M\と小さいため、本格的な開発作業を行うことは困難です。そこで、今回は、以下の中心に開発したいと考えています。(a)sourceforge.jpの活用sourceforge.jpに共同開発プロジェクトとして「源氏物語の鑑賞支援ツール」を登録しました。現在は、まだ、源氏物語の世界 再編集版の一括ダウンロード用のファイルをアップしているだけですが、近いうちに(1)で述べている共同開発環境として整備するつもりです。なお、共同開発環境としては、専用のWebアプリケーションを開発することが理想ですが、今回の採択条件では、それだけの費用を捻出できないので、本来なら専用Webアプリが行うことも、協力者がsourceforge.jpの機能を利用して手作業で行ってもらうことを考えています。(b)注釈の高度な一般化反面、(2)(3)および(4)のうち挿絵、動画、音声、古写本(画像一枚ごとに本文に対応させる場合)については、今回できるだけ対応したいと考えています。sourceforge.jpにも、再編集版の第三サイトのようなものを構築し、協力者がsourceforge.jpで手操作で情報をアップすれば、それが自動的に第三サイトに反映されるところまで持っていけたらいいなと考えています。その実現方法は、ある程度見えてきたので、他の実現方法の説明と合わせて、別の機会に説明したいと考えています。ただ、sourceforge.jpの容量制限(100MB)が大きな問題になるかも知れません。(現在、第二サイトは145MB)
2005年01月16日
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源氏物語の鑑賞に役立ちそうなツールを開発・整備しようという企画が、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の未踏ソフトウェア創造事業に採択されました。その開発のベースは、私のサイト「源氏物語の世界 再編集版」(以下、単に再編集版と呼びます)です。昨年末にすでにIPAから発表されているので、ご存知の方もいるかと思いますが、KNOPPIX関係では須崎さんが一昨年度から採択されているあのIPAの未踏ソフト事業です。今年度の第2回の公募に応募したところ、採択されました。http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/2004mito2/koubokekka.html (一番下の方に載っています)といっても、採択された内容は、私の初期の提案内容からはずいぶん変わってしまいました。最初は、再編集版の今後の課題で述べているようなコンテンツ整備を少しでも早く実現するために財政的に支援してもらえないだろうかと思って提案しました。だから女房が仕事(パート)をやめて、このコンテンツ整備に専念するというストーリーで応募しました。しかし、審査の終盤で面接していただいたときに言われたことは、私が提案したようなコンテンツの整備には資金援助できないということでした。それらは青空文庫でやっているような形でボランティアによる協力者を募って行うべきだというのです。そのための仕掛けの整備には、資金援助できるとのことで、その部分に限定して採択された結果、採択されたものは、かなり様子が変わってしまいました。その採択内容をまとめると、以下のようになります。IT革命の進展に伴い、デジタル技術や情報技術、ネットワーク技術を活用して、生活の質的向上を図ることが重要となっています。私は、最近、源氏物語に強く関心を抱くようになりましたが、この分野では、まだ、IT革命の恩恵を十分に活用しきれていないのが現状であると感じました。そこで、源氏物語の鑑賞に役立つ各種の情報を、IT技術を駆使して使いやすい形に整理し、さらに源氏物語に興味を持つ人たちの新たなコミュケーションツールにもなりうるソフトウェア「源氏物語の鑑賞支援ツール」を開発します。現在、源氏物語の本文、注釈、現代語訳などを使いやすい形に整理して公開するWebサイトとして、「源氏物語の世界 再編集版」があります。そのサイトでは、高千穂大学の渋谷教授がWebサイト「源氏物語の世界」で公開している源氏物語の本文、注釈、現代語訳などを読みやすい形式に再編集して公開しています。この再編集は、専用の再編集プログラムを作って行っていますが、現状では、渋谷教授の本文、注釈、現代語訳に特化しているため、柔軟性に欠けています。そこで、今回は、この再編集プログラムのデータ構造に着目し、それを整理・改善して、新たなコミュケーションツールに必要な柔軟性を獲得することを主目的とした開発を行います。また、このプロジェクトの賛同者を募り、複数の人間が参画して源氏物語の鑑賞に役立つ情報の整備を進めていくための環境も整備します。つまり、この採択に当たって、以下のようなことが求められたのです。(1)複数の人間が共同開発できる環境を整備すること。今の再編集版では、ライセンスはオープンソースになっているので、誰かがこれをベースに別のもの(仮に再々編集版)を構築することはできますが、それだけでは複数の人間が協力して同じ1つの再編集版を発展させていくことは難しいでしょう。そこで、あおぞら文庫や、Linuxなどのオープンソースプロジェクトのように、複数の人間が協力して再編集版を発展させていく仕掛けの確立が求められました。(2)新しい注釈や現代語訳を簡単に追加できるようにすること。今の再編集プログラムは、渋谷教授による本文、注釈、現代語訳、ローマ字版を、すべて入力して一括処理することにより、集約したHTMLページやツリービュー目次などを作成するようになっています。このため、別の協力者による注釈や現代語訳を追加しようとすると、そのたびに、再編集プログラムをいじる必要が生じてしまいます。たとえば、今、新たな現代語訳として与謝野晶子訳を追加する作業が仕掛り中ですが、これとても、追加できるのは与謝野晶子訳だけであり、他の訳を追加することはできません。しかし、再編集プログラムを改造しないと、注釈をつけることも、現代語訳をアップすることもできないとすると、新たな協力者を募集する上では大きな障害になります。また、仮に、再編集プログラムの改造は済んだとしても、新しい注釈や現代語訳をアップするたびに、Linuxなどのオープンソースプロジェクトにありがちなリリース版の作成やWebサイトへの組み込みといった煩雑な手順を踏まないといけないとしたら、これも、複数の人間が共同開発する上では大きな障害になります。このような、煩雑な手順を省略して、新しい注釈や現代語訳をアップするだけで、再編集版に反映されるような、そんな仕掛けの構築が望まれます。==========以下、2005/1/16の日記につづく==========
2005年01月15日
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このページは、「こねこ」さんとのFAT32インストールに関するやり取りを保存するページに変更します。この一連のやり取りで話題になった、KNOPPIX-3.7用のminirootなどは、2005/3/28~2005/4/4にKNOPPIX実験室にアップしています。最近は、仕事も忙しくなることが多くなってきており、休日のみしか時間が取れない状態が続いていますが、その休日も、源氏物語関連のテーマをIPAの未踏プロジェクトで採択していただいて以来、そちらにかける時間の方が圧倒的に多くなっており、KNOPPIX関連にまで手が回らない状況になっております。掲示板に質問などを投稿していただいた方には、極力、応答したいと思っておりますが、応答は早くても週末、遅ければ数週間遅れになることが良くありますので、あしからず。メールだと、応答は多少早くなるかもしれませんが、SPAMメール対策でさまざまな着信拒否設定をしているので、無償メールアカウントなどでは着信しないことも良くあります。中には、yahooBBなど、とばっちりで着信しないものもあります。着信拒否の応答もせず、開封確認も返さない設定にしているので、着信したかどうかを知る手段もありません。あしからず。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年10月10日
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M Saitoさんから「ADTECの512MBのスティックを買ってきたのですが、なんとしても認識してくれませんでした。マザーボードのBIOS設定で、USB2.0の転送速度を480MBから12MBに落としたたら、認識してくれるようになりました。しかし、書き込みなどにものすごい時間がかかるので残念です。」というご質問を受け付けました。このページは、この質問で始まるスレッドに固定します。KNOPPIXでのUSBのサポート状況は以下のようになっています。モジュール機能産総研版KNOPPIXKNOPPIX実験室usb_uhciまたはuhci_hcdUSB 1.1(12Mbps)ドライバサポート済みサポート済みusb_ohciまたはohci_hcdUSB 2.0ポート用のUSB 1.1互換モードドライバサポート済みサポート済みehci_hcdUSB 2.0(480Mbps)ドライバKNOPPIX 3.6からブートオプションに「usb2」を指定すると使えるようになった。KNOPPIX 3.4以降は、無条件につかえるようにした。KNOPPIX 3.3までは、ブートオプションに「usb2.0」を指定すると使えるようになっていた。したがって、KNOPPIX 3.6を使っているのであれば、ブートオプションに「usb2」を指定すると使えるようになるかも知れません。しかし、「なんとしても認識してくれませんでした」ということなので、usb_ohciでも認識されなかったということも考えられ、まだ、マザーボード側のUSB 2.0インタフェースチップが未サポートである可能性が高いと思います。その場合は、USBマウスやUSB HDDなど、他のUSBデバイスも使えくなります。すでにメジャーなUSB 2.0インタフェースはかなりサポートされてきているようですが、最近は原価低減のためにマイナーなUSB 2.0インタフェースを使用しているマザーボードも多くなってきており、Linuxのサポートが間に合っていないものと思います。サポートされるまで数年待つか、またはAdaptec等の増設USB 2.0カードのご利用を推奨します。私自身は、usb_ohciではサポートされているが、usb_ehciではサポートされていないものに出会ったことがあります。せっかくのUSB 2.0 HDDにもUSB 1.1でアクセスされるので、かなりイライラものだった覚えがあります。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年10月07日
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1年前、ある人から、パソコンをもらった。起動しなくなったので捨てて買い換えようと思っているのだが、その前に使えるか試してみないか、使えるようならくれるというのである。試してみたところ、私のところでは不思議と問題なく使えてしまった。そのパソコンが、1年経って起動しなくなった。いや、まったく起動しないのではない。いろいろと条件があって、不思議な動作をするのである。Windows 2000やWindows XPだとインストールは成功するが、インストール終了後、ブート途中でハングアップしてしまう。Windows 98だとインストールもブートも成功する。しかし、使い始めて数分後にはハングアップしてしまうのだ。KNOPPIXだと、CDブートとFAT32ブートで問題なく安定して使える。しかし、継続的ホームディレクトリを併用すると、やはり、使い始めて数十分後にはハングアップしてしまう。私がKNOPPIX実験室で提供しているminirt24.gzだと、継続的ホームディレクトリの圧縮イメージ(knoppix.img.bz2)をRAMディスクに解凍してマウントする機能も持っており、これだと、問題なく安定して使える。あと、電源投入後、数時間たって暖かくなってくると、どのOSでも、問題なく起動するようになる。このパソコンはceleron 600MHzでWindows 98SEモデルの、今となっては少々古いパソコンだが、自宅のパソコンは、もっと古いパソコンばかりだったため、このパソコンを自宅のメインパソコンにするべく、手持ちの一番新しいHDDを投入した。もらったとき、HDDはバックアップのため抜かれていたので、そうしたのだが、これが効を奏して問題なく使えるようになったようだった。だから、これまでは、もとのHDDが劣化して使えなくなったのかなと思っていたのだが、どうも、そうではない可能性が出てきた。上に述べた現象を総合して考えると、今回起動しなくなったのも、HDDの劣化が原因と思える。しかし、他のHDDに交換すると、症状はもっとひどくなる。もっとも、他のHDDはもっと古いので、より激しく劣化しているのかもしれないが、別のパソコンでは問題なく元気に使えているHDDである。どうもHDDの問題ではないかもしれない。かといって、各WindowsやKNOPPIXに共通に現象が現れるので、ソフトウェアの問題でもなさそうである。いま疑っているのは、IDE HDDインタフェースに何か欠陥があるのではないかということ。HDDが劣化して応答が遅くなってくると、タイミングが合わなくなるような欠陥があるのではないだろうか。そう考えると、1年前に起動しなくなったことも、今回起動しなくなったことも、別のより古いHDDに交換すると症状がひどくなることも、うまく説明できる。とすると、この欠陥の対策は困難だが、別の新しいHDDを買えば、しばらくは、このパソコンを使いつづけられる可能性がある。今、これを潮時に新しいパソコンを買うべきか、新しいHDDを買ってこのパソコンの延命を試みるか、思案中である。
2004年10月06日
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けちょさんから「CD無しで起動できるようになったものの,その動作があまりに遅く,たとえばターミナルだけを呼び出しても,立ち上げ完了するまで1分ほどかかってしまいます」というご質問を受け付けました。このページは、この質問で始まるスレッドに固定します。私も、似たような現象を経験したことがあります。仕事でLive Linux2やRed Hat Linux 7.3を使っていた頃のことなのですが、普段、Celeron 400MHzの実験機に接続して使っていたHDDを、新しいCeleron 1.3GHzのマシンにつないだ時のことでした。Windowsからは問題なく、そのHDDにアクセスできるのですが、Linuxだと、アクセスが極端に遅くなるのです。dmesg(カーネルのメッセージログを表示するコマンド。ここでは、それを実行して表示された内容)を読んでみると、入出力アクション(たぶんDMA)の完了を知らせる割り込みが捕捉出来なかった旨のエラーメッセージが何回か出た後、DMAをdisableされていました。時間がかかっていたのは、disableされるまでのリトライに時間がかかっていたことと、disable後はPIO転送になるため、遅かったのです。PIO転送で遅くなる理由は、転送速度が最大16MB/秒になる。このHDDはATA-66をサポートしていたため、DMA転送なら最大64MB/秒になる。連続したブロックへのアクセスでも、転送速度がディスク回転速度に追い着かないと、1回転の回転待ちが入る。入出力処理中はCPUが占有される。CPU利用率低下。などです。なぜ、エラーになるのか、不思議に思い、hdparmコマンドを実行してみると、UDMA5の転送モードが使用されていることが分かりました。UDMA5はATA-100の転送モードなのですが、このHDDはATA-66のHDDでした。原因はhdparm -iコマンドの表示を見て分かったのですが、HDDがUDMA5をサポートしているような応答を返すのです。確かUMDA4に「*」が付いていてUMDA4(ATA-66)推奨になっていたと思うのですが(うろおぼえ)、Linuxは最高性能になるはずのUDMA5を使ってエラーになっていたのです。たぶん、Windowsは最初からUDMA4を使っていたから問題なくアクセスできていたのだと思います。Linuxではhdparmコマンドを使ってHDDアクセス方法をきめ細かく指定できるので、ブート時に「hdparm -d1 -X68 /dev/hdc」コマンドを実行してUDMA4を使うように設定したところ、問題なくアクセスできるようになりました。Celeron 400MHzのマシンで問題なかったのは、そのマシンのIDEインタフェースがUDMA2までしか知らなかったからなのですね。UDMA2もATA-66の転送モードの一つなので、それで問題なくアクセスできていたのでした。このときは仕事だったため、問題のHDDと問題のパソコンは同型のものを数台ずつ持っていたのですが、どれも同じ現象でした。今回の件も、IDE HDDのDMA転送がらみの問題である可能性が高いと思うので、以下のことを試してみてはいかがでしょうか。(1)「hdparm -d1 -X62」コマンドなどで色々な転送モードを設定し、「hdparm -t」コマンドでベンチマークして、一番速くアクセスできるモードを探す。(2)ブートオプションに「nodma」を指定して、DMA転送を使用せずにKNOPPIXを起動する。(3)「KNOPPIXの設定を保存」で作られるknoppix.shに、(1)で見つけたモードに設定するhdparmコマンドを追加する。もし、DMA転送の問題なら、この方法で対策できると思います。幸運を祈ります。参考のために、私のマシンで測定した結果を下表に載せます。といっても、私のメインマシンは調子悪くて、KNOPPIXも立ち上がらなくなってしまったので、古いノートパソコンで測定しました。富士通 FMV-BIBLO NU15というもので、MMX Pentium 150MHzのマシンです。メモリは96MBに増設、HDDは5GBの比較的新しいものに交換してあります。このため、HDDはudma5(ATA-100)までサポートしていますが、IDEインタフェースが古いのでudma3/4/5は使えず、デフォルトのdmaモードはmdma2になっていました。つまり、デフォルトではudma(Ultra DMA)は使ってくれないようです。hdparmで指定すれば、udma2まで使えそうです。ただし、このマシン、KNOPPIX 3.4/3.6ではX Windowが起動しなくなってしまったようなので、「knoppix-txt 2」でCDブートして測定しました。(KNOPPIX 3.1/3.2の頃は、「knoppix-txt screen=800x600」で起動できていたのに、なぜ、起動できなくなってしまったのだろう)アクセスモードhdparmコマンド転送速度pio4(16bitアクセス)hdparm -c0 -d0 -X125.06MB/秒pio4(32bitアクセス)hdparm -c1 -d0 -X128.55MB/秒mdma2hdparm -d1 -X3413.29MB/秒udma2hdparm -d1 -X6616.77MB/秒なお、転送モードと-Xパラメータの指定値の関係は下表のようです。転送モードhdparmコマンドpio0~4(16bitアクセス)hdparm -c0 -d0 -X8~12pio0~4(32bitアクセス)hdparm -c1 -d0 -X8~12mdma0~2hdparm -d1 -X32~34udma0~5hdparm -d1 -X64~69過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年09月26日
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debbyさんから「我がPCの無線LANが反応(認識)されていません」というご質問を受け付けました。このページは、この質問で始まるスレッドに固定します。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年09月21日
