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2025.03.31
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カテゴリ: ネイチャー
指紋採取にウコン…鑑識一筋の職人技で開発した菊地淳一警部補、あす定年
開発した試薬で指紋を採取する菊地警部補(警視庁本部で)=野口哲司撮影
「見ていてください」。千代田区の警視庁本部庁舎。鑑識課で指紋採取の「職人」と呼ばれる菊地淳一警部補(61)が、プラスチック製の白い容器にガーゼで試薬を塗る。ライトを当てると、黄色に輝く指紋がくっきりと浮かび上がった。

 証拠品に付いた指紋は通常、指紋に含まれる水分に瞬間接着剤の成分を反応させ、白く浮かび上がらせてから採取する。ただ、証拠品が白色の場合はこの手法が取れないため、警視庁は米国から輸入した試薬を使って、指紋を黄色に着色して採取していた。

 ところが、この試薬の製造が2021年夏頃に米国内で打ち切られた。「在庫が切れれば指紋の採取が出来なくなる」。危機感を抱いて試薬の開発に乗り出したのが、菊地警部補だった。

インターネットで検索している中で目に留まったのが、食洗機の性能試験で油汚れの残り具合の確認に使われるウコンの成分・クルクミンだった。「応用すれば、指紋も光るのではないか」とひらめいた。

 短時間で指紋を検出するため、勤務時間外に、クルクミンの比率を調整するなど半年間で数百回の試行を重ね、22年春、米国製の従来品と同じく数分間で採取が可能になった。

 完成した試薬はいま、警視庁が扱う各種事件で、ポリ袋などのプラスチック製品から指紋を採るのに活用されている。

 コストも大幅に軽減された。米国製品は1グラムあたりの仕入れ価格が8万円だったが、菊地警部補が開発した試薬は市販の材料でつくれるため、わずか数百円に抑えられたという。

 菊地警部補は試薬の開発で科学捜査の技術を向上させた功績で、今年度の文部科学大臣表彰「創意工夫功労者賞」を受賞した。試薬の製造法は全国の警察本部にも伝えられており、警視庁の畑孝博・鑑識課長は「長い鑑識の歴史に新たな技術を確立してくれた」とたたえる。

 高校卒業後の1982年に入庁し、警察官人生のほぼ全てを鑑識業務にささげてきた菊地警部補は、今月末に定年を迎える。開発した試薬について「捜査で大きな成果を上げているのがとてもうれしい」と語り、「犯罪は巧妙かつ複雑化している。知恵を出し合い、事件解決につなげてほしい」と後輩たちに期待を寄せている。





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最終更新日  2025.03.31 00:01:01


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