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2025.09.28
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カテゴリ: 報徳記を読む
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二宮翁夜話巻の2




極楽といっても珍らしい事があるわけではない。
人皆それぞれ自分の家や田畑は、作物のできる徳がある。
自分の商売や職業は、利益がある。
自分の家屋敷は、安宅となる。
自分の家財は、身の用便となり、
自分の親兄弟は、身に親しく、
自分の妻子は、身に楽しく、
また田畑はうるわしく米麦百穀を産出し、山林は繁茂して良材を出す、これを赤色には赤光があり、青色には青光があるというのだ。
このようであれば、この土はすなわち極楽である。
この極楽を得る道は、おのおの受け得たところの天禄の分内を守ることにある。
もし一度天禄の分度を失なうならば、
自分の家や田畑は作徳にならず、
自分の商売、自分の職業は利益にならず、
自分が安住するべき家屋敷は自分が安宅にならず、
自分の家財は身の用便にならず、
自分の妻子親族も楽しくなく、
また田畑は荒れて米麦を生ずることなく、
山林は藤たつたにまとわれて野火に焼けて材木を出さない、
これを赤色には赤光がなく、青色には青光がないというのだ。
苦しみはこれより大きいものはない。
これがいわゆる地獄である、
餓鬼界に落ちるものは、飢えて食べようとすると食べ物がすぐに火となり、
のどがかわいて飲もうとすれば水がすぐに火となるという。
これは人々が天より賜わった、父祖より請け伝えた天禄を利息に取られ、賄賂につかって、自分の衣食が足らないのと、何が異なろう。
これが苦しみの極みではないか。
私の仕法はお経を読まず念仏も題目も唱えないで、この苦罪を消滅させて極楽を得させ、青色をして青色あらしめ、赤色をして赤色あらしめようという大道である。



仏教に極楽世界の事を説きて、赤色(しやくしき)には赤光(しやくくわう)有り、青色(せいしき)には青光(せいくわう)ありと云へり。
極楽といへ共珍らしき事あるにあらず、人皆銘々己が家株田畑は、己に作徳あり、己が商売職業は、己に利益あり、己が家屋敷は、己が安宅(あんたく)となり、己が家財は、己が身の用便になり、己が親兄弟は、己が身に親しく、己が妻子は、己が身に楽しく、又田畑は美はしく、米麦百穀を産出し、山林は繁茂して良材を出す、是を赤色には赤光あり、青色には青光ありといふなり。
此の如くなれば、此の土則ち極楽なり。
此の極楽を得るの道、各受け得たる天禄の分内を守るにあり。
若し一度(たび)天禄の分度を失はば、己が家株田畑己が作徳にならず、己が商売己が職業己が利益にならず、己が安住すべき家屋敷己が安宅にならず、己が家財己が身の用便にならず、己が妻子親族も己に楽しからず、又田畑は荒れて米麦(べいばく)を生ぜず、山林は藤蔦(ふぢつた)にまとはれ野火(のび)に焼けて材木を出さず、是を赤色には赤光なし、青色には青光なしといふ、苦患(くげん)是より大なるはなし、則所謂(いはゆる)地獄なり、餓鬼界(がきかい)に落つるものは、飢へ喰(くら)はんとすれば食忽(たちまち)に火となり、渇(かつ)して飲まんとすれば水直ちに火となると云へり、是則ち人々天より賜はり、父祖より請け伝へたる天禄を利足に取られ賄賂(わいろ)に費し、己が衣食の足らざるは、何ぞ是に異らん、是れ苦患の極にあらずや。
夫れ我が仕法は経を読まず念仏も題目も唱へずして、此の苦罪を消滅せしめて極楽を得させ、青色をして青色あらしめ、赤色をして赤色あらしむるの大道なり。






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最終更新日  2025.09.28 00:00:19


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