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高千穂大学の渋谷教授が主催する源氏物語の講読会なのですが、毎週木曜日(しかも祝日を除く)に開催されるため、行きたいと思っても仕事を持っている身ではなかなか行けませんでした。しかし、この9・10月なら何回かは行けそうなメドがたったので、行ってみたものです。行ってみると、やはり、ご婦人方が多いですね。すでに子育てを終えたか一段落しているような世代から私の母よりは少し若いくらいの世代のご婦人方でしょうか。男の方は、先生と私の他には、既に現役を退かれていると思われる年配の方が一人いらっしゃっただけでした。開催場所は我が家よりも両親の家のほうが近いので、昨夜は両親の家に泊まったのですが、母に源氏物語の講義を聴きに行くといったら、母が私の高校時代の参考書を出してくれました。母も近所の源氏物語の講座に登録して時々聞きに行くのだそうですが、その関係で見つけたもののようです。若紫の一節だけ多数の書き込みがあり、期末テストか何かで勉強したようですが、もう、完璧に忘れていました。今回は、そのとき以来、数十年ぶりに古典の講義を聴いたことになります(大学は理工系に進んだので古典はありませんでした)。しかし、高校の頃の講義を思い出すと、退屈な講義だったように思うのですが、今日の渋谷教授の講義は、退屈しないようにいろいろな話題を織り交ぜたり脱線しながら話をしてくれたので面白かったです。その分、購読のペースは落ちるのですが、学校の講義のようにノルマがあるわけではないので、それも良いのではないでしょうか。この会は昭和55年から続いているそうですが、それだけ長く続いた理由の1つは、この辺にあるのかもしれませんね。今日、購読したところは、第47帖 総角の第4章第3段でした。匂宮が薫の手引きで夜更けにお忍びで宇治を訪れる場面です。宇治10帖も、ちょうどこのあたりから込み入ってきて面白くなってくるところなので、初参加のタイミングとしては意外に良いタイミングだったかもしれません。実はこの初参加記念に、第47帖 総角について以下のことをしてみました。・与謝野晶子訳も本文と対照して読めるようにする。・本文中で使用される「宮」「君」などの呼称が具体的に誰を指すのかを調べる。どちらも、第5帖若紫や第4条夕顔までで止まっていましたが、むらさきの会での購読中に何か役立つかもしれないと思って、特別にやってみたものです。これらはまだアップしていませんが、数日中にはアップするつもりです。しかし、いざ行ってみると、準備していたことは何も言い出せずじまいでした。いや、先生は、私のサイトを紹介してくれたり、先生のインターネットに対する見方などを披露してくれたりして私を持ち上げてくださったのですが、そこで私に振られたとたん、私の方は頭が真っ白になって、何も言えなくなってしまったのです。しかも2度も。情けない限りでした。この購読で使っているテキストは、室町時代の写本を原形のまま写真複製した影印本なのですが、私はくずし字がいまだに読めないので、もっぱら、再編集版の該当箇所を印刷したものを持ち込み、それを読んでいました。この会では、参考資料として、渋谷教授がインターネットに公開している「源氏物語の世界」のオリジナル版のテキストを縦書きに変換したものを使っていました。古典の世界はやはり縦書きなのですね。インターネットに横書きで公開しているのは、インターネットエクスプローラがいまだに縦書きをサポートしてくれないからなのでしょう。そういえばykhnmyさん(楽天ぱんだpandaパンダさんのもうひとつのペンネーム)のサイト「私説・源氏語り」では、苦労して縦書きに変換したものも公開されています。私には横書きの方が読みやすいので、私説・源氏語りは横書きのページで読ませていただきました。しかし、もし縦書きのビジネス文書なぞというものを見たら私は相当な違和感を覚えるでしょうが、おそらくそれと同じくらい、古典をやる人にとって横書きは違和感を覚えるのでしょうね。そう思うと私の悪い癖で、つい、再編集版で縦書きをサポートする方法に思いを馳せていました。その間は先生の講義も上の空で聞いていなかったような・・・(すみません)でも、どうやればできるかというイメージはまとまりました。HTML形式やHTMLヘルプ形式の再編集版ではIEが縦書きをサポートしてくれないので実現困難ですが、CSV形式なら2つのアプローチがありそうです。(アプローチ1)WordのVBAで全文検索機能を書き、結果をWordの差込印刷機能を使って、縦書きのWord文書を生成する。(アプローチ2)全文検索プログラムでXML形式のWord文書を直接生成し、自動的にWordを起動して表示させる。アプローチ2の方が処理は高速になりますが、プログラムは大きくなり、しかもWord 2002以降が前提になります。操作性もアプローチ2の方がよさそうに見えますが、アプローチ1でも似たような操作性にすることはできます。WSH(Windows Scripting Host)でWordがサポートされているので、WSHで全文検索し、Wordを起動して結果を差込印刷するのです。どちらも、全文検索プログラム上では、「検索結果をWordで縦書き表示する」というチェックボックスをチェックするだけで実行できるようになります。しかし、どちらにしても、趣味でやっている現状だと、そこまでの時間を避けそうも無いですね。結局、新しい今後の課題が1つ増えただけかもしれません。今後の課題というと他にも思うことがありました。今日の予定範囲だった第47帖 総角の第4章第3段を先生に朗読していただけたのですが、そこで初めて「御(オーン)」の読み方が分かりました。渋谷教授はローマ字版で「ohom-」と表現していらっしゃいますし、ykhnmyさんも私説・源氏語りの最初の方で「いづれの御時にか、おほんとき、オーントキ、と強めて読む」と言ってらしたのでなんとなく分かったつもりでいたのですが、実際に聞いてみると、「オーン」のところを少しトーンをあげてややゆっくり目に読んでおり、ああそうなのか、そう読むのかと、ようやく分かりました。ただ、今、この日記を書きながら、ふと疑問に思ったのですが、「御文(オーンふみ)(4.3.1行)」や「御(オーン)ありさま(4.3.4行)」「御宿世(オーンすくせ)(4.3.4行)」は「オーン」と読むのに、「御心(みこころ)(4.3.5行)」は「み」と読むのはなぜでしょう。御文は匂宮からの文だからいいとしても、他は大君のありさまや宿世や心です。老女房にとって主人の大君には敬語で話す必要があったから「オーン」となったけど、この物語の語り部(紫式部)には主従関係は無いので、そう読むのだろうかと勝手に想像していますが、本当のところはなぜなのでしょうか。ところで、私のような初心者には、一度、このような朗読を聞いてみたほうが良いようです。そういえば、ykhnmyさんも私説・源氏語りの最初の方で「聞きながら場面を想像する、よんでもらう音読」が良いと言っています。対象は私のような初心者ではなくて、古典の朗読を聞くだけで情景を思い浮かべることのできる、もう少し上級の人たちですね。それに渋谷教授も今日の講義の中で、源氏物語は女房が中宮彰子に読んで聞かせることを想定して書いているから、耳で聞いただけでも理解しやすいように書かれていると言ってらしたように思います。このように、本文の朗読が初心者だけでなく上級者にも役立つというのであれば、再編集版に朗読を持ち込んだらどうだろうという思いが出てきます。実はこの思いはずいぶん前からあって、ローマ字版があるなら、これを音声合成ソフトに入力して朗読させたらどうだろうと思ったのが最初です。Windows XPにはTTS 3000という音声合成ソフトがおまけでついているので、あれが使えるかもしれないと思ったのです。でも、そんなことをしても、本当に役立つのだろうかという思いの方が大きく、結局、何もせずじまいでした。今回の「御」の読み方にしたって、先生に朗読していただけたから分かったのであって、TTS 3000に朗読させたって分かりっこありませんから。しかし、人間が朗読するとなると、全54帖すべて揃えるのは、かなり大きな作業量になり、趣味でできるような代物ではなくなってしまいます。もっとも、どこか1帖だけくらいなら何とかなるかもしれないので、一応、これも、新しい今後の課題に挙げておくことにします。他にも、感じたことがいくつかあったのですが、それらは、またの機会に書きます。次回は、9月30日だそうです。たぶん、次回も行くでしょう。2004/9/22 恥ずかしい誤記があったので、修正しました。
2004年09月16日
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エムラさんからwin2000にknoppix_v3.4のisoを入れ、"bootfrom"オプションで起動させてましたが、v3.6のisoに代えたら上手く起動出来なくなりましたというご質問を受け付けました。このページは、この質問で始まるスレッドに固定します。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年09月06日
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実験くんさんから、/home/knoppixに自作のプログラムやフォルダを書き込んだKNOPPIXのカスタマイズCDの作成方法を教えてほしいというご質問を受け付けました。このページは、この質問で始まるスレッドに固定します。継続的ホームディレクトリを活用したカスタマイズCDの作成方法(1) Howto1-1に従ってFAT32ブート環境を構築します。(2)継続的ホームディレクトリを/cdrom(SystemDisk)に作成します。そのパス名は/cdrom/knoppix/ja/knoppix.imgになります。なお、産総研版KNOPPIXで作成した継続的ホームディレクトリは使えません。必ず、KNOPPIX実験室のminirt2x.gz/miniroot.gzを使ってブートしたKNOPPIXで継続的ホームディレクトリを作成して下さい。産総研版KNOPPIXでは、/cdromには継続的ホームディレクトリは作れない上に、作成した継続的ホームディレクトリはゴミの値が乱数になっていて圧縮できないためです。KNOPPIX実験室のminirt2x.gz/miniroot.gzを使ってブートした環境では、/cdromにも継続的ホームディレクトリを作れますし、作成した継続的ホームディレクトリは、ゴミの値がゼロになっているため、効率良く圧縮できます。(3)継続的ホームディレクトリを使用してFAT32ブートし、そこに、自作プログラムなどをインストールして下さい。(4)継続的ホームディレクトリを使用せずにFAT32ブートし、以下のコマンドを実行します。bzip2 /cdrom/knoppix/ja/knoppix.img(5)GRUBのmenu.lstファイルに1エントリ追加します。このエントリのブートオプションは、継続的ホームディレクトリを使用しないFAT32ブート用のオプションに「home=/cdrom/knoppix/ja/knoppix.img.bz2」を追加したものとします。(6)menu.lstに追加したGRUBエントリを使用してKNOPPIXを再起動します。これによって、/cdrom/knoppix/ja/knoppix.img.bz2は/tmp/knoppix.imgに解凍されて/home/knoppixにマウントされます。立ち上がったら、インストールした自作プログラムなどの動作を確認して下さい。(7)確認OKなら、FAT32パーティションの内容をCDROMに焼きます。その方法はHowto2-4を参照して下さい。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年09月03日
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落葉さんから、新しく購入したノートPCで「QTPartedが起動しません。」というご質問を受け付けました。このページは、この質問で始まるスレッドに固定します。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年08月22日
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関連する記事がCNET Japanに載ったので紹介します。「都道府県の行政情報システム、5年後には4割がオープン系に移行」:MRI調査行政情報化に関するアンケート調査結果報告そういえば、2004/7/22の日記で触れた「(1)大学や研究所などでの研究用」というのは、実は、このような行政系のシステムと分類した方が良いのかもしれません。少ない事例から類推しているので、どうとでも取れるのですが、要するに、利潤追求・原価低減が最優先の民間企業向けのシステムとは一線を画するシステム、決定の裏には、原価以外の別の思惑が見え隠れするシステムという意味です。あの日記のように、研究用と分類してしまうと、その思惑が良く分からなかったのですが、行政系という目で見ると、国内産業育成などの思惑が見えてきそうです。もっとも、その思惑の裏には、そんなきれいごとでは済まされない、もっとどろどろした何かがあるのかもしれませんが、私は直接タッチしたことが無いので良く分かりません。ただ、こちらを「(1)」で挙げて、民間企業向けのサーバ用途より上にあげたのは、良く分からないなりにも、こちらの方が将来有望だなという思いがあったからです。そこのところを、この記事は、うまく整理して予測してくれました。そうだったのか、そういうことだったのかと納得してしまいます。これを読んで思い出したのは、もうずいぶん前のことですが、学校に導入するパソコンのOSをTRONにしようという動きがありましたよね。アメリカからの外圧で中止になりましたが。あれも、大義名分は国内産業育成だったですよね。もっとも、あれは行きすぎで、アメリカさん、ありがとうという気持ちの方が強いのですが、今回の動きの方は、私としても、歓迎です。こういうところから、Linuxが浸透して需要が伸びてくれば、商用の一流のソフトのLinux版も出てくるでしょうし、そうすれば、WindowsとLinuxの競争で、両陣営の大発展を促し、最終的には、多くの企業が自由に参加できるLinux陣営の方が、多勢に無勢でWindows陣営を打ち負かすというストーリーも成り立ちそうな気がします。その場合、ネックになりそうなのは、やはりライセンス。はやく、GPLの抜本的な見直しをしてほしいですね。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年08月19日
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鬼龍さんからの「CDブートの時にはできていた『/etc/X11/XF86Config-4を書き換えてDepth=24に変更する』という操作が、Howto1-1(FAT32インストール)実施後できなくなってしまいました。」というご質問を受け付けました。このページは、この質問で始まるスレッドに固定します。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年08月18日
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掲示板で、Martyさんから、以下のような質問をいただきました。この日記は、その回答です。[質問]自宅ではノートPCでHDDレス+USBメモリ128+CD-ROM起動(XFCE)+VNCServerでWinXPから利用しているのですがこれもPoorマシンで良くフリーズします。ここで毎回rebootする際にそのマシンのrootsehellコンソールでVNCServerを起動させるのが面倒なのでinetdの方法や、runレベル登録など色々試したのですが残念ながらだめでした。既に1年近くこの状態で進まないのであきらめ、起動時にtelnetが上がればの手段に切替えたのですが、これまたtelnetを自動起動できる方法で詰まっています。本当に誰も相談できず、この場を借りて記させて頂きました。もし良かったらご教示のほどを・・・。[回答]VNCとtelnetdでは自動起動の仕方が違います。telnetdはHowto3-2で解説しているftpdと同様な方法で自動起動できるかもしれませんが、やったことが無いので何ともいえません。KNOPPIXでは、telnetよりsshを推奨しています。sshなら、KDEメニューから[KNOPPIX]->[Services]->[Start SSH Server]があります。使い方は「KNOPPIX "Start SSH Server"」でググると、いろいろ出てくるようです。VNCはsambaと同じ方法で自動起動できます。ただし、/etc/init.d/vncserverは自前で作成する必要があります。sambaの自動起動の方法はKNOPPIX実験室のHowto3-1で説明していますので、参考にしてください。実は、私も、昨年の5~6月頃にVNCを良く使っていました。このため、2003/6/24にKNOPPIX実験室を第0.1版として開設したときから数ヶ月間、VNCサーバの設定ファイルもアップしていました。しかし、560KBもある、KNOPPIX実験室としては巨大なファイルだったので、Webサイト容量不足で悩み始めた頃、真っ先に削除したファイルも、これだったように思います。このときアップしていたファイルを久々に使ってみたら、KNOPPIX-3.4-20040517-20040629版でも、使えますね。更新日付から見て、KNOPPIX-3.2-20030415-20030430版を使っていた頃に作ったものと思いますが、それが、まだ使えました。ただし、自動起動は使っていなかったので、自動起動用のファイル/etc/init.d/vncserverは使えないものが入っていました。このファイル、元々は2002年頃にLive Linux2で作ったものを移植したものなので、使わない自動起動用のファイルは、Live Linux2用のものが、そのまま、残っていました。そこで、KNOPPIX用の/etc/init.d/vncserverを作って差し替えました。あと、KNOPPIX 3.4でのVNCのログオフ・停止処理にも問題がありました。VNCをログオフ・停止したいのに、システムの方がログオフ・停止されてしまいます。VNCの方は、中途半端な状態になって、以後、使えなくなってしまいます。Martyさんのように、コンソールの代わりにVNCを使うのなら、かえって便利に使えるかもしれませんが。一応、/etc/init.d/vncserverを差し替えただけの設定ファイルをKNOPPIX実験室のHowto1-2にアップしましたので、試してみてください。FAT32インストール環境を構築(KNOPPIX実験室のHowto1-1参照)してあれば、これらのファイルを以下のパスに配置しておくだけで、VNCが自動起動されるようになります。/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/tbz.d/patchvnc-3.3.2r2.tbz/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/sh.d/patchAutoVNC.sh過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年08月12日
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HaruUraraさんからの『「ネットワークブートでKNOPPIXを起動できるものでしょうか?」発想の原点はハードディスクもCD-ROMも外せないか?というものです。』という質問を受け付けました。このページは、この質問で始まるスレッドに固定します。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年08月09日
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私は、時々、通常のcloopファイルのほかに、もうひとつcloopファイルをマウントできると便利なのになと思うことがあります。例えば、RAMディスクや継続的ホームディレクトリにいろんなファイルをインストールした後で、それらをcloopに固めておいて、必要に応じて、ボートオプションで選択してマウントできるようにしておくのです。例えば、あるときは、標準のcloopだけ、あるときは、Javaとeclipseをインストールしたcloopを追加、あるときは、Oracleをインストールしたcloopを追加、といった具合に使うのです。それなら、継続的ホームディレクトリを複数用意しておいて切り替えればいいと言われそうですが、cloopだと圧縮されていて、しかも圧縮したままマウントできるのが魅力です。特に、50MB程度に収まる場合は、標準のKNOPPIX CDからisolinuxとcloopだけをいただいてきて、それに追加のcloopをいれて、簡単にオリジナルCDの出来上がりとなります。(注)実際、現在のKNOPPIXには/dev/cloopの他に/dev/cloop1,2,3があったり、UML KNOPPIXを起動すると、/dev/cloop4が作られたりで、2つ目のcloopをマウントすることは不可能ではなさそうに見えます。第一、別々のcloopを指定して3つのUML KNOPPIXを起動できるということは、カーネルは都合4つのcloopを管理しているということになります。/proc/mountsなどを表示しても、それらは見当たらないのですが、これらは、どういう仕掛けで動いているのでしょうね。しかし、問題になるのは、そのcloopのマウント方法。以下のようなコマンドでマウントする必要があるのです。insmod -f cloop.o file=/path/to/the/cloop/filemount /dev/cloop -t iso9660 -o ro /KNOPPIXこのうち、insmodが曲者です。cloop.oのinsmodは、1回しかできないので、普通にやったら、cloopは1つしかマウントできないのです。UMLだと、仮想マシンを立ち上げた後で、仮想のカーネルに対してinsmodするので、仮想マシンごとに1つのcloopをマウントできるのです。しかし、仮想のカーネルだって、本当のカーネルとの仲を取り持つだけで、実際の処理は本当のカーネルが行うはずです。ならば、仮想のカーネルは、どのようにして本当のカーネルに対して、2つ目以降のcloopの存在を通知しているのでしょう。insmodでは通知できないので、何か別の方法で通知しているはずです。私も、その方法をいろいろと調べてみたのですが、結局、分からずじまいでした。産総研さんなら、UML KNOPPIXの開発を通じて、この辺のノウハウをお持ちのことと思いますが、それを公開してもらえないものだでしょうかネェ。とはいっても、こっちは趣味でやっているだけだし、代替案もいろいろ有りそうだし、ちょっと、「折り入ってお願いがあります」「教えてください」などと頼み込むのは気が引けますよね。せめて、このページで、ささやかにお願いすることにします。このページをご覧の方で、この辺のノウハウをお持ちの方、いらっしゃいましたら、是非、それをお教えいただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。(注)「それなら圧縮isofsも同じですよ、圧縮率はcloopよりは劣るみたいだけど、どのLinuxでも使える・・・」などといわれると弱いですが。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年08月05日
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先日は、Celeron 600MHzのマシンでのOracleの起動時間をメモリが320MBと384MBの場合について報告しましたが、今日は、Pentium IV 2.4GHz メモリ768MBのマシンで計ってみたので、報告します。(1)データベースとリスナーの起動 320MB(600MHz):2分43秒 384MB(600MHz):2分17秒 768MB(2.4GHz):1分06秒(2)Oracle 10g Database Controlの起動 320MB(600MHz):18分36秒 384MB(600MHz): 7分09秒 768MB(2.4GHz): 2分57秒(3)Oracle起動時間合計 320MB(600MHz):21分19秒 384MB(600MHz): 9分26秒 768MB(2.4GHz): 4分03秒十分な時間が無かったので、測定したのは起動時間と停止時間だけでしたが、やはり、大幅にスピードアップしています。停止時間の方は、近日、Celeron 600MHz メモリ384MBの条件でも測定してから報告します。なお、先日の日記では、メモリ768MBのマシンの性能について、> #なお、誤解の無いように言っておきますが、メモリ768MBというのは、Oracleサーバとしては下限に近い状態。決して、サクサク動くという印象はありません。上と同じ> 操作をしたら、たぶん、2~3分かかると思います。メモリを2~4GB積んで、ようやく、サクサク動くようになるのではないでしょうか。と書きましたが、これは、どうもWindows版の場合だけのようです。今日、Oracle 10g Database Controlを使ってみた印象では、Linux版の方が、Windows版より、体感できるほど早くなっている気がしました。測定したわけではないので、明確なことは言いにくいのですが、ログインには時間がかかるものの、その後の操作は、サクサク動いている感じがありました。軽い操作しかしなかったことの影響もあるのでしょうが、同じマシンのWindows上のOracleだと、もう少し遅かったような気がします。また、小さなデータベースを作成するバッチスクリプトを流してみた印象では、Windows版だと、sqlplusを呼び出すごとに、画面のスクロールが数秒間止まっていましたが、Linux版だと、最初は画面が止まっている時間が長かったものの、次第に時間が短縮され、最後は、ほんの1秒足らずの時間しか止まらないようになっていました。今回、この点からも、Linux版の方がWindows版より体感できるほど早いという印象を得ました。今日は楽天広場のメンテナンスで大幅な機能アップがあった関係で、かなりつながりにくい状態になっているようですね。私も、トップページの表示項目の設定だけやってみました。本当は他の設定もやってみたかったのですが、エラー(アクセス集中)になって設定できなかったためです。数日たてば沈静化するでしょうから、そのとき、再び新しい設定にトライしてみます。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年08月03日
