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2024.02.23
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カテゴリ: 技術者シリーズ
信濃川改修工事 その7

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に三七〇㎞で灌漑の利甚だ多く、舟筏航路また二八三㎞の長きに亙るけれども、しばしば水害の甚だしきものがあってその被害もまたすくなくないのである。遠くは元禄十一年五月三日及び享保三年八月五日の洪水に引き続いて元文、寛保、延享、宝暦の災害等があったけれども、今その実況は詳らかに知る事を得ない。近世になってから水害漸く激甚を加えて、彼の明治二十九年の出水の如きは各所で破堤して沿岸の平野は水底に葬られ、その惨状実に甚だしく被害住民はそれから数年の間は全く立つ事の出来得ない程の疲弊困憊に陥ったのであった。又本川の沿岸は概して卑湿の地であって、随って湛水の害また深大である。しかも湛水の害は洪水のように
 間歇的ではなく年々被害 のなかった事がないのである。ただ程度の大小深浅があるばかりで、本川付近肥沃の壌土はこれがために蒙る損害年々実に巨万の額に達して、殊に明治八年の如き格別の洪水でなかったにもかかわらず、沿岸地方は非常な湛水の害を蒙った。中、西、南の三蒲原郡での冠水面積は田地三一、五七六・〇ヘクタール、畑地九、三八二・〇ヘクタールに達したので、その損害額は四、三六四、四八六円の巨額に及んだのである。
 信濃川改修事業の計画を分って信濃川上流改修計画、信濃川改修計画、信濃川補修工事計画に区分して左に述べてみよう。
  信濃川流改修計画
は、新潟県古志郡妙見以下信濃川大河津締切堤防に至る間の水害を絶つを目的とするものであって、最大流量毎秒五、五六五㎥を疏通せしむるに足る流積を有せしむる事とし、地形に応じその河幅を最小六一八m、最大一、二一八mに整理し無堤部には堤防を新設し、有堤部はなるべく旧堤を利用しこれを拡築し、流積不足の部分は掘鑿浚渫を施し以て洪水の快通を図り、激流の甚だしき支川及び悪水路には水門を設け逆水を阻止する等、水害の原因を一掃せんとするものである。
 築堤工事 は全川に亙り馬踏七m二、表裏とも二割法とし、その高は計画高水位以上一m五の余裕を与えなるべく旧堤を利用拡築する事とし、長岡市付近に合流する太田、渋海両用の落日は瀬割新堤を以て引き下ぐる事とするのである。護岸及び水制工事中護岸は主に長岡より上流両岸堤防表法面及び下流部の沿岸で流平衡に面する箇所並びに堤脚の平水中に落ちる部分に対しては表法高水面以下を石張、又はこれと等しき工法により低水に接する箇所は沈床工を施し、また水制工は流心の矯正を要する部分に施すのである。水門工事は新田外二、三の悪水路に設置し、いずれも逆水止門扉を設けるのである。付帯工事は長生橋、與板橋の改築、黒川外二箇川の改修用悪水路の樋管伏替又は水路付替等であって、樋管八五箇所の多きに及ぶを以て、適宜これを処理せねばならないのである。なかんずく工事の最も大なるものは黒川外二箇川の改修であって、大正十四年度以降工費金一八四万一千円、県費負担一三二万九千円(内地元負担三五五、三五四円)にてその工を起し、国において直接施行するもので、その計画の大要は次の如くである。
 信濃川左支黒川及び道満川 はいずれもその上流部においては、出水の時しばしば溢水破堤等のため沿岸耕地を害する事おびただしく、その被害面積千ヘクタール余になる事がある。又下流部の被害は常に湛水に起因するもので、五ヶ所に排水機を設置して僅かに悪水排除をしているけれども、最低地盤は海面上一四m内外に過ぎないから、降雨期に際しては信濃川の平水位においてすら排水機の運転を必要とする状態である。故に一朝信濃川の水位が上昇する場合は殆ど施すべき策なく、稲禾を没し家屋を浸し交通の途は全く絶える有様である。殊に融雪期の如きはその程度著しく浸水面積実に二千余ヘクタールに及ぶ事があり、而もその期間数旬に亙り、為に挿苗期を逸して耕地を荒廃する事が多い。よって黒川沿岸の高地及び道満川沿岸の悪水は、黒川本川、道満川並びに黒川の支川菖蒲川、荻城川の改修によって低地部の悪水は適当に集水して別に悪水路を開鑿し、遠く信濃川新水路固定





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最終更新日  2024.02.23 16:40:34


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