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2025.03.31
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カテゴリ: 坐禅
「沢木興道 この古心の人」より

p.318-324

8 独坐3年、葦垣宮

吉野の山寺では不合格

興道は養泉寺を出て、津市の実兄、多田才助の家に身をよせていたとき、清原正道和尚から
奈良の吉野に空き寺があって留守番の坊さんをよこしてくれとのことで行ったらどうかという連絡があった。

目的の地は奈良県吉野郡高見村だった。村長の家に行くと、村長は外出して不在だった。
ではここで待たせてもらうと、座敷にあがると床の間に向って結跏趺坐した。

村長が帰宅した

「はい、わたくしです」
「あなたさまのようなおえらい和尚様を私どもはとてもお迎えできません」
「いやいや、私はえらい坊主なんかじゃない。何も気を遣ってもらわんでもよい。
ただ、おいてもらいさえすればよろしい」
「それでも、へえ、ここは実は貧乏な村でして、とても待遇はできませんので」
その晩、総代が何人か集まって
「わざわざこんな山奥においでいただきましたが、あなたさまのようなおえらい和尚さまは、このようなお寺ではとても辛抱願えないと存じますので・・・」
「ああ、そうか」
興道はこの一語を残して去った。

考えあぐねて法隆寺へ行き、佐伯大僧正にお目にかかり、吉野の空き寺は不合格で落第した。
法隆寺の末寺、成福寺が空き寺になっていて、自分をあそこに入れてくれないかと頼んだ。



「私は死んでしまうつもりであった。どっちがよかったかしらぬけれども、あそこで死んだら栄養失調で死ぬわけだった。とにかく梅干しと大根おろしでたいがい暮したんじゃから」





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最終更新日  2025.03.31 13:00:10


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