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昨日の日記で> 今晩か明日、今度は自宅のマシン Celerom 600MHz 320MBでも起動できるか試してみようかと考えています。と書きましたが、320MBでも、起動はするものの、むちゃくちゃ遅くなり、とても使う気にはなれない状態でした。自宅の古いマシンにも1つだけ、64MBのDIMMが入っているものがあったので、これを取り出して、384MBに増設して実験を続けました。ちなみに、メモリが320MBと384MBでのOracleの起動時間は以下のようでした。(1)データベースとリスナーの起動 320MB:2分43秒 384MB:2分17秒(2)Oracle 10g Database Controlの起動 320MB:18分36秒 384MB: 7分09秒(3)Oracle起動時間合計 320MB:21分19秒 384MB: 9分26秒なお、インストールに使用したメモリ768MBのマシンでは、Oracle起動時間合計で3分程度だったと思います。あのマシンは、CPUもかなり早いですが、この場合は、CPUよりメモリの方が大きく効いていると思います。このあと、384MBの環境では、konquerorでOracle 10g Database Controlに接続して、サンプルユーザSCOTTのEMP表を表示するという操作をしてみましたが、10分程度かかりました。途中、Konquerorの設定誤りによるエラーがあり、設定を変更するという操作もしていますが、それを考慮したとしても、サクサク動く環境なら、1分程度で終わったはずの操作です。メモリ不足から、1つ1つの操作の反応が非常に遅く、ストレスを感じます。#なお、誤解の無いように言っておきますが、メモリ768MBというのは、Oracleサーバとしては下限に近い状態。決して、サクサク動くという印象はありません。上と同じ操作をしたら、たぶん、2~3分かかると思います。メモリを2~4GB積んで、ようやく、サクサク動くようになるのではないでしょうか。#Oracle 10g Database ControlはOracle 10gを管理するためのWebアプリになっています。今日は、テーマ「KNOPPIXについて」の設定を忘れている日記を2つほど見つけたので、その日記も、テーマを設定して再投稿しました。日記一覧に「new」と表示された日記がいくつもあるのは、そんな理由からです。これらの日記の内容は変わっていません。あしからず。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年08月01日
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メモリが384MBしかないマシンでも、Oracle 10g on KNOPPIXを起動できました。昨日、インストール成功したOracle 10g on KNOPPIXですが、その継続的ホームディレクトリファイルをUSB HDDのFAT32パーティションにコピーし、別のメモリが384MBしかないマシンにつないでFAT32ブートで起動したところ、うまく起動できたものです。このメモリ384MBのマシンでは、KNOPPIXのcloopファイルとスワップファイルは内蔵HDDのFAT32パーティションにインストールしてあり、いつでも、KNOPPIXをFAT32ブートできるようになっていました。ただ、KNOPPIXが、まだ、20040216-20040220版のままだったため、Oracle on KNOPPIX で使った最新版(20040517-20040629版)に入れ替えました。そして、起動時にブートオプション「home=scan myconf=scan」を指定して起動したところ、一発で、うまく起動しました。ただし、速度は超低速です。開発の初期段階などで少量のテストデータを格納できれば良いだけの時には使えますが、工程が進んでデータ量が増えてくるとつらいかもしれませんね。ちなみに、昨日、インストールに使用したマシンは、Pentium IV 2.4GHz 768MBのデスクトップマシンでしたが、起動に成功したマシンは、Celerom 1060MHz 384MBのノートマシンです。今晩か明日、今度は自宅のマシン Celerom 600MHz 320MBでも起動できるか試してみようかと考えています。320MBで起動できたら、インストールもできるか試してみたいですね。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年07月31日
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Oracle 10g(最新版)をKNOPPIX(産総研版の最新)にインストールできました。以前、2004年4月10日と11日の日記では、Oracle 8i 8.1.7をKNOPPIXにインストールを試みて失敗した旨を報告しました。そのときの日記では、「今度、Oracle 10gのLinux版の開発ライセンスを入手したら、メモリを512Mバイト以上積んだマシンを探してトライしてみることにします。」と書いていますが、開発ライセンスは5月連休前に入手できたものの、メモリを512Mバイト以上積んだマシンの手配ができず、そのまま忘れていました。しかし、最近、ようやく、512MBのメモリを拝借できたことと、6月末まで使っていた開発用サーバ(メモリは256MB)が、一時的に遊休状態になっていることから、これらを拝借して実験してみました。仕事とは直接関係しないので、少々風当たりは強かったのですが、成功すれば、上の日記で述べたようなメリットも得られることから、合間を見て実験してみました。その結果、意外に簡単にOracle 10gをKNOPPIXにインストールできました。詳細は、後日、KNOPPIX実験室で、Howto5-4としてアップしたいと考えていますが、とりあえず、ポイントだけ、下記に紹介します。参考にしてください。なお、この実験では、OTNの掲示板でのFedora coreへのインストールの議論を参考にさせていただきました。記(1)Oracleは継続的ホームディレクトリにインストールする。継続的ホームディレクトリは最大容量(2047MB)で作成する。それでも、データベースファイルは、この継続的ホームディレクトリには入りきらないので、別途、2047MBのext2ファイルを作ってループバックマウントする。したがって、これだけで、合計4GB。(2)スワップファイルは必ず必要なようだ。今回の実験では、メモリ768MBだったが、スワップファイルなしではエラーになる。私は、512MBのスワップファイルを用意した。(3)カーネルパラメータはマニュアルどおり、きちんと設定する必要がある。カーネルのリビルドは不要。/etc/sysctl.confを編集してブート時に/sbin/sysctl -pが実行されるようにすればよい。(4)Oracleのインストーラは、サポート対象Linuxかどうかを/etc/redhat-releaseでチェックしているので、これに、サポート対象のRed Hat Enterprise Linuxと同じ値を設定しておく。(5)Red HatとKNOPPIXのディレクトリ構成の違いを考慮してつじつまを合わせておく。 /bin/awk⇒/usr/bin/awk /etc/rc.d/init.d⇒/etc/init.d /etc/rc.d/rc?.d⇒/etc/rc?.d /opt⇒mkwritable要(6)ユーザoracleやoinstallなどの追加は不要。これらのユーザの代わりにユーザknoppixを使うようにする。(7)インストーラの起動は「/フルパス名/runInstaller -ignoreSysPrereqs」で起動する。初期データベースはインストール中には作成せず、後で、別途作成するようにする。インストール中、2回ほどリンクエラーが出たが、これは無視して続行を選んだら、インストールは成功した。その後も、特に問題なく仕えている。以上過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年07月30日
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2004/7/21の日記からのつづき。何かひとつ、Windowsに無い、すばらしい機能を持ったアプリがあれば、それを手がかりに、Linuxが浸透するということがあるかもしれませんが、現在、私には、そんなアプリの心当たりがありません。今、Linuxのアプリを紹介するときの殺し文句は、「XXXに匹敵する強力なアプリが無償で手に入ります」ですね。そんなとき、紹介されたアプリと引き合いに出されたWindowsアプリを比べてみると、ほとんどのケースで紹介されたアプリの方が見劣りします。メリットはオープンソースという点だけ。しかし、ビジネス的なメリットを追求するとき、Windowsアプリの相場は安いので、有償だといっても、ほとんど問題になりません。またソースが無くても、サポートがついていれば、その方がありがたがれます。結局、今のLinuxアプリは、オープンソースで良くぞここまで、という驚きと賞賛はありますが、それがトップではないために採用につながらないというのが実情だと思います。私は、いずれ、Linuxは、この状況を打破し、Windowsを超えるときがくると信じています。そのときには、状況は一変するでしょうね。いまのWindowsとLinuxの立場が逆転するだけでなく、オープンソースであることに端を発する非常に大きな変革があると考えています。そのひとつは、オープンソース=無償の関係が厳密には成立しなくなるだろうと考えていること。しかし、現在の有償ソフトの流通の枠組みとも違った、まったく新しい枠組みが出てくるだろうと考えています。これについては、また、いつか、別の機会に考えてみたいと思います。再び、現在のLinuxに戻りましょう。このようにLinuxにはビジネス的なメリットを見出しにくいのに、少量とはいえ、売れています。なぜでしょうか。それは以下のところに多いように思います。(1)大学や研究所などでの研究用(2)Webサーバ、DBサーバ、APサーバなどのサーバ用途数値的な根拠を持っているわけではないのですが、私の周りでは、このような用途での話を良く聞くのです。このうち、「(1)大学や研究所などでの研究用」については、私には良く分からないところが多いので、省略します。Linuxはサーバ用途に強い?これらのサーバはLinuxだから安いハードとオープンソースソフトを組み合わせて安く構成するのかというと、必ずしもそうではありません。中には、高価なハードウエア(マルチCPU、大容量メモリ、RAIDなど)に、高価なソフト(Oracle DB、商用J2EEサーバなど)と、サポートつきの高価なLinux(Red Hat Enterprise Linuxなど)を組み合わせて構成しているところも少なくありません。したがって価格的にも、Windowsで構成するのと比べて大差ありません。(SunなどのWSで構成するよりは安くなるようですが)高価なハードを採用するのは性能向上のため、高価なソフトを採用するのは信頼性を確保するため、ということである程度うなづけます。また、数ある安価なLinuxを退けて高価なLinuxを採用する理由も、これらのハード・ソフトが正式サポートするLinuxはそれしかないからということでうなづけます。では、なぜ、Linuxを採用するのでしょう。Windowsや他のUNIX系OSではなくてLinuxなのはなぜなのでしょう。実は、このようなサーバ用途では、OSは何でも良いのです。どのソフトも、Windows版、Linux版、Sun WS版の3つくらいは持っています。どのOSを選定するのかは、OSを選定する人の価値観にゆだねられます。私が最近関与したプロジェクトではWindowsを選定していました。理由は、どのOSでも同じなら、普段から使い慣れているWindowsの方が保守しやすいから、という理由でした。このプロジェクトのシステムでは、ネットワークが物理的に独立していて他のネットワークに接続しておらず、セキュリティ上の心配が無いことも大きな理由のひとつでしょう。これに対してインターネットに公開するWebサーバやAPサーバを構成する場合には、セキュリティ上の懸念からWindowsは嫌われることが多いようです。このような場合Windows以外なら何でも良いわけですが、SunなどのWSだと高くつくし、Linux以外のPC UNIXだとサポートされない場合が多いので、結局、Linuxに落ち着くことになるのでしょう。また、Oracle DBサーバの場合には、Linux版の方がWindows版より高速という積極的な理由があります。このため、Windowsのセキュリティ上の懸念と相まってOracle DBサーバでのLinuxのシェアはかなり高くなっているように思います。(ただし、現在の最新版(Oracle 10g)でもそうなのかどうかは未確認です。少なくとも過去の一時期はそうだったという程度にお考えください。)では、セキュリティ上の懸念からWindowsが嫌われるのはなぜなのでしょうか。IISでWebを公開すると集中攻撃にさらされることがあるので敬遠したいと考えるのはある程度分かりますが、WindowsでもApacheなどIIS以外のWebサーバをたてることはできます。おそらく、Webサーバに限らず、LinuxでできるサーバのほとんどはWindowsでもできるでしょう。OS以外のほとんどをLinuxとWindowsで同じように構成したとき、それでも、Windowsの方にセキュリティ上の懸念が残ると考えるのはなぜでしょうか。それは、Windowsでは不要な機能を削除したコンパクトなシステムを作りにくいというところからきていると私は考えています。Windowsをインストールすると、ほぼフルインストールに近い状態でインストールされ、インストール可否を選択できるのはごく一部の機能だけです。これに対して、Reh Hat Linuxなどをインストールしてみると分かりますが、インストールオプションは、かなり大胆に取捨選択できます。たとえば、必要なサーバソフトウェア以外は最小構成でインストールすることも可能です。この場合、X-Windowなどはインストールされず、サーバ機能以外では、コンソールログインしてコマンド操作することができるだけになってしまいます。この場合、OS以外のほとんどをLinuxとWindowsで同じように構成したとするなら、同じサーバソフトウェアには、同じセキュリティホールがあり、それによってワームに感染する確率も同程度と考えられますが、万一感染した後の対応が違います。Windowsだと、ほぼフルインストール状態で、しかも、強力な機能が多数インストールされているので、それらを使ってさまざまな悪さをできますが、Linuxで必要なサーバソフトウェア以外は最小構成でインストールしてあるなら、できる悪さは、おのずと限られてきてしまいます。したがって、サーバ用途に強いというのは、Linuxのビジネス的なメリットのひとつと言うこともできなくはありませんが、Windowsの致命的なデメリットに救われた格好になっており、いまひとつインパクトにかけるメリットのように私は感じています。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年07月22日
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掲示板で、くれどさんから、Linuxのビジネス的なメリットは何ですかという質問をいただきました。しかし、私は、考え込んでしまいました。「ビジネス的な」という点が問題だったのです。私が、今、Linuxに感じているメリットは、多分に趣味的だからです。Linuxのメリットは、やはり、オープンソースのOSという点でしょうか。オープンソースなので無償で手に入れることができますが、そこには、自己責任の原則と、ソース公開の原則がついて回ります。原則としてサポートはありません。メーリングリストなどで実質的なサポートを受けられることもありますが、あくまで、参加者の善意によるもので、的確なサポートが受けられる保障はどこにもありません。このようなLinuxでビジネスを展開しようとすると、以下のようになるでしょうか。(1)サポートを有償で提供する。無償で配布するが、サポートは有償という場合と、サポートつきのLinuxとして、有償で販売する場合とがあるようです。Red Hatなどのディストリビュータが追求しているメリットはこれです。(2)Linuxを使用したソリューションを有償で提供する。ディストリビュータでない人が追求すべきメリットはこれです。この場合、Linuxを使うことが、他のOS(特にWindows)を使う場合より、価格以外の面ではっきりしたメリットがないと成功しません。しかし、LinuxがWindowsより勝っているところは何でしょう。この点について私が感じているメリットが趣味的なのです。それは、以下のような点です。(a)ファイルシステムの構造が統一的に整理されていてプログラム的に扱いやすい。具体的には、ファイルもデバイスもが、単なるバイトの並びとして整理され、それらをディレクトリにマウントすれば、単一のディレクトリツリーで統一的に扱えることを指しているのですが、これがどんなメリットを生むのでしょう。考えようによっては、メリットより、デメリットの方が多いかもしれません。Windowsの世界では、USB HDDなどが出てくるまで、マウント・アンマウントという操作とは無縁でした。フロッピーディスクの様なものでさえ、挿入すればすぐに使用でき、アクセスランプが消えたら、いつでも取り外しができました。デバイスの操作方法は、各デバイスの特性に応じて適切な操作方法が決められていました。ですから、そのデバイスの種類(内蔵HDD、増設SCSI HDD、USB HDD、CDROM、フロッピーディスク、・・・)に応じて、操作方法が少しずつ違います。でも、それが自然な違いだったので、混乱はありませんでした。Windows 3.1の頃には、アクセスランプが消えてすぐに取り出すとフロッピーを壊すことがたまにあり、これが明確なアンマウント操作が無いことと引き換えに生じるデメリットだとも思っていましたが、Windows 95以降、その現象は減っています。最近はフロッピーの使用頻度が減っていることとあいまって、経験したことがありません。Linux(というよりUNIX)の世界では、この操作が統一されています。こういうとメリットのようにも聞こえますが、デバイスの種類とは無関係に、常に、USB HDDと同様なマウント・アンマウントの操作が要求されるのです。これは、Windowsの操作に慣れていると、煩雑に感じます。それでも、誤操作が生じないように保護されていればまだ良いのですが、フロッピーではメカ的にいつでも取り出せるようになっていて、もし、マウントしたまま、アンマウントを忘れて取り出してしまうと、フロッピーを壊してしまいます。最近は、マウント操作の煩雑さを少しでも軽減するためにオートマウントが使えるようにもなってきましたが、その名のとおり、マウントを自動で行ってくれるだけで、アンマウントは自動ではありません。アクセスランプが消えたからといって、フロッピーを取り出すと、壊してしまいます。これははっきりいってデメリットです。なぜメリットになるのでしょう。この点にメリットを感じられるのは、システムのバックアップ・リストアを行いたいときなどの、ごく限られた状況だと思います。Linuxではデバイスやパーティションもマウントしなければ、ファイルと同じ、ただのバイトの並びとして扱えるというメリットがあるのですが、これを活用できる状況は、おのずとバックアップ・リストアなどに限られてくるからです。Windowsの世界では、このようなことはできないので、Windowsをいったん終了させ、リブート処理のかなり早い段階で実行したり、それでもだめな場合は、MSDOSでリブートして実行したりします。しかし、Linuxの世界では、最初はルートファイルシステム以外は、どのデバイスやパーティションもマウントされていない状態です。KNOPPIXのような、CDブートLinuxでは、ルートファイルシステムでさえ、RAMディスクになっているため、事実上、すべてのデバイスがマウントされていないのと同じです。なので、KDEなどの普段使っている環境のまま、自然に、このような操作ができます。しかし、この点にビジネス的なメリットを見出すのは、状況が特殊なだけに、難しいかもしれませんね。1つだけ事例があります。ある顧客から20GBのHDDを丸ごとコピーするなどの機能を持ったツールの開発を受注したことがありました。IDEのセカンダリマスタにコピー元HDD、セカンダリスレーブにコピー先HDDをつないでおいてコピーするのです。Windowsの世界では、Drive Imageという有償のMSDOSアプリを使ってコピーすると確か50分程度(約400MB/分)かかったと思います。それが、linuxだと、わずか20分程度で終わってしまったのです。実に1GB/分のコピー速度。使ったのは、ddというLinuxの標準コマンドです。デメリットは、GUIでないことと、Drive Imageだと、プログレスバーでコピーの進行状況を判りやすく表示してくれますが、ddだと、進行状況はまったく報告してくれないことです。そこで、ddコマンドのソースをダウンロードしてきて、1%コピーするごとに進行状況メッセージを表示するような修正を入れ、これをラップするGUIツールを別途作ることで対処しました。単に量産のためにHDDをコピーするだけなら、別にもっと良いツールがあるようですが、そうではない、チョッと特殊な用途だったために、既存のツールが無く、そんなツール開発の要求が出てきたのでした。顧客も、最初はDrive Image並か、それに少し劣る程度の性能が出てくれればと思っていたようですが、予想外の高性能にびっくりしたようで、大好評でした。(b)コマンド体系がよく練れていて便利に使える。これってメリット?と思う人も多いでしょうね。現在、WindowsはGUI全盛。すでにGUIでできないことは何も無いのでは?と思える状況です。コマンドは玄人向けで普通に使う分には必要ありません。しかし、Linuxでは、まだGUIでできることは限られています。かなり多くなってきましたが、まだ、コマンド実行とテキスト編集を併用しないとできないことはたくさんあります。Windowsに慣れた、Linux初心者の目から見ると、はっきりいって、これはデメリットに見えるでしょうね。ところが、Linuxに慣れている人の多くは、このような状況に疑問や問題は感じていないと思います。Linuxでは、多くの場合、GUIで提供されるよりも多くの機能がコマンドでも提供されます。そして、コマンドの方が、Linuxの豊富なコマンドセットとあいまって、便利に使えることが多いのです。GUIはあっても初心者向けで、慣れてきたらコマンドを使ってね、というのが大方のLinuxユーザの思いではないでしょうか。Linuxのコマンドを使うには、ある程度のノウハウの習得が必要になりますが、ある程度使えるようになってくると、その奥の深さから、手放せなくなってきます。そうなってきて、ようやく、これがメリットだと感じられるようになると思います。しかし、仮に、これがメリットだと感じられるようになったとして、そこにビジネス的なメリットを見出せる人はどのくらい居るでしょうか。このメリットは、要するに、コマンドを組み合わせて新しいコマンドを作ろうとするときに便利に使えるツールがたくさんそろっていますよ、だから、簡単に作れますよといっているわけです。でも、それならWindowsにもあります。Visual BASIC、HTMLアプリケーション、Windows Scripting Host、・・・。コマンドの代わりにCOMコンポーネントを使うことが多いので、少々煩雑になりますが、できることはもっと強力かもしれません。現在、大方の顧客はWindowsを使っています。まだ、LinuxなどのUNIX系OSを使っている人は一握りに人たちだけです。この一握りに人たちを相手にするならともかく、結局は、大方のWindowsユーザを相手にすることの方が多いはず。今、ある顧客(Windowsユーザ)の要求を満たすソリューションがWindowsでもLinuxでも提供できるとした場合、Linuxによるソリューションを提案して勝ち目があるでしょうか。私は、いずれLinuxがWindowsを超える日が来ると信じていますが、その日はまだ当分先のように思います。LinuxとWindowsが競合してLinuxに勝ち目が出てくるのは、LinuxがWindowsに追い越した後ではないでしょうか。それまでの間、このようなメリットは、Linuxを愛する変わり者の趣味的なメリットであり続けそうに思います。(c)X-Window、KDE、その他各種Window Managerなども、役割がよく整理され、柔軟性に富んだ構造になっている。だからか、いろんなウィンドウマネージャが出回っていますよね。私が使ったことのあるウィンドウマネージャ(WM)だけでも、fvwm(Live Linux)、fvwm2(Live Linux2)、GNOME(Red Hat 7.3、Miracle Linux 1.1、2.0、2.1)、KDE(Red Hat 7.3、8.0、KNOPPIX 3.1~3.4)、ice-wm(KNOPPIX-RW)があります。WMが変わると、操作性がガラリと変わるので、まるで、違ったOSを使っているかのような錯覚を受けます。どのOSも大抵、2つ以上のWMをサポートしていますが、私は、そのOSの一番推奨するWMを使うことにしています。ただ、Red Hatだけは、GNOMEとKDEを両方ともインストールしてログイン時に切り替えて使えるようになっていたので、そのようにしました。このとき、GNOMEとKDEを比較評価し、私にはKDEの方が良く感じられたので、以来、私はKDE派です。ところで、この複数のWMを切り替えて使えるというのは、果たしてメリットなのでしょうか。これまでのWMの進化の歴史を振り返ってみると、このWMを切り替えて使える柔軟性が果たした役割は大きかったと思います。後発のGNOMEが他のWMを制して人気を博したのも、さらに後発のKDEがGNOMEに追いつき、追い越して現在の地位を得たのも、この柔軟性があったために実現したことでした。しかし、ユーザの立場から考えてみると、いろんなWMを切り替えて試してみたいと思うのはマニアックなユーザだけで、大方のユーザにとっては、一番操作性の良いWMがひとつあれば足ります。複数のWMを比較評価して自分にあったWMを探そうなんて興味が無いので面倒に感じるだけというのが普通でしょう。柔軟性があったからWM間の自由競争が促進され、結果としてKDEのような優秀なWMが輩出してきたというのは、間接的なメリットでしかありません。したがって、このメリットも、ビジネス的なメリットにはなりにくい状況です。このように、今のLinuxの状況では、そこにビジネス的なメリットを見出しにくい状況だと思います。以下、2004/7/22の日記につづく。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年07月21日
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(2004/6/24の日記から続く - 日記サイズ制限のために分割したものです。)1.CDROMのカスタマイズとFAT32インストール(2004/6/24の日記 参照)2.KNOPPIX実験室で提供するKNOPPIXのカスタマイズ手段KNOPPIX実験室では、KNOPPIXを簡単にカスタマイズするために以下のようなツールを提供しています。(1)mkwritable - cloopの中にある、一見、更新不可能に見えるファイルを更新するためのツール(2004/6/24の日記 参照)(2)linuxrc2 - cloopの中のファイルを書き換えるような設定を読み込む、KNOPPIX実験室独自のブートオプションこのオプションを指定すると、以下のファイルを追加・更新します。・/usr/sbin/mkwritable (追加)・/etc/init.d/knoppix-autoconfig (更新)・/usr/sbin/mkpersistenthome (更新)・/usr/sbin/mkdosswapfile (更新)・/usr/sbin/saveconfig (更新)これらのファイルにどのような修正を入れているのかについては、KNOPPIX実験室の実験1-1で説明しています。さらに、これらのファイルを追加・更新した後で、以下の処理も行われます。これが、KNOPPIXのカスタマイズには、かなり重宝すると思います。(a)/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/files.dディレクトリ配下のファイル・ディレクトリを、ルートディレクトリ配下にディレクトリ構造を保ってコピーされます。例えば、/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/files.d/etc/profile というファイルがあれば、/etc/profileにコピーされます。もし、コピー先のファイルがcloopの中のファイルなら、mkwritableで更新可能にしてからコピーされます。また、コピー先に無いフォルダやファイルは、新規作成されます。/cdromはFAT32ブートだと、FAT32パーティションにマウントされていることに注意してください。CDROMを焼きなおさなくても、FAT32パーティションにファイルを置いておくだけで、cloopの中のファイルを更新できるのです。便利な機能だと思いませんか?欠点は、(i)コピー先のパス名に英大文字が1文字でも入っていると、うまくいきません。(ii)シンボリックリンクや、ファイルモード、ユーザ・グループなど、FAT32に無い機能は使えません。しかし、この欠点を心得た上で使い道を探すと、意外に便利に使えます。(b)/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/sh.d/patch*.sh というスクリプトファイルがあれば、実行されます。複数あれば、それらはアルファベット順に、逐次、実行されます。ただし、サブディレクトリは考慮されません。これらは、主に以下のようなことを行うためにあります。・シンボリックリンクを張りたい。・パス名に英大文字を含むものを、(a)では英小文字のみでコピーしておき、ここで、英大文字を含むパス名にリネームする。・その他、ファイルのコピー後に行うべき設定変更処理などがある。複数のスクリプトファイルを持てるので、目的毎に小さなスクリプトを作っておき、必要に応じて使い分けることができます。例えば、サブディレクトリが考慮され無いのを逆手にとって、普段使わないスクリプトはnotusedサブディレクトリなどを作って入れておき、必要なときだけ、親ディレクトリに移動して使うことができます。また、その逆もできます。(c)/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/tbz.d/patch*.tbz というtarファイルがあれば、ルートディレクトリ配下にディレクトリ構造を保って解凍されます。もし、解凍先のファイルがcloopの中のファイルなら、mkwritableで更新可能にしてから解凍されます。tarファイルなので、英大文字のパス名や、シンボリックリンク、ファイルモード、ユーザ・グループなども使えます。しかも、tbz形式なので、圧縮率も高く、(a)に比べて、貴重なFAT32領域を節約できるというメリットもあります。複数のtarファイルがマッチすれば、それらはアルファベット順に、逐次、解凍されます。ただし、サブディレクトリは考慮されません。tarファイルに固めるのは、簡単なようで、意外に面倒くさく感じることがありますが、tarファイルに固めておけば、cloopの中のどんなファイルでも更新できるのです。使い道によっては、便利な機能だと思いませんか?複数のtarファイルを持てるので、目的毎に小さなtarファイルを作っておき、必要に応じて使い分けることができます。例えば、サブディレクトリが考慮され無いのを逆手にとって、普段使わないtarファイルはnotusedサブディレクトリなどを作って入れておき、必要なときだけ、親ディレクトリに移動して使うことができます。また、その逆もできます。(3)mkpatchlistとmkpatch - KNOPPIX実験室独自の設定保存ツール。上の(2)(c)の機能で使用する「/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/tbz.d/patch*.tbz」というtarファイルの作成を支援するツールです。tarファイルに固めるというのは、何かのインストール用のtarファイルを作るときのように、1つのフォルダを丸ごとtarファイルにバックアップするというときには簡単に行えるのですが、設定の保存用のtarファイルでは、あちこちのファイルを少しずつ集めてきて1つのtarファイルに固めることになるので、これを手作業でやろうとすると、煩雑な作業になりかねません。saveconfig(KNOPPIXの設定の保存)では、この部分を強引に単純化しているので、簡単に使える半面、すぐに限界に突き当たってしまいます。このツールは、逆に、制限は少ないのですが、saveconfigほど簡単には使えません。KNOPPIXのカスタマイズ版のCDを作りたいと考えている人が使うことに限定して考えていると言った方が良いくらいかもしれません。KNOPPIXのカスタマイズ版のCDを作るということは、いわば、Linuxの新たなディストリビューションを開発するということです。上の(2)の機能を使ってKNOPPIXをカスタマイズする場合、その開発とは、要するに、ブート時にどのファイルを書き換え、どのファイルはそのまま残すかといったことを決めることだと言えるでしょう。ですから、この場合、tarファイルに何を保存するかといったようなこともツール任せにすべきではなく、仮にツールを使用したとしても、開発者がチェックして責任を持てる形にする必要があると考えました。この結果、設定保存ツールは、2つに分かれました。以下のようにして使います。(i)mkpatchlist - tarファイルに保存するファイルの候補一覧を作成します。(ii)kwriteなどのテキストエディタを使って、この候補一覧を開発者がチェックし、必要なら修正します。(iii)mkpatch - 候補一覧で指定されたファイルをtarファイルにtbz形式で出力します。これらの使い方に関する、より詳しい説明は、「2004年1月10日の日記 KNOPPIXの設定を保存する機能について」に書いてあります。(でも、ちょっと着眼点が違うようですね。近日、ここでも、もう少し説明を加えます。)(以下は、近日中に加筆・修正するつもりです。)(4)継続的ホームディレクトリにインストールしたプログラムをブート時にシステムに組み込むためのツール(5)CDROM内に継続的ホームディレクトリの圧縮イメージを持ち、ブート時にRAMディスクに展開して使用可能にする機能(6)ブート時のトラブル調査のためのログを収集する機能3.関連記事(2004/6/24の日記 参照)過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年06月25日
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1.CDROMのカスタマイズとFAT32インストールこれまで、FAT32インストール)は、もうひとつのHDDインストールと称して、通常のHDDインストールと同様な高速な環境を簡単に構築する方法として、紹介してきました。しかし、FAT32ブート環境(FAT32インストールして作成した環境)には、もうひとつ、重要な側面があります。それは、カスタマイズCDを簡単に作れる環境であることです。FAT32ブート環境は、以下の点は、CDブート環境と同じです。(1)カーネル、miniroot、cloopは、CDブート環境と同じものをそのまま使います。(2)CDROMとcloopのマウントポイントも、CDブート環境と同じ/cdromと/KNOPPIXになります。(3)ルートファイルシステムがブート時のminirootのままだという点もCDブート環境と同じです。FAT32ブート環境とCDブート環境の相違点は、以下の点だけです。(a)ブートローダの違い。FAT32ブートではGRUBを使いますが、CDブートではisolinuxかsyslinuxを使います。(b)/cdromにマウントするファイルシステムの違い。FAT32ブートではFAT32ですが、CDブートではiso9660です。(c)FAT32はHDD上にあるので高速ですが、CDブートだと、かなり低速になります。この(a)(b)(c)の違いを意識するプログラムはブート関係とカーネルを除くと、きわめて少ないので、通常は、FAT32ブートで動作確認が取れれば、CDブートで動作しないということは起こりません。この点は、KNOPPIXをカスタマイズするためにHDDインストールしてcloopを再作成するというアプローチにはない、非常に便利な点です。しかも、HDDインストールやcloop再作成のような、時間とリソースを大量に消費する操作も不要です。このように、FAT32インストールは、KNOPPIXのカスタマイズを目的とする向きには、うってつけの方法だと私は考えています。2.KNOPPIX実験室で提供するKNOPPIXのカスタマイズ手段KNOPPIX実験室では、KNOPPIXを簡単にカスタマイズするために以下のようなツールを提供しています。(1)mkwritable - cloopの中にある、一見、更新不可能に見えるファイルを更新するためのツール原理は簡単です。cloopの中の更新したいファイルをramdiskにコピーし、シンボリックリンクを張り替えて、同じパス名を指定すると、ramdiskにコピーしたファイルを参照するようにすることで、そのファイルを更新できるようにするのです。たとえば、/usr/local/srcに新しいプログラムのソースをダウンロードし、ビルドすることで、/usr/local/binや/usr/local/manにプログラムをインストールすることを考えましょう。そのためには、/usr/local/bin、/usr/local/man、/usr/local/srcの3つのディレクトリを更新できる必要があります。KNOPPIXでは/usrは/KNOPPIX/usrへのシンボリックリンクになっているので、/usr/local/binなどは、cloopの中の/KNOPPIX/usr/local/binにあることになり、更新できません。しかし、この場合、suモードで以下のコマンドを実行すると、これらのディレクトリも更新可能になります。# mkwritable /usr/local/{bin,man,src}これを実行すると、/ramdisk上に以下のフォルダが作られます。/ramdisk/usr/ramdisk/usr/local/ramdisk/usr/local/bin/ramdisk/usr/local/man/ramdisk/usr/local/srcそして、これまで、/usr ==> /KNOPPIX/usr に張られていたシンボリックリンクは、/usr ==> /ramdisk/usr に張り替えられます。もちろん、これだけだと、/usr/binなどのディレクトリやファイルが見つからなくなってしまうので、シンボリックリンクを張り替える前のディレクトリにあったサブディレクトリやファイルへは、張り替え後のディレクトリからシンボリックリンクが張られます。例えば、先の例では、/ramdisk/usr/bin ==> /KNOPPIX/usr/bin にシンボリックリンクが張られます。こうすることで、たとえば/usr/binを使う場合は、従来どおり、/KNOPPIX/usr/binが使われますが、/usr/local/binを使う場合には、/ramdisk/usr/local/binが使われるようになるので、/usr/local/binなどに新たなプログラムをインストールすることも出来るようになります。このように、mkwritableを使えば、cloop内のどんなファイルでも更新できるので、うまく使えば、RAMディスク容量が許す限り、どんなプログラムでもインストールしたり、設定変更したり出来るはずです。そればかりか、継続的ホームディレクトリを併用して、このRAMディスク容量の限界を乗り越えることさえ出来るようになっています。(この記事内で説明します。)ただ、あるプログラムをインストールしたいと思ったとき、どこをmkwritableすればよいのか、戸惑うことがよくあります。結局は、適当に見当をつけてmkwritableしておき、インストール中にエラーが出てきたら、そのエラーメッセージを参考に、追加のmkwritableを実行してインストールを再試行するという事を繰り返すことが多いです。このあたりのやり方は、KNOPPIX実験室のHowto5-xやhowto3-xで具体例を使って解説していますので、参照してみてください。(以下は、日記サイズの制限のため、2004/6/25の日記に書きます。)(2)linuxrc2 - cloopの中のファイルを書き換えるような設定を読み込む、KNOPPIX実験室独自のブートオプション(a)/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/files.dディレクトリ配下のファイル・ディレクトリを、ルートディレクトリ配下にディレクトリ構造を保ってコピーされます。(b)/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/sh.d/patch*.sh というスクリプトファイルがあれば、実行されます。(c)/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/tbz.d/patch*.tbz というtarファイルがあれば、ルートディレクトリ配下にディレクトリ構造を保って解凍されます。(3)mkpatchlistとmkpatch - KNOPPIX実験室独自の設定保存ツール。(以下は、近日中に、別の日記ページで加筆・修正するつもりです。)(4)継続的ホームディレクトリにインストールしたプログラムをブート時にシステムに組み込むためのツール(5)CDROM内に継続的ホームディレクトリの圧縮イメージを持ち、ブート時にRAMディスクに展開して使用可能にする機能(6)ブート時のトラブル調査のためのログを収集する機能3.関連記事このような設定保存方法については、他にも、以下のような記事をアップしているので、参考にしてください。(1)KNOPPIX実験室 Howto1-2 設定を保存する機能についてKNOPPIX実験室の設定保存機能を、KNOPPIXの標準の設定保存機能(saveconfig)と比較しながら説明しています。(2)2004年1月10日の日記 KNOPPIXの設定を保存する機能についてKNOPPIX実験室の設定保存機能の操作方法を説明しています。(3)KNOPPIX実験室 Howto3-xとHowto5-xKNOPPIX実験室の設定保存機能を使って、Webサーバ等を立ち上げたり、何か新しいプログラムをインストールしたりする方法を説明しています。この日記は、最初は、6月24日の「実験くん」さんの書き込みのレスとして書き始めました。しかし、この辺については、書きたいことがたくさんあるので、長さなどの制限のきつい掲示板から日記に変更してアップしたものです。「実験くん」さんの質問に対する回答としては、少しピントがずれていますが、やりたいことは、KNOPPIXのカスタマイズ版CDを作りたいのだと思われること、cloopファイルの作成にてこずっている様子であることから、こういう方法もありますよ、この方が簡単ですよ、ということを紹介するために書き始めたものです。以下は、最初にこの日記を書いたときの掲示板のレス形式の記述です。上の記述と一部重複しますが、履歴として残しておきます。>実は,knoppixをCDで起動してUSB-HDDでknopixのカスタマイズを試行しています。>圧縮をかけたものをテストで起動するために使いたいと思っていますが,まだ,3.2しかカスタマイズは成功(再圧縮)していません。>3.3は本日,失敗して,3.4の方法は,よく分かりません。カスタマイズ方法をご存じな方よろしくお願いします。>3.2はきんねこさんのHPを参考にしました。私は、KNOPPIXをHDDにインストールしたことは、一度もありません。HDDにインストールして使うLinuxなら、別に、もっと好きなLinuxがあるからです。KNOPPIX 3.2/3.3の頃にカスタマイズ版のCDを作ったことは何度もありますが、カーネルとcloopファイルは提供されたものをそのまま使いました。cloop内のどんなファイルでも、ramdiskにコピーして書き換えられるようにしてしまうスクリプトmkwritableをKNOPPIX実験室で提供していますが、これとtarを併用して、cloopファイルへのどんな更新でも、ブート時に反映してしまうのが、そのカスタマイズの仕掛けです。たとえば、起動にKNOPPIX実験室のminirt2x.gzを使っており、起動オプションに「linuxrc2 mvetc」を指定しているならば、/cdrom/KNOPPIX/linuxrc2.d/tbz.dというディレクトリを作り、そこに、patchXXXX.tbzと言う名前(XXXXの部分は任意。複数ファイルも可)で設定を保存しておけば、ブート時にその設定をramdiskに読み込みます。もし、そのtarの展開先がcloopファイル内の更新できない部分にあった場合は、mkwritableを使って、更新可能な状態にパッチした上で展開されます。ちなみに、あまり面白くない例ですが、http://www.h2.dion.ne.jp/~miyawaki/knoppix/linuxrc2/linuxrc2.d/tbz.d/patchwww.tbzhttp://www.h2.dion.ne.jp/~miyawaki/knoppix/linuxrc2/linuxrc2.d/tbz.d/patchSamba.tbzをダウンロードして/KNOPPIX/linuxrc2.d/tbz.d/patchwww.tbzディレクトリに置くと、KNOPPIXのブート時にApache+PHPサーバとSambaサーバが自動的に起動していると思います。#ただし、patchSamba.tbzには1年も前の古いパスワードファイルが入っているため、ユーザwnnが正しく登録されず、#結果としてかな漢字変換ができなくなります。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年06月24日
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3月末に着手して以来、3ヶ月かかって、ようやくの、対策完了です。再編集版公開直後の2003/5/4の集計では、22065件の注釈があり、そのうち、1615件がリンク切れしていました。しかし、昨日までに、そのほとんどを修正し、昨日(2004/6/19)時点での集計では、22804件の注釈、3件のリンク切れとなりました。3件、残っているのは、注釈と本文が対応しておらず、機械的に修正するのは危険と考えたためです。リンク切れの原因は些細なもので、誤字、脱字、送り仮名の違い、濁点の有無、漢字とひらがなの違い(「たまふ」か「給う」かなど)、異字体漢字(壷と壺など)がほとんどです。中には、ある段の最後の注釈が次の段の最初の方の記述に対する注釈だったり、逆に最初の注釈が前の段の最後の方の記述に対する注釈だったりすることや、段見出しの形式が誤っていて、一段落のすべての注釈がリンク切れになってしまっていたものなどもありました。(注)単純な修正ばかりとはいえ、これだけの量があると、やはり時間がかかりますね。結局、着手から、3ヶ月もかかってしまいました。もっとも、その間かかりっきりというわけではなく、3月末に2日程度、ゴールデンウィーク中に2~3日、先週と今週で合わせて3日程度です。たった1615件の単純な修正だけで、これだけ時間がかかってしまうのですから、22804件もの注釈を書かれた渋谷教授の労力は、相当なものだったに違いありません。本当に、頭が下がる重いです。以前から、このリンク切れ対策は今後の課題に挙げており、ずっと気になっていたのですが、1615件と件数が多いことから、あいまい比較を行って対策するつもりでいました。しかし、一言であいまい比較といっても、難しい点が多く、それで全部対策できる見通しも得られなかったため、3月末ごろ考え直し、1件ずつリンク切れの原因をチェックして、変換プログラムの入力ファイルを修正するという方法を取りました。つまり、渋谷教授のオリジナルサイト(「源氏物語の世界」)からダウンロードしたファイルを、そのまま再編集プログラムに入力するのではなく、私が一部修正したものを入力することになります。これまでにも、私が一部修正したファイルを再編集プログラムに入力することは行っていました。ただし、それは、修正しないと再編集プログラムが誤動作を起こすような問題の大きいものだけでした。修正ファイル数は、2004/1/7時点で51ファイルに達し、決して少なくはありませんでしたが、修正個所は各ファイルとも数箇所程度で、全体でも、およそ200件程度ではなかったかと思います。それが、今回の対策で、修正ファイル数は118ファイルに増え、修正個所も、おそらく2000個所近くに達しているのではないかと思います。これだけ修正すると、単純な修正ばかりとはいえ、もはや、再編集プログラムを使って機械的に修正しただけです、とは言いづらくなってきました。そこで、今回から、この修正版もアップし、細目次ページの右上にある「オリジナルへのリンク」からリンクするようにしました。ただ、アップしただけでは、どこを修正したのか分かりづらいので、いずれは、比較リストなども付けたいと考えています。当面は、DFなどのテキスト比較ツールを使って比較して修正内容を把握してください。これだけたくさん修正すると、次に渋谷教授のオリジナルサイトのコンテンツが更新されたとき、ついていけるかどうかが心配です。本当は、今回の修正内容が、オリジナルサイトに反映されるとうれしいのですが、実績の無い私の修正など、簡単には受け入れてもらえないでしょうね。とりあえずは、何とかして見やすい比較リストを作成するなどしてから、渋谷教授に今回の修正内容を正式に報告したいと考えています。(注)初期の頃(再編集版公開前)は、他に、句読点や引用符の有無もリンク切れの原因の原因になっていたのですが、注釈は句読点や引用符なしで統一されていたので、再編集版公開時には、すでに、句読点や引用符の有無だけではリンク切れにならないように対策してありました。これを対策する前のリンク切れは、5000件以上あったように思います。
2004年06月20日
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お待たせしました。あれから2週間近くたってしまいましたが、やっと続きを書けそうです。この日記も、変更点に気づくたびに更新する方法で書くことにします。(5) KNOPPIX実験室の実験1-1で指摘した/etc/mtabの問題がようやく対策されました。でも、イマイチこの問題は、FAT32からブートしたにもかかわらず、/etc/mtabや/etc/fstabにはCDROMからブートしたようなウソがかかれているために発生する問題です。詳細は、実験1-1の2003/5/13頃の実験結果を参照してください。ただし、この対策は、まだ完全ではありません。以下の問題が残っています。・/etc/fstabの方は、対策されていません。このため、ドライブアイコンを右クリックして「change read/write mode」を実行することができません。Konsoleから「mount /cdrom -o rw,remount」コマンドを実行する必要があります。#それにしても、change read/write modeがカスケードされて選択しづらくなったなぁ。・ash-knoppixのビルトインmountコマンドを使っているため、umask,uid,gid,iocharsetなどのオプションが指定されておらず、日本語版としては使いづらい状態になっています。これまでのKNOPPIX実験室のminiroot.gzでは、通常のmountコマンドをminiroot.gzに組み込んでこれらのオプションを使ったmountができるようにしていました。このたび、blackboxさんが、busyboxのmountを使っても、これらのオプションを使えることを示してくれたので、KNOPPIX実験室のminirt24.gzも、近日、このbusyboxに乗り換える予定です。#今週末中に乗り換えられるだろうか。(6) ブートオプションのlang=xxの言語指定と、タイムゾーンが連動するようになりました。これまで、タイムゾーンはlinuxrcで設定したままKDEが起動するまで変更されませんでした。KDEでは継続的ホームディレクトリを使えば、タイムゾーンやキーボードをはじめ、さまざまな地域設定項目をきめ細かく設定できましたが、継続的ホームディレクトリを使わないときが問題でした。日本語版ではAsia/Tokyoに固定だったのです。KNOPPIX実験室のminiroot.gzは、ある多国籍企業向けに、各国の事業所に配布するツールをKNOPPIXで作ったときにカスタマイズしたものがベースになっているのですが、このときの利用形態から考えて、指定された言語の中心地のタイムゾーンに設定した方が便利と考えられたので、lang=ja/us/de/fr/ukを指定したときだけ、それぞれ、東京、ニューヨーク、ベルリン、パリ、ロンドンに設定するようにしていました。この辺のことは、実験1-3のダウンロードの20030726-20030812版knoppix-autoconfigのところで触れています。20030726-20030812版以降のminiroot.gzには、このknoppix-autoconfigが組み込まれているので、ブートオプションlinuxrc2を指定すれば使える状態になっていました。この機能が、ようやく、KNOPPIX本家で正式にサポートされました。正式サポートなので、5つといわず、すべての言語指定に、適切なタイムゾーンが設定されています。ここまできたら、もうひとつ、ブート時の言語指定によって、継続的ホームディレクトリを切り替える機能もサポートしてほしいですね。この機能は実験1-1の2003/5/14~2003/6/1頃の実験結果のところで触れています。(7) 20040504-20040511版では新設されたknoppix_nameブートオプションはバグで使えなかったようです。 knoppix_nameオプションはKNOPPIX実験室のminiroot.gzのcloopオプションに相当するブートオプションで、cloopマウントするファイル名を指定します。KNOPPIX 3.4用のminirt24.gzでは、cloopオプションは削除していますので、20040504-20040511版では、この機能は使えなかったことになります。現在最新の20040510-20040520版では、このバグは直っています。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年05月29日
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自分の日記にSPAMトラックバックを送ってみて、何ができて、何ができないようになっているかを調べてみることにします。まず、正規のトラックバックは、私のトラックバックに関する以下の2件の日記です。これを日記の追加時に指定してみます。http://plaza.rakuten.co.jp/miyawaki/diary/200405220000/http://plaza.rakuten.co.jp/miyawaki/diary/200405240000/もう一度、同じ日記の更新時に同じトラックバックを送って見ます。おお、送信できてしまいましたね。送信先のページには、同じトラックバックが2件表示されています。駄目押しに、もう一回、同じトラックバックを送って、同じトラックバックが3つ表示されているところのハードコピーを取ることにします。またまた、送信できてしまいましたね。2件ずつ3回 合計6件送信しています。この結果、受信側では、3件の同じトラックバックが表示されました。これだと、SPAMトラックバックを送る側では、やりたい放題できてしまいそうですね。昨日の日記にも触れましたが、ぜひ、トラックバックの送信には以下の制限を設けてほしいと思います。合計送信件数を制限する。日記内でリンクしているページにしかトラックバックを送信できない。トラックバックを送信済みページへのリンクは削除できない。同じページに重複してトラックバックを送信することはできない。一応、実験が終わったのでSPAMトラックバックは削除しました。また、5/22の日記へのトラックバックはそぐわないように思えたので削除しました。残っているのは、5/24の日記へのトラックバック1件だけです。余談ですが、トラックバックは、このように自分のサイト内の関連のある日記同士を結びつけるのにも使えそうですね。もうひとつ、実験してみました。「ぶりっこめぐりんさん」の書き込みで教えていただいたトラックバックなんでも送信サイト「http://www.kiyo.com/tbtest.html」から、このページにトラックバックを送信してみました。 その結果が、このページ末尾のトラックバック。う~ん、おそまつ。何のチェックもしていないようですね。「hogehoge.com」なんて、DNSに問い合わせるだけですぐわかるはずなのに。ぶりっこめぐりんさん、良い情報を教えていただき、ありがとうございました。理屈では、たぶん、このようなことができるだろうなとは思っていたのですが、まさかこんなに簡単にできるとは、思っていませんでしたので、びっくりしました。楽天広場も、早めに対策を考えてほしいですね。ココログなどの先行ブログサイトでは問題が出ていないのでしょうか。楽天はその性格上店舗風サイトが少なくないので、他よりもSPAM被害が深刻になりやすい面があるような気がします。それだけに、楽天さんにはしっかりしてほしいですね。
2004年05月25日
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私にとって、待望のトラックバックですが、いろいろ考えていくうちにSPAMの危険も大きそうなことに気が付きました。トラックバックの受信機能は比較的簡単なCGIで作ることができそうなことがわかってきたのですが、ということは、それを裏返したトラックバックの送信ツールも簡単に作れるはず。つまり、それを悪用すれば、SPAMトラックバックを大量に送りつけるツールを作ることもできるはずです。この場合、トラックバック送信元の情報って、どこまでチェックしているのでしょう。世界中の任意の外部ブログとつながれるということは、事実上、送信元はチェックしていませんということなのでしょうか。もっとも、送信元をチェックしたって、既存の全く関係ない日記ページに成りすましてトラックバックを送信してくることはできるはずなので、解決にはなりませんが。これまで、掲示板へのSPAN投稿はほとんど無かったのに、トラックバックだけSPANが増えるということがあるだろうかと思う人がいるかもしれませんが、これまでの掲示板は、CGIごとに投稿用のデータフォーマットが違うので、SPAMツールを作りにくいという事情があったことに注意してください。トラックバックは、メール同様、データ形式が標準化されているので、SPAMツールの作りやすさも、掲示板とは段違いです。ブログサイトをロボットでサーチして、特定のキーワードが見つかったら、そこにトラックバックpingを送りつけてくる営業系のSPAMや、特定個人の日記に誹謗中傷メッセージを載せたトラックバックpingを大量に送りつけてくる嫌がらせ系のSPAMが気になりますね。対策としてすぐ思いつくのは、SSL技術を使った送信元証明。信頼できるブログサイトのSSL証明書で署名されたトラックバックpingだけを受信するようにすれば解決しそうです。ブログサイトを信頼する仕掛けをどうするかという問題はありますが、メールと違って、送信元はある程度特定できるので、SSLの署名が有効な手段になりうると思うのです。他にも、対策方法は考えられると思います。まだ駆け出しなので、SPAMトラックバックの被害は無いでしょうが、いずれ、必ず出てくると思います。早めに対策を検討しておいてほしいですね。おお、すでにSPAMトラックバックの被害に合われている方がいますね。それに懲りてトラックバック機能を削除されているのでトラックバックはできませんが、とりあえず、リンクします。おそらく、まだ、ツールを使った本格的なものではなく、手操作によるものでしょうね。ただ、手操作だと、上に述べたSSL署名による対策は効果無いですね。まあ、1回の日記に3件までというのが1つの歯止めにはなるかもしれませんが。と思ったら、日記の更新にも3件のトラックバック欄がありますね。日記を更新するたびに3件ずつ、事実上何件でもトラックバックを送ることができるのでしょうか。もしそうなら、IEのブラウザコントロールを使って自動応答プログラムを書くことで、SPAMトラックバックの大量送信ツールを作れます。これは、通常の手操作と見分けがつかないので、対策は難しそうです。日記の更新でトラックバックを送信できると便利なこともありますが、両刃の剣になります。日記1日分に付き合計3件までとか、日記内でリンクしているサイトにしかトラックバックを送信できないとかといった制限をかけてほしい気がします。
2004年05月24日
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トラックバックは、以前から私がほしいなあと漠然と考えていたものが実現されたようなもので、私にとっては非常にうれしい機能です。私は「源氏物語の世界 再編集版」というサイトもやっているのですが、その今後の課題の中に、「閲覧者による書き込みができるようにする。」という課題を挙げています。「第二サイト限定になりますが、閲覧者が、任意の章・段落・行・注釈に対してコメントを書き込みできるようにしたいと考えています。各表の右端にコメント欄を設け、そこにHTMLでコメントを書き込めるようにするのです。関連ページへのリンクや意見などを書き込んでもらえたらいいなと思っています。」と書いていますが、これにうってつけなのがまさにトラックバックなのです。このとき考えていたのは、私の好きな源氏物語関係のサイト「源氏の部屋」の記事との相互リンク。「源氏の部屋」には源氏物語のさまざまな場面について、写真入でわかりやすく整理したレポートがあったり、妄想モード訳という独創的な現代語訳があったりして、非常に楽しめます。このときは、これらの「源氏の部屋」の個別の記事と、「源氏物語の世界 再編集版」の中の対応個所(行や段落)の間で相互リンクしたいと考えていました。しかし、相互リンクするといっても、自分で管理している「源氏物語の世界 再編集版」にリンクを追加することはできても、「源氏の部屋」から「源氏物語の世界 再編集版」へリンクしてもらうには、「源氏の部屋」を管理する小池笑芭さんにお願いして相互リンクしてもらうしかありません。私は、源氏物語を愛する気持ちは小池笑芭さんの方が私よりずっと強いだろう、とすると、源氏物語を鑑賞する上で役立つことなら賛同してもらえるかもしれない、そう考えて、個別のページ同士の相互リンクをお願いしたことがあります。忙しいので体力的に無理だと言ってくるかもしれないとは思っていましたが、それは私だって同じこと。ゆっくりやればよい、と、そう考えていました。ところが、笑芭さんの回答は、私にとって意外なものでした。曰く、「渋谷先生が校訂された本文とうちのサイトの記事をリンクさせるということに対しましては、非常に強い違和感を私は覚えるのです。」という回答だったのです。その理由は、「他の方が校訂された本文と 渋谷先生が校訂された本文を「だいたい同じような内容について語っている箇所だから」ということだけで安易にリンクさせてしまうというのは、どちらの校訂者の方に対しましても 失礼な行為ではないか……と、私は思うのです。」とのことでした。http://f2.aaacafe.ne.jp/~mikura/tree99.html#4950言われてみれば、そのとおりです。何かの記事を読んで感銘を受け、その記事を引用もしくはコメントするような関連記事を新たに書いた場合、その両記事を相互リンクすることには意味があり、違和感も少ないと思います。しかし、まったく独立に書かれた記事同士を、第三者が勝手に関連記事だからといって相互リンクしてしまうのは、元記事執筆者の意図を無視した行為であり、失礼な行為、いやもっと蔑めれるべき行為かもしれません。しかし、第三者でも、引用の権利は著作権法上認められています。あくまで、引用者の記述が主で引用した部分の記述が従である必要がありますが、そのような正しい形で引用するなら、感銘を受けた複数の記事を引用した新たな記事を第三者が書くことはできます。そして、そのように書かれた記事であれば、感銘を受けた記事との間で相互リンクすることに問題は無いはずです。そして、この相互リンクを支援する仕掛けがトラックバックだと考えます。引用だと、これまでは、引用する側から引用される側への一方的なリンクになりがちでしたが、トラックバックを利用することによって、簡単に相互リンクになります。この結果、第三者が感銘を受けた複数の記事の間を、第三者が書いた新たな記事を仲立ちにして、間接的に相互リンクした効果も持てます。これは、これまでに無かった、新しい引用の形とも言えそうです。私は、このトラックバックは、blogサイトの枠を越えて、一般のWebの世界にも進出してこないかと期待しています。いや、いずれ、近いうちにそうなることを信じています。そして、今、私は、一般のWebサイトのひとつ、「源氏物語の世界 再編集版」にトラックバックの受信機能を持ち込みたいと考えています。誰かが、源氏物語の一節を引用して記事を書いて、そのことをトラックバックとして再編集版宛てに送信してくれたら、再編集版からも、その記事をリンクして、相互リンクされるようにしたいと考えるからです。現在、再編集版では、個別の行単位、あるいは注釈単位にリンクできるよう、アンカーを付けてあります。そこで、以下のようなCGIを作ることで、トラックバックの受信機能は付加できそうです。(1)引用した行のURLを指定したトラックバックを受信したら、そのURLの指すページのトラックバック一覧と再編集版全体のトラックバック一覧にトラックバック送信元ページへのリンクを追加する。(2)各行の右端には、あらかじめリンク欄を設けておき、受信したトラックバックに指定されたURLが指す行のリンク欄に、そのページのトラックバック一覧の該当エントリへのリンクを追加する。(3)再編集版の各ページは静的なhtmlファイルで書いてありますが、そこに動的にトラックバック一覧を追加する方法としては、クライアントサイドJavaScriptを使うことを考えています。JavaScriptなら<scrips src="xxxx.js">という形で別ファイルのJavaScriptをインクルードできるからです。この場合、トラックバック受信CGIでは、xxxx.htmlへのトラックバック一覧を表示する処理をxxxx.jsに出力するようにすれば、実現できそうです。この再編集版の場合、その性格上、トラックバックの送信は必ずしも必要ありません。私は再編集版のサイトを管理していますが、渋谷教授が書いたコンテンツを再編集して転載しているだけで、私の書いたコンテンツはトップページなどの一部に限られているからです。トラックバックの送信は引用の一形態、引用はオリジナルなコンテンツの一部として行うのが前提ですが、オリジナルなコンテンツなら、この楽天広場の日記に書いて、トップページからリンクすることで対応できるからです。今回は、とりあえず、新たにサポートされた楽天広場のトラックバックがどのようなものか、使って試してみたいと思います。ちょうど私が日記リンクしている まったりE2K2さんがトラックバックに触れた日記を書いておられましたので、直接の引用はありませんが、関連記事ということで、トラックバックを送信させていただきたいと思います。また、現在、まだトラックバックの受信機能を持っていないページの代表として「源氏物語の世界 再編集版」と「KNOPPIX実験室」のトップページにもトラックバックを送信してみます。(再編集版はフレームを使っていて少々特殊なので、標準的なKNOPPIX実験室を加えました。本当は、もうひとつ、源氏物語の世界 再編集版 第二サイトのPHPページにもトラックバックを送信して、どんな情報が送られてくるのか調べてみたかったのですが、準備が間に合わないので、これは、次の機会に回すことにします。それでは実験です。今からアップします。(更新1)実験結果です。トラックバックを送信しても送信元には何も残らないようですね。自動的に相互リンクが作成されるのかなと思っていたのですが、送信元は、自分で記事を書くときに、一緒にリンクを書いておきなさいということなのでしょう。それを知らなかったので、相互リンクになっていなかったですね。こちらから、まったりE2K2さんの該当する日記へのリンクがありませんでしたので、このリンクを以下に追加します。http://plaza.rakuten.co.jp/etomart/diary/200405200000/まったりE2K2さんの日記ページに自動作成されたトラックバックへのリンク
2004年05月22日
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先週、新しいKNOPPIX 3.4-20040504-20040511版が登場しました。バージョンがV3.3⇒V3.4にあがっているだけに、かなり色々と変わっています。私にとって最大の特徴と感じられるのは、ブートローダがSYSLINUXからISOLINUXにかわって複数のカーネルをサポートするようになったこと。標準のカーネルは2.4.26ですが、他に、新しいカーネル2.6.5もブートオプションで選べるようになっています。ここでは、KNOPPIX実験室のFAT32ブート用にminiroot.gzをカスタマイズする過程で気づいた変更点について書くことにします。#変更点に気づくたびに更新するので、更新回数は少々多くなります。なお、FAT32ブート用のカスタマイズ版miniroot.gzのアップロードは今日中にはできない公算が強いです。カーネル2.4.26用のminiroot.gzだけでも出来上がり次第アップしようと考えていますので、今しばらくお待ちください。(1)wnn、sfsのuid変更。sambaの設定を保存している人は要注意です。これらのユーザは日本語版で追加されたもので、かな漢字変換プロセスなどで使用されます。つまり、これらの設定を保存しているファイル/etc/passwd,/etc/shadowなどをsaveconfig(KNOPPIXの設定を保存)で保存している人は、その設定を読み込むと日本語入力などが正しく動作しなくなると思われます。たとえば、sambaサーバを起動するためにユーザknoppixのパスワードを設定すると、/etc/shadowなどが更新されるので、これをsaveconfigで保存した場合には、この問題が発生するはずです。ご注意ください。(2)Easy CD Creater 5を使ったWindowsでのKNOPPIX起動CDのリマスタ方法が変わります。今、KNOPPIX実験室では、「Howto2-1 WindowsでKNOPPIXの起動CDをカスタマイズして焼く方法」を紹介していますが、KNOPPIX 3.4からは、この方法が使えなくなります。これはブートローダがSYSLINUXからISOLINUXにかわったためです。ISOLINUXはフロッピーディスクエミュレーションモードを使わずに直接CDブートするためです。Easy CD Creater 5はフロッピーディスクエミュレーションモードの他にハードディスクエミュレーションモード(って何?)や、エミュレーションなしを選ぶことができますが、このエミュレーションなしを使えば、WindowsでKNOPPIX起動CDのリマスタができるはず。いずれ、その実験をしたら、KNOPPIX実験室にアップします。(3)USB 1.1からのブートがサポートされました。依然としてUSB 2.0はサポートされていません。USB 2.0を有効にするには、knoppix.shなどで「modprobe ehci-hcd」を実行する必要があります。USB 1.1であれば、HDDやCDROMからのブートはできると思います。USBブートの処理内容はKNOPPIX実験室のUSBブートの処理と同じです。#KNOPPIX実験室のminiroot.gzでは、KNOPPIX 3.2の頃からUSB 1.1/2.0からのブートもサポートしていました。もちろん、今後も引き続きサポートします。なお、カーネル2.6.5では、USBドライバのファイル名がusb_uhci.o⇒uhci_hcd.ko、usb_ohci.o⇒ohci_hcd.koに変わっているのですが、minirt26.gzの中では、カーネル2.4と同じファイル名に変更してありました。cloop内のカーネルモジュールをminirt26.gzにコピーするとき、注意する必要がありそうです。(4)IEEE1394やIDE-RAIDからのブートもサポートされたようです。どちらも、Linuxrcの中に、そんなコメントが書かれた処理があるというだけで、実際に使えるかどうかは未確認です。どなたか、試してみた方がいましたら、KNOPPIX-MLかこのサイトの掲示板に報告していただけるとありがたいです。(訂正1) 2004/5/22 (1)「カーネル2.6.5では、USBブートはできないと思われます」と書いていましたが、できるようですので、訂正しました。問題のモジュールのファイル名は、cloop内では変更されているのですが、minirt26.gzに格納するとき、kernel 2.4と同じファイル名に変更して格納してありました。このため、ちゃんと、問題なく動くようです。(2)USB CDROMからのブートもできる旨の記述に変更しました。私はUSB CDROMを持っていないので確認できないのですが、先ほどblackboxさんのサイトにうかがったとき、KNOPPIX実験室のminiroot.gzを使ってUSB CDROMからブートできた旨の記述がありましたので、そのように修正しました。blackboxさん、ありがとうございました。以下後報。続きをアップしたら、このページの末尾にトラックバックで表示します。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年05月16日
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今日、ディスカバリーチャンネルで近い将来タイムマシンが実現するかもしれないという番組をやっていました。まじめな科学番組で、しかも、今、タイムマシンの建設プロジェクトが始まっているというので驚きです。タイムマシンといっても、時間旅行ではなくて時間通信のマシンです。素粒子を時間旅行させ、その素粒子に情報を乗せて通信しようというのです。通信なので送信機と受信機が必要で、時間通信機(送受信機)を設置したら、稼動開始後停止するまでの期間の任意の時点間で時間通信ができるのだそうです。すでに過ぎ去った過去の情報を知ることができるわけではありませんが、未来の人間と会話できるというのはすごいことですね。過去へのタイムトラベルについては、以前から光速を超えることができれば実現できるといわれていました。そして、相対論に矛盾せずに実現できる2つの可能性が知られていました。(1)もし、タキオンと呼ばれる、超光速で飛び回ることしかできない素粒子が存在し、かつ、その素粒子が電荷を持っていれば、その素粒子に情報を載せて時間通信できる。(2)もし、高速回転するブラックホールがあれば、特異点がブラックホール(事象の地平線)の外に出てくるので、そのそばまで行ってしばらく回転しながら滞在した後、戻ってくれば(!!!)過去に移動できる。どちらも非現実的な話ですが、話が素粒子レベルの問題になると、可能性が開けるのだそうです。たしかに、宇宙船のような巨大なものを時間旅行させるには巨大なブラックホールが必要になるかもしれませんが、素粒子レベルなら、何十桁も小さくできます。もし、それが巨大な素粒子加速器並みの規模まで小さくなれば、実現の可能性が開けます。でも、そんな小さなブラックホールはどうやって作るんだろうと思っていたら、ブラックホールじゃなくて、巨大なレーザーを沢山使うのだそうです。なぜ、それでミニブラックホールと同じような効果を出せるのか、私には良くわかりませんでした。でも、最先端の博士さんたちができるといっているのだから、ひょっとすると、私が生きているうちに未来からのメッセージがテレビニュースで流れる日が来るのでしょうか。何かわくわくしてきますね。
2004年05月04日
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昨年9月8日の日記にGoogleに登録されると書いています。そのときが1536ヒット。開設4.5ヶ月で1536ヒットにしかならなかったのだから、1周年までに1万ヒットを超えるとは思えませんでしたが、今現在、15908ヒット。この1年間に、これだけ多くの人に見に来ていただけて、本当に嬉しいです。このサイトでは、開設当初から今後の課題を明記していますが、今振り返ってみると、当初考えていたほどには進んでいません。6月末に、KNOPPIX実験室を追加したときは、数ページの解説と、出来上がったスクリプトなどをアップするだけで、労力の大半は源氏物語の世界 再編集版の方に割けると考えていたのに、最近は逆で、ほとんど、KNOPPIX関連に割いてしまっていますね。KNOPPIX関連の方が技術に自身が持てるので、やりやすく、つい、そちらに偏ってしまうからなのです。しかし、出来上がったものを振り返ってみて、達成感が感じられるのは、源氏物語のほうですね。KNOPPIXの方は、似たような情報が世界中にあって、私が書かなくても、遅かれ早かれ、誰かが書いてくれそうなものが多く、なかなか、独自性を打ち出しにくいところがあります。反面、いま源氏物語の世界 再編集版で私がやりたいと考えていることは、私が知る限りでは、同じことをやろうとしている人は世界中どこにも見当たりません。やりとげれば、ちょっと大げさですが、ひょっとすると「世界初」かもしれないですね。しかし、ビジネス的なうまみを見出せないので、仕事ではちょっと手を出せません。かといって、趣味でやるには量が多くて、飽きっぽい私には、なかなか根気が続かないのです。与謝野晶子訳との対訳が若紫で止まっているのも、本文-注釈間のリンク切れ対策が関屋で止まっているのも、根気切れが原因です。以前から課題に挙げているルビ振りの件は、その後の泥沼が怖くて手を出せないだけなのです。どれも、やりとげればかなり便利になるとは思っているのですが・・・ね。それを考えると、渋谷教授が、あれだけのものを纏め上げてWebで無償公開していることには、本当に頭が下がる思いです。私はたかがこの程度で根気切れしてしまうのですから、あれだけのものを纏め上げるには、どれだけの労力がかかっているのか、ちょっと、想像し切れないところがあります。私も、根気切れだなどといっていないで、早く続きをやりたいですね。でも、いつも、KNOPPIX関連の仕掛かり中のページに時間をとられてしまう。これが終わったら、源氏物語の方をと思いつつ、今すぐにも終わりそうなのに、微妙なところで躓いてしまい、意外に時間がかかってしまう。そのうえ、こちらは次から次へと、やりたいことがでてくる。なぜなんでしょうね。バランスを考えてうまくやれればいいのですが、それが、なかなか難しい・・・(特に、それが趣味の場合には)・・・ですね。今も、KNOPPIX関連の仕掛り中のページが2ページほどあります。たいした量ではないので、この土日に仕上げてアップできると思っていたのに、なぜか、半分も仕上げることができなかった。これを早く仕上げてアップしたら、本文-注釈間のリンク切れ対策の続きをしたいと思っています。それが終わったら、与謝野晶子訳との対訳を進めたいですね。それも、少し飛ばして葵、少女、若菜下、浮舟あたりを優先して。これらは、jooxさんのお気に入りのようで、私が一覧に整理したjooxさんの記事の中では一番多いのが少女、次いで夕顔、葵、浮舟、帚木、若菜下の順だからです。jooxさんの記事を読んでから、その付近の本文・注釈・現代語訳を読むと、理解が深まった気になれますし、そういうときにこそ、与謝野晶子訳も合わせて読みたいと思います。そういえば、与謝野晶子訳との対訳をしたいと思った理由を、まだ、どこにも書いていなかったですね。与謝野晶子訳は、「あさきゆめみし」を読んだ後、最初にトライした現代語訳です。単に、古本屋で文庫版が3冊400円でいっぺんに揃ったからだったのですが、賢木あたりまで読んだところで挫折してしまいました。その後、谷崎潤一郎訳にも挫折。注釈が沢山あって勉強にはなるのですが、注釈を読まないと内容を理解できず、かといって、注釈を読んでいると読書のリズムが崩れて私には読みにくかったためです。瀬戸内寂聴訳で、ようやく、最後まで読み終えることができました。そして次にくるのは、やはり、本文への挑戦です。再編集版が出来上がった後で、それを使って本文を読もうとしても、なかなか理解できない。谷崎潤一郎訳を引っ張り出してきて、その注釈も照らし合わせながら読めば多少は理解が進むのですが、かなり面倒くさい。これも、一緒に対照して読めるようにすれば便利になると思うのですが、とても、これを入力するような根気は持ち合わせていません。古典総合研究所で現代語訳の研究のメニューに谷崎潤一郎訳が載っているので、谷崎潤一郎訳がアップされないだろうかとチェックしに行っても、一向にアップされる気配はありません。それもそのはずです。まだ谷崎潤一郎訳(最新の訳)は、まだ著作権が有効なのですから。そんなとき、与謝野晶子訳なら著作権が切れているし、古典総合研究所で全文を入力してくれているのを思い出し、チェックしてみました。意外によく本文と対応しているではありませんか。そして、文学として通読しようとすると挫折してしまうような文章ですが、本文を理解するための補助資料としては結構役立ちそうに思えました。渋谷教授の注釈と現代語訳で本文の意味が少しわかったような気になってきたときに、この与謝野晶子訳を読むと、微妙なニュアンスが伝わってくるのです。さすがは文学として書かれただけのことはありますね。でも、本文と与謝野晶子訳だけだと、距離があって、ちょっと理解に苦しみそうです。私の場合は、本文、注釈、渋谷栄一訳、与謝野晶子訳の4者をを照らし合わせて読んで、ようやく、なんとなくわかったような気になれます。そんなわけで、与謝野晶子訳も再編集版の対訳に加えようと思い立ったわけです。現在、青空文庫では、古典総合研究所で入力したものにルビを振ったものをアップしてくれているので、それをベースに与謝野晶子訳との対訳を進めたいなと考えています。
2004年04月26日
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以前、KNOPPIXでサポートされたユーザモードLinuxというVMを日記(2003-10-25,2003-10-26,2003-11-21)で紹介しましたが、こんどは、マイクロソフトが直々にWindows用のVM「Virtual PC」を発売すると発表しました。http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1898VMについての私の思いは2003-10-26の日記で触れているので、そちらを参照していただくことにして、なぜ、今、VMなんでしょうね。KNOPPIXのVMの時は何に使うんだろうと首をひねってしまいましたが、しかし、Windowsだと、私の身近でも使い道が出てきました。それをちょっと紹介しましょう。私の勤務先では、いまだに、Excel 95を使ったシステムを保守しているのですが、そのシステムのエンハンスのニーズにこのVMで対応できそうなのです。というのも、Windows 3.1~98の頃に、ある大きなハードウェアを中心にすえたサービスの管理とシステムの制御のために1台のPCサーバと数台のクライアントPCからなるシステムを販売していたのですが、そのシステムのクライアントプログラムはWindows 3.1の頃にExcelのマクロを使って書かれたプログラムだったのですね。このプログラム、Windows 95と一緒に出てきたExcel 95では問題なく動作したのですが、Excel 97以降のExcelでは正しく動作しなくなっていました。かといって、そのシステムは先細りが見えていたこともあってExcelのVBAでプログラムを作り直すことも出来ず、結局、最新のパソコンにプリインストールされている最新のOfficeをOffice 95にダウングレードしたものをクライアントPCとして出荷していたのです。今後も、このプログラムをVBAで作り直すことはないでしょう。しかし、これは顧客の立場で考えてみると迷惑な話です。顧客はクライアントPCを普通のパソコンとして使っているのですね。クライアント専用機では無く、クライアントプログラムがプリインストールされたパソコンとして使っているわけです。しかし、Officeだけは、古いOffice 95を使い続けなければならない。私など、Word XPに慣れてしまうと、たまに、Word 2000を使う必要が生じたときはその機能差に戸惑い、使いづらく感じることがあります。それがOffice 95ですからね。相当につらいものがあると思います。一時期は一太郎や1-2-3を使って自衛されていた顧客もいましたが、最近は、それもままならなくなってきていました。ところでこのサービスの中心にあるハードウェアは、かなり高価なもので、通常、10~20年は使い続けられるものと見られています。回収計画も、それを見越した長期計画になっています。つまり、その間はOffice 95を前提にしたクライアントプログラムを使い続ける必要がある・・・。もし、2000年に納品を受けた顧客が20年間使い続けた場合、2020年ごろまで、古いOffice 95を使い続ける必要があるわけです。その間にクライアントPCは壊れるなどして何度か買い換えられて新しいものに変わっているでしょうが、そのたびに、プリインストールされている最新のOfficeは古いOffice 95にダウングレードされるとしたら・・・、ちょっと想像するだけでもぞっとしますね。私なら、そんなパソコン、絶対に使いたくない!!!。しかし、VMを使えば、この問題を解決できます。例えば、今、Windows 98+Office 95のクライアントPCをWindows XP+Office 2003のパソコンにリプレースするとします。いままでだと、Office 2003⇒Office 95にダウングレードしていたわけですが、VMがあれば、Office 2003はそのまま残すことが出来ます。すなわち、このマシンにVMをインストールし、VM上のゲストOSとしてWindows 98+Office 95をインストールして使えばよいわけです。システム起動時にVMも一緒に起動しておき、クライアントプログラムを使いたいときは、ゲストOSのWindows 98から使い、そのほかのプログラムを使うときは、Windows XPで使えばよい。1台のマシンに、同時に2つ以上のOSを立ち上げておくことが出来るので、こういった用途には、便利に使えそうです。他にも、Webアプリケーションと古いブラウザの互換性テストのために、古いブラウザをインストールしたゲストOS何種類か用意しておき、これらを同時に起動して、見比べながら互換性テストするということも出来そうです。Linuxに比べてWindowsは長い間使い込まれてきているので、互換性のニーズも高く、その方面には、このVMは便利に使えそうですね。え?、なぜ、今までVMを使わなかったのかですって?それは、保守の問題が大きなウェイトを占めていました。これまで、OSの保守は、ハードウェアメーカーがハードウェアと一緒に包括的な保守契約を結んで保守していました。しかし、マイクロソフトがサポートしない別会社のVMを使用した場合、この保守が受けられなくなります。ハードウェアメーカーはマイクロソフトがサポートするOSを前提に保守契約していたわけで、その前提が崩れる以上保守できないわけです。もっとも、サーバプログラムやクライアントプログラムなどのソフトウェアの保守契約は別物なので、VMメーカーのサポートを前提に、ソフトウェアとして保守することは出来たでしょうが、同じ契約のままでは無理ですよね。それに、VMメーカーのサポートはどの程度信用できるのかという不安も付きまといます。その辺が、マイクロソフトが直々にサポートしてくれることになると、話が早いわけです。同じ契約のままでは保守できない点は変わらないでしょうが、保守の道が開け易くなります。
2004年04月21日
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昨日、掲示板でhiroBさんに質問されたものですが、良いテーマなので、この日記で回答させていただきます。基本的には、以下のことをすればアンインストール完了です。(1)KNOPPIXを入れたパーティション(HDインストールの場合)またはファイル(FAT32インストールの場合、cloopファイルや他の関連ファイル)を削除します。(2)元のブートローダを入れなおします。その方法は以下の通りです。1.KNOPPIXのパーティションの削除KNOPPIXをHDインストールして使っていた場合、アンインストール後は、そのパーティションを削除して再利用したいですよね。しかし、Windows 9xのfdiskでは、このパーティションを削除できません。(NT系のWindows(NT/2000/XP/2003)ならディスクアドミニストレータなどで簡単に削除できます)そこで、Windows 9xの場合は、Linuxのfdiskやqtpartedなどをつかって、パーティションを削除することになります。ここでは、qtpartedというGUIのパーティション操作ツールを使って削除する方法を紹介します。Kメニューの「システム」の中に「qtparted」というエントリがあります。#20040216-20040220版だと2つ出てくるのですが、この場合、アイコンの大きい下のエントリが正しいエントリのようです。これを実行すると、以下のような画面が出てきます。#qtpartedの画面を採取するのに手ごろなHDが無かったので、30MBのメモリスティックを使いました。#15MBのFAT32というのは本来はあってはならない規格違反のもので、Windowsでは作ることも使うことも出来ないのですが、Linuxだと作れてしまいます。#qtpartedでも、このパーティションの動作は怪しい(この画面だって計算が合わないし・・・)のですが、そこは目をつむることにします。一応GUIで、しかも日本語化されているので、操作方法はおよそ見当が付くと思います。ちなみに、「操作」メニューは以下のようになっており、基本的なパーティションの操作はqtpartedで出来るようになっているようです。 qtpartedの操作方法はすでに解説ページがインターネット上にいくつかあるようなので、Googleで検索してみてください。「qtparted KNOPPIX」で検索すると、KNOPPIXのqtpartedを使って解説しているページがヒットするようです。2.ブートローダを元に戻す。KNOPPIXではブートローダにGRUBを使うことが多いと思いますが、ブートローダにアンインストールという考え方は無いので、ふたたび、以前のブートローダをインストールしなおすことで、元に戻します。その方法は、GRUBを何処にインストールしていたかによって、異なります。2.1 GRUBをMBR(マスタブートレコード)にインストールしていた場合。Windowsの標準のブートローダをMBRに書き込むことで対処できます。その方法は、PowerQuest/NetJapanのサポート資料「MBRをリフレッシュする方法」で解説されています。2.2 GRUBをPBR(パーティションブートレコード)にインストールしていた場合。2.2.1 そのパーティションがWindows 98/Meのシステムパーティションだった場合Windows 9xの場合は、PBRはMBRのように単独で書き込むことが出来ません。したがって、もし、GRUBをインストールしていたパーティションがWindows 98/Meのシステムパーティションだった場合は、Windowsを再インストールしないと、元に戻せません。Windowsを再インストールした場合は、Uindows Updatesの多くは適用しなおしになるなどの対処が必要になります。ご注意ください。2.2.2 そのパーティションがWindows 2000/XPのシステムパーティションだった場合Windows 2000/XP の場合は、MBRにインストールしていた場合と同じ方法が使えるかもしれません。試してみてください。2.2.3 そのパーティションがWindows のシステムパーティションではない場合PBRは、そのまま放置し、アクティブパーティションをGRUBをインストールしていたパーティションからWindowsのシステムパーティションに変更することで対応します。Windowsの標準のブートローダは基本パーティションの中からアクティブに設定されているパーティションを探し、そのパーティションのブートレコード(PBR)に制御を渡すので、アクティブパーティションをWindowsのシステムパーティションに変更するだけで、Windowsからブートできるようになります。もっとも、この設定の場合、GRUBからはWindowsを起動できなかったはずで、LinuxとWindowsのマルチブートを実現するには、別途、PQBootやOS-2のブートマネージャのようなブート対象OS切り替え機能を持つツールを使っているはずなので、その場合には、特に設定変更する必要は無いはずです。アクティブパーティションに設定する操作も、qtpartedで出来ます。「操作」メニューの「アクティブに設定」がそれです。GUIで簡単に使えるので特に説明しません。やってみてください。更新2 2004/10/19PowerQuest/NetJapanのサポート資料「MBRをリフレッシュする方法へのリンクが切れていたので修正しました。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年04月14日
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こんどのプロジェクトで使用する小規模データベースの選定のためにOracle 10gの30日間体験版をダウンロードしてMiracle Linux 2.1評価版にインストールしようとしたのですが、そしたらびっくり。インストーラから門前払いの扱いを受けました。日本オラクルのサイトでは、Oracle 10gはMiracle Linux 2.1でも動作することになっているし、Miracle Linux 2.1のサイトでは、Oracle 9i Release 2 対応キットをインストールすることでOracle 10gもサポートされるような記述があったので、よもや、このような扱いを受けるとは考えていませんでした。クイックインストールガイドを読みながら、いろんな事前準備を行い、ようやく、インストーラ起動にたどり着いたのですが、インストーラを起動したとたん、サポート対象外のLinuxである旨のエラーになってしまったのです。なに?、これ!おかしいと思って、OracleやMiracle Linuxのサイトを探し回ったら、1箇所だけ、それも小さな注記で「4月上旬に対応予定です。」だって。え~っ!そういうことなら、もっとはっきりと、全ての箇所で書いて欲しいものですね。他の箇所の記述は、すでにサポート済みとしか思えないような記述になっているのですから。それに、4月上旬って、もう過ぎてますヨ。とりあえず、やりたかったのは、DBMSの比較評価なので、他のDBMSを先に評価することにして、その間にMiracle Linux 2.1がサポートされるのを待つことにしました。たぶん、Oracle 10g Release 1 対応キットのようなものが出てくるのでしょうね。Miracle Linuxで こんな状況だと、KNOPPIXでOracle 10gを動かすなんて、無理そうですね。あきらめかな? これは。KNOPPIXでOracleが使えると、便利だと思うんですねけどね。(2004/4/14 更新1)この問題を回避するためのツールとしてmlsetverというコマンドが、MILACLE LINUXでサポートされていることが分かりました。このコマンドを使ったらインストールできたという報告もあるようなので、明日(4/15)、このコマンドを使って再トライしてみます。
2004年04月13日
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前回の実験が失敗したのは、使用しているgccのバージョンの問題かも知れないと考えていたのですが、KNOPPIXには、gcc-3.3の他にgcc-2.95もインストールされているので、今度はgcc-2.95に変更して再トライしてみました。その結果は、多少先に進んだのですが、やはり、同じmakeファイルの処理中にエラーになってしまいました。Linking external procedure agent (extproc)rm -f /home/knoppix/oracle/product/8.1.7/rdbms/lib/extprocgcc -o /home/knoppix/oracle/product/8.1.7/rdbms/lib/extproc .../usr/bin/ld: /home/knoppix/oracle/product/8.1.7/rdbms/lib/extproc: hidden symbol `stat64' in /usr/lib/libc_nonshared.a(stat64.oS) is referenced by DSOcollect2: ld returned 1 exit statusmake: *** [/home/knoppix/oracle/product/8.1.7/rdbms/lib/extproc] エラー 1前回は最初のLinkでエラーになっていたので、それに比べれば、だいぶ進んだようですが、gcc以外にも問題があるということなんでしょうね。glibcは2.3.2のままですし、Oracle 8.1.7にとって、KNOPPIX 3.3は新し過ぎて、合わないということのようです。やはり、今度、Oracle 10gのLinux版の開発ライセンスを入手したら、メモリを512Mバイト以上積んだマシンを探してトライすることに期待するしかなさそうです。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年04月11日
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この実験は2004年8月に成功しています。以下は、なぜKNOPPIXでOracleなのかという点と2004年4月に失敗したときの苦労話です。googleで検索してこのページに来ても、成功した記事になかなかたどり着けないようなので更新しました。(2005/4/2更新)結果から言うと、うまくいかなかったのですが、実験してみたので、とりあえず、報告します。OracleとKNOPPIX、非常にちぐはぐな取り合わせですね。普通に考えると、そんな取り合わせにどんな意味があるのと思われそうなので、まず、その辺から。データベースを業務で使う場合、Oracleだと、これまでは最低でも数十万円かかりました。今月発売されたばかりのOracle 10gでは、最低価格は大幅に値下げされたので、10万円割れからOracleを選択できるようになりましたが、それでも、無償でインストール不要の簡単Linuxが売りのKNOPPIXには釣合いませんよね。KNOPPIXならMySQLかPostgreSQLを選ぶのが普通です。しかし、Oracleをインストールする目的にはもう一つあります。台数的にはその方が多いかもしれません。それは、開発・評価目的のOracleです。開発するデータベースが大きなものになってくれば、それにつれて、開発に携わる人、部署、事業所も増えてきます。そんなとき、開発用のOracleサーバは、たぶん、部署ごとに別々に持つことになるはずです。というのは、開発の初期段階(単体テスト~連動テスト)や、本番開始後の保守段階では本番用のデータベースには接続できないのが普通だからです。それでも、開発・テスト・調査などのためにデータベースが必要になるので、手元のあり合わせのマシンに本番用と同じバージョンのOracleをインストールして使うわけです。以前は、このような開発・評価などを目的とする場合にも、製品版を購入する必要があるとされていました。それが数年前から変わってきました。開発ライセンスが無償~低価格で配布されるようになってきたのです。開発ライセンスというのは、開発・テスト・評価・調査などの目的に限定して使用を認めるというもので、配布されるCDに入っているパッケージは製品と全く同じものでした。体験版に良くありがちな使用期間制限や機能制限などはありません。私が初めて開発ライセンスを入手したのは、1999年秋にiDevelop1999というOracle主催のコンファレンスで参加者に無償配布されたときでした。当時のOracleの最上位エディションの開発ライセンスを入手できました。現在は、OTN有償会員(約3万円/3ヶ月)になると、現在のOracleの全製品の開発ライセンスを入手できますし、今月発売されたばかりのOracle 10gなら、5月末までのキャンペーン期間中に申し込めば、わずか3千円で最上位エディションの開発ライセンスを入手できます。このようにしてライセンスの問題が解決すると、次に問題になるのは、それをインストールするマシンです。Oracleはこの数年間に非常に沢山のバージョンを発表してきました。Oracle 8以降だけでも、以下のような状況です。・Oracle 8 : 8.0.3、8.0.4、8.0.5、8.0.6・Oracle 8i : 8.1.5、8.1.6、8.1.7・Oracle 9i : 9.0.1、9.2.0・Oracle 10g: 10.1.0これだけ、いろんなバージョンが矢継ぎ早に出てくると、同じバージョンのOracleを2度以上使うのはめずらしいケースになります。結局、現状では以下のどれかを選んで対応することになります。(1)新しいマシンを調達して新しいOracleをインストールする。(滅多に無い)(2)古いマシンの古いOracleを削除して新しいOracleをインストールする。(よく失敗する。ひどいときはシステムごと再インストールしたことも。また、複数プロジェクトでの共有は困難。)(3)古いマシンに複数のOracleをインストールし、必要に応じて選択して起動する。(ディスク領域の手当てと、開発プロジェクト間の調整が必要。)(4)古いマシンの古いOracleを使い続ける。(新バージョンの新機能は使わず、無視する)私の場合は、このうち(3)か(4)になることが多いです。さて、ここからが本題。もし、KNOPPIXにOracleがインストールされていたらどうでしょう。サイズ的にCDブートは無理ですが、DVDブートかFAT32ブートならOK。データベースファイルとスワップを確保するためにFAT32パーティションは必要になりますが、メモリが128MB以上搭載され、FAT32パーティションに2~3GB程度の空きを確保できるという条件だけなら、意外に多くのマシンが使用できそうです。もっとも、メモリ128MB以上で使えるのはOrcale 8iまでの話で、Oracle 9i/10gは512MB以上のメモリが必要になりますが、デスクトップPCなら、空いているマシンからメモリを集めてくるなどにより、何とかなりそうです。最近は事務用PCと実験用PCの2台のパソコンを一人で扱う場合も多くなってきました。実験用PCの方には多くの開発ツールと一緒に大抵Oracleクライアントなども入っています。しかし、この実験用PCにOracleサーバをインストールしようという話になると、ちょっと身構えてしまいます。新たにWindows 2000 ServerやMiracle Linuxなどをインストールするとこれまでに揃えた各種開発ツールが使えなくなってしまいますし、いつものWindowsにインストールするのは、上に上げた理由や、他にもいくつか理由があり、好ましくないのです。反面、事務用PCにOracleをインストールする方には可能性があります。開発や実験の間は、事務用PCは空いているので一時的に転用できる可能性があるからです。もっとも、Oracleを事務用マシンのいつものWindowsにインストールするとか、新たにWindows 2000 ServerやMiracle Linuxなどを事務用マシンにインストールするというと、やはり身構えてしまいますが、KNOPPIXなら、FAT32パーティションに数GB程度の空きを確保し、そこにいくつかのファイル(cloopファイル、継続的ホームディレクトリファイル、スワップファイル、パッチファイルなど)をコピーして置くだけで良いので、現実味を帯びてきます。他にも、同様な理由で、KNOPPIXで使うなら使っても良いというマシンは出てきそうです。そこで、本当にKNOPPIXにOracleをインストールできないだろうかと思って始めた実験がこれです。KNOPPIXにOracleをインストールする場合、大きく次の2つのケースがあると考えます。(ケース1)cloopファイルは産総研製のものをそのまま使い、Oracleのプログラムとデータベースは継続的ホームディレクトリにインストールする。(ケース2)cloopファイルにOracleのプログラムもインストールしてあり、継続的ホームディレクトリにはOracleのデータベースだけをインストールする。使う立場では、(ケース2)の方が使い易いのですが、とりあえず実験してみるには(ケース1)の方が簡単なので、今回は(ケース1)で実験しました。#もうひとつ、KNOPPIXをHDにインストールして使う方法があるといわれそうですが、HDにインストールするなら、Miracle Linuxなど、もっと良いLinuxがあるので、ここでは考えないことにします。現在、私がOracleの開発ライセンスを持っているのは、Linux版ではOrcale 8i 8.1.6と8.1.7だけなのと、テスト機がノートパソコンで、メモリが384MBしかないことから、今回は8.1.7を使うことにしました。次にインストール方法ですが、「Oracle8i for Linux Intel インストレーション・ガイド リリース8.1.7」を読むと、カーネルの再構成が必要になるように書かれています。私は昨年5月ごろ、FAT32ブートのままカーネルの再構成に挑戦して失敗しています。なぜ失敗したのか、ある程度分かってきたので、いずれ機会を見て再挑戦しようとは考えていました。しかし、今回、それをやらなければいけないとすると、うまくいくのか、少々不安でした。そんなとき「Oracle8i R8.1.7 for Linux スタートガイド」を知り、そちらには、カーネルの再構成をしないで済ます方法が解説されていました。そこで、今回の実験では、このスタートガイドにそってインストールしました。このスタートガイドどおりにならない点は、以下の通りです。(1) KNOPPIXではKDEを別のアカウントでログインしなおすというのが容易ではないので、スタートガイドに書かれているユーザ名・グループ名の追加はせず、「knoppix」をそのまま使用しました。(ユーザ名・グループ名共)(2) JDK 1.1.8はBlackdown のFTP サイトからダウンロードしましたが、そのURLは少し異なっていました。(3) ORACLE_BASEなどの環境変数の設定を追加するのは、「.bash_profile」ではなく「.bashrc」になります。(4) ORACLE_BASEの位置は、継続的ホームディレクトリ内に確保するため、「/u01/app/oracle」⇒「/home/knoppix/oracle」に変更しました。(5) インストール作業の途中で実行する構成スクリプト「root.sh」では、awkのフルパス名が/bin/awkになっていましたが、KNOPPIXでは/usr/bin/awkなので、このroot.shをkwriteなどのエディタで修正する必要があります。以上のようにすることで、しばらくの間は、おおむね順調にインストールが進んでいきました。しかし、ある程度進んで構成スクリプト「root.sh」の実行を促すメッセージを表示する直前あたりで、makeがエラーになり、止まってしまいました。そのときのmakeのログの最後の部分は以下のようになっていました。$ cd /home/knoppix/oracle/product/8.1.7/rdbms/lib$ /usr/bin/make -f ins_rdbms.mk install ORACLE_HOME=/home/knoppix/oracle/product/8.1.7chmod 755 /home/knoppix/oracle/product/8.1.7/binrm -f oracle ・・・ - Linking Oraclerm -f /home/knoppix/oracle/product/8.1.7/rdbms/lib/oraclegcc -o /home/knoppix/oracle/product/8.1.7/rdbms/lib/oracle ・・・(1159桁の長いコマンドライン)/home/knoppix/oracle/product/8.1.7/lib//libdbicx8.a(sndwutl.o)(.text+0x1307): In function `sndwugtf_get_temp_file':: warning: the use of `tempnam' is dangerous, better use `mkstemp'/home/knoppix/oracle/product/8.1.7/lib//libpls8.a(spssimb.o)(.text+0x303): In function `pss_gets':: warning: the `gets' function is dangerous and should not be used./usr/bin/ld: /home/knoppix/oracle/product/8.1.7/rdbms/lib/oracle: hidden symbol `__fixunssfdi' in /KNOPPIX/usr/bin/../lib/gcc-lib/i486-linux/3.3.3/libgcc.a(_fixunssfdi.oS) is referenced by DSOcollect2: ld はステータス 1 で終了しましたmake: *** [/home/knoppix/oracle/product/8.1.7/rdbms/lib/oracle] エラー 1なぜエラーになるのか、まだ原因は分かっていませんが、使用しているgccのバージョンの問題かもしれません。Red Hat Linux 7.1に対して適用するパッチの解説を読んでみると、glibcなど、いくつかのライブラリは、Red Hat Linux 6.2互換の古いもの(glibc-2.1.3など)をインストールしないといけないそうです。より新しいLinuxには未対応になので、KNOPPIXのような最新のLinuxにインストールするのは無理があるのかもしれません。結局、このエラーを解決することが出来ず、ここで中断しているのが現状です。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年04月10日
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このニュース、前回、私がコメントした頃から、だいぶ様子が変わっていますね。回転扉の利用自粛が広まっているというニュースを聞いて、ああやっぱり・・・という気がします。この事故、死亡にまで至ったのは初めてのようですが、軽傷で済んだものまで含めると、あちこちで、かなりの数の事故が発生していたようですね。死亡事故になる確率は相当に低いでしょうから、それ自体が氷山の一角で、その下に膨大な軽傷事故があったということは、容易に想像できます。中には、骨折に至るようなものもあったようですね。過去に2件以上この種の事故を経験しているところでは、今回の事故は身につまされて相当に怖かったでしょうから、自主規制に走る気持ちは分かります。でも、こうなってくると、一事業者の問題ではなく、社会問題になってきます。初期の頃にあった、過去に軽傷事故が何回かおきたときになぜ抜本対策を打たなかったのかという議論は、安全基準が無いではないかという議論に変わってきたようです。そうですよね。センサーの死角が取りざたされているようですが、安全基準が無かった以上、死角を広げたこと自体を非難することは難しいわけですし、技術者(畑違いではありますが)の目から言わせて頂けば、テープと人間を区別できないような原始的なセンサーを使っていて良いのだろうかという問題や、前回指摘したように仮に挟まれてしまっても事無きを得るような仕掛け(フェイルセーフ)なども検討の余地があると思います。適切な安全基準が設定され、より安全な形で戻ってくることを期待したいですね。ただ、行過ぎて、お役所の利権の餌食にされないよう、うまい落としどころを探って欲しいとも思っています。私は、この事件には、もう一つの問題があるような気がします。過去に軽傷事故が何回も起きていたのに、なぜ、安全基準が無かったのだろうかということです。私が当事者だったとすると、仮に自分の子供が事故にあって、怪我をした、あるいは骨折したとしても、生きていて、後遺症も無かったとしたら、ビルやメーカが誠意を持って対応してくれれば、それ以上ことを荒立てたりはしないでしょう。仮にビルやメーカの担当者だったら、被害者には謝罪し、不満が出ないようにいろいろ対応したとしても、外部には隠して何も言わないでしょう。それに、軽傷なら、他にも多くの事故が起こっているはずで、それらに埋もれて、あまり重要視されないかもしれません。そういったことが重なって、あちこちで軽傷事故が起きていたにもかかわらず、見過ごされ、埋もれてしまっていたのでしょうか。氷山のように海上に現れてくれば発見は容易ですが、すでに問題は大きくなっています。まだ海中に埋もれている状態で発見するのは難しいかもしれませんが、その状態でも埋もらせずに見出す仕掛けも考える必要がありそうな気がします。
2004年04月04日
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このニュースで、昔、電車の扉に良く手を挟まれたことを思い出した。私が小学校3~5年の頃のことである。私は幸運だった。挟まれたのが電車の扉だったので何度挟まれても、そのたびに周りの大人に助けてもらい、かすり傷ですんだ。このニュースの子はたった一度挟まれただけで・・・。かわいそうに。その後のニュースを聞くと、センサーで検出が遅れるだの、止まるまでに何十cm動くだのいってる。あたりまえのことじゃないか。今の技術で突っ走ってくる男の子を事前に認識するのは容易なことではない。人間が何秒も前に危ないと気付いたって、機械はまだ気付いていない。数十cm手前でセンサーが働いたって、歩いてくるならまだしも、突っ走ってくるものに間に合うわけが無い。しかし、子供にそんな危険があることを事前に察知できるわけも無いし。かといって、回転扉は危険だからやめろという議論に発展するのも賛同できない。効果的な対処方法はないのだろうか。電車の扉に手を挟まれた経験から、ふと、ヒントに気付いたので、ここに書くことにする。最近、電車のドアの引き込み口にだれかが手を挟んだといって満員電車が止まっている光景を見たことが無い。私は、通学に電車を使っていたので、毎日、満員電車に乗っていた。それも、降りる駅でちょうど階段のそばに来る扉が好きだった。乗ってから、その扉が最初に開くのは降りる駅だった。いつも、友達と一緒に何人かで最後に乗り込み、降りる駅ではドアが開いたら改札まで競争だった。だから、挟まれる環境はそろっていたわけで、私か友人が電車のドアの引き込み口のわずかな隙間に手を挟まれて騒ぎになったことは、3年間に5~6回程度はあったのではないだろうか。そのたびに、騒ぎになり、満員電車が数分止まっていた。最近、電車のドアに子供が手を挟んだということを聞かないのは理由がある。ドアの引き込み口にゴムが張ってあって、手を挟まれても簡単に取り出せるようになっているのだ。これだと、引き込まれても、たぶん痛くないだろうし、かすり傷さえ負うことは無いだろう。つまり、ヒントとは、このゴムを使うことである。ニュースの映像を見ていると、回転扉の仕切りの前後に数十cmのガードがある。あのガード、固い素材で出来ているように見えるが、あれがゴムだったら、大事には至らなかったのではないだろうか。センサーが働いてから停止するまで数十cmなら、それより少し広いゴムのガードがあれば、男の子が挟まれても、イテテぐらいで済む。停止した後、ゴムの力で反対に押し戻され、数十cm戻ってから止まるようなら、男の子はすぐ脱出でき、事なきを得る。私ごときが、日記に何か書いた程度で何か効果があるとは期待できませんが、どうしてもどこかに言いたかったので、ここに書きました。今後、この事件を教訓に、より安全性が高められたものが出てくることを期待したいと思います。
2004年03月27日
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カーネルのバージョンが2.4.22-xfs⇒2.4.24-xfsにアップした新しいKNOPPIXが登場しました。KNOPPIXメーリングリストには、さっそく、このバージョンアップの恩恵を受けたという報告がありました。たぶん、カーネルのバージョンアップのおかげでしょう。このKNOPPIXの変更点は、KNOPPIXメーリングリストでのアナウンス[knoppix:3030]を見ていただくことにして、ここでは、このアナウンスで紹介されなかった変更点をいくつか紹介することにします。1.dmaオプションがブートの最初の段階から適用されるようになりました。これまで、dmaオプションを指定しても、適用されるのはknoppix-autoconfig実行後からでしたが、これが、linuxrcで最初にCDROMをマウントするよりも前にdmaオプションが適用されるようになりました。この結果、toramオプションやtohdオプションによってブート中に大きなファイルをコピーする場合にもdmaオプションが適用されるようになりました。これまで、KNOPPIX実験室の実験1-6(オンメモリKNOPPIXの実験)で提供してきたminiroot.gzでは、/cdromにCDROMやFAT32パーティションなどをマウントしたとき、マウントしたデバイスに対してdmaオプションが適用されるようにしてきました。この結果、toramオプションの実行時間が短縮されるという効果がありました。(KNOPPIX実験室 実験1-6 2003/12/16の実験結果参照)こんどのKNOPPIXでは、最初にCDROMをマウントするよりも前に全てのIDEデバイスに対してdmaオプションが適用されるようになりました。この結果、toramオプションだけでなく、tohdによってCDROM⇒HDにコピーする場合にもdmaオプションで高速化されることになると思われます。2.fromhdオプションでfromhd=/dev/xxxx形式の指定がサポートされました。fromhdオプションについて、knoppix-cheatcodes.txtでは「fromhd=/dev/xxxx」の形式で指定できると書かれていましたが、この仕様は、これまではサポートされていませんでした。(詳細はこちら) それが、このバージョンでようやくサポートされました。本実験室で提供するminiroot.gzにはcdrom=/dev/xxxxというオプションがありますが、このfromhd=/dev/xxxxは、cdrom=/dev/xxxxと同じ結果が得られます。今後、本実験室で提供するminiroot.gzではfromhd=/dev/xxxxとcdrom=/dev/xxxxの両方ともサポートしていきます。この新しいKNOPPIXに対応したminiroot.gzは先ほど実験1-6にアップしました。ただし、Howto3-4/3-5でKNOPPIX_20020031119-20040202版等を使って作成した継続的ホームディレクトリは、そのままではKNOPPIX_20040216-20040220版では使えません。この継続的ホームディレクトリをKNOPPIX_20040216-20040220版に移行する方法は近日Howto3-6としてアップする予定です。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年03月13日
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夜行バス利用になるので、体力的にちょっと厳しいのですが、深夜に出発して早朝に到着するので、時間のロスが最も少ない方法だったりします。毎日、休みなく出ているようですが、安くて人気が高いようで、前日あたりに予約しても満席になっていることがあるようです。先日の大阪出張中に知り、帰りに使ってみました。バスは、普通の観光バスだったので寝づらかったですが、夜寝ることを考慮してか、座席間隔はほんのわずかながら広いタイプのバスでした。昔、良く山に行っていた頃、夜行バスで尾瀬に行ったことが何回かありましたが、そのときは、普通の昼行用のバスと同じ座席間隔だったのを思い出して、アレに比べればと自分を慰めながら乗っていました。このバス、最初は、土曜に帰れる予定だったので、土曜の夜発のバスを予約していたのですが、終了間際にトラブったため、数日延期になってしまい、キャンセル。結局、平日の夜行で帰ってきて、翌日はそのまま出社したため、かなりしんどかったですね。使うなら、やはり、翌日が休みになるようなとき(金曜か土曜の夜行)の帰宅手段に使う方が良いようです。ただし、キャンセル料は高めなのでご注意を。私の場合、前日キャンセルだったので約40%取られました。当日キャンセルだと、約50%も取られてしまいます。このバスの連絡先は、06-6258-6605/03-5705-3358。
2004年02月27日
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といっても、昨日ではなくて、2004/2/4のことです。2004/2/3まで2週間半ほど大阪に出張に出ていたのですが、その仕事が一段落し、休みが取れたので比叡山行ってきました。すでに、大阪市内や京都市内は何回か行ったことがあるので、今度は京都周辺の山に行ってみたいなと思っていたからです。源氏物語にも北山の聖や横川の僧都などが登場してくるので興味を持っていたことと、もともと山が好きだったからということもあります。といっても、出張先からなので靴は革靴しかなく、普通なら山歩きはできません。比叡山ならケーブルカー・ロープウェイ・バスとアクセスも整備されているし、延暦寺もあるので道は参道として整備されているだろうと思って比叡山に決め、京都側から登って延暦寺周辺を散策後、琵琶湖に下りることにました。京都側にも琵琶湖側にもケーブルカーやロープウェイがあるので、それを使えば革靴でも問題ないはず、時間が許せば横川まで足を伸ばそうと考えていたのですが・・・。行ってみてびっくりしました。低いとはいえ、やはり山ですね。ロープウェイの山頂駅を降りたら道に雪が積もって凍結していて滑り易くなっているのです。春~秋のシーズン中なら良く整備された歩き易い道だったろうと思いますが、凍結しているので非常に歩きにくくなっているのです。しかも、そんな道が延暦寺東塔まで延々と2Kmも続いているではありませんか。また、シーズン中ならシャトルバスも運行しているようですが、冬季は運休。京都駅行きなどの路線バスなら1日3本程度運行しているようですが、時間が折り合いません。このバス道なら凍結の心配は無さそうですが、大きく遠回りをしているので、ちょっと歩く気にはなりません。かといって、せっかく来たのに引き返すのは癪なので、結局、この凍結した道を革靴で歩くことに。しかし、やはり、歩き始めの数分間に2回も転倒しました。この道は、途中から山道に入るので、場所によっては転倒したら怖いようなところもあります。木につかまったり、少しでも雪の少ないところや雪が凍結せずに残っているところなどを探して歩いたりして、慎重にゆっくり行ったおかげで、一時間くらいかかりましたが、その後は転倒することなく、延暦寺の東塔まで到達しました。この道、この先も西塔を経て横川まで続いているのですが、ずっと、似たような状態だと思われたので、その先に行くのはあきらめてしまいました。東塔周辺には延暦寺の様々なお堂があり、その周辺の道は舗装され、十分に整備されていたので、ここは革靴でもなんら問題がありません。琵琶湖側からのロープウェイも、ここにつながっているので、革靴で来るなら、琵琶湖側からピストンした方がよいようですね。この日は、シーズンオフで、しかも平日だったため、非常にすいていました。いくつかのお堂はたった一人で見学させてもらいました。この日一日いて見かけた観光客(単にすれ違っただけの人たち)は、全部で数十人程度ではなかったかと思います。1/31(土)に清水寺に行ったときは、相当な賑わいがあったのに比べると、雲泥の差ですね。しかし、たった一人でスーツ姿で歩いても、何か虚しさがありますね。こんどは家族で行きたいな。道が凍結しているのは困るので、シーズンオフは外して、しかし平日のすいているときに、家族でゆっくりと横川あたりまで散策したい気がします。
2004年02月18日
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訂正:Javaを標準でサポートしたLinuxは沢山あると思っていたのですが、私の使ったことのあるLinuxの中では、Live Linux2だけでした。最近発売の有償Linuxでは、以下のものでJavaがサポートされているらしいことはWebページで確認できました。・Miracle Linux Standard Edition 2.1・Red Hat Professinal Workstation・Red Hat Enterprise Linux 2.1しかし、私が使ったことのあるFTP版のLinuxでは、どれも、標準ではJavaはサポートされていませんでした。重要な点で勘違いしていたことをお詫びし、訂正いたします。(以下の記述は訂正済みです。)現在、KNOPPIXではJavaがプリインストールされていません。代わりにインストール用のスクリプトが添付されていて、自分でダウンロード&インストールして使うようになっています。なぜ、そんな面倒なことになっているのでしょうか。それは、KNOPPIXでは全てのプログラムがインストール済みで即使用可能な状態で配布されるという、通常のLinuxとは異なった特殊な側面があるために生じるJavaのライセンスの解釈の問題のようです。JREはダウンロード、使用、再配布がフリーです。でも、ソース提供がなく、改変も認められていません。KNOPPIXの開発者は、この2点から、JavaをKNOPPIXで配布するのは問題ありと考えたのでしょう。でも、JREをプリインストールしたCDブートLinuxが無いわけではありません。Live Linux2にはJREがインストールされ、Tomcatもインストールされていました。Java2 Standard Edition SDKはインストールされていませんでしたが、これは、当時、このSDKの再配布が認められていなかったからです。コンパイラなどの一部バイナリが再配布可能になったのは、Live Linux2の発売直前だったようです。でも、コンパイラが無いと、Tomcatだけあっても、Javaのプログラムを作れないので使い物になりません。そこで、かわりにjikesが入っていました。では、KNOPPIXで問題ありと判断されたJREをLive Linux2でインストールされているのはライセンス違反だったのでしょうか。ここがKNOPPIXとJava、いや、CDブートLinuxとJavaの関係の微妙なところで、判断の分かれるところです。私は、Live Linux2のようにJREをインストールしてもライセンス違反とは言えないと考えています。Live Linux2が何を根拠にこのような判断を下したかは不明ですが、私は、以下のような考えから、CDブートLinuxにJREをプリインストールして配布しても問題無いのではないかと考えています。#これは、あくまで私の個人的な意見です。この意見が正しいのかどうか私には分かりません。#この意見はあくまで参考にとどめ、最終的にはご自身の責任で判断してください。#その判断の結果、何か損害をこうむったとしても、私は何らその責を負うことは出来ません。#とはいえ、KNOPPIX(またはその派生版)を提供する権限と責任を持つ立場の方が、この意見を読んで、Javaをプリインストールして配布しても問題ないと判断してくれることを期待して、この記事を書きます。(1)ソースが提供されない点について。GPLのFAQに次のような記述があります。http://www.gnu.org/licenses/gpl-faq.ja.html#MoneyGuzzlerInc(GPLで保護されたプログラムを改変し、カネヨコセ社(Money Guzzler Inc.)から出ているポータビリティライブラリとリンクしたいのですが、私はカネヨコセ社のライブラリのソースコードを頒布することができません。そこで、カネヨコセ社のライブラリとリンクしたバージョンを改変したいユーザは、それらのライブラリを別に入手しなければなりません。どうしてGPLはこれを許可していないのですか?)このカネヨコセ社をSun、ポータビリティライブラリをJREに当てはめて考えてみると、Sunはカネヨコセとは言っていないだけで、あとは符合します。つまり、JavaとGPLのプログラムを組み合わせたものを作ることは出来ないということでしょうか。だからか、Javaを使ったプログラムにGPLを採用するものを私は知らないので、問題が無いのかもしれません。しかし、Javaで書いたプログラムからLinuxのシステムコールや各種のコマンド・プログラムを使ったりするのは問題ないのでしょうか。単に使うだけなら問題ないことが多いのでしょうが、いろんなライセンスのものが混在しているので、私には良く分かりません。ただ、この問題はKNOPPIXだけにとどまりません。Javaをサポートする全てのLinuxに言えることです。いまだに多くのLinux(FTP版)でJavaがサポートされない理由の一つはここにあるのでしょうか。しかし、最近、有償版ではJavaをサポートしたものも出てきたようです。・Miracle Linux Standard Edition 2.1 (標準で、SunのJava2 SDK 1.3.1-04が入っている。Tomcat 4.0.3も標準で入っている。)・Red Hat Professinal Workstation (インストールCDには入っていないが、同梱の別CDでIBMとSunのJREが提供される。)・Red Hat Enterprise Linux 2.1 (モデルによってはIBMのJREが標準でサポートされている。SunのJREは無し?)本件は有償・無償とは無関係なはずなので、少なくとも、これらのディストリビュータは、本件に関しては問題ないと考えているということだと思います。(2)改変を認めていない点について。これは微妙な問題を含んでいます。まず、改変とは、何処までを言うのでしょう。JavaのVMやライブラリを一部でも変更すれば該当することは自明ですが、これらを変更しない場合が問題です。Sunから提供されるインストーラを使ってインストールした即実行可能な状態のもの(cloop)を配布することは、改変したものを配布することになるのでしょうか。これが改変だということになると、面倒な問題が出てきます。KNOPPIXのcloopファイルを作成するということは、そこにインストールする多くのプログラムに、この改変を加えて、1つのcloopファイルに統合することだということになると考えるからです。ということは、複数のプログラムを改変して統合した1つのプログラムという位置づけになってしまうのではないでしょうか。GPLの場合、独立したプログラムの集合体なら、ライセンスの異なるプログラムを一緒に配布することが認められていますが、そうでなければ、全体がGPLでなければなりません。つまり、Javaはおろか、Apacheのようなものでさえ、ライセンスがGPLでないため、組み込めないことになってしまい、KNOPPIXのライセンスは破綻してしまいます。KNOPPIXのような配布形態でも、GPLで言うところの独立したプログラムの集合体に該当すると言うためには、改変・統合とは別の見方をする必要があると考えます。私は、通常のLinuxとKNOPPIXのようなCDブートLinuxは、配布とインストールのやり方が違うだけで、ライセンス的には同等であると考えます。通常のLinuxは独立した複数のプログラムの集合体をCDROMなどのメディアに記録して配布し、エンドユーザが、インストーラを使って、これらのプログラムを特定のファイルシステムにインストールして使います。これに対して、CDブートLinuxでは、独立した複数のプログラムの集合体をディストリビュータがCDROM上のファイルシステムにインストールして配布します。エンドユーザは、この配布されたファイルシステムをそのまま使います。この両者は以下の点で同じです。・共に独立した複数のプログラムの集合体を基にしています。・実際にエンドユーザが使うものはインストールが終わったファイルシステムだという点も同じです。違う点があるとすると、以下の点です。・エンドユーザから見ると、CDブートLinuxでは、独立した複数のプログラムの集合体が見えません。・インストール時にライセンス確認があった場合、それを確認するのは、CDブートLinuxでは、エンドユーザではなくディストリビュータになります。この2点の違いを克服して、通常のLinuxとCDブートLinuxはライセンス的に同じ立場にあるということが出来れば、通常のLinuxでサポートできるプログラムなら何でも、CDブートLinuxにプリインストールして配布できることになるのではないかと考えています。(3)独立した複数のプログラムの集合体がエンドユーザから見えない点について。これについては、すでに類似の問題があります。GPLではソースをエンドユーザに提供することを求めていますが、現在の多くのLinuxの配布媒体からはソースは見えない点です。これについては、インターネットからソースをダウンロードできるようにしたり、エンドユーザが要求すればいつでもソースを記録した媒体を実費程度の価格で配布できるようにすることで、問題無しとされています。したがって、CDROM上のファイルシステムへのインストールに使用したプログラムについても、そのインストール用のバイナリパッケージに対して、ソースと同様な処置を講じれば、同じ論理で問題無しとなるのではないでしょうか。実際、KNOPPIX本家では、このようなバイナリパッケージをインターネットから自由にダウンロードできるようにしてくれています。(4)インストール時のライセンス確認をディストリビュータが行う点について。これについては、ディストリビュータがライセンスを確認した時点で、そのライセンスをディストリビュータの責任でエンドユーザに通知し、確認を求める義務を負うと考えることで対処できるのではないでしょうか。そうすれば、ディストリビュータが、その義務を全うすることで、インストール時のライセンスをエンドユーザが確認したとみなすことが出来るようになり、問題は克服されると考えるからです。その方法となると、すでに多くの先例があるので、おおよその見当は付くと思います。(少々面倒くさいものにはなりそうですが)しかし、この問題は、インストーラでライセンス確認するプログラムだけの問題でしょうか。Linuxではインストーラでもライセンス確認しないものの方が多く存在しますが、これらのプログラムでも、ライセンスに同意しなければ使えない、あるいは、使ったことによってライセンスに同意したとみなされる点は同じです。したがって、そのような仕掛けになっていることを包括的にでもエンドユーザに通知して、同意を求める必要があるのではないでしょうか。つまり、インストーラでライセンス確認するプログラムをプリインストールしたかどうかとは無関係に、全体の包括的なライセンスをディストリビュータの責任でエンドユーザに通知し、確認を求めることは、もともと、ディストリビュータに求められている義務なのではないでしょうか。実際、Red Hat Linuxなどの統合インストーラを持つLinuxではインストールの最初の段階で、この包括的なライセンスの確認を求められます。また、CDROMで配布されるものの場合には、CDROMの開封時にライセンスの確認を求めるのが一般的です。KNOPPIXのようにisoイメージのダウンロードで配布されるものの場合は、ダウンロード時に、この包括的なライセンスの確認を求める必要がありそうな気がします。そして、その包括的なライセンスの中に、再配布する場合は、再配布者の責任でエンドユーザに包括的なライセンスの確認を求める義務があることを明記しておけば良いように思います。以上のような対処をすることで、私は、CDブートLinuxもライセンス上は通常のLinuxと同じ立場に立つことが出来るようになり、通常のLinuxで配布できるプログラムなら何でも、CDブートLinuxにプリインストールして配布できるようになるのではないかと考えています。過去のKNOPPIX関連日記一覧はこちらKNOPPIX実験室
2004年02月14日
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注文を受けたといっても、実費提供なので、利益はほとんどありませんが、私の作ったものを使ってもらえると思うと、やはり、うれしいですね。このCDROMは1月10日にマスタを作っているので、それをコピーして出すことも出来たのですが、その後、一ヶ月くらいの間に、いろいろと改良したいところが出てきていてました。せっかくの初ユーザなので、少しでも良いものにして出したいという思いがあり、もう一度、マスタを作り直すことにしました。というわけで、今日は、先日着手したばかりのKNOPPIXでTomcatする実験は、今日はお休みさせていただきました。#今週末には再開する予定です。かわりに、源氏物語の世界 再編集版関係では、以下のようなことをやっていました。・全文検索プログラムの改良・jooxさんによる源氏物語の解説を読ませていただきながら、うちの再編集版と対応を取る作業・csv形式の再編集版の解説の見直しなどです。これらの結果は、数日中にアップしたいと考えています。
2004年02月11日
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